中国海軍の情報収集艦 津軽海峡で一時領海侵入

中国海軍の情報収集艦 津軽海峡で一時領海侵入
2日午前、中国海軍の情報収集艦1隻が北海道と青森県の間の津軽海峡を通過する際に日本の領海に侵入し、およそ1時間半にわたって航行しました。中国海軍の艦艇が領海に入ったのが確認されたのは、去年6月以来3回目で、防衛省は航行の目的を分析しています。
防衛省によりますと、2日午前10時40分ごろ、津軽海峡を東に向けて航行中の中国海軍の情報収集艦1隻が北海道松前町の沖合で、日本の領海に侵入したのを海上自衛隊のP1哨戒機が上空から確認しました。情報収集艦はおよそ1時間半にわたって領海内を航行したあと、そのまま東に向かい太平洋に出たということです。

中国海軍の艦艇が日本の領海に入ったのは、去年6月に情報収集艦1隻が鹿児島県口永良部島の沖合で確認されて以来、3回目となります。また、過去2回は南西諸島方面での領海侵犯で、津軽海峡で中国海軍の艦艇が領海に入ったのが確認されたのは今回が初めてです。

各国の軍の艦艇は一般の船舶と同じように沿岸国の安全を害さなければ領海を通過できる「無害通航権」が国際法で認められています。
防衛省は、今回の航行について「進路を突然変更するなどの特異な状況は見られなかった」としていて、警戒と監視を続けるとともに航行の目的を分析しています。

外務省 中国に“関心の表明”

外務省は、今回の中国海軍の領海侵入が、日本の秩序や安全を脅かすものかどうか定かではないとして、東京の中国大使館に対して、関心の表明を行うとともに、北京の大使館から中国外務省に対しても、同様の表明を行いました。

各国の軍の艦船には、一般の船舶と同じように、ほかの国の秩序や安全を害さなければその国の領海を通過できる「無害通航権」が国際法で認められており、外務省によりますと、今回の航行が「無害通航」にあたるかどうか確定的には言えないとして、抗議ではなく、今回の対応をとったということです。