英語はカタカナでは表せません。
耳で発音を聞きとると言っても、英語にあまり触れたことのない人には
同じような音に聞こえてしまうことが多く、なかなか難しいです。
さらに英語のスペルからは発音がわからないことも多いです。
そんな時に辞書を引いて発音がわかれば便利だと思いませんか?
発音記号は見たことのない変な記号があり、難しいものと思っていませんか?
でも発音記号のほとんどはアルファベットと同じ形をしています。
これらの発音は ローマ字読み と 一緒 と考えて大丈夫です。
a b d e f ɡ h i k l m n o p r s t u v w z
(もちろん l と r の区別や、bとvの区別などは気をつけないといけませんが)
発音記号で英語のアルファベットと違う形をした記号は
母音 ӕ ɑ ʌ ə ɔ
子音 ʃ ʒ θ ð ŋ j たったこれだけです。
ただ辞書によって、より詳しく区別し、別の記号を用いることがあります。
ɪ(i) ɛ(e) ɚ(ər) ʊ または U (u) *()内は区別のない辞書の表記
ここでは主にこのアルファベットと違う形をした記号の読み方を
できるだけ簡単に覚えやすく説明していきたいと思います。
こんなに覚えなきゃいけないの!?って思う人もいるかもしれません。
大丈夫。ほとんど見た目から音は分かるようになっています。
発音記号を知ることで発音の違いが見えてきます。
音声が聞きたい場合はこちらのサイトで単語を入力
スピーカーマークを押すと音声が流れます。
http://translate.google.co.jp/#en/ja/cat
母音
このページはアメリカ合衆国の標準発音GAを基本としています。
辞書に読み方が2つ書かれている場合、先に書かれているのが
アメリカ発音という場合が多いです。
ӕ アのようなエ
cat【kӕt】 map【mӕp】など「a」のスペルで表されることが多いです。
ӕはaとeがつながって1つになってるのがわかりますか?
アのようなエという意味です。
アみたいに口を大きく開けてエと言います。
catはkyatだと思ってる人もいるかもしれませんが
yなんて音はどこにも入っていません。k→ӕ→tの発音です。
ちなみにkとtは声をともなわない音なので
のどに手を当てて発音しても、手に振動が伝わりません。
唇を丸くすぼめずに、ささやき声で小さく「クッ」、「トゥッ」と発音します。
ささやき声で小さくクッ→アのように大きく口をあけてエ→ささやき声で小さくトゥッ
これをなめらかにつなげたものが【kӕt】の表す発音です。
関連知恵ノート:声を出さずに発音する!? 有声音と無声音
http://note.chiebukuro.yahoo.co.jp/detail/n46701
*語尾の子音、濁る音、濁らない音について説明しています。
実際の辞書では母音の発音記号の上に 「´」 がつきます。(ǽ á é ó など)
これは アクセント符号 と呼ばれるもので、その部分を 「強く大きく」読むという意味です。
アクセントは母音にしか付きません。(母音が一つしかない場合はそこにアクセントがあります)
逆にアクセント以外の部分は「弱く小さく」読みます。
長い単語では第2アクセント 「‵」 (上記より弱く2番目に強く読む)が付くことがあります。
なおこのページではアクセント符号はほとんど省略してあります (うまく表示できないので)
母音が2つ以上の場合のみ、どこか分かりづらいので、つけておきます。
ɑ アのようなオ *一部の辞書では本物の a と ɑ を同じ記号で表すこともある
hot【hɑt】 clock 【klɑk】など「o」のスペルで表されることが多いです。
ɑはよく見るとaではありません。本物の【a】とは発音が違います。
ɑはaの上部分がなくoに近く見えませんか?
そうなんです。このɑはアに近いオなんです。
アのように口を大きく開けてオと言います。
ポイントは唇を丸くすぼめないことです。
英語では本物の【a】はice【áɪs】やout【áʊt】など
後ろに必ず弱く短い ɪ かʊ をともないます。
いわゆる複母音というものになります。単独の母音でのaの発音はありません。
本物の【a】は口を大きく開いて「ア」と発音します。
関連知恵ノート: 英語の発音で一番大切なのは …
http://note.chiebukuro.yahoo.co.jp/detail/n50940
*複母音(二重母音、三重母音)、音節について説明しています。
ʌ ウに近いア
up【ʌp】、sun【sʌn】など「u」のスペルで表されることが多いです。
この字を逆さまにしてみてください。Vになりますよね。
ところでV とU という字は似てると思いませんか?
じつはもともとABCなどの文字が作られたローマ帝国では
V という字はウの音を表していたんです。(UはVから派生してできた文字です)
VみたいなA、つまりウに近いアということです。
まず唇を丸めずとがらせずに、横に引くようにしてウと言ってみてください。
それをほんのすこしだけ開いて、口をあまり開かずにアと言います。
ɔ o より開いたオ
ɔは左右反転させてCのようにも見えますが、
oを少し切って開いたようにも見えますよね。
ですから oより口を大きく開いてオです。
law【lɔː】、talk【tɔːk】など
「aw」「al」のスペルで表されることが多いです。
対して本当の【o】は口を小さくすぼめてオです。
go【ɡóʊ】などのように、後ろに必ず弱く短いʊ(u)が続きます(複母音)
ちなみに「ː」というのは長音符というものです。本来は長い音を表す記号ですが
英語では長い短いはあまり関係なく、長く発音されたり、短く発音されたりします。
他の発音との違いを分かりやすくするために一応ついているものだと考えてください。
ə エの口で力を抜いてア
eをひっくり返した文字ですが、aの下がなくなったようにも見えますね。
まずeつまりエと発音してみてください。
エという時の口の開きはそれほど大きく口を開けてはいませんね。
舌に少し力が入っているのがわかりますか?
その力を完全に抜いて発音してください。するとアに近いような音になると
思います。ウやオのような音にも聞こえるかもしれません。
そのような、あいまいな音なんです。
不定冠詞のa【ə(アクセントなし)】、定冠詞のthe【ðə(アクセントなし)】、
potato【pətéɪ toʊ】などとくに決まったスペルはなく、 aiueoのどの表記もあります。
しかし絶対にこの音にはアクセントは付きません。これだけは共通です。
(ただしərの場合は発音が違います。このすぐ下で説明します。)
というか、アクセントがないと舌や口の力が抜けて、どんな音もこの発音に
なるんです。日本語は強く発音しても弱く発音しても母音は変わりません。
英語は強弱の差が激しく、弱くなると母音さえ変わってしまうんです。
舌や口の力を抜けば自然にこの音になるという感覚です。
ちなみに不定冠詞の a は【 強: éɪ 弱: ə (アクセントなし)】。
定冠詞の the は【 強: ðíː 弱: ðə (アクセントなし)】と書かれることがあります。
強形と弱形というもので強形が本来の発音で、丁寧に発音したい時、強調したい時に使います。
弱形はあまり重要じゃない時に、アクセントが消えて弱い発音になります。
その場合にこのあいまいなəの発音に変化することが多いです。
ɚ(ər やːr) Rと同じ舌 *辞書によってər やːrと表すことがある
rがəに突き刺さっているようにも見えなくもない・・ちょっと強引ですがw
口の開き方はəと一緒です。
r と同じように舌先を上あごに近づけて発音してください。
上あごに付けてはいけません。
よく舌を丸めるとか、反らせるとか巻くとか言いますが
舌の形は発音にはあまり関係はありません。(下の図のどちらでもOK)
やりやすい舌の形で上あごに近づけてください。
bird【bɚːd】のように単独の母音で発音することもありますし、
fire【fáɪɚ】のように他の母音の後ろにつくこと(複母音)もあります。
関連知恵ノート:日本語の「ラ行」は世界のR!英語の「R」と「L」の発音の違い
http://note.chiebukuro.yahoo.co.jp/detail/n181292
* R と L の発音について説明しています。
ちなみに「ɚ」 の発音記号を用いない辞書では、なぜ 「ər 」と「ːr」の2種類あるかというと
アメリカ発音ではどちらも同じ発音ですが、イギリス発音ではこのrを取った発音になるからです。
***注意***
母音の発音記号の形の由来については推測が含まれています。
あくまで覚え方のひとつとしてとらえてください。
子音
ʃ シャシ シュシェショのはじまりの音
ship【ʃɪp】 dash【dӕʃ】など「sh」で表されることが多いです。
sを伸ばして 細長くした形ですよね。
sはサ スィ ス セ ソ=sa si su se so、
ʃはシャ シ シュ シェ ショ =ʃaʃiʃuʃeʃoの子音です。
とくに スィ = si と シ=ʃi の違いを
理解してない人が多いので注意してください。 関連知恵ノート:英語の「see」と「she」の発音の違い
http://note.chiebukuro.yahoo.co.jp/detail/
tʃ チャチ チュチェチョのはじまりの音
ʃの記号はtとくっついて、tʃとなって使われることもあります。
chat【tʃӕt】、peach【piːtʃ】など「ch」で表されることが多いです。
チャチ チュチェチョ= tʃa tʃi tʃu tʃe tʃoの子音です。
タやチと発音する時に上あごに舌が付いてるのがわかりますか?
上あごに舌を付けるのがtの発音なんです。タはtのあとにaですが
チの場合はt の後にʃ と発音して i なんです。
t の後に i と発音するとティになります。
タ ティ トゥ テ ト =ta ti tu te toと、
チャチ チュチェチョ =tʃa tʃi tʃu tʃe tʃoの違いを理解してください。
ちなみにトゥ = tu と ツ =tsu の違いも同じです。
ツ tsuはt のあとにs と発音してu。トゥ tuはt のあとにu です。
ʒ ジャジ ジュジェジョのはじまりの音
casual【kǽʒʊəl】、illusion【ɪ lúːʒən】などsの変化した音として現れます。
筆記体というのを知っていますか?
手書きで書きやすいように少しくずしたものです。
zの筆記体とʒはとてもよく似ています。
zはザズィ ズゼゾ=za zi zu ze zo、
ʒはジャジ ジュジェジョ= ʒaʒiʒuʒeʒoの子音です。
ʒはシャ シ シュ シェ ショ =ʃaʃiʃuʃeʃoの濁ったものです。
ズィ と ジ の違いに注意してください。
dʒ ヂャヂ ヂュヂェヂョのはじまりの音
ʒの発音記号はdとくっついて、dʒ として使われることがほとんどです。
Japan【dʒəpǽn】など英語の「j」の音はすべてdʒという音になります。
そうなんです。dが付いてるんです。tʃの説明を見てください。
t が濁ったものがd、ʃが濁ったものがʒです。つまりdʒはtʃの濁音なんです。
シの濁音じゃなくて舌が上あごにつくチの濁音です。
上で説明したシやジは上あごに舌は付きません。
ジャジ ジュ ジェジョ =ʒa ʒi ʒu ʒe ʒo、
ヂャヂ ヂュヂェヂョ =dʒa dʒi dʒu dʒe dʒoの違いです。
日本語はジと書いてもdʒi と発音したり、逆にヂと書いてもʒiと
発音することもあり、つまり日本語にはdʒi とʒi の区別がないんです。
ちなみに ズ= zu と ヅ= dzu の違いも同じです。
英語を正しく発音するためにはこの違いを覚えておく必要があります。
関連知恵ノート: 英語の『cars』と『cards』の違い
http://note.chiebukuro.yahoo.co.jp/detail/n225650
*英語のz と dz、ʒ とdʒ の発音の違いについて説明しています。
θ 濁らないTHの音
舌を上の前歯の先端に軽くつけるか、近づける bath【bӕθ】のthの発音です。
これはギリシャ文字でテータまたはシータと呼ばれる文字が由来です。
濁らないTHの音をあらわす文字です。
ギリシャ文字は数学のπとか、顔文字でωとかよく使われていて
身近な文字ですよね。
英語では一文字でこの発音を表すアルファベットがなく、tとhを組み合わせた2文字でしか表せませんよね?
tとhが合わさった音ではもちろんありません。発音記号はひとつの音をひとつの記号で表せなくてはいけません。なのでギリシャ文字を使っています。
これは濁らないthを表します。声をともなわないので
のどに手を当てて発音しても、手に振動が伝わりません。
sの発音との違いに注意してください。
関連知恵ノート: 英語の『 TH 』の発音
http://note.chiebukuro.yahoo.co.jp/detail/n222709
ð 濁ったTHの音
ðはアイスランド語などの文字が由来になってます。
と言われてもあまりピンときませんね。
ðはθをくずした感じと覚えればいいと思います。
舌を上の前歯の先端に軽くつけるthis【ðɪs】の「th」の発音です。
これは濁るthを表します。声をともなう音なので
のどに手を当てて発音すると手に振動が伝わります。
zの発音との違いに注意してください。
j 短い i の発音
英語のyet【jet(辞書によってはjɛt)】などの yの音 です。
アルファベットのj ですがジやヂの発音ではありません。
ところで i と j という字は似てると思いませんか?
ABCなどの文字は今はなきローマ帝国で作られました。
もともと「i 」 という字は「イ」という音と、ヤユヨの子音両方を表していたんです。
ヤユヨは「 ia、iu、io 」と書かれました。そうヤユヨの子音は短い i の音なんです。それを区別するために i と j に分かれました。
つまりヤユヨは「 ja、ju、jo 」となったわけです。
このローマ帝国の j の発音なのでこの記号を使います。ŋ キングコングの「ン」
n の下に ɡ の下の釣り針っぽい部分が組み合わさったように見えますね。
英語のking【kɪŋ】など「ng」で表されることが多いですが、
じつは ink【ɪ ŋk】などkの前の「n」などもこの発音です。
これはnとgがつながった音ではありません。
n でも ɡ でもなく ŋ という別のひとつの音なんです。
軽くgのような音が聴こえることがありますが、そこは重要ではありません。
nは舌の前の方が、上あごの前の方につきます。
ŋは舌の根元の方が、上あごの奥の方につきます。
実は日本人が「キングコング」「インク」「あんこ」と言った場合も、
上あごには舌の根元が付いていて、舌先は付いていません。
関連知恵ノート: 日本語の「ん」には10種類ある!!
http://note.chiebukuro.yahoo.co.jp/detail/n42557
*語尾のn、m、ng の発音について説明しています。
辞書によって区別されたりされなかったりする発音記号
i と ɪ *辞書によって両方 i という記号で表し、区別しないことがある
区別されていない辞書をお持ちの方のために言うと
長音記号ːの付いてるもの、語尾の単独のi は【i】 の発音。
それ以外はすべて【ɪ】の発音です。複母音の後ろ側のi も弱い【ɪ】の発音です。
heat【hiːt】は長母音、hit【hɪt】は短母音といわれますが
じつは英語において音の長さは関係ありません。
どちらも長くなることもありますし、短い事もあります。口の開き方が違います。
ɪは口の開きがやや広く、少しエっぽくなります。
iは口の開きがせまく、はっきりとしたイです。
大文字 は口の開きが「大きく」、小文字 は口の開きが「小さい」
そう覚えれば簡単ですね^^
ただしアクセントがない場合は発音があいまいになる場合があります。
下の画像は左はアクセントなしのi、真ん中はアクセントありのi、
右はアクセントありのɪです。とてもまぎらわしいですね。。
e と ɛ *辞書によって両方 e という記号で表し、区別しないことがある
区別されていない辞書をお持ちの方のために言うと
【e】の音はdate【déɪt】、day【déɪ】など後ろに必ず弱いɪ が付きます(複母音)。
ɪ がなければすべてɛ の発音です。bed【bɛd】、get【ɡɛt】
ɛ は口の開きがやや広く、ӕに近いエの発音です。
e は口の開きがせまく、はっきりとしたエです。
eは小文字のe、ɛは大文字のEの筆記体です。
大文字 は口の開きが「大きく」、小文字 は口の開きが「小さい」
そう覚えれば簡単ですね^^
u と ʊ(U) *辞書によっては両方u という記号で表し、区別しないことがある
ʊ はギリシャ語の「オ」を表す文字 Ωオメガを逆さまにした文字です。
ただし辞書によって大文字の U を小さくした記号で表されます。
【u】と区別されていない辞書をお持ちの方のために言うと
後ろに長音記号ːの付いてるのは【u】 、
付いていないものはすべて【ʊ】 の発音です。
pool【puːl】は長母音、pull【pʊl】は短母音といわれますが
長さはじつはあまり関係ありません。
どちらも長くなることもありますし短い事もあります。口の開き方が違うんです。
ʊ(U)は口の開きがやや広く、少しオに近くなります。
uは口の開きがʊより狭く、はっきりとしたウです。
大文字 は口の開きが「大きく」、小文字 は口の開きが「小さい」
そう覚えれば簡単ですね^^
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