ニューヨーク・タイムズ
2017年7月4日00時11分
ミレラ・カサレス(27)にとって生計の基盤となる仕事はある。しかし、給料が頼りなくなってきた。
彼女は米フロリダ州オカラのランジェリー専門店「Victoria’s Secret(ビクトリアズ・シークレット)」で働いている。だが、米国では今、週ごとに労働時間が変わるシステムがさまざまな産業分野でどんどん広がってきている。彼女が働いている店もその一つで、労働時間が毎週変わる。そのため、家族の予定が狂うばかりか、肝心の家計に大きな混乱をもたらすのだ。
昨今、米国では新たな労働事情の調査研究が行われるようになった。その調査結果をみると、生計に不安をもたらす最大の原因は、いわゆるギグエコノミー(gig economy、訳注=インターネットを通じて単発の仕事を請け負う非正規労働市場。多様化する個人の働き方の一つとして、最近、じわじわと広がっている)ではなく、同じ仕事であっても労働時間が変わるため、給料も変動するシフト賃金(shifting pay)にある。
この不安定なシフト賃金は、失…
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朝日新聞国際報道部