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【社会】

核廃絶訴える「人道の巨人」 国際赤十字連盟会長・近衞氏

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 国連の「核兵器禁止条約」制定交渉に向けて、核兵器廃絶への思いを本紙に寄稿した国際赤十字・赤新月社連盟の近衞忠〓(このえただてる)会長(78)は、五十年以上にわたって赤十字ひと筋に歩んできた。「人道の巨人」。赤十字内部でそう呼ばれ、尊敬を集めている。

 学習院大卒業後、一九六二年から英国に約二年間留学。その後、冷戦下の中東やアジアを放浪しながら帰国し、日赤に入社。各地で目撃した体験が、赤十字の大原則である「中立」の視点を育むことに役立ったという。

 二〇〇五年から日赤の社長。一一年の東日本大震災では全国から集まった日赤救護班の陣頭に立って活動したが、東京電力福島第一原発事故では日赤の救護活動が十分行えなかった。対策の不備を痛感し、一三年に赤十字原子力災害情報センターを設置。救護活動のガイドラインをまとめた。連盟会長に就任した〇九年以降、世界各地の現場を訪れ、移動距離は地球三十四周分に及ぶという。

 旧熊本藩主細川家の生まれ。母方の祖父は太平洋戦争直前まで首相を務めた近衞文麿(ふみまろ)。近衞家の当主が亡くなったため養子に入り、近衞姓を継いだ。細川護熙(もりひろ)元首相は実兄。 (加藤行平)

 ※〓は「火」へんに「軍」

 

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