ロンドン=寺西和男
2017年7月3日23時36分
英中央銀行イングランド銀行(BOE)の一部の職員が加盟する英最大労組ユナイトは3日、物価上昇に伴う十分な賃上げが行われていないとして賃金の再交渉を求め、31日から8月3日まで4日間のストライキに入ると発表した。BOEで職員がストに入るのは約50年ぶりだという。
ストに入るのは建物の保守や警備部門の職員ら。参加する職員数は明らかにしていないが、8月3日には金融政策を発表する記者会見も予定されており業務運営に支障が出る可能性がある。ユナイトによると、この部門の職員は年間賃金が2万ポンド(約292万円)前後の人が多い。BOEは3月から1年間の賃金支払い原資を前年度より1%増やしたが、賃上げ率は一律でなく、全く上がらない人もいるという。ユナイトは、賃上げ率が物価上昇率を下回るのは2年連続だとして、「職員が直面する苦しい現実が分かっていない」と批判した。
英国では欧州連合(EU)離脱決定を受けたポンド安で物価が急上昇し、5月の消費者物価上昇率は前年同月比2・9%と約4年ぶりの高水準になった。国民の不満が高まりつつあり、「物価の番人」であるBOEも足元から直撃された格好だ。(ロンドン=寺西和男)
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朝日新聞国際報道部