マニラ=鈴木暁子
2017年6月29日02時02分
フィリピンのドゥテルテ大統領が試練に直面している。南部ミンダナオ島で過激派組織「イスラム国」(IS)に忠誠を誓う武装集団の掃討が難航しているためだ。30日で就任から1年。奔放な言動や多数の死者を出す「麻薬戦争」にもかかわらず、人気を誇ってきたが、南部の戦闘のかじ取り次第では、政権運営に影響も出かねない。
「ミンダナオでの戦闘の現状を申し訳なく思っている」。首都マニラで28日、大統領警護隊を前に演説したドゥテルテ氏はこう謝罪した。
5月23日に始まったミンダナオ島マラウィでの戦闘では1カ月余りで市民27人、武装勢力側299人、国軍側兵士ら71人が死亡。28日には新たに17人の市民の遺体がばらばらにされた状態で見つかった。戦場の市街地に残された市民は100人とも500人ともいわれ、国内に不安が広がっている。
計22年、島の中心都市ダバオ…
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朝日新聞国際報道部