1800年代半ばに米国に生まれたジョージ・ケナンは、電信ルートの調査隊としてカムチャッカに渡ったことをきっかけに、ロシア(当時はロシア帝国)に興味を持った。
その後ジャーナリストとして働く一方でロシアに渡り、再び広い範囲を探検。彼は母国にとっても未知だった地域にも足をのばし、いろいろな場所に住む人々の様子を記録した。
彼が残した記録のうち1870〜1886年に撮影したといわれる写真の一部を紹介しよう。
スポンサードリンク
調査員としてロシア帝国を巡ったアメリカの若者
ジョージ・ケナンは1845年、アメリカのオハイオ州に生まれた。19歳の時に当時敷設に難航していた大西洋を横断する海底電信ケーブルの代替案として浮上した "ベーリング海峡からシベリアを横断しヨーロッパに通じる電信ルート" を調査する探検隊の一員になった。
そこでケナンは調査のために、カムチャッカ半島を拠点に荒野を巡る過酷な任務を負い、その途中で数えきれないほどの先住民と遭遇する2年間を過ごす。だが、望み薄だったはずの大西洋ケーブルが完成し、彼らの電信計画は結局お流れになってしまった。
体験記が母国で大人気に。再びロシアに
計画の打ち切りに落ち込んだケナンは、日記だけを片手に帰国。だがその日記をもとに書いたシベリアのテント暮らしの本が人気を博し、講演会を開くほどの著名人になった。
その後ケナンはロシアに興味を持ち、1870年に再び現地にわたり、サンクトペテルブルグからボルガ川を経てカスピ海まで船で進み、そこからコーカサスの高地を巡りつつ、グルジア人やアルメニア人、そして十数もの民族グループと出会った。
1. アフリカ系アブハジア人の登山家
image credit:Library of Congress
2. 結婚式に出席していたチェチェンの男性たち
image credit:Library of Congress
3. 2人のカザフ人女性。左は花嫁
image credit:Library of Congress
4.
image credit:Library of Congress
5. ロシア中部のミヌシンスク近隣の小さな村で暮らすタタール族
image credit:Library of Congress
6. ジョージア(グルジア)人女性
image credit:Library of Congress
7. ペルシャ人男性
image credit:Library of Congress
8. セレンギンスクのラマ教修道院の教主
image credit:Library of Congress
9. ジョージア(グルジア)人女性
image credit:Library of Congress
10. トランスコーカサスの男性
image credit:Library of Congress
11.
image credit:Library of Congress
12. タタール族の女性と子どもたち
image credit:Library of Congress
13. 2人のミュージシャン
image credit:Library of Congress
14. 北コーカサスのイングーシの作家アレクサンダー・ベック
image credit:Library of Congress
15.
image credit:Library of Congress
16. 裕福なリヤート人カップル
image credit:Library of Congress
17. 伝統的な服装の女性。
image credit:Library of Congress
18. エルサレムのアラブ人男性
image credit:Library of Congress
19. アルメニア人女性
image credit:Library of Congress
20. シベリアのミヌシンスクの警察署長ズナメンスキー氏。オオカミの頭部を持っている
image credit:Library of Congress
21. 武器を持ったペルシャ人
image credit:Library of Congress
22. グルジア人男性
image credit:Library of Congress
23. シベリアの配達人とソリ
image credit:Library of Congress
24. クリスチャンの登山家
image credit:Library of Congress
25.
image credit:Library of Congress
26. サンクトペテルブルクにて。軍の将校
image credit:Library of Congress
ユーラシア北部を旅し、人々の姿を記録
ケナンはアメリカに帰国後、ジャーナリストに転向。10年以上働いたのち1885年にまたロシアに渡ると、サンクトペテルブルグから東に向かってカザフスタンの国境にあるアルタイ山脈を探検し、モンゴルや中国、カラ川をそってシベリアを横断しての金の鉱脈を探索した。
さらに、シベリアの刑務所や強制労働収容所の残虐な状況を記録し、数百枚もの名刺写真を集めた。中には農奴を開放した宗教的な指導者や帝国の地方兵士の姿など、激動の時代を迎えていた帝国の姿を伝えるものを多数残した。
via:mashable・translated D/ edited by parumo
▼あわせて読みたい
ロシア(旧ソ連)の写真家が撮影した第二次大戦1418日の記録(閲覧注意)
ロシア帝国に関する10のダークな秘密
古代文明の歴史を覆すかもしれない!ロシアで発見された「シギルの偶像」は世界最古の木造彫刻であることが判明(共同研究)
1800年代後半から1900年代初頭、古き良き時代の世界のヴィンテージポストカード
1900年代に撮影された、アメリカ先住民(ネイティブ・アメリカン)の写真
この記事が気に入ったら
いいね!しよう
いいね!しよう
カラパイアの最新記事をお届けします
「画像」カテゴリの最新記事
「歴史・文化」カテゴリの最新記事
この記事をシェア :
人気記事
最新週間ランキング
1位 3868 points | 地下に捨てられたていた赤ちゃんをあたため続け命を救った猫(ロシア) | |
2位 3745 points | ていうか原型とどめてナッシンじゃん!中国に「フォトショップ聖人」と呼ばれるコラ職人がいるらしい。 | |
3位 2533 points | それ何の修行?何の儀式?猫たちの面白ポーズ特選集 | |
4位 1586 points | 孤独による悪循環。孤独が長いと自己中心的になり、それがさらに人を遠ざけるという研究結果(米研究) | |
5位 1438 points | 異星人か? ペルー・ナスカで発見された3本指を持つ奇妙な人型のミイラ |
スポンサードリンク
コメント
1. 匿名処理班
17番の女性の胸が大きくて羨ましい。。
26番の将校がイケメン過ぎる
2. 匿名処理班
写真の技術発展がまた丁度近代だから古写真の類いは何か凄く不思議な、でも現代にもありそうな、だけどやっぱり時代を感じると言う不思議な加減がある
3. 匿名処理班
剣がかっこいいな
4. 匿名処理班
民族衣装着てるのはどれも趣があっていいね
5. 匿名処理班
同姓同名の外交官なら知ってます。
調べたら叔父さんだった。
6. 匿名処理班
記録や挑戦というエンタメ色の強い今の冒険家とは別の
今じゃ交通や情報が発達しすぎて絶滅寸前な「探険家」って職業だよね
冒険が目的じゃなくて、ビジネス目的の調査探索が目的で
未踏の土地に足を踏み入れ、結果的に大冒険的な扱いされるパターンというか
昔は今ほど情報もないし交通も発達してない
大航海時代とかもそうだけど、昔の未開の地を旅する旅人には
ビジネスライクな切羽詰った切実な理由があったんだろうなあ
7.
8.