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 欧米など65カ国の企業に広がった6月末のサイバー攻撃をめぐり、ウクライナ保安局(SBU)は1日、同国を狙った組織的な攻撃だったとする声明を出した。2015年、16年の年末にあった同国の送電網に対するサイバー攻撃と類似のソフトウェアが使われたという。同局は「ロシア情報機関が関与した証拠だ」としている。

 今回のサイバー攻撃の被害はウクライナで最初に確認され、同国では公共機関や金融機関を中心に広がった。「ランサム(身代金)ウェア」と呼ばれるコンピューターウイルスによるものと見られ、多くのコンピューターのハードディスクがブロックされて解除のために仮想通貨「ビットコイン」による支払いを求める文が画面に表示されたが、SBUは「金銭を受け取る手段は現実的なものではなく、目的は社会を混乱させることにあった」とした。

 ウクライナでは、15年12月には複数の電力配給会社がサイバー攻撃を受けて一部地域で送電が止まった。1年後の16年末にも同様の攻撃が起きた。(ウィーン=喜田尚)