一年前ぐらいからハマっている漫画がある。
タイトルの通り「あさひなぐ」だ。
最近映画化して知っている人は知っていると思うが、
とにかく熱くて、泥臭くて、そしてカッコイイ。
この漫画、小学館漫画賞とっていて、
女子の薙刀というかなり変わったジャンルのスポ根ものだ。
ただ、正直にいって薙刀とかどうでもいい。
別に、野球だろうが、サッカーだろうがスポーツなら何でもいいと思う。
女性主人公のスポ根物と言うジャンルも珍しいがこの漫画の素晴らしさはそこではない。
この漫画の良いところは、
「マイナーなジャンルのスポーツもの」ってところじゃなくて、
心理描写のうまさ
ただ、これにつきる。
この漫画の主人公は始めとにかく鈍くさくて、運動音痴で、
そして何より薙刀がよわい。
笑えるのが、6巻まで1度も誰にも勝てない！
こんなの、週刊少年ジャンプでやったら、10週間で打ち切られるレベルだ。
スポーツものは、だいたい
「最強の主人公が弱いチームを引っ張っていく」系の物語(キャプテン翼、メジャー等)か、
「きらりと光る能力を持っている弱い主人公が成長してく」系の物語(大きく振りかぶって等)に分けられる。
この物語は後者だが、それにしてもあまりにも成長しなさすぎだ。笑
だって、ワンピースで6巻っていったらもう、近海の主、モーガン、アルビダ、バギー、クロそしてまさにドンクリークを倒そうとしているところである。
もし、ルフィーがそいつらにボッコボコにやられていたらどうだろう。
絶対につまらない。
ただ、この漫画は違う。
そんな展開でも楽しんで読める。
それは、心理描写がうまいからだ。
この主人公あまりにも弱いから、はじめは一人だけ、
練習にさえ加えてもらえない。
ひとりで雑用をさせられるのである。
部活でレギュラーじゃなかった人はわかると思うが、
こういうときって結構へこむ。
まさにこんな感じになる。
ただ、この主人公、
嫌なことをしっかりと見るメンタルの強さがある。
メンタルお化けだ。
だって、こうなったら普通
「何でこんなことしなきゃ、いけないんだよ」
とぼやきながら、渋々練習するのが普通である。
ただこの主人公はこう考える。
うん。
まさにその通りだ。
「出来る人と比べて、自分が出来ないと言う事が、悔しい」
という自分の心の闇をしっかり見る強さがある。
こう言う辛い状況の時、皆はどう考えるだろうか。
「みんな違ってみんないい」みたいに、価値観を別に置く人もいるだろう。
ただこの主人公は、「確かに自分は成長している」と信じて一生懸命練習するのである。
これを見た時、「努力で解決する、定番のスポ根物だなぁ」と思った人もいるだろう。
ただこの漫画、心の弱い人間も存在する。主人公と同級生のこのキャラだ。
器用で、初めは主人公より上手いけど、主人公に抜かされてしまう。
そうなるとやっぱり、レジュラーから外されて嫌になって、薙刀も嫌になってしまう。
こんな感じでやめようとする。
普通のスポ根物なら
「今まで一緒に頑張ってきたじゃないか！これからも一緒に頑張ろう」
的な事を言うだろう。
ただ、この漫画そんな綺麗事は言わない。
こんなきつい言葉を言い放つのである。
こんな展開普通じゃない。笑
こんなこと言ったら、普通にひどい人間だ。
ただ、6巻まで誰にも勝てず一生懸命頑張ってきた、この主人公だからこそ、このセリフは活きる。
この後、このキャラがどう動くはぜひ読んで見てほしい。
どうやって、弱い自分と向き合うのかを。
何度も言うが、この漫画は人の心を書くのがとても上手い。
画像を見て入ればわかると思うがスポーツ物には珍しくモノローグがとても多い。
騙されたと思って、とにかくこの漫画を読んで見てほしい。
絶対に面白いので。