世はまさに大自撮り時代!
スマートフォンやSNSが普及した結果、Googleの統計によれば2014年には約9300万の自撮りが1日に投稿され、2016年のマンダムの調査によれば日本人の20~30代女性の自撮り経験率は7割を超えてます。
そのためSNSには毎日毎日「はぁ…わたしブスすぎ…」なんていいながらバリバリの決め顔してる自撮りや、「今起きたよ~」とサラッと撮ってみた感を出しつつナチュラルメイク+カラコン+ヘアーアイロンのフルコンボを決めた自撮りが無限に垂れ流されていきます。
一方こうした自撮りにうんざりしてる方は多いようで、自撮りを揶揄する「承認欲求」「SNOW」「わたしブスすぎ」といった言葉はTwitterのバズワードとなりました。
「ブスでゴメンナサイ!」と言いながら自撮りUPする女は、ちゃんと略さず「ブスだと思ってないし、撮り直しとアプリで大分盛れたからこそ全世界に自撮り発信してるからね?褒められても保険で『そんなことないよ』って返すけど、本当はめっちゃ褒められたい面倒な女でゴメンナサイ!」と言って欲しい
— 脱税レイヤー風呂屋さん (@557dg4) March 7, 2017
〜自撮りで分かる女の地雷ポイント〜
・白飛びしてる→肌に難有り
・角度がついてる→正面顔に難有り
・髪が顔にかかってる→顔のサイズに難有り
・鼻にスタンプ使ってる→鼻に難有り
・口元を隠してる→口元に難有り
・動物みたいに加工してる→人間性がヤバイ、その本性は獣そのもの— 脱税レイヤー風呂屋さん (@557dg4) June 2, 2017
しかしそれでも尚、自撮り文化は隆盛の一途を辿っています。
ナニがこんなにも人々を自撮りへと掻き立てるのか?
何故「わたしブス過ぎ…」「今起きたよ~」みたいな予防線を張ってまで、自撮りを世界中の人間に晒さなければならないのか?
何故「私ブス!マジでブス!もう死にたい!」と言ってるメンヘラは言動とは裏腹に、何十枚と自撮りをとって選り抜きの一枚を探して、それを更にアプリ等で加工してSNSに投稿なんて面倒なことをするのか?
この理由としてよくあげられるのが「ナルシズム(自己愛)」です。
ナルシズム 我には褒め称えられる資格がある!
簡単に言えば「私は可愛い!だから、みんなチヤホヤして!」ということです。
コレは直感的に理解しやすいと思います。
自撮りをSNSに投稿する方は「ブス」「今日は盛れた~」だのなんだの言いつつも、その実は自分のことを「美人」と思っており、それ故に自分は皆に褒められるべき!という使命感を持っている…しかしハッキリそれを言うと叩かれるので、少し一歩引いたスタンスをアピールするという事です。
実際に自分のことを美人と確信してるからこそSNSに自撮りを投稿するタイプも多く、例えば私もその部類です。
「さぁ凡俗なる容姿の者どもよ!国税局もひれ伏した、我が美貌を崇めるがよい!!」
というスタンスで自撮りを投稿しています。
しかし、自撮りをSNSに投稿する方が全員「私は美人」という確信を持っているのでしょうか?
みんな自分大好きナルシストなら、何故「わたしブス過ぎ…」「今起きたよ~」と自分を偽り、卑下する予防線を貼るのでしょうか?
「本気を出さなくて余裕な俺SUGEeeeeeeeee!!」的なラノベ主人公や「黙ってれば美人ってよく言われるけど自分では美人の実感全然ないし中身はコミュ障喪女だからw」的な乙女漫画ヒロインに憧れているのでしょうか?
実際そういう方もいないわけではない(自分的にかなり多いとみてる)んでしょうが、実は2016年フロリダ大学での研究では「ナルシズムは自撮りについて最も頻繁に関連するトリガーであるが、それは必ずしも全ての自撮りに当てはまる決定要因ではない」という結果が出ています。
どうやらナルシズムと同程度に自撮りに走らせるモノに「所属欲求」と「自己客観化」があるようです。
承認欲求より「所属欲求」?
「計画的行動理論」という概念があります。
コレは行動に対する態度は、行動によって得られる結果とその行動の評価によって決定付けられる…という理論です(この説明は、正確には計画的行動理論の前段階の合理的行動理論に当たります)。
フロリダ大学の研究者達が、この概念を基に自撮りを投稿する方々を分析したところ「自撮りを投稿すること自体に何らかの社会規範を感じている方が多い」という結果が出ました。
つまり自撮りをする文化があり、それに参入するために「私は価値を感じて従っているし、楽しんでいる」というポーズを取っているということです。
彼等は自身が本当に自撮りに価値を感じているか?楽しいのか?…etcに関係なく(時には苦痛に感じながらも)、自撮りを行う営みに迎合する必要性を覚えています。
コレはTwitterでちょっとアレ気味な女性が、実際の港区は23区の中で1番女性比率が高く(人口性比89.2%、23区最下位の台東区は105.4%)、23区で2番目に独身男性が少なく(H26年東京都人口動態統計年報)、23区で2番目に学歴を申告出来ない学歴厨が多く(2015年国勢調査)、無申告で追徴される女の平均申告漏所得額は東京都平均と大差なく(2017年6月23日麻布税務署勝山さん)、日本唯一のサイバーテロ集団の本部があるにも関わらず、キラキラした女性としての概念として「港区女子」に憧れるのと同じ構図と言えるでしょう。
このような「実際に価値を感じ楽しんでるよりも、価値を感じ楽しんでる人間と思われるほうが重要!」的な意識は、現代の日本では確実に広がりつつあります。
例えばDomani2016年5月号には『だって「幸せそう」って思われたい!』に煽りを使ったり、ファミリーロマンスなる会社は「リア充代行サービス」と称し、一緒に自撮りしてリア充アピール出来るスタッフを派遣するサービスを始めたりしました。
「いや本当に幸せになれよ!本当に友達を作れよ!」というツッコミはもっともですが、とりまソレぐらい現代人は他人から「リア充側の人間と思われたい」という願望が強いことが分かります。
そのため自分が本当にリア充か非リアか?美人かブスか?よりも「そう他人に思われたい」という願望も自撮りを投稿する強い動機となるのです。
こういった行動もまた「我は自撮りをSNSにあげるリア充側の美人ナリ!」的な広義のナルシズムとも言えますが、この場合の自撮りの動機はネットでよく指摘される「承認欲求」より「所属欲求」の性格が強いと言えます。
「自撮りをSNSに投稿する=自分を美人だと思ってる」と一概に言う事は出来ないのです。
次に「ナルシズム」「所属欲求」と並び、自撮りのモチベーションになる「自己客観化」について考えていきます。
自己を客観視出来る方は、ブスならブスと分かるはず。
だから…
自己客観化 「ブスの自覚あるやつは、そもそも自撮りUPしないからw」は本当か?
…結論から言えば「真っ赤な嘘」です。
2010年ヨーク大学で行われたFacebookヘビーユーザーの調査によれば、自撮りのヘビーユーザーは「ナルシストタイプ」と「自尊が低いタイプ」の二種類が存在することが明らかになっています。
また2015年オハイオ大学による自撮りにかける労力と人格の調査によれば「ナルシズム傾向のある方は勿論、自己客観化(self-objectification)傾向の強い方も、より自撮りを投稿し加工する」という結果が出ました。
「自己客観化」とは何かと言いますと、自分の外見を客観視し他人と比較する意識のことであり、一般的に自己客観化が強い方ほど自尊が低い傾向にあります。
つまり自己を客観視した結果、自分の容姿が他人より劣るという認識を持ってるガチで「はぁ…ブス過ぎて辛い」という方もまた、私のような「はぁ…可愛すぎて辛い」という方と同じぐらい自撮りをSNSに投稿するということです。
また意外なことに2015年ポーランド大学の調査では、男性より女性の方がナルシズムではなく、自己客観化で自撮りを行うという結果も出ています。
自分に自信がないからこそ、他人からどう思われてるか?が気になり自撮りを投稿する。
自分の容姿に劣等感に持ってるからこそ、他人との容姿の比較が気になり、自撮りを上げてソレを確認し比較してしまう。
自分を否定してしまいがちだから、誰かに肯定して欲しい。
劣等感を否定するために、莫大な労力を費やし理想の自分が写った自撮りをあげようとする。
自撮りを上げれられるような人間になりたいという、ある種の所属欲求から自撮り自体に意義を見出す。
こうした自尊心の低さもまた、自撮り文化の大きなウェイトを占めているのです。
「はぁ…ブス過ぎて死にたい」と呟きながら毎日のように自撮りをUPするメンヘラ達…それは「自分の事を好きになりたい!でもなれない!」という悲鳴なのかもしれません。
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【投稿者】
脱税レイヤ-風呂屋さん
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