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新年明けましておめでとうございます。昨年も一年間、世界のさまざまなところに出かけて平和、軍縮、脱原発などについて考えたり発言したりする機会をえました。その中でも印象に残ったのは、10月の国連総会の時期に、ニューヨークで「人道軍縮キャンペーンサミット」に参加し、その中で「殺人ロボット」に関する話を聞いたことです。 「人道軍縮キャンペーンサミット」とは、地雷禁止国際キャンペーン(ICBL)発足20周年にあわせて、世界的な人権NGO「ヒューマン・ライツ・ウォッチ」が中心となって組織したもので、対人地雷、クラスター弾、武器貿易等々、世界中で軍備の問題を「人道」の観点から取り組んでいるNGOが集まって経験を共有し運動戦略を話し合いました。核兵器の非合法化に「人道」の観点から取り組もうという核兵器廃絶国際キャンペーン(ICAN)もこのサミットに参加。私はピースボートおよびICANの両方の立場で参加しました。 このサミットでは、ICBLでノーベル平和賞を受賞したジョディ・ウィリアムズさんとゆっくりお話をする機会があり、その中で「日本のNGOは政府に対して即時原発ゼロを迫らなければならない!」と厳しく激励されました。(それがきっかけとなって、ジョディさんから「Nuclear Free Now脱原発世界会議2」に対してメッセージをいただきました。こちら▼) さて、同サミットの中で特別にフォーカスされた話題は「殺人ロボットの登場を食い止めよう」という国際キャンペーンです。現在、無人飛行機が軍事行動に利用されるなど「兵士を使わずに戦争を遂行する」ということが現実に進行していますが、これがさらに進んで「完全に自律的な殺人ロボット」が近い将来登場する可能性があるというのです。ターゲットとすべき相手に関する情報をプログラムで組み込めば、あとはロボットそのものが自律的に行動し判断を下してターゲットを殺すというものです。このような方向でロボット技術を展開させていくことは防がなければならない、というキャンペーンを人権団体が展開しています。 サミットの際には、ディナー時の特別ゲスト講演として、ニューヨーク大学(NYU)のフィリップ・オールストン(Philip Alston)教授からこの問題の最新の状況に関するお話をじっくりと聞くことができました。また、日中のセッションではシェフィールド大学のノエル・シャーキー(Noel Sharkey)教授や、この問題に取り組んでいるヒューマン・ライツ・ウォッチのスタッフの説明を聞き、Q&Aもできました。日本ではまだあまり知られていない分野だと思いますが、以前どこかのテレビ局で特集番組をやっていたような気もします。 英語になりますが、この問題が簡潔に分かるヒューマン・ライツ・ウォッチの動画や、関連記事を紹介します。 http://www.globalpolicyjournal.com/blog/22/11/2012/toward-ban-%E2%80%98killer-robots%E2%80%99 Toward a Ban on ‘Killer Robots’ Matthew Bolton - 22nd November 2012 Global Policy Journal |
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「運動の手法を議論する」ということ--実践的な議題の立て方をニューヨークの会議で学びました
昨年10月にニューヨークで参加した「人道的軍縮キャンペーンサミット」(詳しくはこちら)では、地雷、クラスター爆弾、武器貿易から核兵器まで、さまざまな軍備の管理、縮小、禁止を「人道」の見地から進めるキャンペーナーたちが世界中から集まりました。そのときの会議の議題の立て方が非常に印象に残ったので、紹介しておきます。 分科会は、よくありがちな「地雷」と「核兵器」とか、または「キャンペーン」と「ロビーイング」といったようなざっくりした分け方ではなくて、非常に具体的な細部にまで落とし込んだ議題... ...続きを見る |
川崎哲のブログ 2013/01/20 23:12 |
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