はじまりはじまり~
むかーしむかし,あるところに,おじいさんとおばあさんが仲良く暮らしていました(民法752条,夫婦の同居義務)。
ある日,おじいさんは山へ柴刈りに(民法263条,入会地の利用),おばあさんは川へ洗濯に(河川法29条)いきました(憲法27条1項,勤労の義務)。
おばあさんが川で洗濯をしていると,ドンブラコ,ドンブラコ(小型船舶の登録等に関する法律2条参照)と,上流の方から大きな桃(民法88条1項,天然果実)が流れてきました。
「おやおや,大きな桃だこと。家に持ち帰ったらじいさんが喜ぶね(犯意の徴表。刑法43条参照)」
おばあさんはその大きな桃を拾い上げて(実行の着手,刑法43条),家(生活の本拠。民法22条参照)に持ち帰りました(民法239条1項,無主物先占)。
おじいさんとおばあさんが桃を食べようとして桃を切ってみると(実行の着手,刑法43条),中から元気のよい男の赤ん坊が飛び出してきました(出生,民法3条)。
「これは神さまがくださった授かりものだ(信教の自由,憲法20条)」
桃から生まれた男の子は桃太郎と名付けられ(戸籍法50条1項),おじいさんとおばあさんとで育てることにしました(民法817条の2,特別養子縁組)。
桃太郎は元気に育って,立派に成長しました(親の子に対する監護養育義務,民法820条)。
14歳(刑法41条参照)の誕生日を迎えた日,桃太郎は言いました。
「鬼ヶ島へ行って,鬼を退治したいです!(憲法21条1項,表現の自由)」
快く認めてくれたおじいさんとおばあさんに,身支度(民事執行法131条1号参照)を調えて貰いました。
桃太郎は,おばあさんにきび団子(主要食糧の需給及び価格の安定に関する法律施行令1条2項4号)を作ってもらうと(贈与契約,民法549条),鬼ヶ島へ出かけました(憲法22条1項,居住移転の自由)。
旅の途中で,桃太郎はイヌ(狂犬病予防法2条1項1号)に出会いました。
「桃太郎さん,鬼ヶ島へ行くのですか?(誘導尋問,刑事訴訟規則199条の3 第3項柱書)」
「そうさ,鬼ヶ島に鬼退治に行くんだ。おともに来ないかい(謀議行為)」
「それでは,お腰に付けたきび団子を1つ下さいな(謀議行為)」
イヌ(道路交通法14条2項)はきび団子をもらい(共謀の完成),桃太郎のおともになりました(民法239条1項,無主物先占)。
そして,今度はサル(特定外来生物による生態系等に係る被害の防止に関する法律施行令別表二 一)に出会いました。
「桃太郎さん,どこに行くのか答えてもらうことはできますか?(オープンクエスチョン)」
「鬼ヶ島に鬼退治に行くんだ。おともに来ないかい(契約の申込み)」
「それでは,お腰に付けたきび団子を1つ下さいな(申込みに変更を加えた承諾,民法528条)」
サル(宇陀市有害鳥獣駆除事業補助金交付要綱4条3号)はきび団子をもらい(桃太郎が交付した時点で契約の承諾),桃太郎のおともになりました(民法239条1項,無主物先占)。
最後に,キジ(鳥獣の保護及び狩猟の適正化に関する法律施行規則10条の表の右欄)に出会いました。
「キジさん,おともに来ないかい。高級デパートのデパ地下で買ったきび団子だよ(詐欺罪にいう欺罔行為)」
「桃太郎さんが行こうとしているのは鬼ヶ島ですね?(許される誘導尋問,刑訴規則199条の4第3項)」
「そうだよ」
「それでは,お腰に付けたきび団子を1つ下さいな。そんな高そうなきび団子ならぜひおともしますよ(詐欺罪にいう錯誤)」
キジ(絶滅のおそれのある野生動植物の種の保存に関する法律施行令別表第二 表一 第一 二(七))はきび団子をもらい,桃太郎のおともになりました(民法239条1項,無主物先占)。
こうして,イヌ(四日市市犬猫の避妊等の手術費補助金交付要綱1条),サル(みなかみ町猿の餌付け禁止条例2条),キジ(双葉町の町の花,木,鳥3項)の仲間を手に入れた(凶器準備集合罪,刑法208条の3)桃太郎は,ついに鬼たちの住む鬼ヶ島へたどり着きました(刑法130条前段,住居侵入罪)。
鬼ヶ島では,鬼たちが近くの村(天草市とどろき万太郎村条例2条)から奪ってきた(刑法236条,強盗罪)宝物(宗教法人法12条1項8号)やごちそうをならべて,酒盛り(とちぎの地元の酒で乾杯を推進する条例1条)の真っ最中で,大声を出して楽しそうに飲んでいました(酒に酔つて公衆に迷惑をかける行為の防止等に関する法律4条)。
「おい桃太郎が来たぞ! 者どもかかれ!」(決闘罪,決闘罪ニ関スル件1条)
イヌ(遠軽町犬又はねこの愛護及び管理に関する条例1条)は鬼のお尻(軽犯罪法1条20号参照)にかみつき(傷害罪,刑法204条。ただし強盗致傷罪に吸収される。),サル(設楽町有害鳥獣捕獲奨励金交付要綱別表二)は鬼の背中をひっかき(傷害罪,刑法204条。ただし強盗致傷罪に吸収される。),キジ(能代市の「花」「木」「鳥」3項)はくちばしで鬼の目をつつきました(傷害罪,刑法204条。ただし強盗致傷罪に吸収される。)。
そして桃太郎も刀をふり回して(暴行罪,刑法208条。ただし強盗致傷罪に吸収される。)鬼に立ち向かいました。
鬼の親分(民法715条参照)が,
「いや,まいった,まいった。降参だ,助けてくれー」
と,手をついて謝りました(犯罪捜査規範200条3号参照)。
桃太郎たち一行は,鬼から取り上げた宝物(宮内庁法2条18号参照)を車(軽車両,道路交通法2条1項11号)に積んで,近くの村に返しに行きました(以上,強盗致傷罪,刑法240条)。近くの村(町田市自然休暇村条例1条参照)の人々は喜んで,桃太郎にたくさんの謝金(予算決算及び会計令51条8の2)をあげました。
桃太郎は謝金を持ち帰っておじいさんとおばあさんと豊かにくらしましたとさ(幸福追求権,憲法13条参照)。
(以上,著作権の保護期間経過による消滅(著作権法51条2項,52条等)していることから,許諾なく二次的著作物(2条1項11号)として著作したもの。)