フクシマンの福島リポート(郡山市)

3.11以降放射能に汚染され福島は変わってしまいました。子供は自然で遊ぶことで成長してゆきますが原発は子供達から泥んこになって遊ぶ機会を奪ったのです。子供達に何がしてあげられるのか?もっと考えるために、福島を生きる、フクシマンが福島の今をリポートします。


テーマ:
福島県のフクシマン・マサです。

「世界の放射線量について」

上海0.59マイクロシーベルト/hなど、

放射線量が高いところがあるのだから、

日本の除染基準、0.23マイクロシーベルト/hも、

もっと高くてもよいのではないか?という世論がある事について、どう思いますか?と、

みなさんに質問させていただいた所、多くの方から、ご返事をいただきました。

本当にありがとうございます。

どの意見もとても勉強になったので、全てを紹介させていただきたいのですが、

膨大な量になってしまうので、一部を、紹介させていただきます。

後半の方は、少し専門的なお話ですが、

「自分の判断基準を持つ」

上でとても重要な内容だと思ったので、

そのまま紹介させていただきました。

よかったら読んでみてください。






「福島県の方からのメール」(武田邦彦先生のブログからの転載)


日本の自然放射線は年間に1.5ミリシーベルトです(外部被ばく+内部被ばく)

(報道されている2.4ミリシーベルトは世界平均で日本ではありません)。

赤道に住む人達の肌が黒い(紫外線障害防止)ようにわたくしたちは昔から住んでいる環境に最も適した形に変わっています。

日本人の場合には、放射線が0よりも1.5ミリシーベルトの方が健康であると考えられています。

しかし人工的な放射線がプラスされる場合、

通常の人の場合には、5ミリシーベルトから10ミリシーベルトまで大丈夫なのですが、

赤ちゃんや免疫が少し弱い人等がおられますので、安全を見て世界的な基準が低くなっています。

1ミリシーベルトというのは、自然放射能の1.5を加えた合計で2.5という意味です。

1.5以上の放射線は一般的には体が悪いとされています(国際的にも国内勧告でも)。





「pikiさんからのメール①」



世界の高線量地域でも暮らしている人はいる、

という主張もよくなされますが、


ブラジルの高自然放射線地域において、

住民の末梢血リンパ球染色体異常は対照地域と比べて増えていた

(しかし、疾病への相関関係は認められなかった)

という論文があります。

http://www.rist.or.jp/atomica/data/dat_detail.php?Title_No=09-02-07-03


(調査対象が202人なのでサンプル数がやや少ないと思いますが)





「長野県のIさんからメール」(一部要約)



例えば、かつて、0.03μSv/hだった土地に放射性セシウムが降下して、

0.13μSv/hとなったとします。


まだぜんぜん、世界に較べれば低いじゃん。


と安心できる値なのでしょうか?

これについて少し考えてみました。

上海など、世界の自然放射線(ガンマ線)は、主に地面(大地=岩盤)からやってきます。

一方、東京電力福島第一原発事故由来の場合は、

放射性セシウムを含む微粒子が単位面積(1平方メートル)あたり、

27600Bq 降下した場合に、空間線量率を 0.1μSv/h 増加させました。*1)

実際に降下した放射性物質を含む粒子は、実測された直径で2.6μmでした。*2)

つまり、話題になった、PM2.5とちょうど同じサイズです。

中国からやってくるくらいですから、空中に放出されれば、風に乗って何処にでも行きます。

また、1粒の放射能は、約7Bqだったと報告されています。

これをあてがうと、

27600Bq/7Bq= 約4000粒が、1平方メートルにばらまかれた時、

その場所の空間線量率が、約 0.1μSv/h上昇したことになります。

降下した粒子は、粉塵となり、風に舞い、呼気に混ざって肺に届くことも起きるかも知れません。

また、農産物、畜産物にCsイオンが入り、食品を通じて体内に入る。

こうした、呼吸による内部被曝や、食品による内部被曝が、外部被曝に対して更に、追加されます。

こうした点が、国際比較で空間線量率のみで見る場合に、考慮されていない点かと思います。

海外は、高いと言っても、岩盤由来、つまり、
その殆どが外からやってきて体を突き抜けるガンマ線による、外部被曝のみと考えられます。

まとめると、降下した放射性セシウムを含む微粒子を呼吸や、食品を通じて体内に取り込んだ結果、追加される内部被曝の影響を考慮していないため、国際比較での空間線量率だけでは、単純に比較できない。ということだと思います。

*1)
http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chousa/gijyutu/017/shiryo/__icsFiles/afieldfile/2011/09/02/1310688_2.pdf

*2)
http://www.natureasia.com/ja-jp/srep/abstracts/49125

*3)
チェルノブイリ事故(1986)後に増加していないと仮定。





「pikiさんからのメール②」


「0.23μSv/h」の根拠について

ここに詳しく掲載されています。

https://www.kankyo.metro.tokyo.jp/policy_others/radiation/view/men.html
(東京都環境局 国(環境省)が示す毎時0.23マイクロシーベルトの算出根拠)

それによると、

「追加被ばく線量年間1ミリシーベルト(mSv)を、

一時間当たりに換算すると、毎時0.19マイクロシーベルト(μSv)と考えられます。

(1日のうち屋外に8時間、屋内(遮へい効果(0.4 倍)のある木造家屋)に16 時間滞在するという生活パターンを仮定)

毎時0.19マイクロシーベルト(μSv)×(8時間+0.4 ×16 時間)×365
日=年間1ミリシーベルト(mSv)

測定器で測定される放射線には、事故由来の放射性物質による放射線に加え、大地からの放射線(毎時0.04マイクロシーベルト(μSv))が含まれます。

このため、測定器による測定値としては、

0.19 (事故由来分)+0.04 (自然放射線分)=毎時0.23マイクロシーベルト(μSv)

である場合、年間の追加被ばく線量が1ミリシーベルト(mSv)になります。」


この考え方で問題とすべきは、「0.23μSv/h」が世界的に見て高いか低いか、ということではなく、

あらかじめ一定の生活パターンを決めてしまい、そこから逆算するような形で「0.23μSv/h」を導いていることです。

さらに言うならば、ICRPの定める「平常時における公衆の被曝線量=1mSv/y」は、外部被曝・内部被曝合わせたものです。

しかし「0.23μSv/h(計算上1mSv/yになる)」は外部被曝のみ対象としています。




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(リポート 福島県 フクシマン・マサ)
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