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 将棋の中学生棋士、藤井聡太四段(14)が2日の対局で敗れ、30連勝の大台達成はならなかった。これを受け、藤井四段のプロデビュー戦で対戦した加藤一二三九段が談話を出し、「ここからまた新たな目標の達成に向けて、研鑽(けんさん)を重ねていただけたら」とエールを送った。全文は以下の通り。

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 30連勝という、初の連勝記録大台達成は惜しくも実現なりませんでしたが、藤井四段の実力は中学生にしてすでに本物です。

 14歳にして常に沈着冷静、強靱(きょうじん)な精神力を備える藤井四段ではありますが、他方でプレッシャーも無意識下には感じていたはずです。ここでいったん気分を仕切り直していただいて、真っ白な、気軽な気持ちになっていただき、ここからまた新たな目標の達成に向けて、今後はさらに伸びやかに、しなやかに、研鑽(けんさん)を重ねていただけたらと考えております。

 長い棋士人生はいま、ここに始まったばかりです。この先の勝ち星も敗戦も、そのすべてをご自身の力にかえて、人々のこころに感動を与える棋譜を数多く紡いでほしいと願います。

 超新星の誕生に湧く将棋界ですが、平安時代より指し継がれる「将棋文化」が大輪の花を咲かせることができるよう、偉大な後輩の成長からは、今後ますます、目が離せませんね。