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イーグルVSスーパーホーネット
垂直尾翼に九つの鬣の白頭鷲が描かれたイーグルが、ハンガーから灼熱のエプロンに引き出される。颯は1番機に、黎児は2番機に向かい、担当の機付き整備員と敬礼を交わした。固定装備のM61A1・20ミリ機関砲が940発。胴体真下のSta5に、610ガロンハイGタンク。左右主翼付け根付近のSta2とSta8に、AAM‐5・04式空対空誘導弾のキャプティブ弾。それら要撃戦闘訓練時の兵装が、機外装備の搭載ステーションに装備されている。
前部カナード翼の切り込みが外観の特徴の、青い塗装の訓練弾はキャプティブ弾と呼ばれ、炸薬や推進装置が入っていないため発射はできないが、先端のシーカーは生きているから、赤外線目標を検知することができる。どの装備も最新の演習評価システムとデータリンクしているので、実際に発射しなくても命中と被弾が分かるようになっているのだ。
外部点検を終えた颯はコクピットに乗り込んだ。ベルトとハーネスを固定した颯はヘルメットを被る。前方への張り出しが大きいこのヘルメットは、HUDの機能をヘルメットに移した、ヘルメット装着型表示装置《HMD》を採用した、最新式のヘルメットだ。
米軍で使われている、統合ヘルメット照準システムと同等の機能を持ち、ヘルメットのバイザーに各種情報が投影される仕組みになっていて、AAM‐5のようなオフボアサイト能力を持つ、ミサイルの誘導に効果的な、照準システムとされている。ちなみにF‐35のHMDは、表示される情報をHUD並みに拡充してHUDを廃止させ、機体6箇所に設置した赤外線カメラで仮想画像を作り出し、機体が邪魔して見ることができない、前下方や後下方も見ることができる。それにより真後ろにいる敵機を、ロックオンすることができるらしい。
70項目のチェック完了、エンジンスタートとタキシーチェックも完了したので、颯は整備員に車輪止めを外してもらい、タキシングを開始した。ブレーキを踏んで動作確認、飛行計器も正常だ。滑走路に進入する前のアーミングエリアで、列線整備員と武器小隊の整備員に、外部点検とミサイルの安全ピンを抜いてもらい、颯は1番機を滑走路に進入させた。
颯は滑走路上でブレーキを踏み込み、左右のスロットルレバーをミリタリーパワーまで前進させて、回転計、油圧計、燃料流入計、ファンタービン入り口温度計をチェックする。回転数90パーセント以上、タービン入り口の温度は322度。どちらも正常だ。離陸準備はすべて整った。颯は基地管制塔に無線で呼びかけた。
『ワルキューレ01、那覇タワー。ツーイーグル、ハイレートクライムテイクオフ』
『那覇タワー、ワルキューレ01、ツーイーグル。ウインド・ツー・スリー・ゼロ・ディグリーズ・アット・スリー・ゼロノッツ。ランウェイ36、ハイレートクライムテイクオフ』
『ワルキューレ01、ラジャー。ツーイーグル、ランウェイ36、ハイレートクライムテイクオフ』
踏み込んでいたブレーキから足を離した颯は、スロットルを80パーセントに上げて、ミリタリー位置までレバーを押し上げた。双発のエンジンの回転数が上昇。AN/AWG‐20プログラム可能型兵装操作セットの右側にある、速度・マッハ計と迎え角度指示計の針が、一気に跳ね上がった。双発のF100‐IHI‐220Eエンジンから放たれる震動が、機体を前後左右に揺らす。1番機は前方へ跳び出すようにランディングを開始した。前方から押し寄せる重力加速度が、颯の身体を座席に叩きつける。HMDの青みがかったバイザーに映る、速度スケールが一気に増えていった。
時速120ノットを迎えた瞬間に颯は操縦桿を手前に引く。離陸した1番機は、機体上面にベイパーの虹を美しく輝かせながら、空を貫くようなハイレートクライムで一気に上昇していく。フラップアップ、250ノットになる前に車輪を格納。350ノットを維持しながら上昇を続ける。ややあって黎児が乗る2番機も、ハイレートクライムで離陸してきて颯と合流した。基地を離陸した二機は、那覇DEPからGCIで南西航空混成団オフサイドと交信するよう指示を受け、訓練空域までレーダーモニターされながら飛行を続けた。
今回の異機種間戦闘訓練は、中立状態から始まる「ニュートラル」で行う。互いに同じ周波数で会話ができる状態にして、赤編隊と青編隊に分かれて、訓練空域の両端から見合い、「ファイツ・オン」のコールで、互いに突撃して戦闘に入る。すれ違ったら互いの背後を取るように機動して、押さえこみながらミサイルや機関砲の射撃を繰り返す。そして相手を確実に撃墜できたと思ったら、「スプラッシュ!」とコールして勝利を宣言する。これが通常行われている、空自の戦闘訓練だ。
那覇基地を離陸した二機は訓練空域に到着した。先行して離陸していた二機のスーパーホーネットが、反対方向に旋回していくのが見える。空域の端に到着した颯と黎児も、旋回して向きを変えた。しばらくしてレーダーディスプレイに赤の菱形シンボルが現れた。方位はトゥエルブ・オクロック。少しずつだが確実に近づいている。
『ワルキューレ02、ゴー・トレール』
颯は黎児にトレール隊形にしろと指示を出した。トレール隊形は隊長機が30秒ほど先行する隊形だ。こうすれば先行機が敵機を視認する「アイボール」となって、後続の機体に注意を促すことができ、相手が先行機に食いついた場合は、後続機が「シューター」となって、敵機の背後に回り挟みこめる。この場合引きつけ役となったアイボールは、即座に離脱してシューターの支援に入る。逆に相手がシューターに食らいついたら、アイボールは引き返してシューターとなればいいのだ。「ツー」と返した黎児の2番機は、やや速度を落として1番機との距離を置いた。
青空の遥か彼方に二つの黒点が現れた。黒点は迷うことなく、こちらを目指して真っ直ぐ飛んでくる。大型の直線翼が陽光に煌めく。丸みを帯びたストレーキと、外開きの双垂直尾翼が、颯の視界に入った。ファイツ・オンのコールで増速した四機は前進を続け、目にも止まらぬ速さで交差した。腹を見せるナイフエッジで、オブライエン中佐とすれ違った颯は、彼の背後を取ろうと最大Gの急旋回に入った。だがオブライエン中佐も、颯の背後を取ろうと旋回を続けているので、二機の軌道は空に丸い円を描いているようになっている。
操縦桿を引いた黎児は2番機を急上昇させた。中天でループを打ち背面で状況を確認しながら、オブライエン中佐の後方を狙う。黎児はオブライエン中佐の旋回のタイミングを計りながら、速度・ピッチ角を調整してループを打つ。颯と巴戦を続けるオブライエン中佐の斜め後方に、黎児が降下しようとしたその瞬間、コクピットにレーダー警報装置の悲鳴が鳴り響いた。黎児は素早くコンソール右側のRWR表示装置を見やる。するとシックス・オクロックの方角に、赤い菱形シンボルがはっきりと映っていた。
(シックス・オクロック――! 後ろだって!?)
眼下に広がる雲海の一部が弾け飛び、ガブリエル中尉が乗るスーパーホーネットが、黎児の背後に躍り出た。黎児はガブリエル中尉と交差した瞬間を確かにこの目で見た。それなのにいつの間に、雲海の中に身を潜めていたのだろうか。不意打ちを食らったにもかかわらず、黎児の思考は冷静だった。黎児は瞬時に旋回方向を切り返すと、ガブリエル中尉の後ろ上方を狙うように機動した。防御機動の一つシザーズだ。
しかしシザーズで勝負を仕掛けたものの、黎児は有利な位置を掴めない。黎児は交差直後の交差角が最大となるタイミングで、真っ直ぐにアンロード加速して離脱した。そのまま左右のアフターバーナーを開放し、ガブリエル中尉の猛追から逃れようと試みる。だが高度差があるぶん彼のほうが優速だ。左右のスリップで攪乱を狙うこちらの動きに合わせて、機体の軌道を修正したガブリエル中尉は、短距離ミサイルの有効射程まで距離を縮めてきた。
ミサイルアラートがコクピットに鳴り響く。それと同時に円形ディスプレイの頂点近くで、赤い輝点が明滅した。HMDに「LOCK」の文字が素早く表示される。黎児はロックオンされた。ガブリエル中尉は、レーダーを捜索モードから照準モードに切り替え、パルスを連続的に浴びせきているのだ。警告音が次第に大きくなっていく。今頃コクピットのガブリエル中尉は、勝利を確信した表情で、操縦桿のミサイル発射スイッチに、人差し指を乗せているに違いない。
一方その頃、颯はオブライエン中佐の後ろ上方のコントロールゾーンに、1番機を滑り込ませることに成功していた。あとはひたすらプレッシャーをかけて追跡すれば、攻撃の機会は必ず巡ってくるだろう。だがその予想は裏切られた。この高度では最適に近い速度で旋回しているにも関わらず、オブライエン中佐は颯の天頂近くまで移動したのだ。このまま続けると形勢が逆転してしまう。セオリーではここでウイングマンの黎児が、上空を塞ぐ格好で占位して、いつでも離脱できるようにしているはずなのだが、向こうも牽制どころではないレベルで、ガブリエル中尉に捕まっていた。
このままでは黎児が撃墜されてしまうかもしれない。今のタイミングなら、オブライエン中佐がこちらの離脱に気づき、追いかけるにしてもワンテンポ遅れて逃げ果せられる。そう判断した颯は追跡を打ち切り、オブライエン中佐と逆向きに機首を巡らせて、アンロード加速で失った機速を回復したあと、黎児のほうに機首を向けた。だが黎児とはおよそ9キロ引き離されていて目視できない。黎児のほうに向かう最中にIEWSが、後方からレーダー誘導ミサイルが撃たれたことを警告してきた。
しかしすでに相手とは20キロ以上離れており、この距離で後方から撃たれるぶんには、有効射程は3分の1から4分の1程度に短くなるので、この距離ならECMのみで充分対処できた。6キロまで近づくと、ようやく状況が分かった。黎児はガブリエル中尉にコントロールゾーンに侵入されて、少しずつ追い込まれているところだった。短距離射程ミサイルを選択、颯は黎児に指示を出すと同時にミサイルを発射した。
『ワルキューレ01、フォックス・ツー! ファイアフライ、ブレイク!』
颯のミサイル発射宣言が空域に響き渡る。ミサイルの発射距離は些か遠かったが、牽制としては充分に役立った。危険を感じたガブリエル中尉は、急いで上昇反転して黎児から離れていく。発射されたミサイルは赤外線誘導されたが、案の定力尽きて落ちていった。
黎児は颯とすれ違い降下していく。後方に離脱していったガブリエル中尉が追いついてくるまで1分弱。それまで1対1の態勢で戦える。颯が撃ったM61A1・20ミリ機関砲を、エルロン・ロールで回避したオブライエン中佐は、1番機のほうに向き直った。追いついてくるガブリエル中尉が、颯の後方からくる形となるので、時間差がつくが挟撃できると判断したのだろう。
ハイGターンで旋回したオブライエン中佐は、颯の側面に回り込もうとした。速い。颯が気づいた時には、もうロックオンアラートが鳴り響いていた。颯はチャフをばら撒いてミサイルを回避する。パワーダイブで急降下、稼いだ運動エネルギーを今度は前進につぎこんだ。だがオブライエン中佐はエンジンを全開にして追従してくる。背後を取られている以上、ミサイルの誘導距離はオブライエン中佐のほうが短い。なんとかもう少しよい位置を取れないか。後ろは無理にしても横並び、あるいは上下のラインが理想なのだが。
(くそっ! 視界に捉えさえすれば、HMDの視線照準モードでロックオンできるのに――!)
颯が悔しさで歯噛みしたその時だ。黎児の声がヘルメットイヤフォンに響いた。
『颯! 縦に8の字びっくり大作戦だ!』
『縦に8の字びっくり大作戦? 分かるように言えよ!』
『お前にしかできない機動だよ! 頼む! 俺を信じてくれ!』
自分にしかできない縦に8の字の機動。瞬間颯の脳裡に閃きが走った。颯はVSD液晶画面に視線を当てる。味方を示す緑色の菱形シンボルが、斜め下方から近づいてくる様子が視野に入った。黎児が乗る2番機だ。先程まで20キロは離れていたが、高速でこちらに接近してくる。颯はバックミラーに視線を上げて、オブライエン中佐との間合いを測った。後方5キロ。だがさらに距離が縮まる。VSD液晶画面の黎児の位置は斜め左下10キロ、セブン・オクロックの位置だ。颯は機体をやや右に傾けてから、操縦桿を手前まで一気に引き、インメルマンターンの機動に入った。
『いくぞ! 黎児!』
『おうよ!』
インメルマンターンで上昇した颯は、間髪入れずにもう一度インメルマンターンを繰り出し、続いて二回のスプリットSで一気に降下した。颯が繰り出したのはバーティカル・キューバン・エイト。ブルーインパルスの曲技飛行である。同じインメルマンターンで追跡してきたオブライエン中佐は、まさか颯がインメルマンターンを二回繰り出すとは思わず、たちまちオーバーシュートしてしまった。そこにガブリエル中尉を振り切った黎児が、アフターバーナー全開で突っ込んでくる。オブライエン中佐が反転する前に、黎児はスーパーホーネットをロックオンした。
『ワルキューレ02、フォックス・ツー! スプラッシュ・ワン!』
黎児の撃墜宣言が空域に響き渡る。要撃管制官に撃墜認定されたオブライエン中佐は、空域を離脱していった。スプリットSの降下を終えたばかりで、まだ機体の体勢を整えられていない颯に、背後から高速で迫るガブリエル中尉が砲撃の牙を剥く。まさに絶体絶命の状況だ。だが颯は諦めていなかった。なぜなら自分には、心から信頼するウイングマンがいるのだから。
『黎児! あとはお前に任せたぞ!』
『ああ! お前の背中は俺が守ってやるよ!』
レター・エイトさながらに急旋回した黎児は、颯の真下を駆け抜けると一気に急上昇して、釣瓶落としで迫りながら、AAM‐5・04式空対空誘導弾のキャプティブ弾を発射する。正面から進撃するミサイルは、驚異的な速度で彼我との距離を詰めて、ガブリエル中尉もろともスーパーホーネットを撃墜した。撃墜認定されたガブリエル中尉が空域を離脱していく。そしてこの瞬間、颯と黎児は見事勝利を掴み取ったのだ。颯の横に並んだ黎児が「やったな!」と親指を立てる。颯も同じく親指を立てた。両翼端から白い航跡雲を曳きながら、二機の戦乙女のイーグルが翔ける空は、美しく青く澄み渡っていた。
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高く晴れ渡る沖縄の青空に爆音を響かせながら、颯と黎児は那覇基地に帰投した。高い高度と速度で滑走路上空に接近、滑走路上で大きく旋回を行って減速して、高度下げつつトラフィックパターンに進入しながら、360度のオーバーヘッド・アプローチで着陸態勢に入る。先頭を飛ぶ颯が最初に着陸して、それに続くように黎児も着陸した。
滑走路をいっぱいに使って減速、滑走路の端で方向転換して誘導路をタキシングする。エプロンにイーグルを駐機した颯は、スイッチを押してコントロールハンドルを引き出し、ハンドルを後方に回してキャノピーを開放した。颯は梯子を使いエプロンに下りる。ほとんど9Gに近い激しい機動を繰り返したせいか、全身の筋肉と骨が悲鳴を上げている。汗が噴水のように噴き出して止まらない。我慢できなくなった颯は、救命胴衣の留め具を外し、汗でびっしょりになったパイロットスーツの、ジッパーを下ろして胸元を全開にした。
「まさかアクロバットを繰り出してくるとはな! ブルーエンジェルズもアメイジングだぜ、ジャパニーズボーイ!」
スーパーホーネットから降りたオブライエン中佐が、颯のところにやってきた。颯と同じく汗びっしょりのオブライエン中佐は、口笛を吹きながら「WOW!」と驚いている。両手を広げて驚く仕草は、ややオーバーリアクション気味で、日米の文化の違いを感じさせた。闊達な笑みを浮かべたオブライエン中佐が、颯の眼前に右手を差し出す。颯はまた股間を掴まれて揉まれるのかと警戒したが、オブライエン中佐は笑いながら首を振った。
「久しぶりにいい汗を掻いたよ。今回は俺たちの負けだが、次に戦う機会があったら、俺たちが勝つからな!」
「いつでも受けて立ちますよ」
不敵に笑った颯はオブライエン中佐と固い握手を交わした。いい汗を掻いたのはこちらも同じだ。アメリカ海軍の戦闘攻撃飛行隊と訓練できる機会なんて滅多にない。
「おい! 大丈夫か――うわわっ!?」
慌てふためく黎児の声が聞こえた。エプロンに座り込んだ黎児と、彼の胸にもたれかかったガブリエル中尉が、振り向いた颯の視界に映った。側に駆けつけた颯は何事かと黎児に尋ねる。スーパーホーネットから降りたガブリエル中尉が、急に前によろめいたのを見て、偶然近くにいた黎児は彼を支えようとした。しかし9Gに近い機動で疲労した身体が言うことを聞かず、黎児はガブリエル中尉と一緒に倒れ込んでしまったらしい。
「野郎を抱く趣味なんてないっつーの。なあ、大丈夫か?」
愚痴を言いながら黎児がガブリエル中尉の細い肩を揺する。黎児の胸にもたれかかっていたガブリエル中尉は、ゆっくりと身を起こした。ガブリエル中尉はバイザーを上げると、灰色塗装のヘルメットを脱いだ。太陽の光のように輝く金色の髪に宝石を思わせる碧眼、薔薇の蕾のような唇がヘルメットの下から現れる。颯と黎児は揃って瞠目した。エンジェルのTACネームを持つジェイミー・ガブリエル中尉は、なんと男性ではなく若い女性だったのだ。
「Thank you very much,captain hotarugi」
ガブリエル中尉が眦を緩めて黎児に微笑む。薔薇色の唇が奏でた声は、湧き水のように澄んで透き通っていた。

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