■「昼間特急」で行こう:上
「復興号」と名付けられた中国の新型高速鉄道車両CR400が6月末から、大動脈である北京―上海間(1318キロ)を走り始めた。習近平(シーチンピン)・国家主席が掲げる政治スローガン「中華民族の偉大な復興」にちなんで命名された。高速鉄道の開業時に政権を率いた胡錦濤(フーチンタオ)氏のスローガンに由来する「和諧号」は今後、復興号に置き換えられていくという。
■赤いラインの復興号
私が手にした切符は、7月3日、上海虹橋発北京南駅行きG4号。午後2時に出発し、午後6時49分に到着する。途中、南京南駅にしか停車しない。6月末に中国に住む知人にネットを通じて買ってもらったところ、飛行機のビジネスクラスのような商務席(1788元=約3万円)、一列4席の一等車(973元=約1万5千円)は売り切れ。一列5席の二等車(553元=約9千円)しかなかった。
上海市内から地下鉄を乗り継いで駅に着いたのは、発車の20分前。荷物検査を経て、窓口へ急ぐ。インターネット販売が普及したせいか、列が短くなった。パスポートを見せて切符を受け取り、1番ホームへ走った。
待っていたのは、白地に赤いラインの復興号。金色と聞いていたが、どう見ても赤い。ゆるやかな曲線を描く顔立ちだった和諧号の先頭車両に対して、心持ちシャープな気がする。
ほぼ満席で定刻に発車した。座席は和諧号より少し広めで、車内もいくぶんゆったりしている。ただ、新幹線の普通席に比べると、座席は足元を含めて窮屈だった。
二等車にもUSBの差し込み口…
残り:2815文字/全文:3460文字
新着ニュース
あわせて読みたい
※Twitterのサービスが混み合っている時など、ツイートが表示されない場合もあります。
朝日新聞国際報道部