ドナルド・トランプ米大統領と文在寅(ムン・ジェイン)韓国大統領による初の首脳会談が6月30日に行われました。米国内ではどう評価されていますか。
高濱:なんともぎこちない会談でした。共同声明はなんと、会談が終了して7時間20分たってから発表(韓国政府は「米側の行政手続きのために遅れた」と説明)。共同記者会見は開いたものの、双方が一方的に自分の感想を述べるだけで、記者団からの質問はいっさい受け付けませんでした。
実は文大統領がワシントンに到着した直後、トランプ大統領がテレビの女性キャスターを侮辱するつぶやきをツイッターで流し、それでなくとも険悪な関係が続いてきたメディアとの全面戦争になってしまったのです。
米国の一般市民にとってはそちらの方が大ニュースで、米韓首脳会談どころではなくなってしまったのです(もともと米一般市民は米国と韓国の外交にはほとんど関心がありませんけど)。
それはともかくとして、東アジアの専門家たちは首脳会談の結果を知るにつれて、一応に呆然としています。懸案はすべて持ち越し。初顔合わせの大統領同士が「個人的信頼関係」を築く、といった淡い期待もすっ飛んでしまいました。
かたや「無手勝流ナショナリスト」、こなた「左翼民族主義者」。まさに水と油です。米韓関係が今度どうなっていくのか、東アジア情勢は「波高し」と言えそうです。