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ライチョウ4羽がふ化 大町山岳博物館で19年ぶり

6月21日に生まれたひな2羽も順調に成育している=大町市立大町山岳博物館で(同館提供)

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 環境省の保護増殖事業で、国の特別天然記念物ニホンライチョウを飼育している大町市の市立大町山岳博物館は三日、同館で飼育しているつがいが産んだ卵四個から、ひな四羽がふ化したと発表した。ふ化したのは二日で「ピー、ピー」と鳴きながら元気に走り回る姿も見られるという。同館のつがいからひなが誕生したのは一九九八年以来十九年ぶりで、鳥羽章人館長は「大町山岳博物館で生まれたライチョウ二世が誕生し、うれしい」と喜んでいる。

 四羽は、二日午前十時四十分から同日午後七時三十八分の間に相次いでふ化した。体重は一八・九〜二一・二グラムで、羽が乾き、足取りがしっかりしてきたため三日にふ卵器から育雛(いくすう)器に移した。

 卵を産んだのは、昨夏に北アルプス乗鞍岳で採集した卵からふ化し、成鳥になったつがいで、六月三日から七月二日までに計十五個の卵を産んだ。今回のひな四羽は、六月三〜九日に産んだ卵四個から誕生した。

 このほかの十個はふ卵器に入れ、今月二日産まれた一個は温度を保って保管している。ふ卵器に入れている十個のうち、近親交配を避けるために近く富山市ファミリーパークに移す予定の六個は全て受精卵という。

 上野動物園(東京)から移された卵から六月二十一日に誕生した二羽は、体重(三日現在)がそれぞれ四九・一グラム、五二・八グラムと約三倍に増えた。成育は順調で、翼や尾羽が伸び、成鳥のライチョウに似た姿形になりつつある。

 飼育担当者は「卵が大町産や上野産にかかわらず、かえったヒナは順調に育てて来年の繁殖に貢献したい」と話している。

 (林啓太)

 

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