韓国大統領「北朝鮮キム委員長と対話も必要」

韓国大統領「北朝鮮キム委員長と対話も必要」
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アメリカを訪れている韓国のムン・ジェイン（文在寅）大統領はワシントンで講演し、北朝鮮の核問題に関して「キム・ジョンウン（金正恩）朝鮮労働党委員長と対話することも必要だ。北で核放棄を決定できる唯一の人物だからだ」と述べ、制裁に加えて対話も重要だという考えを改めて示しました。
アメリカのトランプ大統領との初めての首脳会談を終えた韓国のムン・ジェイン大統領は３０日、ワシントンのシンクタンク、ＣＳＩＳ＝戦略国際問題研究所で講演しました。

この中でムン大統領は北朝鮮の核問題に関して「挑発には断固として強力に対応すべきだ」としたうえで、「同時に、キム・ジョンウン朝鮮労働党委員長と対話することも必要だ。北で核放棄を決定できる唯一の人物だからだ」と述べ、制裁に加えて対話も重要だという考えを改めて示しました。

またアメリカの迎撃ミサイルシステム「ＴＨＡＡＤ」の韓国での本格運用の遅れにつながる環境影響調査を、ムン政権が実施すると決めたことについて、「同盟関係の将来を心配する見方があるが、私は両国間の決定を尊重する。ただ正当な法手続きを守ろうとするのは同盟の発展にとっても有益だ」として理解を求めました。

今回の会談でムン大統領は、北朝鮮への圧力を強めるというトランプ大統領の方針を支持しましたが、講演では北朝鮮とどう向き合うかをめぐり両国間に温度差があることをうかがわせました。

米韓首脳会談受け共同声明

アメリカと韓国の両政府は３０日、トランプ大統領とムン・ジェイン大統領による首脳会談を受けて共同声明を発表し、この中で「米韓同盟は朝鮮半島の安全保障の要だ」としたうえで、北朝鮮の核やミサイルの脅威に共同で対処していくと強調しました。

そして両首脳は、国連安全保障理事会の制裁決議の完全な履行とともに、最大限の圧力をかける新たな方策に取り組み、北朝鮮の挑発を食い止めて建設的な対話に戻すとしています。

また北朝鮮との対話については、「正しい環境のもとでの対話のドアは開かれている。トランプ大統領は、人道問題などに関して南北対話の再開に向けたムン大統領の意欲を支持する考えを示した」としています。

さらに声明には、来週、ドイツで開かれるＧ２０サミットに合わせて、日米韓３か国の首脳会談が開かれることや、トランプ大統領が年内に韓国を訪問することも盛り込まれました。

一方、韓国で配備を進めている最新の迎撃ミサイルシステム「ＴＨＡＡＤ」の本格運用を速やかに行うよう、アメリカが求めていることに関しては、明確な文言は盛り込まれませんでした。