今回は夏風邪の一種である、手足口病とヘルパンギーナについて書いていこうと思います。
特にお子さんで夏に流行します。
大人にもうつることがあるので注意しましょう。
手足口病とヘルパンギーナは夏風邪とも言われているものですが、それぞれ似ている症状と異なる症状があるのでぜひ参考にしてくださいね。
手足口病
手足口病の概要
夏から秋によくみられる季節性のウイルス疾患です。
(※たまに冬にも流行することがあります)
原因のウイルスは「コクサッキーウイルスA6、A16」「エンテロウイルス71」が主です。
このウイルスの「エンテロウイルス71」は髄膜炎(ずいまくえん)・脳炎などの合併症に注意しましょう。
原因ウイルスはいくつかありますので、同じ年に2回かかることもあります。
無菌性髄膜炎とは
無菌性髄膜炎とは、骨髄液や血液中に細菌が存在していないのに、髄膜炎のような発熱、頭痛、意識障害などが現れる症状です。
しっかりと治療をすることで1~2週間ほどでよくなることが多いです。
ただし、無菌性髄膜炎が回復した後に「てんかん」になるという報告もあるので予後の観察もしっかりしていきましょう。
頭痛や吐き気、嘔吐が現れ、不機嫌であったりぐったりして元気がなくなってきたら要注意ですので早めの受診をオススメします。
手足口病の症状の特徴
ウイルスの潜伏期は約4~6日ほどです。
手・足・口に水疱やポツポツがみられるのが特徴で、その中でも主に「手のひら」、「足の裏」、「関節部分」、「おしり」にみられることが多いです。
口の中では、「頬の粘膜」、「舌」、「口の中の上側」に現れます。
熱は微熱が多いのですが、場合によっては高熱が2~3日続くこともあります。
手足口病の治療方法
基本的には薬での治療は必要ないとされています。
皮膚の水疱への治療も特に必要はないとされています。
基本的に抗生物質もいりません。
ただし、医師によっては2次的な感染を防ぐために抗生物質を出すこともありますので、そこは医師の判断になります。
(※抗生物質でウイルスは倒せません!)
熱が高い時には解熱鎮痛剤をとんぷくで使うことがあります。
お子さんの場合は、粉or錠剤の「カロナール(アセトアミノフェン)」や、坐薬の「アンヒバ、アルピニー(アセトアミノフェン)」を使用するのが一般的です。
また、のどの痛みが強くて水分補給ができなく、脱水状態になっている時は、病院で点滴をする場合もありますので医師の判断に任せましょう。
脱水状態の子に点滴をすると、元気になることも多いです。
生活のアドバイス
・のどの痛みなどがあるので、熱い飲み物や食べ物、塩辛いものは避ける方が望ましいです。プリン、アイス、ヨーグルト、豆腐など冷たく、本人が食べたいものをあげましょう。
・痛みが強くて水分が摂れないようであれば、脱水が心配なので受診しましょう。
・熱が高かったり、吐き気、顔色が悪いなどの状態であれば、合併症に注意するためにも早めに受診しましょう。
・平熱で、食欲もあり、元気があれば、登園、登校は可能です。水疱の有無は問いません。ご自身での判断が難しい時は、医師に相談してください。
ヘルパンギーナ
ヘルパンギーナの概要
これも夏風邪の一種です。
特に乳幼児の間で流行しやすいです。
原因のウイルスは「コクサッキーウイルスA群」が主です。
他にも「コクサッキーウイルスB群」、「エコーウイルス」などが原因となります。
原因ウイルスはいくつかありますので、同じ年に2回かかることもあります。
また、ヘルパンギーナも無菌性髄膜炎(ずいまくえん)を合併することがあるので注意しましょう。
無菌性髄膜炎とは
無菌性髄膜炎とは、骨髄液や血液中に細菌が存在していないのに、髄膜炎のような発熱、頭痛、意識障害などが現れる症状です。
しっかりと治療をすることで1~2週間ほどでよくなることが多いです。
ただし、無菌性髄膜炎が回復した後に「てんかん」になるという報告もあるので予後の観察もしっかりしていきましょう。
頭痛や吐き気、嘔吐が現れ、不機嫌であったりぐったりして元気がなくなってきたら要注意ですので早めの受診をオススメします。
ヘルパンギーナの症状の特徴
突然の発熱から始まり、38~40℃の高熱が2~3日続くことが多いです。
吐き気や腹痛が現れたり、場合によっては熱性けいれんを起こします。
口中ののど側に小さい水疱や赤み(潰瘍)が数個みられます。
時に、10個以上みられることもあります。
手足口病との違いは、手のひらや足の裏に水疱が現れません。
ヘルパンギーナの治療方法
手足口病と同じく、基本的には薬での治療は必要はありません。
また、抗生物質もいりません。
ただし、医師によっては2次的な感染を防ぐために抗生物質を出すこともありますので、そこは医師の判断になります。
(※抗生物質でウイルスは倒せません!)
熱が高いことが多いので、解熱鎮痛剤をとんぷくで使うことがあります。
熱が高いと、体力が消耗されてしまうためです。
熱の目安としては38.5℃以上での使用が一般的ではありますが、それよりも低くても辛そうであれば使って大丈夫です。
逆に38.5℃以上あっても元気であれば使わなくても構いません。
お子さんの場合は、粉or錠剤の「カロナール(アセトアミノフェン)」や、坐薬の「アンヒバ、アルピニー(アセトアミノフェン)」を使用するのが一般的です。
またこれも、のどの痛みが強くて水分補給ができなく、脱水状態になっている時は、病院で点滴をする場合もありますので医師の判断に任せましょう。
生活のアドバイス
・解熱薬は使い過ぎないようにしましょう。(子ども場合は1日2回程度までが望ましいですね)
・夏場にかかることが多いので、部屋の温度を快適にして、氷枕などで冷やしてあげることもいいですよ。
※部屋を暑くしたり、たくさん洋服を着させて汗をたくさんかくことは、現在では良くないとされています。あくまでも快適に過ごせることが大切です。
・のどの痛みがあるので、冷たいプリン、アイス、ヨーグルト、豆腐などのどにしみなく、食べやすいもをオススメします。
・水分補給も大切ですので、イオン飲料(OS-1など)、麦茶、牛乳など飲みやすいものをオススメします。
最後に
今回は夏風邪で有名な手足口病とヘルパンギーナについて説明しました。
お子さんの場合、どこでウイルスをもらってくるか分かりませんよね。
手洗い、うがい等予防も大切ですが、病気にかかってしまった後の生活環境も大切になります。
子どもは風邪を引くものです。しょうがないのです。
その風邪を悪化させないためにも迅速な対応を心がけましょう。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。