先ほど産経ニュースでこういった記事が出ていました。
韓国のソウル市とソウル大学人権センターは5日、「朝鮮人慰安婦」の存在を証明するという「初の映像」を公開した。
韓国の市民団体が中心となる「国際連帯委員会」は慰安婦関連資料のユネスコ世界記憶遺産への登録を申請しており、9月に登録が決まる。朴元淳ソウル市長は「歴史を記憶し正していく」とし、市では今回の映像が登録への後押しになるよう期待を寄せている。
ということで、初めて、朝鮮人慰安婦の存在を示す動画が公開されたということです。
さらには、これを用いて世界記憶遺産に働きかけていくということです。
そして、この動画のコメント欄には、「真実は明らかだ。日本は態度を改めろ」という趣旨のコメントがハングルでたくさん投稿されていました。
そこで、いわゆる従軍慰安婦問題の争点と真実、そして「嘘」について、見ておこうと思います。
かなり端折ったつもりなのですが、すごく長くなってしまったのですが、ぜひ最後までご覧いただければ幸いです。
今回の映像公開の考察についてこのページにいらっしゃり、その点をご覧になりたい方は、目次より「今回のビデオの意味」を、先にご覧ください。
争点
まず、慰安婦というのは、戦地で将兵の性の相手をする女性のことで性の相手をさせられた女性 のことです。
では、よく従軍慰安婦問題として、日本が非難されますが何が争点となっているのかということです。
これはただ一つです。
軍の関与による、朝鮮人女性の強制的な連行があったか
これだけです。
つまり、日本軍が戦時中に朝鮮人女性を無理やり引っ張ってくるかのようにして、連れてきて、お金も払わずに、性奴隷のような扱いをした。
として日本は世界から非難されているわけです。
韓国がアメリカに作った石碑には、なんと20万人もの朝鮮人女性が強制連行されたということが刻まれています。
いやいや、そんなことが争点なんじゃない。実際に朝鮮人女性が日本軍に性の相手として使われていたことは、女性の人権を侵害したということが重大なんだ。
という方がおられますが、これはこの問題を語る上では、全く間違っています。
そういった視点から行けば、ノルマンディ上陸作戦の際の、アメリカを始めとする連合国の現地のフランス人女性の強姦、ベトナム戦争における韓国軍の現地女性の強姦、などなど世界中にいくらでもあります。
勘違いして欲しくないのは、だから日本がやったことがいいというつもりはありません。
その点については、あとで触れますので、是非とも最後までご覧ください。
ということで、日本が世界から特別に非難されるべきかどうかということは、日本軍が朝鮮人女性を強制連行して性奴隷かのごとく扱ったかどうか、というこの点のみです。
慰安婦問題の経緯のおさらい
そこで、改めてこのいわゆる従軍慰安婦問題に関する経緯についておさらいしておきたいと思います。
私自身、政治に関心を持つまで、この問題について全く知りませんでしたので、知らない人もいらっしゃるかと思うので。
まず最初の発端となったのは、朝日新聞です。
朝日新聞が、吉田清次というペテン師が言う、「私は朝鮮人女性を済州島で強制連行した」という証言を紹介する記事を何度も書きました。
それをきっかけとして、韓国と日本の間での政治的問題となっていきました。
それまでは日韓基本条約を結んだ時も、一切そういった話は出てなかったのに、朝日新聞の記事から、始まったわけです。
そして、1993年河野談話を発表しました。
これは日本政府が慰安婦に関して軍の関与を認めたもので、日本政府が軍の強制連行への関与を認めたものとして、理解が広まってしまっているものです。
この談話は、様々な形で日本の悪行を証明するものとして、世界に拡散されるための道具として用いられてしまいました。
さらには、国連でsex slaveつまり性奴隷として紹介されたり、クワラスワミ報告という報告で、日本軍がいかに強制的に、いかに残忍に女性の人権を踏みにじったかについて報告されてしまいました。
これに対して、日本は適切な対応を取れずに、世界にこの主張が正しいかのごとく広まってしまっているのが現状と言えるでしょう。
そして、韓国は積極的に日本の悪行として世界に吹聴し、アメリカに「20万人の朝鮮人女性が強制連行された」という趣旨の石碑を立てるなど、世界各国にいわゆる慰安婦像の拡散を行っています。
吉田証言、河野談話の欺瞞
吉田証言
まず、吉田清次の証言ですが、秦郁彦さんなどが済州島に出向き、現地調査を行い、吉田の嘘を暴きました。
さらには、現地の韓国の新聞も現地調査を行い、そういった事実がなかったことが明らかになっています。
これらの動きの中で、吉田清次は自らの証言が嘘だったことを1996年に明らかにしました。
そして吉田の嘘を広めた朝日新聞は、それから遅れること2014年に記事の撤回を行いました。
しかしながら、一度広まってしまえば、それをかき消すのは非常に困難です。
朝日新聞がきっかけでこういった状況が招かれていることは、まぎれもない事実であり、訂正がここまで遅きに失したことを許すことはできません。
河野談話
そして、河野談話は、当時作成に関わった、石原官房副長官の証言で、日本側が証言以外の証拠を見つけられなかったこと、その証言が名前さえ不正確な非常に信ぴょう性の低いものであったことが明らかとなっています。
“「河野洋平官房長官談話」の根拠となった、韓国での元慰安婦16人の聞き取り調査報告書を入手したところ、証言の事実関係はあいまいで別の機会での発言との食い違いも目立つほか、氏名や生年すら不正確な例もあり、歴史資料としては通用しない内容でだった。軍や官憲による強制連行を示す政府資料は一切見つかっておらず、決め手の元慰安婦への聞き取り調査もずさんだったと判明したことで、河野談話の正当性は根底から崩れたといえる。”元慰安婦報告書そのものが、ずさん調査が浮き彫りとなり、慰安所ない場所で「働いた」など証言曖昧あることより、河野談話の根拠は崩れると報道された。
2013年12月2日付の夕刊フジにおいて、河野洋平自身が慰安婦募集の強制性(強制連行)を裏付ける「紙の証拠がない」と証言したことが報道された。
そして、2014年に作成当時の石原官房副長官によって「アメリカの図書館まで行ったが、客観的な証拠は見つけられなかった」ということも明らかにされています。
さらには、当時河野談話が作成された際、その文言に関して韓国と擦り合わせたことが明らかとなっています。
いわば韓国の思うがままに作られた文章とも言えます。
このように吉田清次証言、河野談話は非常に不正確なもので、強制性を示す証拠としてはまったく価値がありません。
これらの強制連行の主な証拠として用いられてきたものは、その信頼性が著しくかけるものです。
証拠が一切出てこない
このように、いままで日本軍による強制連行を裏付ける、文書、第三者の証言などの証拠は一切出てきません。
本当に存在するなら、ひとつくらい出てきてもおかしくないとは思うのですが、一切出てこないのです。
見つかる証拠としては、当時日本軍が強制連行しようとする民間業者に、そういった行為をやめるよう通告する文書であったり、当時の軍隊よりも高額な給料での慰安婦の募集チラシなど、強制性を否定するものばかりが出てきます。
当時一般兵士の給与が15から20円の時代に、月収300円以上。
いかに高給取りだったかわかります。
こういったことからも慰安婦を志願する女性は多くいたと言われており、強制連行の必要性すらも疑われています。
60万人以上の第3者
さらに、韓国は20万人の朝鮮人女性が強制連行されたと言っているわけです。もっと多くの数をいう方々もいますが。
仮に20万人の女性が連行されたとすれば、その父、母、兄弟、を考えれば60万人以上の関係者がいると考えられるわけです。
その人たちは、女性が強制連行されるのを黙って見ていたのでしょうか?
このことについて呉善花さんは「生活者の連帯意識も民族意識や民族愛も強い当時の朝鮮人が、娘たちが強制的に連れて行かれるのを見て黙っているわけがなく、そんな世界で女狩りなんてできるはずがない」と証言されています。
さらには、その当時仮に声をあげられなかったとしても、戦後この問題が明らかになった時に60万人以上の関係者がいて、一人も証言に出てくるものがいないということが考えられるのでしょうか。
ということで、日本軍が朝鮮女性を強制連行したとする証拠は一切発見されていないわけです。
証拠がないのに日本が非難されるというのがおかしなことではないでしょうか。
今回のビデオの意味
今回のビデオは、朝鮮人慰安婦が存在したということを、示す資料だということです。
実際にこのビデオが、歴史的検証に耐えうるのかどうかということはわかりません。
このビデオには歴史的価値があるのかもしれません。
ただし、はっきり言って、今の日本の認識を変えるという意味で、何の意味もありません。
日本政府としても、朝鮮人慰安婦が存在したことを否定しているわけではないからです。
いままで見てきた通り、争点は日本軍の強制連行への関与の有無であって、朝鮮人慰安婦が存在したかどうかではないからです。
認識を覆す難しさ
ということで、日本が世界から軍が無理やり強制連行して奴隷のように扱ったということで非難されていることが、どれだけ悔しいことかわかっていただけるかと思います。
日本は女性をもののように扱う野蛮な民族であったとして喧伝されているわけですから。
しかしながら、今現在いわゆる従軍慰安婦問題について、日本がその疑義を訴えると、日本は過去の罪を認めようとしないという批判が出てくるわけです。
一度染み付いてしまった認識を覆すということは並大抵のことではありません。
だからこそ朝日新聞の罪は重いわけです。
日本としては今後正しい事実を世界にアピールし続け、韓国が誤った歴史を喧伝し、それを石碑や慰安婦像として世界に設置することを防ぐ努力をしていくことは不可欠でしょう。
慰安婦を肯定するわけではない
ここまで、日本に対する世界からの、特に韓国からの非難が不当なものであることを語ってきました。
しかしながら私は、だから慰安婦を使った日本は悪くなかったというつもりはありません。
私が言いたいのは、日本だけが不当に批判されるのは認められないし、事実を伝える必要があるということです。
女性の人権がいまよりも軽んじられ、戦争という非常事態に性の相手として、慰安婦として望まない性交渉を行った方も多くいることでしょう。
非常に不幸なことであったと思います。
このことが繰り返されることがないように反省することは不可欠でしょう。
特に韓国は日本を非難しますが、ベトナム戦争での現地女性に対する性被害を与えたことに対する、謝罪や補償は全く十分ではありません。
日本だけでなく、韓国、アメリカなど世界全体で反省し、繰り返さないようにすることが重要です。
終わりに
ということで、慰安婦問題について見てきました。
結構長くなってしまったので、ここまで読んでおられる方は少ないのでは、と思います。
しかしながら、しっかりと事実をしり日本が不当に非難されるということは避けなければなりません。
そして今回の映像が、悪用されないように日本政府としても十分対応する必要があるでしょう。
こういった記事を書くことは、割とリスキーなのですが、ビデオの公開を受けて、改めて何が問題となっているかを整理することが重要だと思い書きました。
この記事を受けて、何か質問やこれは間違っているなどのご指摘がありましたら、どうぞお気軽にコメントなどくださいませ。