世の中の多くの人は「自分をもっと良くしたい」という願望を持っている。
ある人は休日にも欠かさず勉学に励み、ある人はスポーツジムで身体を鍛える。
仕事の効率を上げるためのライフハックは常に注目され、生産性を高めることはビジネスパーソンの悲願ともなっている。
僕たちはこんなにも向上心があるはずなのに、「食事」にこだわる人は不思議と少ない。
食物が私達の身体を作り、食物が考えるエネルギーになる。
にも関わらず、意識の高い人でも吉野家の牛丼を流し込み、セブンイレブンの菓子パンとレッドブルを飲みながら業務に取り掛かるのは、枝葉にこだわって大切なものを見失っているようにも思える。
「筋トレビジネスエリートがやっている最強の食べ方」はツイッターで有名な筋肉アカウントであるTestosteroneさんの経験に基づいた食事法をまとめたもの。
Testosterone氏は学生時代をアメリカで過ごし、現在アジアの大都市で社長を務めている。
Testosterone氏はかつて体重は110kgだったこともあるが、正しい食生活により肥満体型を脱した。
この本は彼の経験と彼の筋トレ仲間のエピソード、そして科学的な根拠を元にしたものである。
食事や栄養の本って「で、どうしたらいいの?」って本ばかりだよな?この本には「こうしろ!」っていう具体的なノウハウだけを凝縮した。詐欺まがいのダイエットが横行するダイエット業界をこの一冊でぶち壊したい。自信アリ。一生モノの知識になる。https://t.co/QLn2Pfh420 pic.twitter.com/CzGkXTLIGW
— Testosterone (@badassceo) 2017年7月1日
世の中には次々と新しいダイエット方法が現れ、そのたびに多くの人がチャレンジし、失敗し、また成功した人の一部はリバウンドに苦しむ。
「インチキダイエットに踊らされないために必要なのは、本物の知識を身に付けること」
とTestosterone氏は言う。
彼が提唱する食事法は非常にシンプルだ。
「摂取カロリー < 消費カロリー」であれば痩せ、
「摂取カロリー > 消費カロリー」であれば太り、
「摂取カロリー = 消費カロリー」であれば維持。
この当たり前かつ絶対の法則に従っている。
ただ痩せるだけなら、消費カロリーを7200kcal分マイナスにすればいい。
そうすれば7200kcalにつき1kgずつ痩せていく。
しかし、Testosterone氏は「不健康に痩せる」ことを良しとしない。
なぜならば、ダイエットや正しい食事は一生付き合うものであり、そのためには栄養をしっかり取り、日々のパフォーマンスの向上に役立つものでなければならないからだ。
どんなに意識高く仕事をしたくても、健康でなければベストは尽くせない。
その健康な身体を司るのは、他でもない「食事」であるとTestosterone氏は言う。
過激なダイエットは長続きしないし、人間はずっと我慢し続けられるものではない。
そのため、Testosterone氏は
「マクロ管理法」
という指針をもって、最強のダイエット法とした。
マクロ管理法は必要なマクロ栄養素(タンパク質・炭水化物・脂質)を指定されただけ食べていくという非常にシンプルな食事法である。
Testosterone氏は
「マクロ管理法は人生において知っておくべき最低限かつ最強の知識」
だと断言する。
ちなみに「マクロ管理法 食事」と検索すると「マクロビオティック食事法」的なサイトが多数表示されるが、マクロ管理法とは全く別のものなので注意が必要だ。マクロビオティックはあまり読んでないが、パッと見「自然と一体化して生きる」的なことを謳っていた。
話を本筋に戻そう。
マクロ管理法はたった5つの手順に従うだけの食事法だ。
書籍を読んでほしいので詳細手順については記載しないが、非常にシンプルで取り組みやすい方法である。
書籍用の補助ページも作られており、以下のサイトを使えば必要な指標は簡単に割り出すことができる。
https://dietgenius.jp/macro-nutrient-calculator/
食事に含まれる栄養素は「カロリーSlim」などのサイトを使って計算するのだが、慣れるまではいちいち計算するのが大変だと思う。
http://calorie.slism.jp/
Testosterone氏もそのことは重々承知しているようで、「いきなり始めるにはとっつきにくいかもしれない」と言っている。
それでも彼は断言する。
「最初の1週間で慣れる。2週間で効果が体感できる。そこまでできたらこっちのもんだ」
「大切なのはその最初の1歩、2歩を踏み出せるかどうかなんだ。やるのは君自身だ。
俺を信じて一度やってみてくれ。
あなたが人生を振り返ったときに『あの2週間は人生で最も有意義な2週間だった』と思わせる自信が俺にはある」
この本には他にも、
- なぜ筋トレがダイエットに有効なのか
- なぜランニングがコスパの悪いダイエットなのか
- どんな食事がダイエットに良いか、
- どのタイミングで食事を摂るのがいいか
- 健康そうに見えて不健康な食品
- 正しい情報の見分け方
- 誘惑に負けてスイーツを食べてしまったときはどう考えるべきか
などが書かれている。
読み切るまでにかかる時間は約60分。実践するのは一生だ。
この本には目から鱗が落ちるような奇抜な方法は書かれていない。
基本中の基本となる知識が、丁寧に繰り返し繰り返し述べている。
そして、僕も含めて多くの人が、そんな基本も知らずに新しいダイエット方法に飛びつき、失敗し、悩んでいるのだ。
「筋トレビジネスエリートがやっている最強の食べ方」はそんな悩めるダイエッター達の福音の書となるだろう。
- 作者: Testosterone
- 出版社/メーカー: KADOKAWA / 中経出版
- 発売日: 2017/06/30
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