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（宗男）おう！　東京の若者よ！
世界を変えんのは　君たぢだ！ロックンロールだっぺ！
（みね子）いいがら　ちょっと来て！（宗男）引っ張んなって　みね子。
（宗男）痛い！
恨むよ　今のは。ごめん。
♪「Ｐｏｎ　ｐｏｎ　ｐｏｎ…」
♪「愛の言葉をリル」
♪「シャイなハートがドキドキ」
♪「あの日観てた“サウンド・オブ・ミュージック”」
♪「瞼閉じれば蘇る」
♪「幼い頃の大事な　宝物だけは」
♪「ずっと　この胸に抱きしめて来たのさ…　Ａｈ　ａｈ」
♪「夜の酒場で　Ｌｏｎｅｌｙ」
♪「あの娘　今頃どうしてる？」
♪「さなぎは今、　蝶になって」
♪「きっと誰かの腕の中」
♪「肩寄せ合い　声合わせて」
♪「希望に燃える　恋の歌」
入って！　あ～　もう！
痛えな　もう。
ほぉ　こごが　みね子の部屋がぁ…。へぇ…。
そうだよ。まぁ　何もねえけどね。
そんなこどねえよ　立派なもんだ。
そうがぁ。
東京で　しっかり生きてんだなぁみね子は。
まぁね。
♪～
兄貴のこどは聞いでるよ。義姉さんから。
うん…。
どうしたんだっぺな　一体な。
♪～
大丈夫か？　みね子。
うん　お母ちゃんは　大丈夫？
うん…　まっ　心ん中は大丈夫じゃねえだろうけど元気でやってるよ。大した人だ　おめえの母ちゃんは。
んだね。んだ。
じいちゃんや　ちよ子や進は元気？
あぁ　元気だ。　変わりねえよ。
そっか。うん。
♪～
どうした？
フフフ…。
何か　久々になまり聞いたら　ちょっと…。
へぇ　そういうもんけ？
そうみでえ　ヘヘヘ！うん。
しかし　東京は　すげえな。
うん。
あぁ　すげぇとしか言いようがねえわ。
んだね。うん。
なぁ　みね子。ん？
行ってみてぇとごがあんだ。
♪～
そうがぁ…。
こごで見だ人がいんのが。
うん。
手ががりっつうの？こごしかないんだよね。
そうがぁ。
♪～
兄貴～！
俺だよ　俺！　宗男だよ！
兄貴！
みね子も　こごにいんだど！
みね子は　東京にいんだど！
帰ってこいよ！　兄貴～！
兄貴！
兄貴～！
兄貴！
兄貴～！
人　捜してんのかよ？
お父ちゃ～ん！
お父ちゃん！　みね子だよ！
兄貴～！
いい年して　かくれんぼとがしてんじゃねえぞ！
いい加減よ　出でこねえどよ父ちゃんに頭ただかれっど！
♪～
あんまし帰ってこねえと忘れちまうよ　お父ちゃんのこど！
知んないよ　もう！お父ちゃんのバガ！
♪～
兄貴～！
お父ちゃん！
♪～
はい　どうぞ。
どうぞ。（島谷）ありがとう。
はい　どうぞ。（早苗）どうも。
はい。（啓輔）すんません。
（祐二）うまそう！　ありがとう！はい。
ほれ　みんな　座って座って。うん　座って。
（島谷）ごちそうになります。いただきます。
いただきます。
あれ？　ばあちゃん…　じゃなくてえ～　富さんは？
寝てました。あ～　そっか　残念だな。
（祐二）うまいちゃ。
な！（啓輔）うまい…。
（早苗）泣くな。
みんなみね子のこど　ありがとうな。
叔父として　礼を言うわ。ありがとな。
あっ　君たぢのこどは　みね子からさんざん聞かされでるよ。
あれだ　岩手の一関出身でちょっと怖くて何だか　何　考えでっか分がんねえんだけど実は　とっても優しくて寂しがり屋でおしゃれで　かっこいい早苗さんだっぺ。
もう恥ずかしいから　宗男さん。
で…　あっ　漫画家２人組な。
あれだよな　富山から来て頑張ってんだよな。　うん。
えっ？　そんだけですけ？
描いとる漫画については何か？
何かって　何だ？
すんごく面白いとか。才能があるがやとか。
特に書いでながったな　それは。だろうな。
（宗男）で…。
ふ～ん　なるほどな…　うん。
（せきばらい）佐賀の島谷君だ。
はい。ほぉ…。
確かに　王子様だわ。何　言ってんの　宗男さん！
いや　何かよ　手紙だけ読むとよ。ん？
みね子　何だか惚れてんじゃねえかって思ってたんだけど。
えっ？
もう　いいから　いいから！　もう！（宗男）まずがったが？
もう勘弁して！　もうそんなこど書いでないでしょう！
だってよ…。いいから！例えばよ。
もう！
ハハハハ！
あの…。ん？
どっかにお出かけだったんですか？
おう　ちょっとな　叫んできたんだ。ん？
あの　お父ちゃん…あっ　えっと…。
父が目撃された場所で。ね？　ハハハ！
でっけえ声でな「お父ちゃんのバカ野郎！」ってな。
（笑い声）へぇ。
（早苗）いいね　それ。
だっぺ？うん。
バカ野郎と言いたい相手が１５０人ほどいる。
１５０人！？
（宗男）随分いんな。（早苗）はい。
でもよ　あれだっぺ　みね子。ん？
思ってるこどをよ　かっこつけずに思いっきし叫ぶと何だが　力が出っぺ？それに笑えっぺ？　何だが。
それが　ビートルズだ。
んだがら　好きなんだ　俺は。
うん　何でもいいんだ。
難しいこどじゃなくていいの。何でもいいんだ。
腹立づこどでも「仕事休みでぇ」でも「あの子が好きだぁ！」でも何でもいいんだ。
今　思ってるこどをな　叫ぶんだ音楽に乗せでな。
エレキギターとがでよ　わ～っとでっけえ声で叫んででうるせえわって思うがもしんねえけど。
でもな　あれはでぎるだげ遠ぐまで届けるためになんだ　気持ぢをな。
んだがら　でっかい音なんだ。
んだがらよ　聴いでっと何だか　一緒に声出してるみでえな気分になって　心が晴れんだ。一緒に歌いたぐなんだ。
んでよ　それが　レコードとがになっとイギリスから　茨城まで届くんだよ。すげえよね！
あの…。（宗男）ん？
チケットは　手に入ったんですか？
いや。
いいんだよそんなもんは　なくても。俺はなあいづらが東京に来たとぎに一緒に東京にいる。それだけで十分なんだよ。
♪～
星が　あんまし見えねえなぁ東京は。
んだね。
でもよ　若者諸君。
見えねえだけでないわけじゃねぇぞ。
分がっか？
うん。
東京で待ってっとう！　ビートルズ！
♪～
「ビートルズ！」って　ほら！早苗さんも　ほらほら。
ビートルズ！　待ってっぞ！
待ってっぞ　ビートルズ！
ビートルズ！待っとるぞ～！
おらっちゃの漫画　読んでま～！読んでま～！
リンゴ！　待ってるよ！
ビートルズって。
ビートルズ～。おい。
「ビートルズ！」って。
ビートルズ！
＜お父さん…。もうすぐ　ビートルズがやって来ます＞
来週の「ひよっこ」はついに　ビートルズがやって来る。
俺は　笑って生きてっとう！
宗男さんは　大興奮。赤坂は　お祭り騒ぎ。
（富）何が　めでたいのかしらねぇ。
（省吾）あ～！
謎の美人女優も　ご来店でシェケナベイビー！