アドリブ・シネマレビュー

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「悪名」梅に鶯、松に鶴

梅に鶯、松に鶴、
映画といえばニイタカヤマ
ちょっといい加減ですけど…

悪名

田中徳三 監督 / 1961年 作品

悪名

悪名

  • 田中徳三
  • 名作

天衣無縫の勝新太郎、「勝新」の出世作です。
今の人は知らない人もいると思いますが、中村玉緒の旦那さんです。中村玉緒もわからない場合はググって下さい。

若い頃はかなりキュートです。
(勝新じゃないですよ、玉緒さんのほうね)


勝新演じる、大阪八尾の百姓の倅「浅吉」が主人公です。 共演は、当時売り出し中の超イケメン田宮二郎です。

まぁ田宮二郎、シュッとしてめちゃくちゃイケメンです。 最近の若手のイケメンと呼ばれる人達とは格が違います。
残念ながら後年は仕事にも恵まれず、最後は猟銃自殺でこの世を去ってしまいました。
人生とはなんだろう、と真剣に考えてしまいますね。



腕っぷしが強くて女にもてもて、だけど義理人情にはからきし弱い そんなやくざな浅吉のお話です。


遊郭で出会った「琴糸」という遊女に惚れられます、浅吉も悪い気がする訳もなく相思相愛となります。
そんな中、飲み屋でのいざこざで「モートルの貞」(田宮二郎ですね)と争う事に、しかし浅吉が完勝。

浅吉はモートルの貞の親分吉岡惚れ込まれ、世話になる事になります。メジャーデビューというところでしょうか。
やがてその男気から貞にも慕われるようになります。

そこに琴糸が浅吉の元に逃げ込んでくる、商売女の悲しい定め因島の遊郭へ金銭トレードに出される事になったとのこと。
浅吉と貞はなんとか匿おうとするんですが、琴糸は結局因島へと連れていかれてしまいます。

吉岡の元を飛び出した浅吉と貞は因島へと琴糸を連れ戻しに出発します。

琴糸の運命はいかに、浅吉と貞は琴糸を連れ戻す事が出来るのか、っていうお話です。


因みにカラー作品です。念のため。


洋画や今時の邦画にちょっと飽きたなと思ったら、このくらいの古い日本映画もいいですよ。


外国の街並みとか、色んな文化とかに新鮮味を見出したくなって、外国作品を見るというのももちろん楽しいです。

莫大な予算をかけた豪快な作品も日本映画では中々見れないですし、そういうのを見てスカッとしたいときもあります。

もっと身近に恋やなやみを抱えた主人公に共感したくって最近の邦画を見るのもまた楽しです。

だけど、そういう作品に食傷気味になった時は古い日本映画を見て見るのも意外といいですよ。


古い日本の街並みや文化とか、常識とか道徳観とかも、やっぱり半世紀開くと空気感が違います。
現在と過去双方の、いろいろないいところよくないところを考えてみたりも出来ます。
あれです、あれ、温故知新です。

時の流れとはなんだろう、って哲学的な気分にも浸れたりしますよ。



さて、悪名シリーズは好評を博し、16作のシリーズとなりました。
一作目、二作目の「悪名」「続悪名」は後に続くシリーズとは少し毛色が違っておちゃらけ感も少なく、どこか文学的な香りすら漂います。

田宮演じるモートルの貞は、二作目「続悪名」で雨の中刺されて死んでしまいます。
このシーン、上からの俯瞰の長回しでカメラワークは芸術的です。


三作目の「新悪名」から田宮はモートルの貞の弟の清次として登場します。
渋い侠客だった貞と違って清次は「モダン」なお調子者となってます。

昔、ひょうきん族(時代を感じる…)でサンマがパロってたりもしたので、知っている人もいるかもしれないですね。

これ以降は路線変更もなく、シリーズどれを見ても大差はありません。


劇中で清次が言った、
「梅に鶯、松に鶴、浅吉には清次」
の言葉の通り名コンビとなりました。


「悪名」「続悪名」くらいは一度見ておくといいかもしれませんね。
なんせ玉緒ちゃん、
キュートですから





再びニイタカヤマです。
いつでもどこでも映画、見たいですよね。
Hulu ならいつでも映画が見れるんです。

というわけで…
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