[ 政治・経済 ]
(2017/7/6 05:00)
日本の提案に基づき大人用紙おむつの国際規格が改定された。「挿入式」など日本で普及する構造を国際標準化機構(ISO)が新たに認め、規格に盛り込んだ。日本発の構造は「テープ止め型」が大半を占める欧米製品と比べ、装着者の症状や生活環境に合わせたきめ細かい高齢者介護が可能。欧米、アジア向けに日本式介護の輸出を目指す国内企業にとって、追い風になりそうだ。
ISOは、最終国際規格案が専門委員会(TC)メンバーに承認されたことを受け、大人用紙おむつの評価方法に関する規格「ISO15621」を改定し、発行した。従来は身体にテープで固定するタイプのみを想定していたが、今回初めてパンツ型やテープ止め型のおむつに吸着パッドを挿入するタイプなど、日本発の多様な構造を規格化した。
欧米では挿入式などが普及していないため、テープ止め型だけが国際規格の対象という状態が長らく続いていた。日系メーカーにとって海外展開の障壁となっていたためユニ・チャームと日本衛生材料工業連合会が経済産業省の協力の下、挿入式などを提案。2014年にISOの「TC173」で新規提案として承認された後、審議や規格案作成などを経て発行に至った。
日本のおむつメーカーは、パンツ型やテープ止め型、吸着パッドなどを組み合わせた多様な製品を展開。被介護者に合わせてきめ細かく対応する日本式の考え方が海外で浸透すれば、おむつにとどまらず、さまざまな介護関連製品の拡販につながる可能性もある。
(2017/7/6 05:00)