民進、蓮舫氏続投も前途多難=求心力低下に拍車
東京都議選で敗北した民進党は、蓮舫代表ら執行部が続投する。選挙前に予想された壊滅的な結果は免れたとして、党内で責任を追及する声は広がっていない。ただ、求心力低下は否めず、新たな離党の動きも判明。次期衆院選に向けた態勢立て直しは容易でなさそうだ。
野田佳彦幹事長は3日の記者会見で、「臨時国会召集の要求、政権準備のための政策や選挙準備に全力を尽くしたい」と続投を表明。一方、松原仁党都連会長は同日、党本部で会見し、「政権奪還を目指す政党として敗北だ。全ての責任は私にある」と述べ、辞任する考えを明らかにした。党執行部に対しては「出処進退を考えるべき人もいると思う」と不満をにじませた。
民進党の前身の旧民主党時代を含め、都議選での獲得5議席は過去最低。2015年の大阪府議選・市議選でも当選1人という歴史的敗北を喫しており、同党の都市部での強みは消失した。特に東京は蓮舫氏の地元でもあり、執行部批判は顕在化していないだけとも言える。
こうした中、藤末健三政調会長代理が2日付で離党届を提出。3日の会見では「憲法改正の議論が深まっていない。選挙協力の名の下に左に寄っている」と党運営を批判し、「同じ志を持った仲間と中道政党を立ち上げたい」と述べた。都議選を圧勝した地域政党「都民ファーストの会」への合流については言葉を濁した。
都議選前には長島昭久元防衛副大臣が離党届を提出(その後に除籍処分)しており、執行部は藤末氏に追随する動きを懸念している。急きょ開かれた執行役員会では、出席者から「挙党態勢をつくらないと、党は瓦解(がかい)する」と悲鳴が上がった。