米国務長官 ICBMとの認識示す

米国務長官 ICBMとの認識示す
北朝鮮が、ICBM=大陸間弾道ミサイルの初めての発射実験に成功したと発表したことについて、アメリカのティラーソン国務長官は声明を発表し、「北朝鮮のICBMの発射を強く非難する」として、ICBMが発射されたという認識を示しました。
北朝鮮は4日、弾道ミサイル1発を日本海に向かって発射し、「ICBM=大陸間弾道ミサイルの発射実験に成功した」と発表しました。ミサイルは新たに開発した「火星14型」で、高度は2802キロに達し、発射地点から933キロ離れた日本海に落下したとしています。

これについて、アメリカのティラーソン国務長官は4日、声明を発表し、「北朝鮮のICBMの発射を強く非難する」として、ICBMが発射されたという認識を示しました。

そして、今回の発射は、アメリカや同盟国に対する脅威を新たに高めたと強調し、「国際社会全体の行動が必要だ」として、すべての国に、国連安全保障理事会の制裁決議の完全な履行など、圧力の強化を重ねて求めました。

さらに、ティラーソン長官は「国連安保理の協議を求めるとともに、北朝鮮に責任を負わせるためのより強力な対応をとるつもりだ」として、断固とした対応が必要だという考えを示しました。

北朝鮮が弾道ミサイルを発射したことについて、アメリカ太平洋軍は当初、初期段階の分析の結果として中距離弾道ミサイルだとしていましたが、アメリカ政府の当局者は4日、NHKの取材に対し、このミサイルが2段式のICBMだった可能性があるという見方を明らかにしました。

ただ、実験が成功したのかどうかや、北朝鮮がICBMの技術を獲得したかどうかについては明らかになっておらず、アメリカ軍を中心にさらに分析を続けています。

北朝鮮の弾道ミサイルの発射をうけて、トランプ大統領は、今週のG20サミットに合わせて日米韓3か国の首脳会談のほか、中国の習近平国家主席やロシアのプーチン大統領とも会談し、今後の対応について協議すると見られ、どのような出方を示すのか、焦点となっています。

防衛省 分析を慎重に進める

アメリカのティラーソン国務長官が北朝鮮が発射した弾道ミサイルがICBM=大陸間弾道ミサイルだったという認識を示したことについて、防衛省幹部はNHKの取材に対し、「ICBMなのかどうかは、防衛省で弾道ミサイルの最大飛しょう距離などの分析を慎重に進めているところだ。日本とアメリカはふだんから情報共有を行っており、引き続き、アメリカや韓国と連携していきたい」と述べました。