森博嗣読者なら多分このアニメに対して「森臭い…」と思っていただろうが「無限のパン」あたりからはもう「ああ、この人森博嗣ファンなんだな」と思って
(哲学的に例があるのかもしれないが、本作のあの会話の元ネタはS&Mシリーズ『有限と微小のパン』の話だと思うんだ)
睡眠の話も、ああこの理論と概念は知ってるわ~と思いながら見てた。
あれを読んでる人なら、と期待してたんだけど、ちょっとよくわかんないとこに収まっていって残念感があるSFになってしまった。
ただ、毎週展開が気になっていたので総括すると楽しかった思い出が残るアニメであった。
ただ、森博嗣が過去に書いた空想科学のSFミステリィ『百年シリーズ』と続編の『Wシリーズ』のようになるのでは?と思っていたので
時系列はいろいろあるが、1作目ではもうそう遠くない未来のことを描いている。
作者が「星の王子さま」が好きすぎてオマージュしてしまいました。みたいな始まりを見せる。
(過去に森氏は「星の玉子さま」という本をだして、献本までしている。)
そこにはエネルギー問題をクリアした独立国家があり、概念や哲学までもが違う。ここまで書くと森版、キノの旅とも言えるが
キャラクターを中心に過去と未来が混ざっていったり、その哲学を生み出した人物は誰か?という問題に発展する。
そして世界は変革をみせ、Wシリーズに向かう。もう完全なる未来の話だが、「ありえそう」という点では昨今の作品でもなかなか味わえないレベルになっている。
正解するカドは例えるならこの「生み出した人物」との対話の話だった。なので勝手にWシリーズぐらいの世界革命が起きた様子が描かれるのではと期待してしまった。
「ヤハクイ・ザシュニナ」は「真賀田四季」だったり「犀川創平」みたいなことを言っているからである。(冒頭のパンの話など)
(思えば「ヤハクイ・ザシュニナ」のネーミングって百年シリーズの「メグツシュカ」みたいじゃないか?雰囲気が)
アニメをいろいろ見ているが、とくに大きな荒廃を見せず、しっかり発展した場合の未来をバトルではなく哲学的に描いているのはあまり無いのが現状で
結局森博嗣の描くSFが今のところは一番遠い未来を現実的に描いているのでは?と考えてしまう。
しかしデビュー当初に本人が描いていた未来より、現実の未来は遅れているそうなので、作中経過時間よりももっと未来の話になっていくのだが、
そろそろなんらかの概念が変わることを、生きているうちにこの目で見られそうな気がする。
例えば「すべてがFになる」からWシリーズにまでずっと出てきている人工知能<デボラ>があるのだが、それを受け入れる人は多くなったのではないか…とかね。
どうも昔から森ファン疑惑がある野崎まどが描いた『正解するカド』が行きつけなかった先が、森作品にはある。
(もっとも正解するカドは途中から『2001年宇宙の旅』『インターステラー』化していた気もするが)
「だから森は凄いんだ」と言いたいけど、言う気はなくて、どっちかというと個人の趣向や昨今でもあまり無い作風として「こういう果てしなく遠いが近い未来の作品が大々的に世の中に出てきてほしい」という気持ちが強い。
野崎まど氏。また挑戦してくれ。森氏は世界観の全体構成を全部作り上げてから書いているから、後出しじゃんけんも後出し感が無くできるらしいぞ!
野崎まどはむしろ森博嗣的なものを(言い方は悪いが)虚仮にするタイプの作家ではと思う。
でもあいつら本質的に同じタイプやで。 シニカルな振りして基本わりと真面目。
まぁ森の劣化版みたいなのは時々でるよね 読んでると必要なのは知識量なのかもなぁと思う時はある
https://anond.hatelabo.jp/20170703202036 なんでもチャレンジすればよいというものでもない。ない頭を絞っても何もでてこないというのが現実である。 というわけで幾つか本を勧めてみたい。 ...