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この作品「黒バスDX　『Crumble Days』」は「黒子テツヤ/高尾和成/桜井良」「黒子の卓ゲ」等のタグがつけられた作品です。

とにかく卓ゲをするスポーツ少年たちのシリーズ、ダブルクロスです。黒子くんの学年が...

黒バスDX　『Crumble Days』

幌鞍

2017年6月18日 12:16

とにかく卓ゲをするスポーツ少年たちのシリーズ、ダブルクロスです。
黒子くんの学年が高校2年生になっている設定です。

ダブルクロスとっても楽しいです。延々とキャラシ埋める作業していても飽きない。今は基本ルルブと上級のみの所有ですが、いつか他のサプリも欲しいなと思っています。ウロボロス作りたいなあって。

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はじめに

「とにかく卓ゲをするスポーツ少年たち」と題しまして、『黒子のバスケ』に登場するバスケ少年たちが様々なTRPGで遊ぶシリーズです。メンバーは黒子テツヤ・伊月俊・森山由孝・高尾和成・桜井良・福井健介・黛千尋・花宮真・虹村修造。個人の好みです。
執筆者がルールブックを所有しているシステムのリプレイ風小説となります。リプレイではありませんのでご了承ください。TRPGシステムを勉強しながら執筆しておりますので、違和感があった場合はハウスルールとしてそっとしておくかコメントなどで指摘してもらえたら喜びます。

今回のシステムは「ダブルクロス　the 3rd edition」。本作品でのTRPGフリークこと桜井良くんがGMを務め、黒子、高尾、福井、黛、そしてゲストの今吉さんがオーヴァードになって日常を守ろうと奮闘します。
使用シナリオは、『ダブルクロス　The 3rd Edition』内に収録されている「Crumble Days」です。
シナリオのネタバレを含みますので、未プレイの方、プレイ予定のある方は閲覧をお控えください。気にならない場合はどうぞゆっくりとお楽しみください。

[newpage]

[chapter:セッション前]

個人ライン：桜井良

黛：桜井ってTRPG結構色々なシステムやってるんだっけ？
桜井：唐突ですね……
桜井：あっスイマセン、そうですクトゥルフ以外も結構やってますスイマセン
黛：ああうん突然なのは悪かった
黛：この間森山とか福井とシノビガミはやったんだけど、他のシステムも開拓してみたいよなあと思ってさ
黛：オススメ教えてくれ。あとあわよくばGMやってくれ
桜井：GMなら任せてくださいスイマセン！桐皇でのGM担はボクか今吉さんですスイマセン！
桜井：ダブルクロスはどうでしょうか？
黛：ダブルクロスか。いいな

グループ名：キセキなバスケ部TRPG同好会

黛：桜井が新システムのGMやってくれるってよ！
高尾：行きます！
黒子：やりたいです
虹村：週末ですか？
黛：うん週末
森山：それでは聞いてください。「TOEIC」
森山：みなさんでお楽しみください
伊月：すいません、おれと虹村と花宮、別卓に誘われてて……
黛：森山伊月虹村花宮了解。また今度な。
福井：俺行けるー
桜井：えっと、黒子くん、高尾くん、黛さん、福井さんの4人ですねスイマセン。となるともう1人いた方がいい気がするので……あの、今吉さん呼んでもいいですか……？
桜井：スイマセンスイマセンスイマセンスイマセン
桜井：今吉さんはGM経験もあるので、うまくサポートしてくれると思うんです
福井：俺は別に構わないけど
高尾：いいよー
黒子：ボクも問題ないです
黛：おーけーおーけー
福井：ちなみにシステムは？
桜井：ダブルクロスですスイマセン！シナリオはルルブに載ってる「Crumble Days」使うので、動画とかで勉強する時は踏まないように気を付けてくださいスイマセン！
桜井：ダブルクロスルルブ持ってる人いますか？
黒子：昨日アマゾンでポチったところです。文庫版の1と2
高尾：あ、俺持ってる。でもシナリオは読んでない
福井：持ってねえや、同じ会社のモノミュは持ってるけど
伊月：えっあの流れ切って悪いんですけど、別卓でモノミュやるので借りていいですか福井さん
福井：いいよ
桜井：黛さんは持ってないってさっき聞きました。黒子くんと高尾くんは持ってきてもらってもいいですか？
高尾：りょーかい
黒子：分かりました
高尾：俺上級も持ってるけどいる？
桜井：あ、じゃあ持ってきてくださいスイマセン！　Eロイスもりもりにするのでみなさんも強くなってくださいスイマセン！
高尾：おーけーあいしー
花宮：怖そう

週末　黛宅　相も変わらず13時

桜井「……以上ですね。何となく分かりましたか？」
黒子「はい、説明分かりやすかったです。ありがとうございます」
黛「厨二心がくすぐられるぜ」
福井「面白い設定だなあ……」
高尾「説明ありがとな桜井！」
今吉「お疲れやで桜井～」
桜井「皆さん大体ダブルクロスの世界観は分かってくれたと思うので、うまくルールブックを共有しながらキャラクターを作成してください。PCのナンバリングは……先にハンドアウトを公開しますね。そこから選んでください」

◆PC1用ハンドアウト
ロイス：綾瀬真花
推奨感情　ポジティブ：慕情／ネガティブ：不安
キミはごく普通の高校生だった。少し気になるクラスメイト、綾瀬真花と同じバスに乗り、ちょっといいことがあったと喜ぶような。
しかし、当たり前の日常はその日を境に変わってしまった。
突如バスが横転して爆発炎上したとき、キミは得体の知れぬ怪物となって真花を助けていたのだ。

◆PC2用ハンドアウト
ロイス：矢神秀人
推奨感情　ポジティブ：好奇心／ネガティブ：猜疑心
キミはUGNの施設で育てられたUGNチルドレンである。
現在はある市にて、FHとの関与が疑われている矢神秀人という学生を追跡調査する任務に就いている。
しかし、尾行をしていたはずの彼を見失ってしまったその直後、バスが横転し、爆発炎上する大事故が起こった。

◆PC3用ハンドアウト
ロイス：PC1
推奨感情　ポジティブ：好奇心／ネガティブ：不安
キミはUGN支部の支部長を務めている。
いつもの様に忙しい時間を過ごしていたある日のこと、キミはUGN日本支部長の霧谷雄吾から緊急の連絡を受けた。
支部のある市で起きた大きな事故から奇跡的に生還したPC1という学生が保護され、オーヴァードであることが判明したという。
そして、この事故の影にはFHの関与があるらしい。

◆PC4用ハンドアウト
ロイス：春日恭二
推奨感情　ポジティブ：執着／ネガティブ：厭気
キミはUGNに協力しているイリーガル、あるいはUGNで働いているエージェントだ。
ある市でPC1という新たなオーヴァードが保護された事件に関わることになったキミは、そこで因縁の相手の名前を聞くことになった。
『ディアボロス』春日恭二。
幾度も交戦したことのあるFHエージェントが、この町で何らかの計画を行っているらしい。

◆PC5用ハンドアウト
ロイス：『シューラ・ヴァラ』
推奨感情　ポジティブ：尽力／ネガティブ：敵愾心
キミは、ある市で気ままに生きているオーヴァードである。
だが近ごろ、なにやらキミの縄張りを荒らすものが現れだした。
垣間見た『シューラ・ヴァラ』というらしい侵入者からは、どうにも嫌な予感がする。大切なものを害されるような嫌な感覚。
奴らをこのまま放っておくわけにはいかない。

福井「へえ、PC1が主人公みたいな感じか」
桜井「そうですね、PC1はオープニングの時点ではまだオーヴァードに覚醒していないっていう設定です」
高尾「難しそうだなあ……力に慣れてないRPが大事って感じかね」
黒子「そんな気がしますね」
今吉「さくらーい、これ、PC1からオープニングやるん？」
桜井「いえ、PC5からやる予定です。時間軸的に」
今吉「それやったら、ワシがPC5やってもええか？　RPのお手本みたいな感じでな。それに、番号が若い方が初心者にはやりやすいと思うねん」
福井「いいぞ」
黛「俺も異論はない。……それなら、俺はPC4やろうかな」
高尾「俺支部長やってみたいんすけど……」
福井「主人公もらっていい？」
黒子「丁度いいですね、ボクチルドレンやってみたかったんです」
黛「俺もチルドレンにしていい？　JKやりたい」
桜井「じゃあ黒子くんはある市の支部のチルドレン、黛さんは日本支部のチルドレンにしてください」
今吉「ワシレネビやりたいねんけど」
桜井「いいですよ。できたら1回ボクに見せてください！　スイマセン！
　そして今回のレギュレーションを説明します。使用ルルブは基本の1と2、そして上級ルールブックです。Dロイスの取得を認めます。作成方法はフルスクラッチでお願いします。皆さんTRPG結構慣れているので。経験点は、基本ルルブ2の基本経験点130点に加え50点を差し上げますので、計180点で作成してください」
黛「そんなにもらっていいのか？」
桜井「はい。これくらいの方が結構遊びがいがあるんです。こちらもエネミーデータは強化するつもりですから、心配しないでください」
黛「分かった」
桜井「じゃあキャラ作成どうぞ！」

～キャラシを埋めるタイム～

今吉「これでええ？」
桜井「はい、問題ありません」
黛「俺もできた」
桜井「確認します。……大丈夫です！」
福井「できたー」
桜井「見せてください。……え」
福井「まずかった？」
桜井「いえ、少し意外だっただけです。大丈夫ですよ！」
黒子「ボクもできました」
高尾「俺も～」
桜井「全員確認しました！　ではPC1の福井さんからキャラ紹介お願いします！」

[newpage]

紺谷浩司（こんたにこうじ）　PL：福井健介
　コードネーム：なし
　Dロイス：生還者（リターナー）
　年齢：15歳（高校1年生）　性別：男
　カヴァー/ワークス：高校生/高校生
　ブリード：クロスブリード
　シンドローム：キュマイラ/サラマンダー

【肉体】7　《回避》1
【感覚】1　《知覚》1
【精神】2　《RC》2
【社会】2　《情報：噂話》
HP：36（46）　行動値：4　戦闘移動：9m　全力移動：18m　財産P：2

エフェクト
《リザレクト》1　《ワーディング》1　《巨人の生命》2
《軍神の守り》1　《イージスの盾》3　《灼熱の結界》2
《氷盾》3　《氷雪の守護》3　《蒼き悪魔》2

アイテム
・思い出の一品：手作りのお守り（意志判定達成値＋1）

ライフパス
　出自：資産家
　経験：親友
　邂逅：自身
　覚醒：償い　衝動：飢餓　侵食率基本値：35
固定ロイス
　紺谷克司（父親）：執着/〇厭気
　茜部尚彦（親友）：〇誠意/不安

福井「ええと、名前は紺谷浩司、年は15歳で高校1年生だ。カヴァーもワークスも高校生。で、シンドロームはキュマイラとサラマンダーのクロスブリードで、メインプロセスを全力で放棄する系のガード型。《軍神の守り》でカバーリングして《イージスの盾》《灼熱の結界》《氷盾》でダメージ削って《氷雪の守護》でさらにダメージを散らすんだ。ついでに《蒼き悪魔》で返り討ちにするって感じかな。さらに言うなら《巨人の生命》で自分が多少食らっても大丈夫って感じになってる。HPは46あるぜ！　侵食率基本値が高くなっちまったけど」
桜井「う、うわあ……強力……そしてガチで攻撃手段放棄したんですね……？」
福井「おう。性格は穏やかで心優しい少年で、誰かが傷つくのが嫌だって思ってるタイプなんだ。だから、バスの爆発炎上事故でクラスメイトの女の子を守らなきゃってなって覚醒するんだろうなあって思ってるぜ」
桜井「なるほど、性格と能力が繋がってるんですね、いいと思います。で、Dロイスが……生還者ですか。確かにカバーリングを積極的にしようと思ったらどうしても侵食率が上がりますからね、ぴったりです」
福井「っていうのもあるけど、多分訳の分からないことに巻き込まれて、一刻も早く日常に戻りたいと思っているはずなんだよな。それもあっての生還者なんだ」
桜井「分かりました。ライフパスについてお願いします」
福井「出自は『資産家』。父親がいいとこの社長で、まあぶっちゃけて言うと仕事人間なんだ。だから家族を顧みない……ように見えている父親に厭気を抱いている。そして家族のことも見て欲しいしたまには家族旅行に行きたいって執着してるんだ。ファザコンだな」
桜井「コンプレックスを正しくした方のファザコンですね。複雑な子ども心……」
福井「その通り！　経験は『親友』。だから親友の名前を適当に決めて、誠意と不安のロイスをとった。すごく実直なやつで、誠実で大好きなんだけど、真面目で努力を怠らない奴だから、いつか倒れるんじゃないかって不安に思ってる。表は誠意だな」
桜井「茜部くん、ですね。いつか使おうと思いました、まる」
福井「わあ嫌な予感がするぞ」
桜井「邂逅は……『自身』ですね。Dロイスがあってロイス枠には入ってませんけど、確か敷島あやめですよね……こんな子です（上級ルールブックを見せる）」
福井「なるほど、これはいつか活きそうだな。自分と同じように事件によって覚醒した存在って感じか」
桜井「はいそうです。まあ今は関係ないですね。覚醒と衝動も……今は……」
福井「だな。次の人行こうぜ！」
桜井「はい、次にいきます！」

[newpage]

氷室氷咲（ひむろひさき）　PL：黒子テツヤ
　コードネーム：フヴェルゲルミル
　Dロイス：精鋭（トゥルーボーン）：RC
　年齢：16歳　性別：女
　カヴァー/ワークス：高校生/UGNチルドレンC
　ブリード：ピュアブリード
　シンドローム：サラマンダー

【肉体】4　《回避》2
【感覚】1
【精神】6　《RC》3（8）　《意志》2
【社会】2　《情報：UGN》1　《情報：噂話》1
HP：34　行動値：8　戦闘移動：13m　全力移動：26m　財産P：0

エフェクト
《リザレクト》1　《ワーディング》1　《コンセントレイト：サラマンダー》3
《氷の回廊》1　《氷の加護》3　《氷の塔》2　《冷気の鎌》2
《ブリザードブレス》3　《氷の理》1

アイテム
・コネ：UGN幹部（情報：UGN＋2D）
・コネ：噂好きの友人（情報：UGN＋2D）
・思い出の一品：母にもらった髪飾り（意志判定達成値＋1）

ライフパス
　出自：安定した家庭
　経験：心の壁
　邂逅：師匠
　覚醒：生誕　衝動：自傷　侵食率基本値：33
固定ロイス
　氷室雪乃（母親）：〇尊敬/疎外感
　玉野椿（教官）：〇好意/猜疑心

黒子「『フヴェルゲルミル』氷室氷咲です。サラマンダーのピュアブリードなんですが、冷気特化で炎に関わるエフェクトは一切持ってません」
桜井「うわすごい偏ってる……あれ黒子くんダブクロ初プレイですよね！？」
黒子「はい、初プレイですよ。でもルルブはちゃんと読んできました。あとボク地味にルーニー好きなんです」
桜井「そうでした、黒子くんはこういう人でした」
黒子「ガチ支援特化構成にして、『ボクは影だ……』ってやりたかったんですけど、支援は今吉さんがやってくれると言ってくれたので、じゃあ雪女やろうかなって思って」
桜井「ああ雪女……」
黒子「はい。コンボデータ考えたんですけど……《コンセントレイト》、《氷の加護》、《冷気の鎌》、《ブリザードブレス》で吹雪を作り出してぶっぱなすのが『雪月花』、そこに《氷の塔》を追加してシーン1回きりの攻撃をかますのが《ニヴルヘイム》です。某ア●雪っぽいですね今考えると」
桜井「言われてみれば確かにありのままの氷のお城って感じですね……ライフパスお願いします」
黒子「はい。出自は『安定した家庭』、覚醒が『生誕』です。生まれながらにオーヴァードの力を宿していたのですが、家族が皆UGN関係者だったので愛されて育つことができました。そのため人懐こく明るい性格です。母親に尊敬/疎外感でロイスをとっています。これは、UGN研究者であり母親として自分を愛してくれる彼女を人として尊敬している一方、あくまで母親はオーヴァードではない存在であるために疎外感を感じている、といった感じです」
桜井「ふむふむ」
黒子「経験は『心の壁』。それこそ物心ついた時からチルドレンとしての訓練を受けていた氷咲にとって、UGNはホームそのものなんです。だから、後天的にオーヴァードに覚醒したために『家に帰りたい』と言っている同じチルドレンたちとは境遇が違うんだと思って壁を感じていました。邂逅は『師匠』で、玉野椿に好意/猜疑心でロイスを持っています。教官としてバリバリ働いている上に生徒に慕われる人柄が大好きですが、チルドレン時代からその姿を見ているので、自分よりも経験は浅いと思うんだけど大丈夫かな？　という猜疑心です。生まれついてのオーヴァードなので、多分玉野椿よりも先輩なんじゃないでしょうか」
桜井「なるほどなるほど、分かりました。そしてDロイスは精鋭ですか。《射撃》を5レベル上げたんですね。固定値強いですもんね」
黒子「はい。ただでさえ《ブリザードブレス》でダイスが減るので、固定値で勝負しようと思っています」
桜井「固定値8だし……強い……あ、次お願いします！」

[newpage]

天宮柚月（あまみやゆづき）　PL：高尾和成
　コードネーム：ムーンライト・テクノロジー
　Dロイス：賢者の石（レネゲイドクリスタル）
　年齢：24歳　性別：男
　カヴァー/ワークス：エンジニア/UGN支部長B
　ブリード：クロスブリード
　シンドローム：モルフェウス/ブラックドッグ

【肉体】3　《回避》1
【感覚】6　《射撃》3　《知覚》1
【精神】1
【社会】3　《調達》1　《情報：UGN》2
HP：27　行動値：13　戦闘移動：18m　全力移動：36m　財産P：5

エフェクト
《リザレクト》1　《ワーディング》1　《コンセントレイト：ブラックドッグ》1
《ハンドレッドガンズ》2　《カスタマイズ》2　《雷の牙》1
《アタックプログラム》2　《バリアクラッカー》3　《加速装置》2

アイテム
・コネ：UGN幹部（情報：UGN＋2D）
・コネ：要人への貸し（情報：＋3D、シナリオ1回）
・コネ：手配師（調達＋3D、シナリオ1回）

ライフパス
　出自：姉妹
　経験：大失態
　邂逅：保護者
　覚醒：憤怒　衝動：憎悪　侵食率基本値：35
固定ロイス
　天宮深晶（妹）：〇庇護/恐怖
　霧谷雄吾（上司）：〇友情/憤懣

高尾「はーい！　支部長でっす！　モルフェウスとブラックドッグのクロスブリードで、Dロイスが賢者の石だから、左手の骨がレネゲイドクリスタル化してて、それを《ハンドレッドガンズ》で銃にした後雷ぶっぱするってイメージだったりする。エグザイルにして《骨の銃》でもいいかなと思ったんだけど、せっかくだから錬金術師みたいにしたかったんだよなあ」
桜井「あーカッコイイですね！　こんな感じで手の平から銃が出てくるんでしょうか（左手から透明な銃が出てくるイラストを描く）」
高尾「あーそうそうそんな感じ！　さらに雷がまとわりついてるとカッコイイよなあ」
桜井「そうですね！」
高尾「あと、シナリオ中に3回だけ装甲無視、ガード不可の攻撃ができるようになってるんだ。ていうかこれって、100％超えてエフェクトレベルが上がったら、エフェクトの上限も上がるの？」
桜井「ボクはそう解釈しています」
高尾「さんきゅ。じゃあライフパスとロイスの説明して設定喋るか！　妹が1人いるんだ。名前は適当に決めた。その内誰かが拾ってキャラにしてくれることを願ってるし誰もいなかったら俺がやる。ロイスの感情は庇護と恐怖で庇護が表。妹のことを兄として守りたいと思っていて、一方で失うことに恐怖している。もういっこは邂逅で出た『保護者』からUGN日本支部の霧谷雄吾。年が離れていて、当初は兄のように慕っていたけれど、規模は違うとはいえ同じ支部長という立場になってから友人として関わるようになった。だからポジティブは友情でこっちが表。で、霧谷はクソ忙しいしフットワーク軽いしあまり自分の身を顧みないから、もっと自分を大事にしてほしいと思ってる、憤懣」
桜井「ふむふむ。覚醒は憤怒、衝動は憎悪ですか」
高尾「そう。多分妹ちゃんが危害を加えられそうになった怒りで覚醒したんじゃないかな。憎悪も多分それ関連だと思う。あの時の怒りを思い出して、何もかもが憎くなるって感じ」
桜井「了解です、分かりました。じゃあ次にいきます！」

[newpage]

黒瀬桃子（くろせももこ）　PL：黛千尋
　コードネーム：カレイドスコーピオ
　Dロイス：超血統（フルブラッド）
　年齢：16歳　性別：女
　カヴァー/ワークス：高校生/UGNチルドレンC
　ブリード：ピュアブリード
　シンドローム：バロール

【肉体】1　《回避》1
【感覚】2
【精神】7　《RC》4　《意志》1
【社会】2　《情報：UGN》2
HP：29　行動値：11　戦闘移動：16m　全力移動：32m　財産P：3

エフェクト
《リザレクト》1　《ワーディング》1　《コンセントレイト：バロール》2
《小さき魔眼》2　《斥力跳躍》1　《因果歪曲》3
《魔王の理》1　《黒の鉄槌》4　《黒星の門》3

ライフパス
　出自：兄弟
　経験：純粋培養
　邂逅：慕情
　覚醒：感染　衝動：殺戮　侵食率基本値：32
固定ロイス
　黒瀬蒼真（兄）：〇尊敬/劣等感
　桃園一季（片想い相手）：〇慕情/偏愛

黛「黒瀬桃子、UGNチルドレンだ。バロールのピュアブリードで、コードネームは『カレイドスコーピオ』。《小さき魔眼》でカラフルな魔眼を生み出してくるくるしてる感じだな。攻撃手段から説明するか。まず《小さき魔眼》で自分の周りにカラフルな魔眼を生み出す。基本的な攻撃は《魔王の理》と《黒の鉄槌》による重力攻撃だ、多分ずしんってなるんだろうな。さらに《因果歪曲》で攻撃対象を範囲にしたり、場合によっては《黒星の門》で自分と同じエンゲージにも攻撃できるようになる」
桜井「わあ、結構えげつない……」
黛「思ったけどさ、これ多彩な攻撃手段を持つのもいいけど、回数制限ないメジャーエフェクトを他の攻撃力増やしたりダイス増やしたりするエフェクトで支えるのが効果的なんじゃないかって」
桜井「それボクも思ってました。でも回数制限ある強いエフェクト撃ちたいんですよお……」
黛「黒子がそれだな」
桜井「そういえばそうですね。じゃあライフパスの解説お願いします」
黛「おうとも。出自は『兄弟』だから兄がいるってことにした。兄もオーヴァードで、高校を卒業してエージェントになってる。一緒にチルドレンやってた。その能力は尊敬しているけど、劣等感もある。表は尊敬にした。経験は純粋培養。親も兄もエージェントで、UGNの施設で幼い頃から暮らしている。その過程でうっかりレネゲイドに感染して覚醒したんだ。はいここで覚醒回収。邂逅は『慕情』だったんだけど、姫宮は女性だから、別に片想いの相手を設定してみた。いつか誰かが拾ってくれることを願っている。偏愛って入ってるのは……まああれかな、イメージとしては黒子に対する桃井。『いっくんいっくん！！』みたいな」
桜井「あそこで黒子くんが何とも言えない顔をしているんですが……あと他に聞くこと……ないかもしれません」
黛「さっき自分で勝手にしゃべったからな。次行こうぜ次」
桜井「はーい」

[newpage]

花村紘（はなむらひろ）　PL：今吉翔一
　コードネーム：ルートヴィヒ
　Dロイス：起源種（オリジナルレネゲイド）
　年齢：3歳（見た目17歳）　性別：男
　カヴァー/ワークス：高校生/レネゲイドビーイングC
　ブリード：ピュアブリード
　シンドローム：ノイマン

【肉体】1
【感覚】1　《知覚》1
【精神】8　《RC》1　《意志》3
【社会】2　《交渉》1　《情報：UGN》2
HP：30　行動値：10　戦闘移動：15m　全力移動：30m　財産P：4

エフェクト
《リザレクト》1　《ワーディング》1　《天性のひらめき》1
《生き字引》1　《アドヴァイス》2　《弱点看破》3
《ディフェンスサポート》3　《勝利の女神》2　《常勝の天才》3
《ヒューマンズネイバー》1　《オリジン：サイバー》1

ライフパス
　出自：転生体
　経験：記憶喪失
　邂逅：同行者
　覚醒：探求　衝動：嫌悪　侵食率基本値：34
固定ロイス
　もう1人の自分：好奇心/〇不快感
　“シザーリオ”：〇好意/脅威

今吉「みんな～、ワシやで～、花村紘やで～」
桜井「何ですかそのノリ……」
今吉「なんとなく言ってみただけやで。ほなライフパスの解説しながら設定先に喋ろか。ついでにエフェクトの解説もしたるで～」
桜井「どうぞどうぞ」
今吉「ええと、まずエフェクトに《オリジン：サイバー》ってあるやろ？　こいつ、高尾んとこの支部にあるコンピューターのデータが自我を持ったレネゲイドビーイングやねん。元はデータ検索のための人工知能か何かやったんやけど、オーヴァードの戦いに間近で触れてたせいで覚醒したようなもんやと思っといてほしい。覚醒が『探求』なのは、UGNのデータを調べたり何だりしてる内に覚醒したってとこやな。もともとコンピューターの人工知能だったってこともあって、シンドロームはノイマンやで」
桜井「ほうほう……高尾くんとは打ち合わせしてるんですか？」
今吉「しとるで。多分その方が導入とか楽なんちゃうかって思ったしな」
桜井「そうなんですよね。下手したら全然関わらなくなっちゃいますから」
今吉「そうなんやよな～。ほな続けるで。出自は『転生体』、どうやら自分は何者かの転生した存在らしいということをぼんやりと分かっとるんやけど、経験の『記憶喪失』によって何者だったのか覚えとらんねん。まあ何者かだったとしても今はレネゲイドビーイングやし覚醒する前は人工知能やしで、覚えとったら覚えとったらでもし人間やったら発狂ものやろうなって思っとるし、別にいいかって感じやな。ロイスは転生前のもう1人の自分に、好奇心と不快感でとっとる。気になる存在ではあるけれど、覚えとらんしやっぱり自分ではないと思っているわけやしちょっと記憶の端ちらちらしてるのムカつくって感じとる。邂逅は『同行者』、相手は“シザーリオ”やで～、女子高生にとりついとる協力型レネゲイドビーイングやで～。フリーランスってカッコイイよねっちゅーことで好意、でもやっぱり組織に属していないのってUGN的には警戒するもんやしなってことで脅威やで」
桜井「ふむふむ、ありがとうございます。で、3歳……ってことは、覚醒して3年ってことでいいですか？」
今吉「おん。人工知能も若干新しく開発された系のものやと思うけどあまり考えとらんねん。覚醒してからは支部長の厚意で高校に通わせてもらっとる。人間楽しい。コードネームのルートヴィヒってのは、シンドローム名『ノイマン』の由来になったフォン・ノイマンのドイツ語名からやで～」
桜井「ふむふむふむ。じゃあエフェクトもお願いします」
今吉「OK！　まあつまるところ完全支援型や。自分でダイス振れるとこいうたら、《天性のひらめき》でクリティカル値を下げてから《生き字引》で情報収集を意志での判定に変更するってところやな。《オリジン：サイバー》の使いどころがなくなってしまったん……」
桜井「悲しい」
今吉「ていうかワシだけ喋りすぎやない？　あとはみんなのクリ値下げたり達成値上げたり攻撃力上げたりガード値上げたりするだけの簡単なお仕事やで。でも単体にしか効果ないからラウンドごとに必要なところに投げるで」
桜井「わかりました。ありがとうございます！」

桜井「じゃあ、キャラクター紹介も終わったので、早速始めていこうと思います。よろしくおねがいしまーす」
一同「いえーーーい！！」
桜井「あ、高尾くん」
高尾「ん？」
桜井「支部がある市の名前と、支部がある場所を決めてくれる？　支部長特権で」
高尾「おっマジか！　やった！　まあここは安直に秀徳市にしようかと思うぜ！　場所は……うーん……」
黒子「廃校になった学校の校舎とかはどうですか？　理科室とか実験室とかなら支部長も研究ができるかもしれません」
高尾「おっサンキュー黒子！　じゃあそうするぜ！　秀徳市の廃校になった旧秀徳第一高校の校舎に支部がありまっす！　1人1つ教室を支給して私室にしてる。支部長室は理科棟3階の物理実験室！」
黛「校長室じゃないのか」
高尾「校長室って案外狭いんすよね」
黛「それもそうだな」
黒子「ボクは3年1組の教室で寝泊まりしたいです」
今吉「じゃあワシ情報室」
高尾「好きにどーぞ！」

[newpage]

[chapter:オープニングフェイズ　シーン01　前兆]

シーンプレイヤー：PC5　花村紘

桜井「じゃあまずはオープニングフェイズに入りたいと思います。最初のシーンプレイヤーはPC5の花村さんです。……花村くん？」
今吉「くんでええで。よっしゃシーンプレイヤーや！　1D10振るで！」

侵食率上昇！
1D10→1
34％→35％

今吉「1てwwwwwwwwwwwww」
黒子「全然活性化してませんね」
今吉「ミドルフェイズの戦闘で80には行っときたいんやけどなあ」
黛「なんで？」
今吉「ワシのDロイス、『起源種（オリジナルレネゲイド）』やねん。このDロイスやと専用の侵食表使うんやけどな、80％超えたらエフェクトレベル1上がるねん。その代わりダイスボーナスはつかへんのやけどな」
高尾「えっと、完全支援型でダイス振る必要ないから、ダイスボーナスつかなくてもそんなに困らないし、むしろ早くエフェクトレベル上がった方が得って感じなんすか？」
今吉「せや」
桜井「えっと、進めていいですか？」
今吉「ああすまんすまん、ええで」
桜井「じゃあ花村くんのオープニングフェイズに入ります。花村くんはレネゲイドビーイングとして覚醒して以来、自分の所有者であった天宮柚月が支部長を務めている秀徳市を守るためパトロールのようなものをしていました、ということでもいいですか？」
今吉「おん、ええで。パトロール兼夜の散歩ってことにしてもええ？　人間の街が興味深いちゅーことで」
桜井「はい、いいですよ。じゃあ花村くんは夜の街をパトロールしていました。フレーバーで使えそうなイージーエフェクトは……ないですね」
今吉「ないなあ。まあ、その思考速度で瞬間的に異常事態を判断しながら進むんやろなあ」
桜井「では花村くんは、ふと人通りの路地裏に、何やら怪しげな気配があることに気付きました」
今吉「そっち向かうで。《忍び歩き》や」
桜井「これそういうシステムじゃないです。……路地裏を覗き込んだ花村くんは、うっすらとした人影を見つけました。暗くてあんまり見えませんが、声は聞こえます」
今吉「ほうほう」
桜井「『では、これよりプランを実行する。準備はいいな、“シューラ・ヴァラ”よ』とか言っています」
今吉「『プラン……“シューラ・ヴァラ”……？　怪しいな、この街で一体何をしようっていうんだろう？』と呟くかね」
桜井「では……そうですね、《知覚》でロールしてください。こっちもロールします」
今吉「了解やでー、【感覚】は1、《知覚》は1レベル、よっしゃ行くでー！」

《知覚》
1D10（C10）＋1→7

桜井「ボクも振ります」

《知覚》
？D10（C？）＋？→？

桜井「あ、回った、達成値18です」
今吉「えっ」
桜井「すごいです、クリティカルが4Dありました」
高尾「どんだけダイス回したんだ……」
桜井「花村くんは、まず言葉を発していた男の姿を見ることができました。それはスーツを着たオールバックの男です。花村くんは多分見た事がないと思います」
今吉「PL的には知ってるんやけどな」
桜井「そうですね。でも、相手の“シューラ・ヴァラ”の姿を見ることはできませんでした。しかし相手は花村くんの存在に気付いたようです。花村くんの足元に、突然鋭利な刃が突き刺さります」
今吉「警戒して一歩引くで。こっちには攻撃手段も何もないからなあ」
桜井「じゃあ、さっきの声とは別の声が聞こえます。『UGNのネズミめ、こそこそと嗅ぎまわっていたのか』」
今吉「『UGNを警戒している……？　FHに関わる奴なのか……？』言葉には出さないけど胸の中で呟こうか」
桜井「さらに『今の内に引き上げよう、“ディアボロス”。準備はできた、明日には全て終わる。……そう、全てな』と続いて、2つの気配はすっと消えます。エネミーエフェクト《瞬間退場》です」
今吉「『逃がしちゃったか。……まあでも、僕じゃ戦闘はできないし、これは柚月くんに報告しなくちゃいけないね』と呟いて花村も退場するで」
桜井「では、ここでシーンを切ります」
今吉「“シューラ・ヴァラ”へのロイスを取得するで。うーん、推奨やとポジティブが尽力でネガティブが敵愾心やろ？　その通りやとつまらんし……ポジティブが好奇心、ネガティブが任意で警戒心、やな。どんな奴なのか興味はあるけど、いきなり足元に何かブッ刺してきたわけやし、警戒バリバリやで」
桜井「分かりました。……あっ」
今吉「どないしたん？　……あっ」
桜井「PC間ロイス、結ぶの忘れました……」
今吉「あー……オープニングフェイズ終わってからでいいんとちゃう？」
桜井「そうします……スイマセン……」

[newpage]

[chapter:オープニングフェイズ　シーン02　日常の瓦解]

シーンプレイヤー：PC1　紺谷浩司

桜井「じゃあ次は福井さん、紺谷くんの導入です」
福井「侵食率上げればいいのか？」
桜井「いえ、紺谷くんはまだオーヴァードではないので、侵食率はまだ上げなくていいです。こちらが指示したタイミングで上げてください」
福井「了解」
桜井「紺谷くんは、学校からの帰り道です。時間は午後の8時くらい」
福井「遅いんだか早いんだか分かんねえんだけど」
桜井「いつもより1時間くらい遅いと思ってください。なんで遅れたのかはそちらに任せます」
福井「うーん……委員会と、後は友達の部活の手伝いで遅れたってことで」
桜井「分かりました。紺谷くんは普段電車通学しているのですが、駅に到着するとなんだかいつもと違うことに気が付きます。普段よりも異常なくらい混雑しているんです」
福井「マジで？　じゃあ駅員に『何かあったんですか？』って訊く」
桜井「駅員はすごく申し訳なさそうにぺこぺこしながら答えますね……『申し訳ありませんお客様、実は信号事故の影響で電車が大幅に遅れているんですスイマセン』」
福井「まさに本人。『えっと、これは電車が動くまで待っていた方がいいんですか？』って訊こうかな」
桜井「『いいえ、あちらに臨時バス乗り場があります。あそこで行き先をご確認の上臨時バスをご利用ください、スイマセン』」
福井「『分かりました、ありがとうございます』って言ってバス乗り場に行こうかな」
黒子「駅員さんがバス乗り場付近にいてメガホンとか使って呼びかけてるんでしょうね」
今吉「『臨時バス乗り場はこちらになります！！！　こちらになります！！！！！！』」
福井「くそ（笑）じゃあ大声で騒いでいる駅員のところに行こうかな」
今吉「騒いでいるとかひどいわあ（笑）」
桜井「はい、じゃあ紺谷くんがバス乗り場に到着して行き先を確認していると、後ろから声をかけられました。『あれ、紺谷くん？』って感じで」
福井「えーっと、振り返る」
桜井「じゃあそこにはクラスメイトの綾瀬真花が立っていました。髪の毛は肩くらいまでの長さで、多分ボブとかそういうヤツじゃないと思います。目立たないけど左側頭部辺りにヘアピン2本つけてるっぽいです（ルールブックに載ったシナリオのイラストを見ながら）」
福井「かわいい？」
桜井「かわいいです」
福井「ちょっと気になるクラスメイトなんだよな。じゃあ、『綾瀬さん、綾瀬さんも今帰りだったんですね』って言うかな」
黒子「敬語キャラなんですね」
福井「モデルは黒子。今決めた」
高尾「今（笑）」
桜井「綾瀬さんは紺谷くんに答えます。『うん、そうなの、今帰りなの。部活とか先生に頼まれた用事とかが重なって、気が付いたらこんな時間。紺谷くんもそんな感じ？』」
福井「『はい、そうなんです。今は丁度文芸部が文化祭のために部誌を出そうとがんばっていますから。今日は校正作業を手伝っているんです』ってことにしよう。季節どうかな」
桜井「学校によって文化祭の時期って違いますから、そんなに気にしなくてもいいと思います」
福井「じゃあ夏くらいで。もうすぐ夏休みー、みたいな」
桜井「分かりました。他の皆さんもそれでいいですか？　ただしこのシナリオ中に夏休みに入ることはないと頭に入れておいてください」
黒子「ボクは構いません」
高尾「俺も大丈夫」
黛「俺も構わん」
今吉「ワシもええで～」
桜井「では7月中旬くらいということにします。……で、紺谷くんの返事を聞いて、綾瀬さんは『そっかあ、こんなことになっちゃって、お互いツイてないね』って言います」
福井「『そうですね。……あ、僕が乗るバスが来ました』」
桜井「『え？　紺谷くんもあのバス？　私もなんだ。良かったら一緒に帰らない？』」
福井「マジか同じバスなのか。あ、そっかハンドアウト……えっと、『分かりました。乗りましょう』って言ってバスに乗る」
桜井「バスは丁度運がいいことに、運転席のすぐ後ろの2人掛けの席が空いていました」
福井「じゃあ綾瀬とどっちが先に降りるのか確認する」
桜井「多分綾瀬さんが後です」
福井「じゃあ通路側に座る。綾瀬は奥にやる」
桜井「分かりました。2人は適当に会話をしていますね。綾瀬さんは……どうしようかな、美術部にしましょう。美術部はやっぱり文化祭に向けての活動が盛んなので遅くなったって感じで。世間話しましょう福井さん」
福井「普通に思いつかない」
桜井「ボクもあんまり思いつかないです。じゃあシナリオに載ってる台詞適当に言っておきますね。綾瀬さんはしばらく普通に世間話を進めていたんですが、不意に押し黙ると、ちょっとうつむいてから紺谷くんの方を見ました。『あ、あのね、紺谷くん、ちょっと変なこと聞いちゃってもいいかな？』」
福井「『え？　何ですか？』とか言っとくか。ホントに何なんだ？」
桜井「『あ、あのね、紺谷くんの好きな人がクラスの中にいるって……ほんと？』」
福井「え？　え？　え？」
今吉「わーーーーーーーーーー」
黒子「うわあーーーーーーーー」
高尾「甘酸っぱい展開不可避」
黛「おいふざけんな福井、お前ただのラノベ主人公じゃねえか！！」
福井「え、あー、え？　マジで？　気になるクラスメイトって……え、マジで？　そういう？　そういう展開？　どうしよう」
桜井「答えないなら答えないでこっちで勝手に進めますけど」
福井「じゃあそれでお願いするわ。でもその前に綾瀬にロイスとっとくことにするわ。うーん……ポジティブは好意、ネガティブは不安で。部活がんばりすぎて倒れないかな大丈夫かなみたいなそういうアレで」
桜井「分かりました。紺谷くんが綾瀬さんの質問に答えられないでいると、綾瀬さんはじっと紺谷くんを見つめて答えを待っています。傍から見ればさながら少女漫画ですが、勿論当人たちに分かるわけではありません。そんなこんなしていると、事態は急変します」
福井「おうおう」
桜井「バスが急ブレーキをかけて止まります」
福井「運転席の後ろの板みたいなところに頭ぶつける。で、『な、なにが！？』って感じで窓の外を見る」
桜井「窓の外を見ると、なんかすごくすごい光景が広がっています」
福井「日本語が死んでる」
桜井「バスのすぐ目の前に、何やら人影が立っています。でもそれが男か女かも分かりません。というか、何だかぼんやりしているような気がします。そして、急に意識が塗りつぶされていくような感覚に襲われました。徐々に意識が混濁していきます」
福井「え、これもしかしてやばい？」
桜井「薄れゆく意識の中で紺谷くんは人影が右手を挙げたのを見ました。するとその右手から何か鋭い槍のようなものが飛び出してきて、バスの正面窓ガラスを吹き飛ばしました」
福井「おええええええええええええええええええ！？」
桜井「脳天から足先まで、全身に鋭い痛みが走ります。そしてバスが横転して、バスが炎上しました。痛みに続いて、熱までもが全身を焼きます」
福井「えっとえっと、綾瀬！　綾瀬にとっさに手を伸ばす！」
桜井「えっとですね、綾瀬さんに手を伸ばしますが、その手は間に合いません。というかそもそもちゃんと綾瀬さんに手を伸ばせているのかどうかも分かりません。紺谷くんはそのまま爆発の熱に呑まれるようにして意識を失ったのでした」
福井「う、うわあああああああああああああ！！！　しんだああああああああああああああ！！！」
今吉「死んだとは言ってないやろ（笑）」
高尾「強く生きて欲しい（笑）」

[newpage]

[chapter:オープニングフェイズ　シーン03　尾行と覚醒]

シーンプレイヤー：PC2　氷室氷咲

桜井「では黒子くんもとい氷室さんのオープニングフェイズに入ります。……氷咲さんにしよう……氷室さんってあっちの氷室さんっぽくなる」
黒子「何かすみません」
桜井「いやいやいや！　こちらこそスイマセンスイマセン！　シーン入っていいですか？」
黒子「どうぞ。あ、侵食率上げますね」

侵食率上昇！
1D10→4
33％→37％

黒子「4ですね、そこそこです。現在侵食率は37％」
桜井「はい。では氷咲さんは、今UGNの任務によって、矢神秀人という生徒の尾行をしています。矢神秀人は高校の1年生で……同い年ですか？　年下ですか？」
黒子「年下ですね。高校2年生のつもりで考えてました」
桜井「分かりました。では、矢神秀人についてこれまでの尾行で分かったことを公開します」
黒子「はい」
桜井「ざっくり言うと、矢神秀人にはFHのエージェントではないかという疑惑がかけられています。調べた結果だと矢神くんは成績も運動をごく普通で、部活も最近美術部に入るまでは帰宅部だったという、学校のどのクラスにも1人はいるような目立たない生徒でした。家での様子は別のエージェントが監視していたのですが、やっぱりごくごく普通の少年って感じしかしないそうです」
黒子「なるほど……では氷咲はだんだん涼しくなってきた空気から矢神の動きを感じ取って尾行をします」
桜井「では……あ、氷咲さんって《知覚》低いですね……うーん……難易度5で判定してください」
黒子「ダイス1つしかないんですよね」
桜井「矢神秀人と《知覚》で対決するよりはマシだと思いますよ！」
黒子「うわすごいいい笑顔……がんばります」

《知覚》
1D10（C10）→2

黒子「うわこれはひどい」
桜井「うわあ……。じゃあ、氷咲さんは気が付いた時には矢神秀人の姿を見失っています」
黒子「ピーカプクソザコナメクジじゃないですか」
今吉「黒子くん最近『日本語●めない卓』見た？」
黒子「よく分かりましたね」
桜井「話を戻します。まさか気付かれたのか、そう思った時、反対方向から強いレネゲイドの気配を感じます」
黒子「えっと、そっちの方向に向かって走り出します」
桜井「では氷咲さんは街を走りながら異常に気が付きます。自分以外の存在が全て、時でも止めたかのように静まり返っているのです。そして見慣れた秀徳市の街並みも何処か色褪せて見えます」
黒子「それはつまり、《ワーディング》ですか？」
桜井「はい、その通りです」
黒子「嫌な予感を覚えながら、とにかくレネゲイド濃度が濃いところに向かって走り続けます」
桜井「はい。では必死で走っていた氷咲さんの数百メートル先で、バスが突然爆発しました」
黒子「『な、なにがっ！？』って思わず立ち止ります。数百メートル先なら、普通に爆発もろ被りしますよね？　演出でリザレクトするレベルですよね？」
桜井「まあそうですけど……HPダメージを1D10食らって同じだけ回復する程度の《リザレクト》です。《リザレクト》って、オーヴァードの肉体が常人の強さを超えているっていうのを示す回復エフェクトなんじゃないかって思ってて……世界の中的には……」
黒子「ああ、分かりました、そういう。じゃあ熱風を食らって、『と、溶ける……！』と腕で顔を守ります」
高尾「リアクションが雪女wwwwwwwwwwwwwwwww」
黛「すげえぬ●孫っぽい」
今吉「ああ、雪女って何言っとるんや思ってたけどあの漫画か」
黒子「まあモデルはあの雪女ですよね。あの黄色い眼がかわいいです」
福井「分かりある」
桜井「ボクも分かります。とりあえずバスはボウボウ燃えています。そしてそのバスを見つめる人影が1つ。とはいえ熱風と炎のせいでその姿はぼんやりとしています。『フフフ……これで目覚める。これで……』とか言っているのが聞こえます」
黒子「《ワーディング》が張ってあって普通に佇んでいるってことは、オーヴァードの可能性が高いですね。で、救助作業をしようとしているわけでもないから、敵寄り、と。『……何者ですか？』と警戒をあらわにします」
桜井「『チッ、もう来たのか』と呟き、人影はその姿を消します」
黒子「じゃあもう追うことはできませんね……『逃がしたか……仕方ない、今はこっちだわ』と言ってバスに近寄ります」
桜井「バスは未だ炎上していて、《ワーディング》も張られています。そのため一般人は無力化されており、避難することもできません。状況は非常に緊迫しています」
黒子「ええと、ええと、じゃあ、せめて何処かに脱出口を作らなきゃいけないわけですから……まあ駆け寄りますよね」
桜井「では氷咲さんが駆け寄った時、バスの天井部分が大きくたわみます。がん、がんと金属に強くぶつける音がして、やがて天井が突き破られて……」
黒子「お」
桜井「腕に1人の少女を抱えた異形が姿を現しました。氷咲さんは知る術もありませんが、紺谷くんです。紺谷くんは侵食率を上げて登場してください。まあすぐに気絶しますが」
福井「まあそりゃそうだよな。よし、侵食率上げるぞー」

侵食率上昇！
1D10→7
35％→42％

高尾「うわ、7だ」
黛「すげえ、出目高いな」
今吉「まあ覚醒したわけやし、いい感じに活性化しとるってことでええんちゃう？」
福井「だな。で、俺はその場でぶっ倒れればいいの？」
桜井「はい、そうしてください」
黒子「じゃあ氷咲はその場に駆け寄ります。2人はどうなっていますか？」
桜井「そうですね、まず、駆け寄った氷咲さんは、2人の制服が自分が通っている高校……高尾くん、名前何がいいですか？」
高尾「あー……秀徳高校じゃ安直だし、多分秀徳市はあくまで紺谷くんが住んでる市で、高校も市内とは限らないよな？」
桜井「市内ってことにしてもいいですよ」
高尾「んー……誠凛か桐皇から取りたいんすけど」
今吉「したら花村はレネビやし、誠凛からにしたらええんちゃう？」
高尾「じゃあ誠凛第一高校で！」
桜井「分かりました。とりあえず2人は氷咲さんが通っている誠凛第一高校の制服を着ていることが分かります。まあ紺谷くんのはだいぶ汚れてますけど。で、男子の方はけっこうボロボロなんですが、女子は無傷だと分かります。うーん……年齢的に学年違うんですよね……（キャラシのコピーを見ながら）」
黒子「知ってるか知らないかってことですか」
桜井「あ、でも待ってくださいね。氷咲さんは女子の方は知っているかもしれません。矢神秀人の監視をしていた時、矢神が入部した美術部に所属している女子だと分かるでしょう。前に矢神と話していた、1学年下の女子です」
黒子「すごく怪しい気がします……矢神は氷咲と同学年なんですか？」
桜井「はい、そうです」
黒子「ではすぐに支部に連絡して、バス爆発とうちの後輩がオーヴァードになったよっていうのを即座に伝えます」
桜井「分かりました。他にやりたいことはありますか？」
黒子「いえ、特にはないです」
桜井「では、UGNの救助隊が現れて、怪我人が運ばれていきます。いつの間にか《ワーディング》が解除されていました。そして氷咲さんは動きが見られるまで待機を指示されます」
黒子「言われた通り待機します」
桜井「ではシーンを切ります」
黒子「あ、矢神秀人にロイスをとります。ポジティブは尽力、ネガティブは猜疑心です。とりあえずこいつの疑惑を解明するために力を尽くそう、と決めます」
桜井「では次に行きましょう」

[newpage]

[chapter:オープニングフェイズ　シーン04　世界の裏側]

シーンプレイヤー：PC3　天宮柚月

桜井「続いて支部長……高尾くんもとい天宮さんの導入です。妹がいるなら柚月さんの方がいいかな？」
高尾「どっちでもいーよ」
桜井「じゃあとりあえず天宮さんで」
高尾「うぃーす」
桜井「侵食率上げてください」
高尾「うぃーす」

侵食率上昇！
1D10→10
35％→45％

高尾「ファッ！？」
黛「うわすげえ」
今吉「いきなりかっとんだなあ」
黒子「活性化してますね……」
高尾「まあエフェクトレベル上がって、ダイスボーナスつく分にはいいか……で、俺のシーンはどんな感じなの？　桜井」
桜井「そうですね、天宮支部長は、つい数時間前に起こったばかりのバス炎上事故の報告を受けて、支部内で書類仕事などをしているところです。重軽傷者多数という報告、そしてこの事故によってオーヴァードに覚醒した少年がいるという報告は受けていましたが、続報はまだ来ていないって感じですね。支部を空けるわけにもいかないので、実質待機のようなものだと思ってください」
高尾「あー……だよなあ……うーん、じゃあ多分そんなに詳しくはないだろう報告を見て、眉をしかめてるって感じで。ちなみにGM、オーヴァードに覚醒した少年の名前は現時点で分かってるの？」
桜井「ああ、ようやくボクのことGMって呼んでくれましたね。みんな桜井桜井っていうから……」
高尾「ごめんて」
黒子「そういえば忘れてました。すみません、桜井くん」
今吉「堪忍なあ」
福井「悪い」
黛「すまんすまん」
桜井「まあ別にいいですけど……黛さんに至ってはほとんど関係ないですし……。で、天宮支部長の先ほどの問いですけど、覚醒した少年について、支部長は詳しいことを知りません。氷咲さんが報告したことを知ってはいますが、多分氷咲さんも紺谷くんの名前は知らないでしょうから」
黒子「そうですね、知らないと思います」
桜井「だから、天宮支部長は名前も知らないということでお願いします。誠凛第一高校の生徒だということは知っていて結構です」
高尾「了解。じゃあ俺がすることは特にないかな。GMの進行に任せる」
桜井「ありがとうございます。じゃあ進めますね。書類とにらめっこしている天宮支部長の元に、一通のメールが届きます」
高尾「開くよ」
桜井「それはUGN日本支部の支部長、霧谷雄吾からのものでした。本文には、5分後に直接連絡をするという旨が書いてあります。そして添付ファイルとして、オーヴァードに覚醒した少年のデータがあります」
福井「個人情報が……」
黒子「確かに、緊急時とはいえ個人情報もれてますね」
黛「気にしたら負けだ」
福井「んだな」
桜井「フィクションなのでということでここはひとつ……スイマセン……」
福井「いいっていいって」
高尾「じゃあ、5分の間にできるだけ資料に目を通しておこうかな。読みながらプリントアウトする」
桜井「5分間で分かる情報……まず、少年の名前は紺谷浩司ということ、誠凛第一高校の1年……何組がいいですか？　福井さん」
福井「じゃあ4組で」
桜井「1年4組だということ、部活は帰宅部……ですよね？　で、委員会が……」
福井「風紀委員会で」
桜井「分かりました。で、友達の部活を手伝うために放課後残ることもある、とか、そういう何てことない基本情報を得ることができます。あとは、体の機能そのものに異常はない、ってことくらいですね。シンドロームも分かっていいでしょう」
高尾「『また1人、《日常》から足を踏み外してしまったのか……世界は本当に残酷だね』って頭を抱える」
桜井「では天宮支部長が頭を抱えた時、ぴったり5分が経過したためか、支部長室についているテレビ電話用のモニターが着信を告げます」
高尾「出る！」
桜井「モニターに映ったのは、紛うことなく霧谷雄吾その人でした」
高尾「穏やかに微笑んで、『霧谷さん、お疲れ様です』って言うかな」
桜井「すると霧谷さんも、『天宮柚月支部長、ご苦労様です。お忙しいところすみません』と言いますね」
高尾「『いいえ、とんでもないです。こちらこそ、手を煩わせてしまって申し訳ありません』」
桜井「『早速ですが本題に入りましょう。我々には時間が残されていません。……お送りした資料には目を通していただけましたか？』」
高尾「『もちろんです』って、軽く資料を持ち上げる。『もっとも、5分で理解できる範囲でのことしか把握してはおりませんが』ノイマンだったらすぐ分かったんだろうけどな。花村くん呼べばよかったな」
今吉「（笑）多分ワシも何処かで働いとるんやろ」
黛「病院で紺谷の傍に着いてたりしてな」
今吉「割とええんちゃう？」
桜井「いいかもしれませんね。まあ今は高尾くんのシーンなので、そっちに戻しますよ。霧谷さんは『結構なことです』とか何とか頷いて、続けて言います。『それならばもうお分かりかと思います。彼は……紺谷浩司さんは、こちら側の住人となりました。現在は病院で治療を受け、傷も全て治り眠っているだけだと聞いています。そちらの管轄であるにも関わらず、結果として先にこちらに情報がきたことは申し訳ないと思っています』」
高尾「『いえ、それは構いません。……それで、我々は何をすれば』」
桜井「『さすがは天宮柚月支部長、話が早い。あなたがた秀徳市支部の皆さんには、今回の事件について情報を集めると共に、紺谷浩司さんを保護し、オーヴァードやレネゲイドについて説明し、さらには非常時の護衛を行うという任務を言い渡したいと思います。すぐには受け入れられるような世界ではありませんから、辛抱強く寄り添って、支えてあげてください。君たちならばそれができると信じています』」
高尾「『了解しました』」
桜井「『さらに、日本支部のチルドレンである黒瀬桃子をそちらに派遣しています。明日には合流できるでしょうから、彼女とも協力して任務にあたってください』」
高尾「『はい』」
桜井「『私からは以上です。では、ご武運を』そう言って通信は切れます」
高尾「まあこっちも特にすることはないかな。シーン切っていいぜ」
桜井「はーい、切りますね」
高尾「おっと、シナリオロイス結ばなきゃ。紺谷くんに対して、庇護/憐憫、かな。かわいそうにって感じ。表は庇護」
桜井「分かりました」

[newpage]

[chapter:オープニングフェイズ　シーン05　連携]

シーンプレイヤー：PC4　黒瀬桃子

桜井「ではお待たせしました、黛さんもとい黒瀬さんのシーンです」
黛「よっしゃー」
桜井「侵食率上げてください」

侵食率上昇！
1D10→1
32％→33％

黛「うわ低っ」
桜井「きっとこれから上がるんですよ！　じゃあ、PC4のオープニングなんですけど……どんなオープニングがいいですか？」
黛「え？」
桜井「PC4ともなるとかなり自由度が高くなるので、どんなシーンにしたいのかある程度は決めてくれていいんですよ」
黛「なるほど……じゃあ、そうだな。UGN日本支部で秀徳市への派遣任務を言い渡されるところ、だな。公式NPCにはロイスをとっていないから……誰から言い渡されるかは、GM、お前に任せる」
桜井「分かりました。では……黒瀬さんのお兄さんから呼ばれる、ということにしますね」
黛「分かった。では呼ばれた場所に向かうことにする。うーん、どういうキャラにしようかな……『お呼びですか、お兄様』とか言って入ろうかな」
桜井「ちなみに、どういう関係性なんですか？　お兄さんの性格とか考えてます？」
黛「全然考えてない」
桜井「じゃあこっちで適当に決めます。『お兄様だなんて他人行儀な対応はよしてくれよ。今この部屋には俺とお前しかいない。気軽にお兄ちゃんって呼んでくれていいんだぜ』」
黛「なるほど、そういうキャラか、了解。『お仕事でお呼びになったのではないですか？　兄妹とはいえ、そこは切り替えるべきかと思いまして』とか言っておくか。……けど、切り替えようとするならお兄様なんて呼ばないよな？　中途半端だよな？」
桜井「言われてみれば……じゃあ、『切り替えるって言うのなら、黒瀬分隊長と呼ぶべきだな、黒瀬。お前の切り替えじゃ中途半端だよ、どちらかにするといい』とか言ってみますかね、ちょっと厳しめの態度して」
黛「いいぞいいぞ。じゃあ途端に嫌そうだった表情を引き締めて、『大変失礼いたしました、黒瀬分隊長。……ご用件をお伺いしても？』」
桜井「ちょっと緊張感のある兄妹になってしまいましたね……まあ続けます。『数時間前、秀徳市においてバスが横転、爆発炎上する事故が起こった。この事故によってオーヴァードに覚醒した少年がいること、そしてこの事故にFHの関与が疑われることを理由に、霧谷支部長は秀徳市へ日本支部のチルドレンあるいはエージェントを派遣することを決定した。そこで指名を受けたのが、黒瀬、お前だ。よってお前には、秀徳市支部のオーヴァードと合流し、共に事件解決にあたること、および新しくオーヴァードに覚醒した少年を保護することを命じる』」
黛「敬礼でもするかね。『拝命いたしました』」
桜井「黒瀬さんに公開される情報はそれだけじゃないですよー。『さらに、今回の事故にはあの“ディアボロス”の関与が可能性として浮上しているところだ。彼は“シューラ・ヴァラ”という正体不明のエージェントと協力し今回の件を引き起こしたらしい。“シューラ・ヴァラ”の正体、奴らの目的に関してはまだ詳しいことは分かっていない。警戒するように』」
黛「ディアボロスってつまり春日恭二だよな？　じゃあ眉をしかめて言うな。『“ディアボロス”……彼がまた何かを企んでいるということですか？　ではそれを阻止しなくてはいけませんね』」
桜井「『よろしく頼むよ。早速向かってくれ』」
黛「『はい、分かりました』」
桜井「って感じですね、いいですか？」
黛「あ、1つ聞きたいんだけど」
桜井「はい」
黛「“シューラ・ヴァラ”って結構アラビアンな言語リズムしてるけど、どういう意味？」
今吉「あれとちゃう？『ラーマーヤナ』」
黛「へえ」
桜井「あ、そうですスイマセン！　『ラーマーヤナ』の主人公が使用している武器の名前で、『鋭き投槍』っていう意味があります！　説明忘れてましたスイマセン！」
黛「いやいいよ。とりあえず春日恭二にロイスとるか……ポジティブに同情、ネガティブは任意で『殴りたい、このオヤジ』で」
高尾「ファーーーーーーーーwwwwwwwwwwwwwwwwwww」
黛「何度も戦ったことがあるんだろ？　で、その度に負かしてるんだろ？　そりゃ同情もするしうんざりもするわ」
桜井「まあ何も間違ってはいないと思います……シーン切りますね」
今吉「ほんと春日恭二ヒロインやよなあ（笑）」

[newpage]

桜井「オープニングフェイズが終わったので、PC間ロイスを結びたいと思います。PC1→PC2→PC3→PC4→PC5→PC1って感じで結んでください」
福井「GM、俺は氷咲のことはあんまり知らないんだよな？　その状態で結んでもいいのか？」
桜井「シナリオが始まってからでも構いませんよ」
福井「……いや、今結ぶわ。ポジティブは好意、ネガティブは無関心。無関心が表。廊下で見かけて可愛いなとは思ったけど、大して興味はないって感じ」
黒子「ボクは支部長に対して、連帯感/嫉妬心でロイスをとります。頼りになるけど強いのがうらやましいです。表は連帯感です」
高尾「俺は黒瀬さんに有為/脅威でロイスをとろうかな。チルドレンとしての実力は頼りになるけど、日本支部から来たわけだし、この子が何か言ったら場合によっては支部が解体される可能性もあるよなってことで」
黛「じゃあ花村に好奇心/猜疑心だ。データから生まれたレネゲイドビーイングだということは知っていて興味深いと思っているが、生まれて3年の奴に何ができるのかと思っている。表は猜疑心」
今吉「紺谷くんやな……うん、感服/無関心や。色々な部活の手伝いをしているところはたまに見かけとるし、すごいなあえらいなあ思っとる。せやけどそれ以上の関心はない。表は無関心やな」
桜井「了解です、ありがとうございます。ではいよいよミドルフェイズに移ります」

[chapter:ミドルフェイズ　シーン06　顔合わせ]

シーンプレイヤー：PC3　天宮柚月

桜井「じゃあ、ミドルフェイズですが……」
高尾「あ、なあGM、PC1以外のメンツが顔合わせするシーンをやりたいんだけど……」
桜井「他の人がOK出したらいいですよ」
今吉「ワシはええで」
黒子「ボクも大丈夫です」
黛「俺も顔合わせしたいわ」
高尾「じゃあ俺がシーンプレイヤーやりまっす！　場所は秀徳市支部の物理実験室で」

侵食率上昇！
氷室：1D10→9
　　　37％→46％
天宮：1D10→2
　　　45％→47％
黒瀬：1D10→8
　　　33％→41％
花村：1D10→7
　　　35％→42％

桜井「いい感じに横並びになりましたね」
今吉「わーい80まで半分やでー」
黛「この調子で積極的にシーン登場しそうだなこの人工知能……」
桜井「じゃあ……シーンプレイヤーの高尾くん、場所は支部でいいですか？」
高尾「うん、いいよ。支部で……待機していた氷咲ちゃんを呼んで、ブリーフィングするところ。黒瀬ちゃんが支部ん中に入って来る許可も与えてる。花村くんには最初から支部長室にいてもらおうかなあ」
今吉「了解やで～」
黛「じゃあ黒瀬は受付だか警備員だかに入所許可証を出して中に入ろうかな」
桜井「受付……廃校が支部になってるので、きっと事務室ですね」
高尾「事務室が近い昇降口以外のとこは封鎖されてるんだろうなあ」
黒子「あ、皆さん、ボク、支部に戻って来たところで黒瀬さんと鉢合わせしてもいいですか？」
高尾「俺はいーよ。場所が支部長室の前だとなおよし」
今吉「ワシはええで」
黛「俺も大丈夫。場所も支部長室の前でいいよ」
黒子「では、氷咲は一度自室である3年1組教室に戻って着替えとかを済ませ、支部長室に向かいます。そこで黒瀬さんに出会う……って感じで」
黛「じゃあ事務室で支部長室の場所を教わって、てくてく向かって氷咲に会う」
黒子「『……どちら様？』って聞きますかね」
黛「『UGN日本支部から派遣されてきました、チルドレンの黒瀬桃子です。秀徳市支部の今回の任務をお手伝いさせていただきます』ってにっこり笑いかけるかな」
高尾「PLはちっとも笑ってないけど」
黒子「『……そう。私は秀徳市支部所属のUGNチルドレン、氷室氷咲です。協力感謝します、どうぞよろしく』」
黛「『見たところ同い年……ですよね？　任務がうまくいったらお友達になってくださいね』って感じで」
黒子「『うまくいけば、ですね。では、うまくいくように最善を尽くさなければいけませんね』ってこっちもにっこり笑います。氷咲ちゃんはそこそこ人懐こい子なので」
桜井「無表情組が笑顔RP……なかなかにアイロニックというかシュールというか……」
高尾「まあそんな声を聞いて、物理実験室の扉を開けまーす。『ああ、着いたんだね、君たち。中に入って』」
今吉「で、花村くんは実験室の中から2人の様子を見とるで」
黒子「支部長室に入ります」
黛「中に入って……自分の知る支部長室とは全然違うなあって目を丸くする」
高尾「『あはは、支部長室って言っても、ぶっちゃけ元は物理実験室だからな。珍しいのも無理ないよ』って黒瀬ちゃんの方を向いて、で、本題進んでいいっすかね？」
黒子「いいですよ」
黛「いいよ」
今吉「ええで」
桜井「GMはとりあえずしばらく暇することにしますよ～」
福井「俺は病院のベッドでグースカ寝てることにするぜ～」
高尾「福井さんのためにも早く終わらせまーす！『では、改めて。僕は秀徳市支部の支部長、天宮柚月だ。今回はかなり珍しく、困難なケースになったけれど、協力して任務に当たって行こう。よろしく頼むよ』」
今吉「『花村紘です。覚醒してからは3年だけど、人工知能やってたから情報収集なら任せてよ！』」
黛「『改めまして、UGN日本支部から派遣されてきました、黒瀬桃子です。今回はよろしくお願いします』」
高尾「『それじゃあ、行こうか。まずは紺谷くんが入院している病院だ。そこで彼に色々説明してあげないとね』」
3人「『了解！』」
高尾「シーン切っていいよ」
桜井「分かりました」
今吉「ちゅーか、一人称が『俺』のキャラクターいないんとちゃう？」
黒子「今から氷咲が俺っ子になりましょうか？」
今吉「何言うとるんやこいつ（真顔）」
黒子「失礼ですよね今吉さん……」

[newpage]

[chapter:ミドルフェイズ　シーン07　日常と非日常の狭間]

シーンプレイヤー：PC1　紺谷浩司

桜井「では固定イベントに入ります。紺谷くんが病院で目を覚ますシーンになります。シナリオではシーンプレイヤーはPC3ということになっていますが……」
高尾「俺さっきやっちゃったしなあ」
桜井「それなら、紺谷くんにしましょうか？」
福井「俺はいいよ」
桜井「ではまず紺谷くん、侵食率を上げてください」

侵食率上昇！
紺谷：1D10→1
　　　42％→43％

福井「上がんねえなあ」
桜井「いいんじゃないですか？　どうせクライマックスでガチ上がりしますし」
福井「嫌な予感しかしねえ！」
桜井「まあどれくらい上がるかは本当にダイス次第ですからね……あと、他の皆さんも全員登場することになるでしょうから、忘れない内に侵食率を上げておいてください」

侵食率上昇！
氷室：1D10→7
　　　46％→53％
天宮：1D10→2
　　　47％→49％
黒瀬：1D10→10
　　　41％→51％
花村：1D10→7
　　　42％→49％

黛「嘘だろ最大値！？」
黒子「それでもボクよりは低いじゃないですか！」
黛「両方50超えてるんだからどっこいだろ」
桜井「こういうのどんぐりの背比べって言うんですよ、黒子くん」
黒子「それくらい知ってますよ！　ボクの得意科目なんだと思ってるんですか！」
高尾「黒子のキレ方おかしい」
桜井「とりあえず話進めますよ。病院のベッドで、紺谷くんは目を覚まします」
福井「病院の天井をぼんやり見つめて呟くかな。『知らない……天井だ……』」
高尾「wwwwwwwwwwwwww」
黒子「wwwwwwwwwwwwww」
今吉「wwwwwwwwwwwwww」
桜井「wwwwwwwwwwwwww」
黛「wwwwwwwwwwwwwww」
福井「皆笑いすぎじゃね！？」
黒子「だっていきなりエヴァぶっこんでくるんですもん（笑）」
黛「それは笑うわ」
桜井「では知らない天井を見た紺谷くんの傍には、看護師が1人立っています。女性です」
福井「ほう。じゃあ体を起こして、『ここは……？　っ！　そうだ、バスが、綾瀬さんが……！』って辺りを見回します」
桜井「『落ち着いてください、紺谷くん。大丈夫よ』と看護師が声をかけます」
福井「『落ち着いて、って……！　だって、あんな事故が！』」
桜井「そこで紺谷くんは気付きます。あの爆発で感じたはずの痛みや、負ったはずの傷がすっかりなくなっていることに」
福井「じゃあ言いかけたところでそれに気づいて、『え……あれ……？』って動揺する」
桜井「看護師さんは紺谷くんに柔らかい口調で話しかけます。『色々混乱しているかと思いますが……あなたはその事故のことを何処まで覚えていますか？』」
福井「何処まで、か……えっと、『ええと……電車が止まって、バスに乗って……』って感じで、オープニングで起こったことを全部喋る。かくしかだ」
桜井「看護師は『そうですか』と頷きます。そして、『あなたの身に起こったことに関しては、後ほど詳しい事情を知る人が説明に来てくれます。それまで体を休めていてくださいね』と続けます」
福井「『詳しい……人？』って怪訝な表情を浮かべるけど、多分答えは教えてくれないんだろうなあ……」
高尾「あ、俺たち登場しても？」
桜井「いいですよ」
高尾「じゃあ病室をノックして入ります。『どうも、初めまして紺谷くん』って感じで」
福井「『誰ですか？』って訊くかな。天宮支部長ってどんな見た目？」
高尾「んー……金髪で眼鏡？」
黒子「……」
今吉「黒子くんどうしたん？」
黒子「いえ、何でも……ないです」
高尾「ちょっとぼさっとしてるかなあ。研究いっぱいしてるから」
福井「じゃあいぶかしんでる」
高尾「よーし自己紹介だー！『ああ、まだ名乗っていなかったね。僕はUGN秀徳市支部の支部長、天宮柚月というよ。今から君に、色々説明をしなくちゃいけないと思ってやってきたんだ』」
福井「『説明……詳しい人って、あなたたちのことなんですか？』」
高尾「『うん、その通り。先程看護師から聞いたけれど、君は……紺谷くんは、昨日起こった事故についてかなり鮮明に覚えているみたいだね』」
福井「『は、はい。その……綾瀬さんは無事なんでしょうか？　僕、彼女を助けなきゃと思ったところから記憶がないんです』」
高尾「あれ？　GM、綾瀬真花ちゃんのことって、支部長は知ってる？」
桜井「はい、知っています。無傷で救出され、UGNの記憶処理を施されて《日常》に帰っていますよ」
高尾「じゃあ、記憶処理のこと以外は伝えようかな。『ああ、あの女の子だよね。大丈夫大丈夫、無傷だよ』」
福井「それならほっと胸をなでおろすかな。『よ、良かった……』」
高尾「よーし畳みかけちゃうぞー。『……何故無事だったのか……そこは気にしないんだね、君は』」
福井「『どういうことですか？　それは、詳しい説明をしてくれるっていうことと、何か関係しているんですか？』」
高尾「『勿論。関係大ありさ』と言って、《ワーディング》！」
黒子「待ってください支部長！」
高尾「！？」
黒子「《ワーディング》はボクがやります。GM、《ワーディング》の演出は、PCによって変わっていいんですよね？」
桜井「はい、演出は各PLに丸投げしますけど……」
黒子「ボクのシンドロームなら、多分支部長のシンドロームより視覚的に《ワーディング》が分かりやすいと思うんです。いいですか、高尾くん？」
高尾「なるほどそういうことか。オッケー！　じゃあ、支部長が『関係大ありさ！』って言ったところで、突然氷咲ちゃんが《ワーディング》するってことで」
黒子「はい。氷咲ちゃんが《ワーディング》を展開すると、病室の気温が一気に低下します。そして、壁は霜に覆われ、氷咲ちゃんの周りには雪が吹き荒れる……って感じですね」
桜井「張り切ってますね」
黒子「紺谷くんに見せるのに手っ取り早い方法を選択したって感じです」
高尾「じゃあ俺は氷咲ちゃんを振り返って言うかな。『おいおい氷咲ちゃん……少し気が早いんじゃない？　紺谷くんをびっくりさせてしまうよ』」
黒子「『でも、見せた方が早いと思うんですよね。多分口で説明されてもなかなか信じられないでしょうし』」
高尾「『まあ、うん、僕も《ワーディング》はしようと思ってたけどさ……』」
福井「あ、じゃあ俺は『え……、え！？』って感じで混乱してる。あわあわだぜ」
黛「あわあわー」
今吉「あわあわー」
桜井「大学生組仲いいですね……」
高尾「で、まあレネゲイドとオーヴァードとUGNについてかくしか。省略していい？」
桜井「いいですよ」
福井「俺もオッケー。あ、ついでに事故のことも覚えていることをかくしかしたってことで」
高尾「分かりました！　で、最後に付け加える。『今この子が……氷咲ちゃんが展開しているのは、オーヴァードならば誰しもが持っている《ワーディング》という能力だ。オーヴァード以外の存在を無力化して、オーヴァードのみの戦いをしやすくする、というものだね』」
福井「『そう……なんですか。え、でも、待ってください、オーヴァード以外を無力化……！？』さすがに色々見せられた状態で信じないってわけにはいかないから支部長の話は信じるけど、そしたら今動ける自分はどういうことなんだ……って感じのリアクション」
高尾「そういう反応を待っていたんすよ！『うん、オーヴァード以外を無力化。君がバスの事故に遭う前に感じた、意識が持って行かれる感覚っていうのも、《ワーディング》によるものなんだ。では、何故今君がこの空間で動けているのか。……もう分かっているんじゃないかな』とか言って、少し悲しそうに微笑む！」
福井「わー（笑）それっぽいぞー（笑）じゃあ……はっと息を呑んで、支部長を顔を見つめるとしようか。『それは、じゃあ……僕がオーヴァードだってこと……ですか……？』」
高尾「『うん、その通り。君があのバスの事故で死にそうな目に遭ったことで、体内のレネゲイドが活性化し、覚醒した。もしかしたら、隣に座っていた綾瀬真花さんを守りたい……そう思ったからかもしれないね』」
福井「『そう……だったんですか……』」
高尾「『うん。それで、ここからは僕たちが君にお願いをする番だ』」
福井「『お願い？』」
高尾「『その通り。まずは君のことを我々UGN秀徳市支部で保護させてほしい。というのも、覚醒したての君の能力や精神はひどく不安定だからね。落ち着くまで、プロの傍に居た方が安全というわけだ。どうだい、悪い話じゃないだろ？』」
福井「少しだけ考えてから、『はい、お願いします』って頷く」
高尾「『そしてもうひとつは……我々UGNに力を貸してほしい、ということだ』ってわけで、FHのことと、事故と奴らの関係性についてかくしか！　で、紺谷くんに協力してほしいってことを伝える！」
福井「じゃあ、『正直、何が何やら分からないんですが……分かりました、できる限りがんばってみようと思います』って感じかな」
高尾「『オーケー、その言葉を聞けただけでもうれしいよ。じゃあ、ここにいる連中を紹介しようかな』ってやって、ようやく紹介だー！　みんなすいません！　俺ばっかり喋っちゃって！」
黒子「RP的に支部長が喋るべき場面だったと思いますし、そこは気にしなくていいと思いますよ。『秀徳市支部に所属しているUGNチルドレンの氷室氷咲です。紺谷くんと同じ誠凛第一高校の生徒だけど、学年は2年なの。よろしくね』」
今吉「『僕は花村紘。同じく秀徳市支部に所属しているんだ。よろしく』」
黛「『黒瀬桃子と言います。UGN日本支部から派遣されてきました。よろしくお願いします』」
福井「『改めまして、紺谷浩司です。みなさん、よろしくお願いします』……で、これシーン切った方がいいやつ？」
黛「だな。これ以上は続けなくても良さそうだ」
桜井「分かりました、ではシーンを切ります。ロイス結ぶ人いたら結んで、休憩にしましょう」
福井「支部長にロイス結ぶ！　ポジティブは信頼、ネガティブは不安。まだ戸惑いが大きいってことで、不安を表に出す」
黒子「紺谷くんの分の枠だけとっておきます。感情はもう少ししたら決めたいです」
高尾「氷咲ちゃんにロイス取りまーす。ポジティブは信頼、ネガティブは恐怖で信頼が表」
黛「紺谷にロイス枠だけ確保して後から感情決める」
今吉「ワシは支部長に取るで。ポジティブは信頼、ネガティブは不安。信頼が表や」
桜井「では休憩にしましょう。次も固定イベントになります」

[newpage]

[chapter:ミドルフェイズ　シーン08　接触]

シーンプレイヤー：PC2　氷室氷咲

桜井「はい、次も固定イベントになります。シーンプレイヤーはPC2となっていますが、黒子くん、いいですか？」
黒子「はい、問題ありません」
桜井「場面は事故の翌日以降……まあイメージとしては、そうですね、週末を挟んだくらいの頃にしましょうか……そのくらいの日の、全校朝礼を想定しています。なので、支部長は出れません。PC4の黒瀬さんも、一時的に転入するといった手続きを取らない限り、登場は認められません」
今吉「ワシは出てもええの？」
桜井「誠凛第一の3年生なんですよね？」
今吉「そのつもりやで」
桜井「じゃあ出てもいいです」
今吉「おおきに。ほなワシは出るで。福井は？」
福井「うん。俺も出る」
黛「俺は出ないかな。みんなが学校に行っている間に色々調べてるって設定にしておこう」
桜井「では侵食率を上げてください！」

侵食率上昇！
紺谷：1D10→5
　　　43％→48％
氷室：1D10→6
　　　53％→59％
花村：1D10→3
　　　49％→52％

黒子「そろそろダイスボーナスが付きますね……次のシーンは休みたいです」
今吉「ぜーんぜん活性化しーひんわあ」
桜井「では、みなさんは全校朝礼に出るために講堂に集まっています。色々省略しますが、友人と会話をする限り、バスの事故のことは話題にはのぼっていないようです。UGNの情報操作がうまくいっているということだと、3人共分かっていいでしょう」
福井「じゃあ友達と喋りながら内心で、『本当に記憶操作なんてことができるんだ……じゃあ、綾瀬さんも忘れてるんだろうな。きっとその方がいい』って思ってる」
黒子「いいPC1ですね」
福井「だろ？」
桜井「では、そんなことを思っている紺谷くんに、噂をすれば影、綾瀬さんが話しかけてきます。『おはよう、紺谷くん』」
福井「『おはようございます、綾瀬さん』って普通に返す。綾瀬真花に事故のことを気にしてる様子はあるのか？」
桜井「いえ、そういう様子はありません。『もうすぐ文化祭だよ～、今日も遅くまで部活するんだろうなあ……』って感じですね」
福井「『文化部は大変ですよね』って返すかな」
桜井「で、氷咲さんと花村くんには、会話は聞こえてないけど2人が会話しているところは見えるって感じです」
今吉「ほな、近くまで行こうか」
黒子「そうですね、ボクも近付きます。話し声が聞こえるくらいまで」
桜井「では、これからの会話はPCにも聞こえる、ということにします。紺谷くんと綾瀬さんが他愛もない話をしていると、『綾瀬さん、おはよう』と声をかけてくる人がいます。紺谷くんのクラスメイトでもある矢神秀人です」
福井「マジで？　クラスメイトだったの？」
黒子「警戒して観察します」
今吉「じゃあ氷咲ちゃんに近づいて、『あれが矢神秀人？』って確認とろうか」
黒子「『ええ、彼が矢神よ』って答えます」
福井「ん、あれ？　矢神秀人は紺谷とも同じクラスなんだよな？　ってことは紺谷のこと知ってるってことだよな？　何で綾瀬だけに話しかけてくるんだ？」
桜井「それはすぐに分かりますよ。矢神秀人は紺谷くんの方をちらりと見ますが、声をかける様子はありません。それどころか、暗い負の感情をたたえた眼で見てくるでしょうね」
福井「うわ感じ悪いなこいつ……とりあえずこっちには心当たりがないから、眉をしかめて怪訝そうな顔だけしておく」
桜井「では矢神秀人はそれ以上紺谷くんに関わろうとはせずに、綾瀬さんに話しかけます。『金曜日は大変だったみたいだね？　何でも、電車が止まってたとか何とか……』で、綾瀬さんは『うん、そうなの。臨時バスが出てたから良かったんだけど、思ったより時間がかかっちゃったよー』とか答えます。……ちょっとしばらく一人芝居しますね」
福井「了解（笑）」
黒子「分かりました（笑）」
今吉「分かったで（笑）」
桜井「『それは災難だったね。ああ、災難と言えば、バスが炎上して横転するほどの事故が起こったんだってね？　あのバスに綾瀬さんが乗っていたらと思ったら、僕は気が気じゃなかったよ』『え？　事故……？』」
福井「ほーう、ふーん」
黒子「GM、その話を聞いて3人のところに駆け寄ってもいいですか？　『あなたたち、1年生よね？　もうすぐ予鈴が鳴るわよ、列に並びなさい』って感じで。実際、もうすぐ予鈴が鳴ることにしてもいいですか？」
桜井「いいでしょう。では綾瀬さんはその言葉を聞いてはっとした顔をすると、『すみません！　すぐに並びます！』と言って慌てて列の方へと行ってしまいます。矢神秀人は氷咲さんを見て目を細めました」
黒子「喧嘩を売って来るなら受けて立ちますよ！」
桜井「いいえ、先に紺谷くんに喧嘩を売ります！『紺谷……綾瀬さんはあんな事故に遭って怖がっているんだ。君が話しかけるべきじゃないと思うけどな』……シナリオ通りの台詞なんですけど、何か普通に理不尽ですよね……」
福井「確かにな。気が強いPC1だったら、『話しかけてきたの綾瀬だっつーの、お前の目は節穴かよ』くらい言いそう。でも紺谷はそこそこおとなしい奴だから、戸惑った顔をしてしらばっくれることにしようか。『事故……って、なんのことでしょうか？　綾瀬さんも心当たりはなさそうでしたし、僕も覚えがありません』」
桜井「『へえ、そう返すんだ。……それならそっちの“先輩”に言わせてもらいますけど』って、矛先を氷咲ちゃんに変えますね」
黒子「受けて立つ！」
桜井「（笑）『余計なことはしない方が身のためですよ。……お互いの平穏無事な《日常》のためにもね』」
黒子「つんと顎を突き出して答えますか。『こっちの台詞よ』」
今吉「『女の子ってこういう時強いよねー、ほら見てよ、ブリザード吹いてる』ってこっそり紺谷に話しかける」
福井「クソwwwwwwwwwwwwやめろwwwwwwwwwwww」
高尾「ブリザード面白すぎる（笑）」
桜井「ではここでシーンを切りましょうか」
黒子「今回はさくさく行きますね」
桜井「時間が……時間が結構過ぎてるんですよ……」
黒子「確かに」
桜井「というわけで休憩にします」

To be continued…

はじめに

「とにかく卓ゲをするスポーツ少年たち」と題しまして、『黒子のバスケ』に登場するバスケ少年たちが様々なTRPGで遊ぶシリーズです。メンバーは黒子テツヤ・伊月俊・森山由孝・高尾和成・桜井良・福井健介・黛千尋・花宮真・虹村修造。個人の好みです。
執筆者がルールブックを所有しているシステムのリプレイ風小説となります。リプレイではありませんのでご了承ください。TRPGシステムを勉強しながら執筆しておりますので、違和感があった場合はハウスルールとしてそっとしておくかコメントなどで指摘してもらえたら喜びます。

今回のシステムは「ダブルクロス　the 3rd edition」。本作品でのTRPGフリークこと桜井良くんがGMを務め、黒子、高尾、福井、黛、そしてゲストの今吉さんがオーヴァードになって日常を守ろうと奮闘します。
使用シナリオは、『ダブルクロス　The 3rd Edition』内に収録されている「Crumble Days」です。
シナリオのネタバレを含みますので、未プレイの方、プレイ予定のある方は閲覧をお控えください。気にならない場合はどうぞゆっくりとお楽しみください。

[newpage]

[chapter:セッション前]

個人ライン：桜井良

黛：桜井ってTRPG結構色々なシステムやってるんだっけ？
桜井：唐突ですね……
桜井：あっスイマセン、そうですクトゥルフ以外も結構やってますスイマセン
黛：ああうん突然なのは悪かった
黛：この間森山とか福井とシノビガミはやったんだけど、他のシステムも開拓してみたいよなあと思ってさ
黛：オススメ教えてくれ。あとあわよくばGMやってくれ
桜井：GMなら任せてくださいスイマセン！桐皇でのGM担はボクか今吉さんですスイマセン！
桜井：ダブルクロスはどうでしょうか？
黛：ダブルクロスか。いいな

グループ名：キセキなバスケ部TRPG同好会

黛：桜井が新システムのGMやってくれるってよ！
高尾：行きます！
黒子：やりたいです
虹村：週末ですか？
黛：うん週末
森山：それでは聞いてください。「TOEIC」
森山：みなさんでお楽しみください
伊月：すいません、おれと虹村と花宮、別卓に誘われてて……
黛：森山伊月虹村花宮了解。また今度な。
福井：俺行けるー
桜井：えっと、黒子くん、高尾くん、黛さん、福井さんの4人ですねスイマセン。となるともう1人いた方がいい気がするので……あの、今吉さん呼んでもいいですか……？
桜井：スイマセンスイマセンスイマセンスイマセン
桜井：今吉さんはGM経験もあるので、うまくサポートしてくれると思うんです
福井：俺は別に構わないけど
高尾：いいよー
黒子：ボクも問題ないです
黛：おーけーおーけー
福井：ちなみにシステムは？
桜井：ダブルクロスですスイマセン！シナリオはルルブに載ってる「Crumble Days」使うので、動画とかで勉強する時は踏まないように気を付けてくださいスイマセン！
桜井：ダブルクロスルルブ持ってる人いますか？
黒子：昨日アマゾンでポチったところです。文庫版の1と2
高尾：あ、俺持ってる。でもシナリオは読んでない
福井：持ってねえや、同じ会社のモノミュは持ってるけど
伊月：えっあの流れ切って悪いんですけど、別卓でモノミュやるので借りていいですか福井さん
福井：いいよ
桜井：黛さんは持ってないってさっき聞きました。黒子くんと高尾くんは持ってきてもらってもいいですか？
高尾：りょーかい
黒子：分かりました
高尾：俺上級も持ってるけどいる？
桜井：あ、じゃあ持ってきてくださいスイマセン！　Eロイスもりもりにするのでみなさんも強くなってくださいスイマセン！
高尾：おーけーあいしー
花宮：怖そう

週末　黛宅　相も変わらず13時

桜井「……以上ですね。何となく分かりましたか？」
黒子「はい、説明分かりやすかったです。ありがとうございます」
黛「厨二心がくすぐられるぜ」
福井「面白い設定だなあ……」
高尾「説明ありがとな桜井！」
今吉「お疲れやで桜井～」
桜井「皆さん大体ダブルクロスの世界観は分かってくれたと思うので、うまくルールブックを共有しながらキャラクターを作成してください。PCのナンバリングは……先にハンドアウトを公開しますね。そこから選んでください」

◆PC1用ハンドアウト
ロイス：綾瀬真花
推奨感情　ポジティブ：慕情／ネガティブ：不安
キミはごく普通の高校生だった。少し気になるクラスメイト、綾瀬真花と同じバスに乗り、ちょっといいことがあったと喜ぶような。
しかし、当たり前の日常はその日を境に変わってしまった。
突如バスが横転して爆発炎上したとき、キミは得体の知れぬ怪物となって真花を助けていたのだ。

◆PC2用ハンドアウト
ロイス：矢神秀人
推奨感情　ポジティブ：好奇心／ネガティブ：猜疑心
キミはUGNの施設で育てられたUGNチルドレンである。
現在はある市にて、FHとの関与が疑われている矢神秀人という学生を追跡調査する任務に就いている。
しかし、尾行をしていたはずの彼を見失ってしまったその直後、バスが横転し、爆発炎上する大事故が起こった。

◆PC3用ハンドアウト
ロイス：PC1
推奨感情　ポジティブ：好奇心／ネガティブ：不安
キミはUGN支部の支部長を務めている。
いつもの様に忙しい時間を過ごしていたある日のこと、キミはUGN日本支部長の霧谷雄吾から緊急の連絡を受けた。
支部のある市で起きた大きな事故から奇跡的に生還したPC1という学生が保護され、オーヴァードであることが判明したという。
そして、この事故の影にはFHの関与があるらしい。

◆PC4用ハンドアウト
ロイス：春日恭二
推奨感情　ポジティブ：執着／ネガティブ：厭気
キミはUGNに協力しているイリーガル、あるいはUGNで働いているエージェントだ。
ある市でPC1という新たなオーヴァードが保護された事件に関わることになったキミは、そこで因縁の相手の名前を聞くことになった。
『ディアボロス』春日恭二。
幾度も交戦したことのあるFHエージェントが、この町で何らかの計画を行っているらしい。

◆PC5用ハンドアウト
ロイス：『シューラ・ヴァラ』
推奨感情　ポジティブ：尽力／ネガティブ：敵愾心
キミは、ある市で気ままに生きているオーヴァードである。
だが近ごろ、なにやらキミの縄張りを荒らすものが現れだした。
垣間見た『シューラ・ヴァラ』というらしい侵入者からは、どうにも嫌な予感がする。大切なものを害されるような嫌な感覚。
奴らをこのまま放っておくわけにはいかない。

福井「へえ、PC1が主人公みたいな感じか」
桜井「そうですね、PC1はオープニングの時点ではまだオーヴァードに覚醒していないっていう設定です」
高尾「難しそうだなあ……力に慣れてないRPが大事って感じかね」
黒子「そんな気がしますね」
今吉「さくらーい、これ、PC1からオープニングやるん？」
桜井「いえ、PC5からやる予定です。時間軸的に」
今吉「それやったら、ワシがPC5やってもええか？　RPのお手本みたいな感じでな。それに、番号が若い方が初心者にはやりやすいと思うねん」
福井「いいぞ」
黛「俺も異論はない。……それなら、俺はPC4やろうかな」
高尾「俺支部長やってみたいんすけど……」
福井「主人公もらっていい？」
黒子「丁度いいですね、ボクチルドレンやってみたかったんです」
黛「俺もチルドレンにしていい？　JKやりたい」
桜井「じゃあ黒子くんはある市の支部のチルドレン、黛さんは日本支部のチルドレンにしてください」
今吉「ワシレネビやりたいねんけど」
桜井「いいですよ。できたら1回ボクに見せてください！　スイマセン！
　そして今回のレギュレーションを説明します。使用ルルブは基本の1と2、そして上級ルールブックです。Dロイスの取得を認めます。作成方法はフルスクラッチでお願いします。皆さんTRPG結構慣れているので。経験点は、基本ルルブ2の基本経験点130点に加え50点を差し上げますので、計180点で作成してください」
黛「そんなにもらっていいのか？」
桜井「はい。これくらいの方が結構遊びがいがあるんです。こちらもエネミーデータは強化するつもりですから、心配しないでください」
黛「分かった」
桜井「じゃあキャラ作成どうぞ！」

～キャラシを埋めるタイム～

今吉「これでええ？」
桜井「はい、問題ありません」
黛「俺もできた」
桜井「確認します。……大丈夫です！」
福井「できたー」
桜井「見せてください。……え」
福井「まずかった？」
桜井「いえ、少し意外だっただけです。大丈夫ですよ！」
黒子「ボクもできました」
高尾「俺も～」
桜井「全員確認しました！　ではPC1の福井さんからキャラ紹介お願いします！」

[newpage]

紺谷浩司（こんたにこうじ）　PL：福井健介
　コードネーム：なし
　Dロイス：生還者（リターナー）
　年齢：15歳（高校1年生）　性別：男
　カヴァー/ワークス：高校生/高校生
　ブリード：クロスブリード
　シンドローム：キュマイラ/サラマンダー

【肉体】7　《回避》1
【感覚】1　《知覚》1
【精神】2　《RC》2
【社会】2　《情報：噂話》
HP：36（46）　行動値：4　戦闘移動：9m　全力移動：18m　財産P：2

エフェクト
《リザレクト》1　《ワーディング》1　《巨人の生命》2
《軍神の守り》1　《イージスの盾》3　《灼熱の結界》2
《氷盾》3　《氷雪の守護》3　《蒼き悪魔》2

アイテム
・思い出の一品：手作りのお守り（意志判定達成値＋1）

ライフパス
　出自：資産家
　経験：親友
　邂逅：自身
　覚醒：償い　衝動：飢餓　侵食率基本値：35
固定ロイス
　紺谷克司（父親）：執着/〇厭気
　茜部尚彦（親友）：〇誠意/不安

福井「ええと、名前は紺谷浩司、年は15歳で高校1年生だ。カヴァーもワークスも高校生。で、シンドロームはキュマイラとサラマンダーのクロスブリードで、メインプロセスを全力で放棄する系のガード型。《軍神の守り》でカバーリングして《イージスの盾》《灼熱の結界》《氷盾》でダメージ削って《氷雪の守護》でさらにダメージを散らすんだ。ついでに《蒼き悪魔》で返り討ちにするって感じかな。さらに言うなら《巨人の生命》で自分が多少食らっても大丈夫って感じになってる。HPは46あるぜ！　侵食率基本値が高くなっちまったけど」
桜井「う、うわあ……強力……そしてガチで攻撃手段放棄したんですね……？」
福井「おう。性格は穏やかで心優しい少年で、誰かが傷つくのが嫌だって思ってるタイプなんだ。だから、バスの爆発炎上事故でクラスメイトの女の子を守らなきゃってなって覚醒するんだろうなあって思ってるぜ」
桜井「なるほど、性格と能力が繋がってるんですね、いいと思います。で、Dロイスが……生還者ですか。確かにカバーリングを積極的にしようと思ったらどうしても侵食率が上がりますからね、ぴったりです」
福井「っていうのもあるけど、多分訳の分からないことに巻き込まれて、一刻も早く日常に戻りたいと思っているはずなんだよな。それもあっての生還者なんだ」
桜井「分かりました。ライフパスについてお願いします」
福井「出自は『資産家』。父親がいいとこの社長で、まあぶっちゃけて言うと仕事人間なんだ。だから家族を顧みない……ように見えている父親に厭気を抱いている。そして家族のことも見て欲しいしたまには家族旅行に行きたいって執着してるんだ。ファザコンだな」
桜井「コンプレックスを正しくした方のファザコンですね。複雑な子ども心……」
福井「その通り！　経験は『親友』。だから親友の名前を適当に決めて、誠意と不安のロイスをとった。すごく実直なやつで、誠実で大好きなんだけど、真面目で努力を怠らない奴だから、いつか倒れるんじゃないかって不安に思ってる。表は誠意だな」
桜井「茜部くん、ですね。いつか使おうと思いました、まる」
福井「わあ嫌な予感がするぞ」
桜井「邂逅は……『自身』ですね。Dロイスがあってロイス枠には入ってませんけど、確か敷島あやめですよね……こんな子です（上級ルールブックを見せる）」
福井「なるほど、これはいつか活きそうだな。自分と同じように事件によって覚醒した存在って感じか」
桜井「はいそうです。まあ今は関係ないですね。覚醒と衝動も……今は……」
福井「だな。次の人行こうぜ！」
桜井「はい、次にいきます！」

[newpage]

氷室氷咲（ひむろひさき）　PL：黒子テツヤ
　コードネーム：フヴェルゲルミル
　Dロイス：精鋭（トゥルーボーン）：RC
　年齢：16歳　性別：女
　カヴァー/ワークス：高校生/UGNチルドレンC
　ブリード：ピュアブリード
　シンドローム：サラマンダー

【肉体】4　《回避》2
【感覚】1
【精神】6　《RC》3（8）　《意志》2
【社会】2　《情報：UGN》1　《情報：噂話》1
HP：34　行動値：8　戦闘移動：13m　全力移動：26m　財産P：0

エフェクト
《リザレクト》1　《ワーディング》1　《コンセントレイト：サラマンダー》3
《氷の回廊》1　《氷の加護》3　《氷の塔》2　《冷気の鎌》2
《ブリザードブレス》3　《氷の理》1

アイテム
・コネ：UGN幹部（情報：UGN＋2D）
・コネ：噂好きの友人（情報：UGN＋2D）
・思い出の一品：母にもらった髪飾り（意志判定達成値＋1）

ライフパス
　出自：安定した家庭
　経験：心の壁
　邂逅：師匠
　覚醒：生誕　衝動：自傷　侵食率基本値：33
固定ロイス
　氷室雪乃（母親）：〇尊敬/疎外感
　玉野椿（教官）：〇好意/猜疑心

黒子「『フヴェルゲルミル』氷室氷咲です。サラマンダーのピュアブリードなんですが、冷気特化で炎に関わるエフェクトは一切持ってません」
桜井「うわすごい偏ってる……あれ黒子くんダブクロ初プレイですよね！？」
黒子「はい、初プレイですよ。でもルルブはちゃんと読んできました。あとボク地味にルーニー好きなんです」
桜井「そうでした、黒子くんはこういう人でした」
黒子「ガチ支援特化構成にして、『ボクは影だ……』ってやりたかったんですけど、支援は今吉さんがやってくれると言ってくれたので、じゃあ雪女やろうかなって思って」
桜井「ああ雪女……」
黒子「はい。コンボデータ考えたんですけど……《コンセントレイト》、《氷の加護》、《冷気の鎌》、《ブリザードブレス》で吹雪を作り出してぶっぱなすのが『雪月花』、そこに《氷の塔》を追加してシーン1回きりの攻撃をかますのが《ニヴルヘイム》です。某ア●雪っぽいですね今考えると」
桜井「言われてみれば確かにありのままの氷のお城って感じですね……ライフパスお願いします」
黒子「はい。出自は『安定した家庭』、覚醒が『生誕』です。生まれながらにオーヴァードの力を宿していたのですが、家族が皆UGN関係者だったので愛されて育つことができました。そのため人懐こく明るい性格です。母親に尊敬/疎外感でロイスをとっています。これは、UGN研究者であり母親として自分を愛してくれる彼女を人として尊敬している一方、あくまで母親はオーヴァードではない存在であるために疎外感を感じている、といった感じです」
桜井「ふむふむ」
黒子「経験は『心の壁』。それこそ物心ついた時からチルドレンとしての訓練を受けていた氷咲にとって、UGNはホームそのものなんです。だから、後天的にオーヴァードに覚醒したために『家に帰りたい』と言っている同じチルドレンたちとは境遇が違うんだと思って壁を感じていました。邂逅は『師匠』で、玉野椿に好意/猜疑心でロイスを持っています。教官としてバリバリ働いている上に生徒に慕われる人柄が大好きですが、チルドレン時代からその姿を見ているので、自分よりも経験は浅いと思うんだけど大丈夫かな？　という猜疑心です。生まれついてのオーヴァードなので、多分玉野椿よりも先輩なんじゃないでしょうか」
桜井「なるほどなるほど、分かりました。そしてDロイスは精鋭ですか。《射撃》を5レベル上げたんですね。固定値強いですもんね」
黒子「はい。ただでさえ《ブリザードブレス》でダイスが減るので、固定値で勝負しようと思っています」
桜井「固定値8だし……強い……あ、次お願いします！」

[newpage]

天宮柚月（あまみやゆづき）　PL：高尾和成
　コードネーム：ムーンライト・テクノロジー
　Dロイス：賢者の石（レネゲイドクリスタル）
　年齢：24歳　性別：男
　カヴァー/ワークス：エンジニア/UGN支部長B
　ブリード：クロスブリード
　シンドローム：モルフェウス/ブラックドッグ

【肉体】3　《回避》1
【感覚】6　《射撃》3　《知覚》1
【精神】1
【社会】3　《調達》1　《情報：UGN》2
HP：27　行動値：13　戦闘移動：18m　全力移動：36m　財産P：5

エフェクト
《リザレクト》1　《ワーディング》1　《コンセントレイト：ブラックドッグ》1
《ハンドレッドガンズ》2　《カスタマイズ》2　《雷の牙》1
《アタックプログラム》2　《バリアクラッカー》3　《加速装置》2

アイテム
・コネ：UGN幹部（情報：UGN＋2D）
・コネ：要人への貸し（情報：＋3D、シナリオ1回）
・コネ：手配師（調達＋3D、シナリオ1回）

ライフパス
　出自：姉妹
　経験：大失態
　邂逅：保護者
　覚醒：憤怒　衝動：憎悪　侵食率基本値：35
固定ロイス
　天宮深晶（妹）：〇庇護/恐怖
　霧谷雄吾（上司）：〇友情/憤懣

高尾「はーい！　支部長でっす！　モルフェウスとブラックドッグのクロスブリードで、Dロイスが賢者の石だから、左手の骨がレネゲイドクリスタル化してて、それを《ハンドレッドガンズ》で銃にした後雷ぶっぱするってイメージだったりする。エグザイルにして《骨の銃》でもいいかなと思ったんだけど、せっかくだから錬金術師みたいにしたかったんだよなあ」
桜井「あーカッコイイですね！　こんな感じで手の平から銃が出てくるんでしょうか（左手から透明な銃が出てくるイラストを描く）」
高尾「あーそうそうそんな感じ！　さらに雷がまとわりついてるとカッコイイよなあ」
桜井「そうですね！」
高尾「あと、シナリオ中に3回だけ装甲無視、ガード不可の攻撃ができるようになってるんだ。ていうかこれって、100％超えてエフェクトレベルが上がったら、エフェクトの上限も上がるの？」
桜井「ボクはそう解釈しています」
高尾「さんきゅ。じゃあライフパスとロイスの説明して設定喋るか！　妹が1人いるんだ。名前は適当に決めた。その内誰かが拾ってキャラにしてくれることを願ってるし誰もいなかったら俺がやる。ロイスの感情は庇護と恐怖で庇護が表。妹のことを兄として守りたいと思っていて、一方で失うことに恐怖している。もういっこは邂逅で出た『保護者』からUGN日本支部の霧谷雄吾。年が離れていて、当初は兄のように慕っていたけれど、規模は違うとはいえ同じ支部長という立場になってから友人として関わるようになった。だからポジティブは友情でこっちが表。で、霧谷はクソ忙しいしフットワーク軽いしあまり自分の身を顧みないから、もっと自分を大事にしてほしいと思ってる、憤懣」
桜井「ふむふむ。覚醒は憤怒、衝動は憎悪ですか」
高尾「そう。多分妹ちゃんが危害を加えられそうになった怒りで覚醒したんじゃないかな。憎悪も多分それ関連だと思う。あの時の怒りを思い出して、何もかもが憎くなるって感じ」
桜井「了解です、分かりました。じゃあ次にいきます！」

[newpage]

黒瀬桃子（くろせももこ）　PL：黛千尋
　コードネーム：カレイドスコーピオ
　Dロイス：超血統（フルブラッド）
　年齢：16歳　性別：女
　カヴァー/ワークス：高校生/UGNチルドレンC
　ブリード：ピュアブリード
　シンドローム：バロール

【肉体】1　《回避》1
【感覚】2
【精神】7　《RC》4　《意志》1
【社会】2　《情報：UGN》2
HP：29　行動値：11　戦闘移動：16m　全力移動：32m　財産P：3

エフェクト
《リザレクト》1　《ワーディング》1　《コンセントレイト：バロール》2
《小さき魔眼》2　《斥力跳躍》1　《因果歪曲》3
《魔王の理》1　《黒の鉄槌》4　《黒星の門》3

ライフパス
　出自：兄弟
　経験：純粋培養
　邂逅：慕情
　覚醒：感染　衝動：殺戮　侵食率基本値：32
固定ロイス
　黒瀬蒼真（兄）：〇尊敬/劣等感
　桃園一季（片想い相手）：〇慕情/偏愛

黛「黒瀬桃子、UGNチルドレンだ。バロールのピュアブリードで、コードネームは『カレイドスコーピオ』。《小さき魔眼》でカラフルな魔眼を生み出してくるくるしてる感じだな。攻撃手段から説明するか。まず《小さき魔眼》で自分の周りにカラフルな魔眼を生み出す。基本的な攻撃は《魔王の理》と《黒の鉄槌》による重力攻撃だ、多分ずしんってなるんだろうな。さらに《因果歪曲》で攻撃対象を範囲にしたり、場合によっては《黒星の門》で自分と同じエンゲージにも攻撃できるようになる」
桜井「わあ、結構えげつない……」
黛「思ったけどさ、これ多彩な攻撃手段を持つのもいいけど、回数制限ないメジャーエフェクトを他の攻撃力増やしたりダイス増やしたりするエフェクトで支えるのが効果的なんじゃないかって」
桜井「それボクも思ってました。でも回数制限ある強いエフェクト撃ちたいんですよお……」
黛「黒子がそれだな」
桜井「そういえばそうですね。じゃあライフパスの解説お願いします」
黛「おうとも。出自は『兄弟』だから兄がいるってことにした。兄もオーヴァードで、高校を卒業してエージェントになってる。一緒にチルドレンやってた。その能力は尊敬しているけど、劣等感もある。表は尊敬にした。経験は純粋培養。親も兄もエージェントで、UGNの施設で幼い頃から暮らしている。その過程でうっかりレネゲイドに感染して覚醒したんだ。はいここで覚醒回収。邂逅は『慕情』だったんだけど、姫宮は女性だから、別に片想いの相手を設定してみた。いつか誰かが拾ってくれることを願っている。偏愛って入ってるのは……まああれかな、イメージとしては黒子に対する桃井。『いっくんいっくん！！』みたいな」
桜井「あそこで黒子くんが何とも言えない顔をしているんですが……あと他に聞くこと……ないかもしれません」
黛「さっき自分で勝手にしゃべったからな。次行こうぜ次」
桜井「はーい」

[newpage]

花村紘（はなむらひろ）　PL：今吉翔一
　コードネーム：ルートヴィヒ
　Dロイス：起源種（オリジナルレネゲイド）
　年齢：3歳（見た目17歳）　性別：男
　カヴァー/ワークス：高校生/レネゲイドビーイングC
　ブリード：ピュアブリード
　シンドローム：ノイマン

【肉体】1
【感覚】1　《知覚》1
【精神】8　《RC》1　《意志》3
【社会】2　《交渉》1　《情報：UGN》2
HP：30　行動値：10　戦闘移動：15m　全力移動：30m　財産P：4

エフェクト
《リザレクト》1　《ワーディング》1　《天性のひらめき》1
《生き字引》1　《アドヴァイス》2　《弱点看破》3
《ディフェンスサポート》3　《勝利の女神》2　《常勝の天才》3
《ヒューマンズネイバー》1　《オリジン：サイバー》1

ライフパス
　出自：転生体
　経験：記憶喪失
　邂逅：同行者
　覚醒：探求　衝動：嫌悪　侵食率基本値：34
固定ロイス
　もう1人の自分：好奇心/〇不快感
　“シザーリオ”：〇好意/脅威

今吉「みんな～、ワシやで～、花村紘やで～」
桜井「何ですかそのノリ……」
今吉「なんとなく言ってみただけやで。ほなライフパスの解説しながら設定先に喋ろか。ついでにエフェクトの解説もしたるで～」
桜井「どうぞどうぞ」
今吉「ええと、まずエフェクトに《オリジン：サイバー》ってあるやろ？　こいつ、高尾んとこの支部にあるコンピューターのデータが自我を持ったレネゲイドビーイングやねん。元はデータ検索のための人工知能か何かやったんやけど、オーヴァードの戦いに間近で触れてたせいで覚醒したようなもんやと思っといてほしい。覚醒が『探求』なのは、UGNのデータを調べたり何だりしてる内に覚醒したってとこやな。もともとコンピューターの人工知能だったってこともあって、シンドロームはノイマンやで」
桜井「ほうほう……高尾くんとは打ち合わせしてるんですか？」
今吉「しとるで。多分その方が導入とか楽なんちゃうかって思ったしな」
桜井「そうなんですよね。下手したら全然関わらなくなっちゃいますから」
今吉「そうなんやよな～。ほな続けるで。出自は『転生体』、どうやら自分は何者かの転生した存在らしいということをぼんやりと分かっとるんやけど、経験の『記憶喪失』によって何者だったのか覚えとらんねん。まあ何者かだったとしても今はレネゲイドビーイングやし覚醒する前は人工知能やしで、覚えとったら覚えとったらでもし人間やったら発狂ものやろうなって思っとるし、別にいいかって感じやな。ロイスは転生前のもう1人の自分に、好奇心と不快感でとっとる。気になる存在ではあるけれど、覚えとらんしやっぱり自分ではないと思っているわけやしちょっと記憶の端ちらちらしてるのムカつくって感じとる。邂逅は『同行者』、相手は“シザーリオ”やで～、女子高生にとりついとる協力型レネゲイドビーイングやで～。フリーランスってカッコイイよねっちゅーことで好意、でもやっぱり組織に属していないのってUGN的には警戒するもんやしなってことで脅威やで」
桜井「ふむふむ、ありがとうございます。で、3歳……ってことは、覚醒して3年ってことでいいですか？」
今吉「おん。人工知能も若干新しく開発された系のものやと思うけどあまり考えとらんねん。覚醒してからは支部長の厚意で高校に通わせてもらっとる。人間楽しい。コードネームのルートヴィヒってのは、シンドローム名『ノイマン』の由来になったフォン・ノイマンのドイツ語名からやで～」
桜井「ふむふむふむ。じゃあエフェクトもお願いします」
今吉「OK！　まあつまるところ完全支援型や。自分でダイス振れるとこいうたら、《天性のひらめき》でクリティカル値を下げてから《生き字引》で情報収集を意志での判定に変更するってところやな。《オリジン：サイバー》の使いどころがなくなってしまったん……」
桜井「悲しい」
今吉「ていうかワシだけ喋りすぎやない？　あとはみんなのクリ値下げたり達成値上げたり攻撃力上げたりガード値上げたりするだけの簡単なお仕事やで。でも単体にしか効果ないからラウンドごとに必要なところに投げるで」
桜井「わかりました。ありがとうございます！」

桜井「じゃあ、キャラクター紹介も終わったので、早速始めていこうと思います。よろしくおねがいしまーす」
一同「いえーーーい！！」
桜井「あ、高尾くん」
高尾「ん？」
桜井「支部がある市の名前と、支部がある場所を決めてくれる？　支部長特権で」
高尾「おっマジか！　やった！　まあここは安直に秀徳市にしようかと思うぜ！　場所は……うーん……」
黒子「廃校になった学校の校舎とかはどうですか？　理科室とか実験室とかなら支部長も研究ができるかもしれません」
高尾「おっサンキュー黒子！　じゃあそうするぜ！　秀徳市の廃校になった旧秀徳第一高校の校舎に支部がありまっす！　1人1つ教室を支給して私室にしてる。支部長室は理科棟3階の物理実験室！」
黛「校長室じゃないのか」
高尾「校長室って案外狭いんすよね」
黛「それもそうだな」
黒子「ボクは3年1組の教室で寝泊まりしたいです」
今吉「じゃあワシ情報室」
高尾「好きにどーぞ！」

[newpage]

[chapter:オープニングフェイズ　シーン01　前兆]

シーンプレイヤー：PC5　花村紘

桜井「じゃあまずはオープニングフェイズに入りたいと思います。最初のシーンプレイヤーはPC5の花村さんです。……花村くん？」
今吉「くんでええで。よっしゃシーンプレイヤーや！　1D10振るで！」

侵食率上昇！
1D10→1
34％→35％

今吉「1てwwwwwwwwwwwww」
黒子「全然活性化してませんね」
今吉「ミドルフェイズの戦闘で80には行っときたいんやけどなあ」
黛「なんで？」
今吉「ワシのDロイス、『起源種（オリジナルレネゲイド）』やねん。このDロイスやと専用の侵食表使うんやけどな、80％超えたらエフェクトレベル1上がるねん。その代わりダイスボーナスはつかへんのやけどな」
高尾「えっと、完全支援型でダイス振る必要ないから、ダイスボーナスつかなくてもそんなに困らないし、むしろ早くエフェクトレベル上がった方が得って感じなんすか？」
今吉「せや」
桜井「えっと、進めていいですか？」
今吉「ああすまんすまん、ええで」
桜井「じゃあ花村くんのオープニングフェイズに入ります。花村くんはレネゲイドビーイングとして覚醒して以来、自分の所有者であった天宮柚月が支部長を務めている秀徳市を守るためパトロールのようなものをしていました、ということでもいいですか？」
今吉「おん、ええで。パトロール兼夜の散歩ってことにしてもええ？　人間の街が興味深いちゅーことで」
桜井「はい、いいですよ。じゃあ花村くんは夜の街をパトロールしていました。フレーバーで使えそうなイージーエフェクトは……ないですね」
今吉「ないなあ。まあ、その思考速度で瞬間的に異常事態を判断しながら進むんやろなあ」
桜井「では花村くんは、ふと人通りの路地裏に、何やら怪しげな気配があることに気付きました」
今吉「そっち向かうで。《忍び歩き》や」
桜井「これそういうシステムじゃないです。……路地裏を覗き込んだ花村くんは、うっすらとした人影を見つけました。暗くてあんまり見えませんが、声は聞こえます」
今吉「ほうほう」
桜井「『では、これよりプランを実行する。準備はいいな、“シューラ・ヴァラ”よ』とか言っています」
今吉「『プラン……“シューラ・ヴァラ”……？　怪しいな、この街で一体何をしようっていうんだろう？』と呟くかね」
桜井「では……そうですね、《知覚》でロールしてください。こっちもロールします」
今吉「了解やでー、【感覚】は1、《知覚》は1レベル、よっしゃ行くでー！」

《知覚》
1D10（C10）＋1→7

桜井「ボクも振ります」

《知覚》
？D10（C？）＋？→？

桜井「あ、回った、達成値18です」
今吉「えっ」
桜井「すごいです、クリティカルが4Dありました」
高尾「どんだけダイス回したんだ……」
桜井「花村くんは、まず言葉を発していた男の姿を見ることができました。それはスーツを着たオールバックの男です。花村くんは多分見た事がないと思います」
今吉「PL的には知ってるんやけどな」
桜井「そうですね。でも、相手の“シューラ・ヴァラ”の姿を見ることはできませんでした。しかし相手は花村くんの存在に気付いたようです。花村くんの足元に、突然鋭利な刃が突き刺さります」
今吉「警戒して一歩引くで。こっちには攻撃手段も何もないからなあ」
桜井「じゃあ、さっきの声とは別の声が聞こえます。『UGNのネズミめ、こそこそと嗅ぎまわっていたのか』」
今吉「『UGNを警戒している……？　FHに関わる奴なのか……？』言葉には出さないけど胸の中で呟こうか」
桜井「さらに『今の内に引き上げよう、“ディアボロス”。準備はできた、明日には全て終わる。……そう、全てな』と続いて、2つの気配はすっと消えます。エネミーエフェクト《瞬間退場》です」
今吉「『逃がしちゃったか。……まあでも、僕じゃ戦闘はできないし、これは柚月くんに報告しなくちゃいけないね』と呟いて花村も退場するで」
桜井「では、ここでシーンを切ります」
今吉「“シューラ・ヴァラ”へのロイスを取得するで。うーん、推奨やとポジティブが尽力でネガティブが敵愾心やろ？　その通りやとつまらんし……ポジティブが好奇心、ネガティブが任意で警戒心、やな。どんな奴なのか興味はあるけど、いきなり足元に何かブッ刺してきたわけやし、警戒バリバリやで」
桜井「分かりました。……あっ」
今吉「どないしたん？　……あっ」
桜井「PC間ロイス、結ぶの忘れました……」
今吉「あー……オープニングフェイズ終わってからでいいんとちゃう？」
桜井「そうします……スイマセン……」

[newpage]

[chapter:オープニングフェイズ　シーン02　日常の瓦解]

シーンプレイヤー：PC1　紺谷浩司

桜井「じゃあ次は福井さん、紺谷くんの導入です」
福井「侵食率上げればいいのか？」
桜井「いえ、紺谷くんはまだオーヴァードではないので、侵食率はまだ上げなくていいです。こちらが指示したタイミングで上げてください」
福井「了解」
桜井「紺谷くんは、学校からの帰り道です。時間は午後の8時くらい」
福井「遅いんだか早いんだか分かんねえんだけど」
桜井「いつもより1時間くらい遅いと思ってください。なんで遅れたのかはそちらに任せます」
福井「うーん……委員会と、後は友達の部活の手伝いで遅れたってことで」
桜井「分かりました。紺谷くんは普段電車通学しているのですが、駅に到着するとなんだかいつもと違うことに気が付きます。普段よりも異常なくらい混雑しているんです」
福井「マジで？　じゃあ駅員に『何かあったんですか？』って訊く」
桜井「駅員はすごく申し訳なさそうにぺこぺこしながら答えますね……『申し訳ありませんお客様、実は信号事故の影響で電車が大幅に遅れているんですスイマセン』」
福井「まさに本人。『えっと、これは電車が動くまで待っていた方がいいんですか？』って訊こうかな」
桜井「『いいえ、あちらに臨時バス乗り場があります。あそこで行き先をご確認の上臨時バスをご利用ください、スイマセン』」
福井「『分かりました、ありがとうございます』って言ってバス乗り場に行こうかな」
黒子「駅員さんがバス乗り場付近にいてメガホンとか使って呼びかけてるんでしょうね」
今吉「『臨時バス乗り場はこちらになります！！！　こちらになります！！！！！！』」
福井「くそ（笑）じゃあ大声で騒いでいる駅員のところに行こうかな」
今吉「騒いでいるとかひどいわあ（笑）」
桜井「はい、じゃあ紺谷くんがバス乗り場に到着して行き先を確認していると、後ろから声をかけられました。『あれ、紺谷くん？』って感じで」
福井「えーっと、振り返る」
桜井「じゃあそこにはクラスメイトの綾瀬真花が立っていました。髪の毛は肩くらいまでの長さで、多分ボブとかそういうヤツじゃないと思います。目立たないけど左側頭部辺りにヘアピン2本つけてるっぽいです（ルールブックに載ったシナリオのイラストを見ながら）」
福井「かわいい？」
桜井「かわいいです」
福井「ちょっと気になるクラスメイトなんだよな。じゃあ、『綾瀬さん、綾瀬さんも今帰りだったんですね』って言うかな」
黒子「敬語キャラなんですね」
福井「モデルは黒子。今決めた」
高尾「今（笑）」
桜井「綾瀬さんは紺谷くんに答えます。『うん、そうなの、今帰りなの。部活とか先生に頼まれた用事とかが重なって、気が付いたらこんな時間。紺谷くんもそんな感じ？』」
福井「『はい、そうなんです。今は丁度文芸部が文化祭のために部誌を出そうとがんばっていますから。今日は校正作業を手伝っているんです』ってことにしよう。季節どうかな」
桜井「学校によって文化祭の時期って違いますから、そんなに気にしなくてもいいと思います」
福井「じゃあ夏くらいで。もうすぐ夏休みー、みたいな」
桜井「分かりました。他の皆さんもそれでいいですか？　ただしこのシナリオ中に夏休みに入ることはないと頭に入れておいてください」
黒子「ボクは構いません」
高尾「俺も大丈夫」
黛「俺も構わん」
今吉「ワシもええで～」
桜井「では7月中旬くらいということにします。……で、紺谷くんの返事を聞いて、綾瀬さんは『そっかあ、こんなことになっちゃって、お互いツイてないね』って言います」
福井「『そうですね。……あ、僕が乗るバスが来ました』」
桜井「『え？　紺谷くんもあのバス？　私もなんだ。良かったら一緒に帰らない？』」
福井「マジか同じバスなのか。あ、そっかハンドアウト……えっと、『分かりました。乗りましょう』って言ってバスに乗る」
桜井「バスは丁度運がいいことに、運転席のすぐ後ろの2人掛けの席が空いていました」
福井「じゃあ綾瀬とどっちが先に降りるのか確認する」
桜井「多分綾瀬さんが後です」
福井「じゃあ通路側に座る。綾瀬は奥にやる」
桜井「分かりました。2人は適当に会話をしていますね。綾瀬さんは……どうしようかな、美術部にしましょう。美術部はやっぱり文化祭に向けての活動が盛んなので遅くなったって感じで。世間話しましょう福井さん」
福井「普通に思いつかない」
桜井「ボクもあんまり思いつかないです。じゃあシナリオに載ってる台詞適当に言っておきますね。綾瀬さんはしばらく普通に世間話を進めていたんですが、不意に押し黙ると、ちょっとうつむいてから紺谷くんの方を見ました。『あ、あのね、紺谷くん、ちょっと変なこと聞いちゃってもいいかな？』」
福井「『え？　何ですか？』とか言っとくか。ホントに何なんだ？」
桜井「『あ、あのね、紺谷くんの好きな人がクラスの中にいるって……ほんと？』」
福井「え？　え？　え？」
今吉「わーーーーーーーーーー」
黒子「うわあーーーーーーーー」
高尾「甘酸っぱい展開不可避」
黛「おいふざけんな福井、お前ただのラノベ主人公じゃねえか！！」
福井「え、あー、え？　マジで？　気になるクラスメイトって……え、マジで？　そういう？　そういう展開？　どうしよう」
桜井「答えないなら答えないでこっちで勝手に進めますけど」
福井「じゃあそれでお願いするわ。でもその前に綾瀬にロイスとっとくことにするわ。うーん……ポジティブは好意、ネガティブは不安で。部活がんばりすぎて倒れないかな大丈夫かなみたいなそういうアレで」
桜井「分かりました。紺谷くんが綾瀬さんの質問に答えられないでいると、綾瀬さんはじっと紺谷くんを見つめて答えを待っています。傍から見ればさながら少女漫画ですが、勿論当人たちに分かるわけではありません。そんなこんなしていると、事態は急変します」
福井「おうおう」
桜井「バスが急ブレーキをかけて止まります」
福井「運転席の後ろの板みたいなところに頭ぶつける。で、『な、なにが！？』って感じで窓の外を見る」
桜井「窓の外を見ると、なんかすごくすごい光景が広がっています」
福井「日本語が死んでる」
桜井「バスのすぐ目の前に、何やら人影が立っています。でもそれが男か女かも分かりません。というか、何だかぼんやりしているような気がします。そして、急に意識が塗りつぶされていくような感覚に襲われました。徐々に意識が混濁していきます」
福井「え、これもしかしてやばい？」
桜井「薄れゆく意識の中で紺谷くんは人影が右手を挙げたのを見ました。するとその右手から何か鋭い槍のようなものが飛び出してきて、バスの正面窓ガラスを吹き飛ばしました」
福井「おええええええええええええええええええ！？」
桜井「脳天から足先まで、全身に鋭い痛みが走ります。そしてバスが横転して、バスが炎上しました。痛みに続いて、熱までもが全身を焼きます」
福井「えっとえっと、綾瀬！　綾瀬にとっさに手を伸ばす！」
桜井「えっとですね、綾瀬さんに手を伸ばしますが、その手は間に合いません。というかそもそもちゃんと綾瀬さんに手を伸ばせているのかどうかも分かりません。紺谷くんはそのまま爆発の熱に呑まれるようにして意識を失ったのでした」
福井「う、うわあああああああああああああ！！！　しんだああああああああああああああ！！！」
今吉「死んだとは言ってないやろ（笑）」
高尾「強く生きて欲しい（笑）」

[newpage]

[chapter:オープニングフェイズ　シーン03　尾行と覚醒]

シーンプレイヤー：PC2　氷室氷咲

桜井「では黒子くんもとい氷室さんのオープニングフェイズに入ります。……氷咲さんにしよう……氷室さんってあっちの氷室さんっぽくなる」
黒子「何かすみません」
桜井「いやいやいや！　こちらこそスイマセンスイマセン！　シーン入っていいですか？」
黒子「どうぞ。あ、侵食率上げますね」

侵食率上昇！
1D10→4
33％→37％

黒子「4ですね、そこそこです。現在侵食率は37％」
桜井「はい。では氷咲さんは、今UGNの任務によって、矢神秀人という生徒の尾行をしています。矢神秀人は高校の1年生で……同い年ですか？　年下ですか？」
黒子「年下ですね。高校2年生のつもりで考えてました」
桜井「分かりました。では、矢神秀人についてこれまでの尾行で分かったことを公開します」
黒子「はい」
桜井「ざっくり言うと、矢神秀人にはFHのエージェントではないかという疑惑がかけられています。調べた結果だと矢神くんは成績も運動をごく普通で、部活も最近美術部に入るまでは帰宅部だったという、学校のどのクラスにも1人はいるような目立たない生徒でした。家での様子は別のエージェントが監視していたのですが、やっぱりごくごく普通の少年って感じしかしないそうです」
黒子「なるほど……では氷咲はだんだん涼しくなってきた空気から矢神の動きを感じ取って尾行をします」
桜井「では……あ、氷咲さんって《知覚》低いですね……うーん……難易度5で判定してください」
黒子「ダイス1つしかないんですよね」
桜井「矢神秀人と《知覚》で対決するよりはマシだと思いますよ！」
黒子「うわすごいいい笑顔……がんばります」

《知覚》
1D10（C10）→2

黒子「うわこれはひどい」
桜井「うわあ……。じゃあ、氷咲さんは気が付いた時には矢神秀人の姿を見失っています」
黒子「ピーカプクソザコナメクジじゃないですか」
今吉「黒子くん最近『日本語●めない卓』見た？」
黒子「よく分かりましたね」
桜井「話を戻します。まさか気付かれたのか、そう思った時、反対方向から強いレネゲイドの気配を感じます」
黒子「えっと、そっちの方向に向かって走り出します」
桜井「では氷咲さんは街を走りながら異常に気が付きます。自分以外の存在が全て、時でも止めたかのように静まり返っているのです。そして見慣れた秀徳市の街並みも何処か色褪せて見えます」
黒子「それはつまり、《ワーディング》ですか？」
桜井「はい、その通りです」
黒子「嫌な予感を覚えながら、とにかくレネゲイド濃度が濃いところに向かって走り続けます」
桜井「はい。では必死で走っていた氷咲さんの数百メートル先で、バスが突然爆発しました」
黒子「『な、なにがっ！？』って思わず立ち止ります。数百メートル先なら、普通に爆発もろ被りしますよね？　演出でリザレクトするレベルですよね？」
桜井「まあそうですけど……HPダメージを1D10食らって同じだけ回復する程度の《リザレクト》です。《リザレクト》って、オーヴァードの肉体が常人の強さを超えているっていうのを示す回復エフェクトなんじゃないかって思ってて……世界の中的には……」
黒子「ああ、分かりました、そういう。じゃあ熱風を食らって、『と、溶ける……！』と腕で顔を守ります」
高尾「リアクションが雪女wwwwwwwwwwwwwwwww」
黛「すげえぬ●孫っぽい」
今吉「ああ、雪女って何言っとるんや思ってたけどあの漫画か」
黒子「まあモデルはあの雪女ですよね。あの黄色い眼がかわいいです」
福井「分かりある」
桜井「ボクも分かります。とりあえずバスはボウボウ燃えています。そしてそのバスを見つめる人影が1つ。とはいえ熱風と炎のせいでその姿はぼんやりとしています。『フフフ……これで目覚める。これで……』とか言っているのが聞こえます」
黒子「《ワーディング》が張ってあって普通に佇んでいるってことは、オーヴァードの可能性が高いですね。で、救助作業をしようとしているわけでもないから、敵寄り、と。『……何者ですか？』と警戒をあらわにします」
桜井「『チッ、もう来たのか』と呟き、人影はその姿を消します」
黒子「じゃあもう追うことはできませんね……『逃がしたか……仕方ない、今はこっちだわ』と言ってバスに近寄ります」
桜井「バスは未だ炎上していて、《ワーディング》も張られています。そのため一般人は無力化されており、避難することもできません。状況は非常に緊迫しています」
黒子「ええと、ええと、じゃあ、せめて何処かに脱出口を作らなきゃいけないわけですから……まあ駆け寄りますよね」
桜井「では氷咲さんが駆け寄った時、バスの天井部分が大きくたわみます。がん、がんと金属に強くぶつける音がして、やがて天井が突き破られて……」
黒子「お」
桜井「腕に1人の少女を抱えた異形が姿を現しました。氷咲さんは知る術もありませんが、紺谷くんです。紺谷くんは侵食率を上げて登場してください。まあすぐに気絶しますが」
福井「まあそりゃそうだよな。よし、侵食率上げるぞー」

侵食率上昇！
1D10→7
35％→42％

高尾「うわ、7だ」
黛「すげえ、出目高いな」
今吉「まあ覚醒したわけやし、いい感じに活性化しとるってことでええんちゃう？」
福井「だな。で、俺はその場でぶっ倒れればいいの？」
桜井「はい、そうしてください」
黒子「じゃあ氷咲はその場に駆け寄ります。2人はどうなっていますか？」
桜井「そうですね、まず、駆け寄った氷咲さんは、2人の制服が自分が通っている高校……高尾くん、名前何がいいですか？」
高尾「あー……秀徳高校じゃ安直だし、多分秀徳市はあくまで紺谷くんが住んでる市で、高校も市内とは限らないよな？」
桜井「市内ってことにしてもいいですよ」
高尾「んー……誠凛か桐皇から取りたいんすけど」
今吉「したら花村はレネビやし、誠凛からにしたらええんちゃう？」
高尾「じゃあ誠凛第一高校で！」
桜井「分かりました。とりあえず2人は氷咲さんが通っている誠凛第一高校の制服を着ていることが分かります。まあ紺谷くんのはだいぶ汚れてますけど。で、男子の方はけっこうボロボロなんですが、女子は無傷だと分かります。うーん……年齢的に学年違うんですよね……（キャラシのコピーを見ながら）」
黒子「知ってるか知らないかってことですか」
桜井「あ、でも待ってくださいね。氷咲さんは女子の方は知っているかもしれません。矢神秀人の監視をしていた時、矢神が入部した美術部に所属している女子だと分かるでしょう。前に矢神と話していた、1学年下の女子です」
黒子「すごく怪しい気がします……矢神は氷咲と同学年なんですか？」
桜井「はい、そうです」
黒子「ではすぐに支部に連絡して、バス爆発とうちの後輩がオーヴァードになったよっていうのを即座に伝えます」
桜井「分かりました。他にやりたいことはありますか？」
黒子「いえ、特にはないです」
桜井「では、UGNの救助隊が現れて、怪我人が運ばれていきます。いつの間にか《ワーディング》が解除されていました。そして氷咲さんは動きが見られるまで待機を指示されます」
黒子「言われた通り待機します」
桜井「ではシーンを切ります」
黒子「あ、矢神秀人にロイスをとります。ポジティブは尽力、ネガティブは猜疑心です。とりあえずこいつの疑惑を解明するために力を尽くそう、と決めます」
桜井「では次に行きましょう」

[newpage]

[chapter:オープニングフェイズ　シーン04　世界の裏側]

シーンプレイヤー：PC3　天宮柚月

桜井「続いて支部長……高尾くんもとい天宮さんの導入です。妹がいるなら柚月さんの方がいいかな？」
高尾「どっちでもいーよ」
桜井「じゃあとりあえず天宮さんで」
高尾「うぃーす」
桜井「侵食率上げてください」
高尾「うぃーす」

侵食率上昇！
1D10→10
35％→45％

高尾「ファッ！？」
黛「うわすげえ」
今吉「いきなりかっとんだなあ」
黒子「活性化してますね……」
高尾「まあエフェクトレベル上がって、ダイスボーナスつく分にはいいか……で、俺のシーンはどんな感じなの？　桜井」
桜井「そうですね、天宮支部長は、つい数時間前に起こったばかりのバス炎上事故の報告を受けて、支部内で書類仕事などをしているところです。重軽傷者多数という報告、そしてこの事故によってオーヴァードに覚醒した少年がいるという報告は受けていましたが、続報はまだ来ていないって感じですね。支部を空けるわけにもいかないので、実質待機のようなものだと思ってください」
高尾「あー……だよなあ……うーん、じゃあ多分そんなに詳しくはないだろう報告を見て、眉をしかめてるって感じで。ちなみにGM、オーヴァードに覚醒した少年の名前は現時点で分かってるの？」
桜井「ああ、ようやくボクのことGMって呼んでくれましたね。みんな桜井桜井っていうから……」
高尾「ごめんて」
黒子「そういえば忘れてました。すみません、桜井くん」
今吉「堪忍なあ」
福井「悪い」
黛「すまんすまん」
桜井「まあ別にいいですけど……黛さんに至ってはほとんど関係ないですし……。で、天宮支部長の先ほどの問いですけど、覚醒した少年について、支部長は詳しいことを知りません。氷咲さんが報告したことを知ってはいますが、多分氷咲さんも紺谷くんの名前は知らないでしょうから」
黒子「そうですね、知らないと思います」
桜井「だから、天宮支部長は名前も知らないということでお願いします。誠凛第一高校の生徒だということは知っていて結構です」
高尾「了解。じゃあ俺がすることは特にないかな。GMの進行に任せる」
桜井「ありがとうございます。じゃあ進めますね。書類とにらめっこしている天宮支部長の元に、一通のメールが届きます」
高尾「開くよ」
桜井「それはUGN日本支部の支部長、霧谷雄吾からのものでした。本文には、5分後に直接連絡をするという旨が書いてあります。そして添付ファイルとして、オーヴァードに覚醒した少年のデータがあります」
福井「個人情報が……」
黒子「確かに、緊急時とはいえ個人情報もれてますね」
黛「気にしたら負けだ」
福井「んだな」
桜井「フィクションなのでということでここはひとつ……スイマセン……」
福井「いいっていいって」
高尾「じゃあ、5分の間にできるだけ資料に目を通しておこうかな。読みながらプリントアウトする」
桜井「5分間で分かる情報……まず、少年の名前は紺谷浩司ということ、誠凛第一高校の1年……何組がいいですか？　福井さん」
福井「じゃあ4組で」
桜井「1年4組だということ、部活は帰宅部……ですよね？　で、委員会が……」
福井「風紀委員会で」
桜井「分かりました。で、友達の部活を手伝うために放課後残ることもある、とか、そういう何てことない基本情報を得ることができます。あとは、体の機能そのものに異常はない、ってことくらいですね。シンドロームも分かっていいでしょう」
高尾「『また1人、《日常》から足を踏み外してしまったのか……世界は本当に残酷だね』って頭を抱える」
桜井「では天宮支部長が頭を抱えた時、ぴったり5分が経過したためか、支部長室についているテレビ電話用のモニターが着信を告げます」
高尾「出る！」
桜井「モニターに映ったのは、紛うことなく霧谷雄吾その人でした」
高尾「穏やかに微笑んで、『霧谷さん、お疲れ様です』って言うかな」
桜井「すると霧谷さんも、『天宮柚月支部長、ご苦労様です。お忙しいところすみません』と言いますね」
高尾「『いいえ、とんでもないです。こちらこそ、手を煩わせてしまって申し訳ありません』」
桜井「『早速ですが本題に入りましょう。我々には時間が残されていません。……お送りした資料には目を通していただけましたか？』」
高尾「『もちろんです』って、軽く資料を持ち上げる。『もっとも、5分で理解できる範囲でのことしか把握してはおりませんが』ノイマンだったらすぐ分かったんだろうけどな。花村くん呼べばよかったな」
今吉「（笑）多分ワシも何処かで働いとるんやろ」
黛「病院で紺谷の傍に着いてたりしてな」
今吉「割とええんちゃう？」
桜井「いいかもしれませんね。まあ今は高尾くんのシーンなので、そっちに戻しますよ。霧谷さんは『結構なことです』とか何とか頷いて、続けて言います。『それならばもうお分かりかと思います。彼は……紺谷浩司さんは、こちら側の住人となりました。現在は病院で治療を受け、傷も全て治り眠っているだけだと聞いています。そちらの管轄であるにも関わらず、結果として先にこちらに情報がきたことは申し訳ないと思っています』」
高尾「『いえ、それは構いません。……それで、我々は何をすれば』」
桜井「『さすがは天宮柚月支部長、話が早い。あなたがた秀徳市支部の皆さんには、今回の事件について情報を集めると共に、紺谷浩司さんを保護し、オーヴァードやレネゲイドについて説明し、さらには非常時の護衛を行うという任務を言い渡したいと思います。すぐには受け入れられるような世界ではありませんから、辛抱強く寄り添って、支えてあげてください。君たちならばそれができると信じています』」
高尾「『了解しました』」
桜井「『さらに、日本支部のチルドレンである黒瀬桃子をそちらに派遣しています。明日には合流できるでしょうから、彼女とも協力して任務にあたってください』」
高尾「『はい』」
桜井「『私からは以上です。では、ご武運を』そう言って通信は切れます」
高尾「まあこっちも特にすることはないかな。シーン切っていいぜ」
桜井「はーい、切りますね」
高尾「おっと、シナリオロイス結ばなきゃ。紺谷くんに対して、庇護/憐憫、かな。かわいそうにって感じ。表は庇護」
桜井「分かりました」

[newpage]

[chapter:オープニングフェイズ　シーン05　連携]

シーンプレイヤー：PC4　黒瀬桃子

桜井「ではお待たせしました、黛さんもとい黒瀬さんのシーンです」
黛「よっしゃー」
桜井「侵食率上げてください」

侵食率上昇！
1D10→1
32％→33％

黛「うわ低っ」
桜井「きっとこれから上がるんですよ！　じゃあ、PC4のオープニングなんですけど……どんなオープニングがいいですか？」
黛「え？」
桜井「PC4ともなるとかなり自由度が高くなるので、どんなシーンにしたいのかある程度は決めてくれていいんですよ」
黛「なるほど……じゃあ、そうだな。UGN日本支部で秀徳市への派遣任務を言い渡されるところ、だな。公式NPCにはロイスをとっていないから……誰から言い渡されるかは、GM、お前に任せる」
桜井「分かりました。では……黒瀬さんのお兄さんから呼ばれる、ということにしますね」
黛「分かった。では呼ばれた場所に向かうことにする。うーん、どういうキャラにしようかな……『お呼びですか、お兄様』とか言って入ろうかな」
桜井「ちなみに、どういう関係性なんですか？　お兄さんの性格とか考えてます？」
黛「全然考えてない」
桜井「じゃあこっちで適当に決めます。『お兄様だなんて他人行儀な対応はよしてくれよ。今この部屋には俺とお前しかいない。気軽にお兄ちゃんって呼んでくれていいんだぜ』」
黛「なるほど、そういうキャラか、了解。『お仕事でお呼びになったのではないですか？　兄妹とはいえ、そこは切り替えるべきかと思いまして』とか言っておくか。……けど、切り替えようとするならお兄様なんて呼ばないよな？　中途半端だよな？」
桜井「言われてみれば……じゃあ、『切り替えるって言うのなら、黒瀬分隊長と呼ぶべきだな、黒瀬。お前の切り替えじゃ中途半端だよ、どちらかにするといい』とか言ってみますかね、ちょっと厳しめの態度して」
黛「いいぞいいぞ。じゃあ途端に嫌そうだった表情を引き締めて、『大変失礼いたしました、黒瀬分隊長。……ご用件をお伺いしても？』」
桜井「ちょっと緊張感のある兄妹になってしまいましたね……まあ続けます。『数時間前、秀徳市においてバスが横転、爆発炎上する事故が起こった。この事故によってオーヴァードに覚醒した少年がいること、そしてこの事故にFHの関与が疑われることを理由に、霧谷支部長は秀徳市へ日本支部のチルドレンあるいはエージェントを派遣することを決定した。そこで指名を受けたのが、黒瀬、お前だ。よってお前には、秀徳市支部のオーヴァードと合流し、共に事件解決にあたること、および新しくオーヴァードに覚醒した少年を保護することを命じる』」
黛「敬礼でもするかね。『拝命いたしました』」
桜井「黒瀬さんに公開される情報はそれだけじゃないですよー。『さらに、今回の事故にはあの“ディアボロス”の関与が可能性として浮上しているところだ。彼は“シューラ・ヴァラ”という正体不明のエージェントと協力し今回の件を引き起こしたらしい。“シューラ・ヴァラ”の正体、奴らの目的に関してはまだ詳しいことは分かっていない。警戒するように』」
黛「ディアボロスってつまり春日恭二だよな？　じゃあ眉をしかめて言うな。『“ディアボロス”……彼がまた何かを企んでいるということですか？　ではそれを阻止しなくてはいけませんね』」
桜井「『よろしく頼むよ。早速向かってくれ』」
黛「『はい、分かりました』」
桜井「って感じですね、いいですか？」
黛「あ、1つ聞きたいんだけど」
桜井「はい」
黛「“シューラ・ヴァラ”って結構アラビアンな言語リズムしてるけど、どういう意味？」
今吉「あれとちゃう？『ラーマーヤナ』」
黛「へえ」
桜井「あ、そうですスイマセン！　『ラーマーヤナ』の主人公が使用している武器の名前で、『鋭き投槍』っていう意味があります！　説明忘れてましたスイマセン！」
黛「いやいいよ。とりあえず春日恭二にロイスとるか……ポジティブに同情、ネガティブは任意で『殴りたい、このオヤジ』で」
高尾「ファーーーーーーーーwwwwwwwwwwwwwwwwwww」
黛「何度も戦ったことがあるんだろ？　で、その度に負かしてるんだろ？　そりゃ同情もするしうんざりもするわ」
桜井「まあ何も間違ってはいないと思います……シーン切りますね」
今吉「ほんと春日恭二ヒロインやよなあ（笑）」

[newpage]

[chapter:ミドルフェイズ　シーン06　顔合わせ]

シーンプレイヤー：PC3　天宮柚月

桜井「じゃあ、ミドルフェイズですが……」
高尾「あ、なあGM、PC1以外のメンツが顔合わせするシーンをやりたいんだけど……」
桜井「他の人がOK出したらいいですよ」
今吉「ワシはええで」
黒子「ボクも大丈夫です」
黛「俺も顔合わせしたいわ」
高尾「じゃあ俺がシーンプレイヤーやりまっす！　場所は秀徳市支部の物理実験室で」

侵食率上昇！
氷室：1D10→9
　　　37％→46％
天宮：1D10→2
　　　45％→47％
黒瀬：1D10→8
　　　33％→41％
花村：1D10→7
　　　35％→42％

桜井「いい感じに横並びになりましたね」
今吉「わーい80まで半分やでー」
黛「この調子で積極的にシーン登場しそうだなこの人工知能……」
桜井「じゃあ……シーンプレイヤーの高尾くん、場所は支部でいいですか？」
高尾「うん、いいよ。支部で……待機していた氷咲ちゃんを呼んで、ブリーフィングするところ。黒瀬ちゃんが支部ん中に入って来る許可も与えてる。花村くんには最初から支部長室にいてもらおうかなあ」
今吉「了解やで～」
黛「じゃあ黒瀬は受付だか警備員だかに入所許可証を出して中に入ろうかな」
桜井「受付……廃校が支部になってるので、きっと事務室ですね」
高尾「事務室が近い昇降口以外のとこは封鎖されてるんだろうなあ」
黒子「あ、皆さん、ボク、支部に戻って来たところで黒瀬さんと鉢合わせしてもいいですか？」
高尾「俺はいーよ。場所が支部長室の前だとなおよし」
今吉「ワシはええで」
黛「俺も大丈夫。場所も支部長室の前でいいよ」
黒子「では、氷咲は一度自室である3年1組教室に戻って着替えとかを済ませ、支部長室に向かいます。そこで黒瀬さんに出会う……って感じで」
黛「じゃあ事務室で支部長室の場所を教わって、てくてく向かって氷咲に会う」
黒子「『……どちら様？』って聞きますかね」
黛「『UGN日本支部から派遣されてきました、チルドレンの黒瀬桃子です。秀徳市支部の今回の任務をお手伝いさせていただきます』ってにっこり笑いかけるかな」
高尾「PLはちっとも笑ってないけど」
黒子「『……そう。私は秀徳市支部所属のUGNチルドレン、氷室氷咲です。協力感謝します、どうぞよろしく』」
黛「『見たところ同い年……ですよね？　任務がうまくいったらお友達になってくださいね』って感じで」
黒子「『うまくいけば、ですね。では、うまくいくように最善を尽くさなければいけませんね』ってこっちもにっこり笑います。氷咲ちゃんはそこそこ人懐こい子なので」
桜井「無表情組が笑顔RP……なかなかにアイロニックというかシュールというか……」
高尾「まあそんな声を聞いて、物理実験室の扉を開けまーす。『ああ、着いたんだね、君たち。中に入って』」
今吉「で、花村くんは実験室の中から2人の様子を見とるで」
黒子「支部長室に入ります」
黛「中に入って……自分の知る支部長室とは全然違うなあって目を丸くする」
高尾「『あはは、支部長室って言っても、ぶっちゃけ元は物理実験室だからな。珍しいのも無理ないよ』って黒瀬ちゃんの方を向いて、で、本題進んでいいっすかね？」
黒子「いいですよ」
黛「いいよ」
今吉「ええで」
桜井「GMはとりあえずしばらく暇することにしますよ～」
福井「俺は病院のベッドでグースカ寝てることにするぜ～」
高尾「福井さんのためにも早く終わらせまーす！『では、改めて。僕は秀徳市支部の支部長、天宮柚月だ。今回はかなり珍しく、困難なケースになったけれど、協力して任務に当たって行こう。よろしく頼むよ』」
今吉「『花村紘です。覚醒してからは3年だけど、人工知能やってたから情報収集なら任せてよ！』」
黛「『改めまして、UGN日本支部から派遣されてきました、黒瀬桃子です。今回はよろしくお願いします』」
高尾「『それじゃあ、行こうか。まずは紺谷くんが入院している病院だ。そこで彼に色々説明してあげないとね』」
3人「『了解！』」
高尾「シーン切っていいよ」
桜井「分かりました」
今吉「ちゅーか、一人称が『俺』のキャラクターいないんとちゃう？」
黒子「今から氷咲が俺っ子になりましょうか？」
今吉「何言うとるんやこいつ（真顔）」
黒子「失礼ですよね今吉さん……」

[newpage]

[chapter:ミドルフェイズ　シーン07　日常と非日常の狭間]

シーンプレイヤー：PC1　紺谷浩司

桜井「では固定イベントに入ります。紺谷くんが病院で目を覚ますシーンになります。シナリオではシーンプレイヤーはPC3ということになっていますが……」
高尾「俺さっきやっちゃったしなあ」
桜井「それなら、紺谷くんにしましょうか？」
福井「俺はいいよ」
桜井「ではまず紺谷くん、侵食率を上げてください」

侵食率上昇！
紺谷：1D10→1
　　　42％→43％

福井「上がんねえなあ」
桜井「いいんじゃないですか？　どうせクライマックスでガチ上がりしますし」
福井「嫌な予感しかしねえ！」
桜井「まあどれくらい上がるかは本当にダイス次第ですからね……あと、他の皆さんも全員登場することになるでしょうから、忘れない内に侵食率を上げておいてください」

侵食率上昇！
氷室：1D10→7
　　　46％→53％
天宮：1D10→2
　　　47％→49％
黒瀬：1D10→10
　　　41％→51％
花村：1D10→7
　　　42％→49％

黛「嘘だろ最大値！？」
黒子「それでもボクよりは低いじゃないですか！」
黛「両方50超えてるんだからどっこいだろ」
桜井「こういうのどんぐりの背比べって言うんですよ、黒子くん」
黒子「それくらい知ってますよ！　ボクの得意科目なんだと思ってるんですか！」
高尾「黒子のキレ方おかしい」
桜井「とりあえず話進めますよ。病院のベッドで、紺谷くんは目を覚まします」
福井「病院の天井をぼんやり見つめて呟くかな。『知らない……天井だ……』」
高尾「wwwwwwwwwwwwww」
黒子「wwwwwwwwwwwwww」
今吉「wwwwwwwwwwwwww」
桜井「wwwwwwwwwwwwww」
黛「wwwwwwwwwwwwwww」
福井「皆笑いすぎじゃね！？」
黒子「だっていきなりエヴァぶっこんでくるんですもん（笑）」
黛「それは笑うわ」
桜井「では知らない天井を見た紺谷くんの傍には、看護師が1人立っています。女性です」
福井「ほう。じゃあ体を起こして、『ここは……？　っ！　そうだ、バスが、綾瀬さんが……！』って辺りを見回します」
桜井「『落ち着いてください、紺谷くん。大丈夫よ』と看護師が声をかけます」
福井「『落ち着いて、って……！　だって、あんな事故が！』」
桜井「そこで紺谷くんは気付きます。あの爆発で感じたはずの痛みや、負ったはずの傷がすっかりなくなっていることに」
福井「じゃあ言いかけたところでそれに気づいて、『え……あれ……？』って動揺する」
桜井「看護師さんは紺谷くんに柔らかい口調で話しかけます。『色々混乱しているかと思いますが……あなたはその事故のことを何処まで覚えていますか？』」
福井「何処まで、か……えっと、『ええと……電車が止まって、バスに乗って……』って感じで、オープニングで起こったことを全部喋る。かくしかだ」
桜井「看護師は『そうですか』と頷きます。そして、『あなたの身に起こったことに関しては、後ほど詳しい事情を知る人が説明に来てくれます。それまで体を休めていてくださいね』と続けます」
福井「『詳しい……人？』って怪訝な表情を浮かべるけど、多分答えは教えてくれないんだろうなあ……」
高尾「あ、俺たち登場しても？」
桜井「いいですよ」
高尾「じゃあ病室をノックして入ります。『どうも、初めまして紺谷くん』って感じで」
福井「『誰ですか？』って訊くかな。天宮支部長ってどんな見た目？」
高尾「んー……金髪で眼鏡？」
黒子「……」
今吉「黒子くんどうしたん？」
黒子「いえ、何でも……ないです」
高尾「ちょっとぼさっとしてるかなあ。研究いっぱいしてるから」
福井「じゃあいぶかしんでる」
高尾「よーし自己紹介だー！『ああ、まだ名乗っていなかったね。僕はUGN秀徳市支部の支部長、天宮柚月というよ。今から君に、色々説明をしなくちゃいけないと思ってやってきたんだ』」
福井「『説明……詳しい人って、あなたたちのことなんですか？』」
高尾「『うん、その通り。先程看護師から聞いたけれど、君は……紺谷くんは、昨日起こった事故についてかなり鮮明に覚えているみたいだね』」
福井「『は、はい。その……綾瀬さんは無事なんでしょうか？　僕、彼女を助けなきゃと思ったところから記憶がないんです』」
高尾「あれ？　GM、綾瀬真花ちゃんのことって、支部長は知ってる？」
桜井「はい、知っています。無傷で救出され、UGNの記憶処理を施されて《日常》に帰っていますよ」
高尾「じゃあ、記憶処理のこと以外は伝えようかな。『ああ、あの女の子だよね。大丈夫大丈夫、無傷だよ』」
福井「それならほっと胸をなでおろすかな。『よ、良かった……』」
高尾「よーし畳みかけちゃうぞー。『……何故無事だったのか……そこは気にしないんだね、君は』」
福井「『どういうことですか？　それは、詳しい説明をしてくれるっていうことと、何か関係しているんですか？』」
高尾「『勿論。関係大ありさ』と言って、《ワーディング》！」
黒子「待ってください支部長！」
高尾「！？」
黒子「《ワーディング》はボクがやります。GM、《ワーディング》の演出は、PCによって変わっていいんですよね？」
桜井「はい、演出は各PLに丸投げしますけど……」
黒子「ボクのシンドロームなら、多分支部長のシンドロームより視覚的に《ワーディング》が分かりやすいと思うんです。いいですか、高尾くん？」
高尾「なるほどそういうことか。オッケー！　じゃあ、支部長が『関係大ありさ！』って言ったところで、突然氷咲ちゃんが《ワーディング》するってことで」
黒子「はい。氷咲ちゃんが《ワーディング》を展開すると、病室の気温が一気に低下します。そして、壁は霜に覆われ、氷咲ちゃんの周りには雪が吹き荒れる……って感じですね」
桜井「張り切ってますね」
黒子「紺谷くんに見せるのに手っ取り早い方法を選択したって感じです」
高尾「じゃあ俺は氷咲ちゃんを振り返って言うかな。『おいおい氷咲ちゃん……少し気が早いんじゃない？　紺谷くんをびっくりさせてしまうよ』」
黒子「『でも、見せた方が早いと思うんですよね。多分口で説明されてもなかなか信じられないでしょうし』」
高尾「『まあ、うん、僕も《ワーディング》はしようと思ってたけどさ……』」
福井「あ、じゃあ俺は『え……、え！？』って感じで混乱してる。あわあわだぜ」
黛「あわあわー」
今吉「あわあわー」
桜井「大学生組仲いいですね……」
高尾「で、まあレネゲイドとオーヴァードとUGNについてかくしか。省略していい？」
桜井「いいですよ」
福井「俺もオッケー。あ、ついでに事故のことも覚えていることをかくしかしたってことで」
高尾「分かりました！　で、最後に付け加える。『今この子が……氷咲ちゃんが展開しているのは、オーヴァードならば誰しもが持っている《ワーディング》という能力だ。オーヴァード以外の存在を無力化して、オーヴァードのみの戦いをしやすくする、というものだね』」
福井「『そう……なんですか。え、でも、待ってください、オーヴァード以外を無力化……！？』さすがに色々見せられた状態で信じないってわけにはいかないから支部長の話は信じるけど、そしたら今動ける自分はどういうことなんだ……って感じのリアクション」
高尾「そういう反応を待っていたんすよ！『うん、オーヴァード以外を無力化。君がバスの事故に遭う前に感じた、意識が持って行かれる感覚っていうのも、《ワーディング》によるものなんだ。では、何故今君がこの空間で動けているのか。……もう分かっているんじゃないかな』とか言って、少し悲しそうに微笑む！」
福井「わー（笑）それっぽいぞー（笑）じゃあ……はっと息を呑んで、支部長を顔を見つめるとしようか。『それは、じゃあ……僕がオーヴァードだってこと……ですか……？』」
高尾「『うん、その通り。君があのバスの事故で死にそうな目に遭ったことで、体内のレネゲイドが活性化し、覚醒した。もしかしたら、隣に座っていた綾瀬真花さんを守りたい……そう思ったからかもしれないね』」
福井「『そう……だったんですか……』」
高尾「『うん。それで、ここからは僕たちが君にお願いをする番だ』」
福井「『お願い？』」
高尾「『その通り。まずは君のことを我々UGN秀徳市支部で保護させてほしい。というのも、覚醒したての君の能力や精神はひどく不安定だからね。落ち着くまで、プロの傍に居た方が安全というわけだ。どうだい、悪い話じゃないだろ？』」
福井「少しだけ考えてから、『はい、お願いします』って頷く」
高尾「『そしてもうひとつは……我々UGNに力を貸してほしい、ということだ』ってわけで、FHのことと、事故と奴らの関係性についてかくしか！　で、紺谷くんに協力してほしいってことを伝える！」
福井「じゃあ、『正直、何が何やら分からないんですが……分かりました、できる限りがんばってみようと思います』って感じかな」
高尾「『オーケー、その言葉を聞けただけでもうれしいよ。じゃあ、ここにいる連中を紹介しようかな』ってやって、ようやく紹介だー！　みんなすいません！　俺ばっかり喋っちゃって！」
黒子「RP的に支部長が喋るべき場面だったと思いますし、そこは気にしなくていいと思いますよ。『秀徳市支部に所属しているUGNチルドレンの氷室氷咲です。紺谷くんと同じ誠凛第一高校の生徒だけど、学年は2年なの。よろしくね』」
今吉「『僕は花村紘。同じく秀徳市支部に所属しているんだ。よろしく』」
黛「『黒瀬桃子と言います。UGN日本支部から派遣されてきました。よろしくお願いします』」
福井「『改めまして、紺谷浩司です。みなさん、よろしくお願いします』……で、これシーン切った方がいいやつ？」
黛「だな。これ以上は続けなくても良さそうだ」
桜井「分かりました、ではシーンを切ります。ロイス結ぶ人いたら結んで、休憩にしましょう」
福井「支部長にロイス結ぶ！　ポジティブは信頼、ネガティブは不安。まだ戸惑いが大きいってことで、不安を表に出す」
黒子「紺谷くんの分の枠だけとっておきます。感情はもう少ししたら決めたいです」
高尾「氷咲ちゃんにロイス取りまーす。ポジティブは信頼、ネガティブは恐怖で信頼が表」
黛「紺谷にロイス枠だけ確保して後から感情決める」
今吉「ワシは支部長に取るで。ポジティブは信頼、ネガティブは不安。信頼が表や」
桜井「では休憩にしましょう。次も固定イベントになります」

[newpage]

[chapter:ミドルフェイズ　シーン08　接触]

シーンプレイヤー：PC2　氷室氷咲

桜井「はい、次も固定イベントになります。シーンプレイヤーはPC2となっていますが、黒子くん、いいですか？」
黒子「はい、問題ありません」
桜井「場面は事故の翌日以降……まあイメージとしては、そうですね、週末を挟んだくらいの頃にしましょうか……そのくらいの日の、全校朝礼を想定しています。なので、支部長は出れません。PC4の黒瀬さんも、一時的に転入するといった手続きを取らない限り、登場は認められません」
今吉「ワシは出てもええの？」
桜井「誠凛第一の3年生なんですよね？」
今吉「そのつもりやで」
桜井「じゃあ出てもいいです」
今吉「おおきに。ほなワシは出るで。福井は？」
福井「うん。俺も出る」
黛「俺は出ないかな。みんなが学校に行っている間に色々調べてるって設定にしておこう」
桜井「では侵食率を上げてください！」

侵食率上昇！
紺谷：1D10→5
　　　43％→48％
氷室：1D10→6
　　　53％→59％
花村：1D10→3
　　　49％→52％

黒子「そろそろダイスボーナスが付きますね……次のシーンは休みたいです」
今吉「ぜーんぜん活性化しーひんわあ」
桜井「では、みなさんは全校朝礼に出るために講堂に集まっています。色々省略しますが、友人と会話をする限り、バスの事故のことは話題にはのぼっていないようです。UGNの情報操作がうまくいっているということだと、3人共分かっていいでしょう」
福井「じゃあ友達と喋りながら内心で、『本当に記憶操作なんてことができるんだ……じゃあ、綾瀬さんも忘れてるんだろうな。きっとその方がいい』って思ってる」
黒子「いいPC1ですね」
福井「だろ？」
桜井「では、そんなことを思っている紺谷くんに、噂をすれば影、綾瀬さんが話しかけてきます。『おはよう、紺谷くん』」
福井「『おはようございます、綾瀬さん』って普通に返す。綾瀬真花に事故のことを気にしてる様子はあるのか？」
桜井「いえ、そういう様子はありません。『もうすぐ文化祭だよ～、今日も遅くまで部活するんだろうなあ……』って感じですね」
福井「『文化部は大変ですよね』って返すかな」
桜井「で、氷咲さんと花村くんには、会話は聞こえてないけど2人が会話しているところは見えるって感じです」
今吉「ほな、近くまで行こうか」
黒子「そうですね、ボクも近付きます。話し声が聞こえるくらいまで」
桜井「では、これからの会話はPCにも聞こえる、ということにします。紺谷くんと綾瀬さんが他愛もない話をしていると、『綾瀬さん、おはよう』と声をかけてくる人がいます。紺谷くんのクラスメイトでもある矢神秀人です」
福井「マジで？　クラスメイトだったの？」
黒子「警戒して観察します」
今吉「じゃあ氷咲ちゃんに近づいて、『あれが矢神秀人？』って確認とろうか」
黒子「『ええ、彼が矢神よ』って答えます」
福井「ん、あれ？　矢神秀人は紺谷とも同じクラスなんだよな？　ってことは紺谷のこと知ってるってことだよな？　何で綾瀬だけに話しかけてくるんだ？」
桜井「それはすぐに分かりますよ。矢神秀人は紺谷くんの方をちらりと見ますが、声をかける様子はありません。それどころか、暗い負の感情をたたえた眼で見てくるでしょうね」
福井「うわ感じ悪いなこいつ……とりあえずこっちには心当たりがないから、眉をしかめて怪訝そうな顔だけしておく」
桜井「では矢神秀人はそれ以上紺谷くんに関わろうとはせずに、綾瀬さんに話しかけます。『金曜日は大変だったみたいだね？　何でも、電車が止まってたとか何とか……』で、綾瀬さんは『うん、そうなの。臨時バスが出てたから良かったんだけど、思ったより時間がかかっちゃったよー』とか答えます。……ちょっとしばらく一人芝居しますね」
福井「了解（笑）」
黒子「分かりました（笑）」
今吉「分かったで（笑）」
桜井「『それは災難だったね。ああ、災難と言えば、バスが炎上して横転するほどの事故が起こったんだってね？　あのバスに綾瀬さんが乗っていたらと思ったら、僕は気が気じゃなかったよ』『え？　事故……？』」
福井「ほーう、ふーん」
黒子「GM、その話を聞いて3人のところに駆け寄ってもいいですか？　『あなたたち、1年生よね？　もうすぐ予鈴が鳴るわよ、列に並びなさい』って感じで。実際、もうすぐ予鈴が鳴ることにしてもいいですか？」
桜井「いいでしょう。では綾瀬さんはその言葉を聞いてはっとした顔をすると、『すみません！　すぐに並びます！』と言って慌てて列の方へと行ってしまいます。矢神秀人は氷咲さんを見て目を細めました」
黒子「喧嘩を売って来るなら受けて立ちますよ！」
桜井「いいえ、先に紺谷くんに喧嘩を売ります！『紺谷……綾瀬さんはあんな事故に遭って怖がっているんだ。君が話しかけるべきじゃないと思うけどな』……シナリオ通りの台詞なんですけど、何か普通に理不尽ですよね……」
福井「確かにな。気が強いPC1だったら、『話しかけてきたの綾瀬だっつーの、お前の目は節穴かよ』くらい言いそう。でも紺谷はそこそこおとなしい奴だから、戸惑った顔をしてしらばっくれることにしようか。『事故……って、なんのことでしょうか？　綾瀬さんも心当たりはなさそうでしたし、僕も覚えがありません』」
桜井「『へえ、そう返すんだ。……それならそっちの“先輩”に言わせてもらいますけど』って、矛先を氷咲ちゃんに変えますね」
黒子「受けて立つ！」
桜井「（笑）『余計なことはしない方が身のためですよ。……お互いの平穏無事な《日常》のためにもね』」
黒子「つんと顎を突き出して答えますか。『こっちの台詞よ』」
今吉「『女の子ってこういう時強いよねー、ほら見てよ、ブリザード吹いてる』ってこっそり紺谷に話しかける」
福井「クソwwwwwwwwwwwwやめろwwwwwwwwwwww」
高尾「ブリザード面白すぎる（笑）」
桜井「ではここでシーンを切りましょうか」
黒子「今回はさくさく行きますね」
桜井「時間が……時間が結構過ぎてるんですよ……」
黒子「確かに」
桜井「というわけで休憩にします」

To be continued…

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