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異世界転移で女神様から祝福を! ~いえ、手持ちの異能があるので結構です~ 作者:コーダ

第7章 灰の世界編

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第103話 王都襲撃と魔族

ちょっと長めです。

さくらを虐めていた3人の名前についてヒントを。
初期案では、3人の名前と名字の組み合わせは今と違っていました。親が実際にこんな名前を付ける訳が無いと思って変更しました。1人ヤバいのがいる。

 王都ゼルガディア。
 エルディア王国の王都にして、俺達がこの世界で最初に訪れた街だ。
 まあ、訪れたと言っても、王城から東の門までの道を兵士に引っ張られながら眺めた程度なんだけどな。

 その王都ゼルガディアだが、現在はズタボロのメコメコになっていた。
 住民達はあちこちで死んでおり、王城を含めた建物は無事な物の方が少ないくらいに壊されている。
 当然、王都に残っていた勇者も少なくない人数いたはずなのだが、当たり前のように死体として転がっていた。その数およそ80名。恐らく、戦争参加組はこれでほぼ全員だろう。
 ……ちっ。アイツは死んでいないか……。いや、期待していた訳じゃないけどさ。

 今の状況を正直に言わせてもらえば、横から掻っ攫われた気分である。
 王都がズタボロになっているのは構わない。王国の民や勇者が皆殺しになっていても構わない。しかし、それを成したのが自分ではないことが悔やまれる。

 それを成したのは誰か。
 今、王都ゼルガディアを襲っているのは魔族の大群だ。その数、およそ1000。

 1人1人が人間よりも強大な力を有した魔族。それが1000人もの大群で襲ってきたら、普通の街や村ではどうしようもないだろう。
 しかし、ここは王都ゼルガディアだ。仮にも勇者を召喚した国だ。それなりの精鋭部隊と、何よりも勇者がいる国、その王都である。

 何故、このような事態に陥っているのだろうか?
 言うまでもないだろう。隣国、カスタール女王国に攻め入っているからに決まっている。

 勇者を含めた精鋭部隊を派兵し、戦争を吹っかけている国の王都にまともな防衛戦力が残っているだろうか?
 勇者の多くにも見限られ、残る勇者の半分以上を『攻め』に使っている国に魔族の大群を退ける防衛戦力が残っているのだろうか?
 そんな訳はない。その答えが現状なのだろう。


 マップ上で王都壊滅を知った俺達は、劣風竜ワイバーン部隊に先行することを伝え、最大速度で王都へと向かった。
 訂正、料理竜人種ドラゴニュートの1番遅い子の速度で王都へと向かった。
 置いてきぼり、良くない。

《じゃあ、分担して魔族を倒していこうか》
《仁様、エルディア王国を助けるのですか?》

 マリアが理解できないとばかりに尋ねてくる。

《ん?何でだ?別にエルディアを助けるつもりはないぞ。ただ、目の前に魔族がいるから、潰しておきたいだけだ。生き残った住民の救助なんてしなくて構わないからな》

 勇者や兵士はほぼ全滅しているが、住民はそれほど減っていない。
 正確には、まだ・・それ程死んではいないというべきか。要するに、魔族によって甚振られている最中と言う事だ。拷問のようなことをされている住民が大量にいる。
 魔族のやり方は相変わらず胸糞悪いが、相手が相手だけに助けてやる気も起きない。

《やっぱり、ご主人様は容赦ないわね……》
《わかりました。魔族の殲滅を優先します。ただ、分担して仁様と別行動になるのは避けたいのですが……》
《じゃあ、私とドーラちゃんが組むから、ご主人様とミオちゃんが組んで2組で分担する?》
《ミオといっしょ?がんばるー!》

 本当は4人で別行動をしたいのだが、マリアはいつものことだし、無茶は言うまい。

《わかった。とりあえず目標は王都内から魔族を出さないことだな。エル、お前も出てきて王都の外を見張れ。出てくる奴も入ってくる奴も逃さずに殺せ》
《わかったのじゃ。魔族とやらの出入りを防げばよいのじゃな。任せるのじゃ》

 にゅるんと出てきた始祖神竜エルにも仕事を割り振る。
 もう少し配下を呼び出して殲滅戦をするべきだろうか?……いや、そこまでの相手じゃないか。

竜人種ドラゴニュートの騎獣達も、俺達が街に入った後は街の周辺でエルと同じように見張っていてくれ》
《わかったわ。あまり荒事は得意じゃないけど、頑張るわね》

 ブルーが返事をするのと同時に、他の竜人種ドラゴニュート達も頷いている。

《無理はするなよ。危険だと思ったら、引くなり俺達を呼ぶなりするんだ》
《はい!》×4

 少なくとも、料理竜人種ドラゴニュート達はレベルが低いから無理はさせられない。

 実はブルーとミカヅキ、さくらと一緒に行ったリーフの3名は、俺達のドラゴン狩りに同行していたせいで一部経験値が流れていた。
 パーティではないので、等分ではなかったが、何割かの経験値が入ったため、とんでもないパワーレベリングになってしまったのだ。
 多少なら魔族を任せても問題ないレベルである。やり過ぎた?


 ふと気になったことがあるのでアルタに確認をしてみる。

《そう言えば、祝福の残骸ガベージはどうしたんだ?これだけの数の勇者が死んでいたら、出てくる祝福の残骸ガベージの量も相当多くなるはずなんだけど……》

A:この国を襲っている魔族の中で最もレベルの中い者が、特殊な魔法の道具マジックアイテムを所持しており、それが祝福の残骸ガベージを回収しています。

 どういうことだ?
 状況がわからないので、アルタの言う魔族のボスと魔法の道具マジックアイテムを確認してみる。

名前:キャリエリウス
LV46
性別:女
年齢:28
種族:魔族
スキル:<鞭術LV6><闇魔法LV6><身体強化LV4><飛行LV4>
呪印カース:<存在堕落フォーリンダウンLV->

存在堕落フォーリンダウン
周囲の存在を魅了し、命令を聞くだけの傀儡にする。相手のステータスによって成功率は変わる。1度魅了されると、本人か術者が死ぬまでは効果が永続する。

 おっと、洗脳系の呪印カース持ちか。……呪印カースの命名規則に則ると、四天王っぽいな。
 しかし、レベルやスキルは非戦闘員である四天王ロマリエよりも低い。
 指揮官タイプなのだろうか?それならば王都襲撃のトップであることも納得できる。

 さて、次は問題の魔法の道具マジックアイテムだ。

祝福の回収機ガベージ・コレクター
備考:祝福の残骸ガベージを回収、保持するための装置。周囲の祝福ギフトの効果を減衰させる機能もある。

 ……何このピンポイントメタなアイテム。
 まさしく勇者殺しじゃないか。こんなアイテムを持った洗脳系の呪印カース持ちが相手だったら、王都に残った程度の戦力(勇者含む)ではどうにもならなかっただろう。
 祝福の残骸ガベージにより強化された勇者ならばなんとかできる可能性もあったというのに、完全に動きを封じられている。
 と言うか、こんな魔法の道具マジックアイテムを用意していると言う事は、魔族も勇者の祝福の残骸ガベージについての事情を知っていると言う事だろう。
 ……いよいよ、勇者が魔族に勝てる可能性がなくなって来たのではないだろうか?

A:マスター、四天王と思われる魔族でしたらもう1名存在しています。

 何?……あ、本当だ。最大レベルで検索していたからわからなかったけど、呪印カース持ちで検索したらもう1人四天王っぽい奴がいた。

名前:クラウンリーゼ
LV44
性別:女
年齢:14
種族:魔族
スキル:<暗黒剣LV5><闇魔法LV3><身体強化LV6><飛行LV4>
呪印カース:<存在加算アドラステアLV->

存在加算アドラステア
MPを消費することで、スキルの効果を追加・変更することが出来る。追加できる効果のスロット数は13。追加する効果によって使用するスロット数も変化する。

 なるほど、自身で効果を選んでカスタマイズするというスキルか。
 これはかなり面白いスキルなのではないだろうか。
 敵に合わせて効果を変えたり、味方に合わせて効果を変えたり、かなり万能な効果を持っているように思える。具体的にどんなカスタマイズにしているかは、後のお楽しみに取っておこうか。ヤバそうならアルタ、教えてくれ。

A:了解いたしました。現在のカスタマイズは特に脅威ではありません。

 脅威じゃないんだ……。

 うん、よく見たら、この<暗黒剣>ってユニークスキルじゃないか?

<暗黒剣>
邪悪なるものが真竜の血を浴びた場合に習得できる血塗られし力。神聖なる力に対抗できる剣術。時々右手がうずく。

 何これ?

A:<神聖剣>に類するスキルです。真逆の効果ですが。

 ……ああ、そう言えば<神聖剣>ってスキルがあったな。
 確かに、かなり似たような説明だった気がする。

<神聖剣>
魔族などの邪悪なものに特効となる剣術。真竜の血を浴びた者のみが修得できる血塗られし力でもある。時々左手がうずく。

 お、うずく手が逆になってる。……うん、どうでもいいや。

 それにしても、これで四天王がコンプされたことになるのか。
 4人中3人が女性なせいで、むしろ男性のゼルベインが浮く形となってしまった。
 紅一点ならぬ黒一点。すっごく四天王らしくありませんね。

 何より、これでは四天王最強がゼルベインになってしまう。勿論、レベルと戦闘能力が必ずしも一致するわけではないが、不自然な感は否めない。
 まあ、四天王と会ってみればわかるか。
 どうせ2人一緒に行動しているし……。


 さて、もうそろそろ王都に到着する頃合いである。

《ミオ、ドーラ、悪いけど四天王は俺達に倒させてもらうぞ》
《いーよー》
《うー、四天王戦は面白そうだけど、ご主人様ならそう言うと思ってたし、どうぞとしか言えないわね。後で詳細教えてよね?》

 流石に四天王の相手を譲ることは出来ないので宣言すると、ドーラが即答し、ミオが名残惜しそうにしながらも了承した。

《ああ、もちろんだ。そろそろ散開しようと思うんだが、皆、油断だけはするなよ》
《はい!》×2
《はーい!》

 俺とマリア、ドーラとミオの2組に分かれてそれぞれ城門を目指す。
 俺達は北門、ミオ達は南門から入り、魔族を倒して進んでいくのだ。

 俺達が北門なのは意味がある。一応、仮にも1度は通った門だからだ。
 俺達が追い出されたときに使った門だ。もう1度来ることがあったなら、北門から入ってやろうと思っていたんだよ。その時の俺がどんな立場になっているのかは別としてな。
 一応補足しておくと、カスタールから見てエルディアは西側にあり、東西に分かれると西側のグループが到着するまでに時間がかかるという理由もある。

「よっ!」

 北門に到着した俺は、空中でホバリングしているブルーから飛び降りる。
 マリアは護衛のために俺よりも先に降り立っていた。

「じゃあ、ブルー、周辺の見張りをよろしく頼む」
「任せて。ご主人様の期待に応えて見せるからね」
「ああ、任せた」

 そのまま、ブルーともう1匹の竜人種ドラゴニュートは飛んで行った。

「では仁様、参りましょう」
「ああ」

 俺とマリアが城門から町の中に入ると、それに気が付いた3人の魔族が向かって来た。

「こんな時に王都に入ってくるとは運のない人間だなぁ!」
「キヒヒッ!次はどんな拷問を試してやろうか!」
「さっきの旅人はおめえがヤッたんだから、今度は俺の番だろーが!」

 これこれ、こういうゴロツキみたいな敵と戦いたいと思っていたんだよ!
 やっと、俺の時代が来たって感じかな?今まで、中々こういうテンプレの相手が出来なかったからな。

「くぴっ!?」
「ギヒッ!?」
「グゲッ!?」

 しかし、俺が対ゴロツキ戦を楽しむ前に、マリアの一閃が3人の首を同時に落とす。
 ……いいんだ。まだ魔族は山のようにいる。チャンスはいくらでもあるさ……。

「マリア、次の魔族の相手は俺にさせろ」
「も、申し訳ございません。あまりにも品のない相手でしたのでつい……。仁様の御心のままに」

 俺がそう言うと、マリアはハッとした表情になり、慌てて跪いて謝罪してきた。
 俺はその頭をポンポンと叩き、撫でる。猫耳、気持ちいいです。

 さて、改めて街の様子を見てみよう。

 マップで知っていた通りに、あちこちがボロボロになっている。
 人はあちこちに倒れており、その多くが死んでいる。
 たとえ死んでいなかったとしても現在進行形で甚振られていたり、血を流して痙攣していたりと無事な者を探す方が困難な状態である。

 建物に関しても魔法を受けたのかあちこち倒壊していたり、完全に焼損していたりする。
 それほど記憶力に自信がある訳ではないが、異世界に来て最初に見た街と言う事で多少は記憶に残っている建物もある。
 しかし、現在そのほとんどは変わり果てた姿になっていた。……どうしよう。相手が相手だけにあまり感慨が湧かない。

 今までに出会った魔族がロマリエとゼルベインの2人だけなので詳しい事は知らなかったが、どうやら魔族は2種類存在するようだ。

 ロマリエ、ゼルベインと同じような紫色の肌をした者。これは全体の中でも大部分を占めている。恐らく、魔族の中では基本的な容姿なのだろう。髪の色は金や銀が多く、そうでない者も金属光沢を持った色合いのものがほとんどだった。

 そして、人間とほとんど変わらない肌を持っている者も少数ではあるが存在したのだ。
 髪の色は紫色の肌を持つ者と同様の傾向なのだが、肌の色からは魔族であると言う事がわからないのだ。
 それもそのはず。彼らのステータスには魔族(ハーフ)と言う記載があるのだ。

 人間と魔族の間で愛が成立したのか?それとも攫ってきた人間に無理矢理産ませたのか?細かい事はわからないが、どうやらそう言った存在もいるらしい。
 なお、同じ魔族(ハーフ)と言う記載でも紫肌の者もいるので、どちらになるかは決まっていないと言う事だろう。


 門のところにいた魔族は、どうやら門番的な役目を担っていたようだ。
 中から外に逃げることを許さず、外から入って来た運の悪い奴は甚振ると言ったところだろう。残念ながら、今はもう仕事が出来ない身体になっているが……。

 俺達が門番を殺すところを見た数名の魔族が俺達に向かってくる。
 今度は無言で武器を構え、余計な動きをせずに迷いなく殺しに来ている。
 ……おい、もっとチンピラ臭を出せよ。何統率された兵士臭を出してんだよ。

「ぐひっ!?」
「げちょ!?」
「べぼっ!?」

 問答がないのなら生かして置く理由もない。<飛剣術>で斬撃を飛ばして瞬殺する。

 仲間が何もできずに殺されるのを見ていた魔族達に動揺が走る。
 その目はすぐに敵を見る目に変わっていた。今まで、街の住民を甚振っていた時に見せた嗜虐的な表情ではなく、敵を殺すという意思に満ち、それでいて冷静な知性を感じる目だ。
 ……どうやら、魔族の兵士には戦闘モードとスイッチがあるようだ。

 こうなると後は簡単だ。
 こちらがあまり動かなくても、向こうの方からやって来てくれる。

 集団で、単独で、近距離から、遠距離から、背後から、魔法で、武器で、毒で、次々と魔族が襲ってくるのである。
 甚振っていた街の住民を放り出し、俺を殺すために全力をつぎ込んでくる。
 なるほど、勇者や兵士が先に死んでいたのは、この戦闘モード故にと言う訳か。
 一通り、戦闘モードが必要な戦いが終わったから、後は甚振る方に全力だったんだな。

 俺はそんなことを考えながら襲い掛かってくる魔族を一刀両断にしていた。

「おい、貴様等!」

 そんな中、1人の魔族が俺達に声をかけてきた。
 初めに戦った門番魔族以来、初めて俺達に声をかけてきたことになる。まあ、マリアが瞬殺したことを戦ったと呼んでいいかは判断が分かれるのだが……。

 それにしても魔族の兵士、皆、仕事熱心過ぎるだろう……。

「これが見えないのか?この娘を助けたくば、大人しく武器を捨てろ!」
「うう……」

 その魔族は街娘の髪を掴んでその喉に剣を向けていた。

「?」

 俺はその魔族の言っている意味が分からずに首を傾げる。
 ……もしかして、人質のつもりなのだろうか?それとも、俺の意識を引き付けるための罠なのだろうか?

「何をしている!早く武器を捨てろ!」
「え、何で?」

 思わず聞き返してしまった。
 いやはや、これが注意を引き付ける罠なら、まんまと引っかかってしまった事になる。

「な、何でだと!?お前らはこの街を救いに来たんじゃないのか!?ほら、見ろよ!街娘が殺されそうなんだぞ!このまま見捨てるのか!お前たちが殺すことになるんだぞ!」
「た、助けてください!」

 街娘が懇願してくるが、やはりこの街の住人相手では何の感慨も湧かないようだ。

「いや、殺すのはお前達だろ?何で俺が殺すことになるんだよ。それにもし俺達が武器を捨てたら、俺達が殺されるんだろ。見ず知らずの人間のためにそんなことを出来る訳が無い。もっと根本的なことを言えば、俺達はこの街を救いに来たんじゃなくて、滅ぼしに来たんだぞ。そこにたまたま魔族がいたから、そっちを潰すことを優先させただけだ」

 そこで魔族が背後から切り掛かって来たので、振り向かずに両断する。

「この街が、住民が傷つく分には何の損害にもなりはしない。まあ、横取りしやがって、と言った感じに不愉快にはなるけど、魔族を殺すのは決まっていることだから、特に影響はないな。と言う訳で、殺すならどうぞ。お好きにすれば?」

 人質を取ったのに、何の効果も無かったため、魔族が若干動揺する。
 と言うか、人質は効果がある相手ならばともかく、効果のない相手に準備すると言う事は……。

「ごふっ!?」

 動きや視界を制限されるだけで、何のメリットもないんだよね。
 ほら、背後からマリアが迫っているのにも気付かず、あっさりと人質を取っていた魔族が切り捨てられたし。

「た、助かりました……!」

 魔族に捕らえられていた街娘は、魔族が死んだことで拘束から抜け出し、俺の方に縋り付こうとしてきた。

「邪魔」
「ぎゃん!?」

 脚に縋り付こうと低い体勢になっていた街娘の顎を蹴り上げる。
 誰が好き好んで足を封じられるような愚を犯すというのか。助かったと思うのなら、隅っこの方で小さくなっていろと言いたい。
 街娘が気絶しているのは無視して、魔族との戦闘を続ける。

 それからしばらくして、周辺の魔族は大体片付け終わった。
 魔族のお代わりが出てこなくなったし、マップでもこの辺りにはほとんど残っていない。
 残っているのは偵察部隊と言うか、斥候タイプの魔族がほとんどなので、念には念を入れて潰しておく。襲い掛かってくるのと異なり、隠れているので若干時間がかかるのが難点か。

「仁様、周囲の魔族の殲滅が終了いたしました」
「ご苦労。さて、次はもう少し東と中心部の方へ行ってみるか」
「はい」

 北門での戦いを終えた俺達は、中心よりやや東側へと向かって行った。
 ミオ達との事前の打ち合わせで、俺達は北門から入り北側、東側を担当。ミオ達は南門から入り、南側、西側を担当することに決めていたのだ。


 東側に向かっても俺達のすることに変わりはない。

 最初に数人の魔族を切って捨てれば、後はわんこそばのように次々とお代わりがくる。
 それを適当に倒していけば、その内出てこなくなり、そうなったら斥候を見つけて潰すだけなのである。とても簡単な話である。

 さて、東側の魔族を大体殲滅したことで、街中の魔族はほとんど倒しきったことになる。

《ミオ、ドーラ、俺達は王城に乗り込んで四天王を倒すから、街の残党を潰しておいてくれ》
《りょーかーい!》
《かーい!》

 2人の返事を聞き、俺達も王城へと向かう。

 そうそう、魔王軍四天王の2人は現在エルディア王城、召喚の間に居座っているんだ。
 召喚の間っていうのは、俺達が召喚された時にいた大広間の事を、勝手に名付けたのである。

 王族の連中は大半が既に殺されており、残っているのは10名程だ。
 当然のように国王は殺されているし、成人している王族もそのほとんどが殺されている。
 残っているのは未成年ばかりで、彼らも魔族に捕らえられて甚振られている最中だ。
 どうやら、魔族は大人を甚振るよりも子供を甚振る方が楽しいらしい。もしくは、大人だと反撃される可能性があるが、子供だとその可能性が低くなるからだろうか?
 どちらにしても、良い趣味をしてやがる。

 ああ、余談だが、その生き残りの中に例の王女も残っている。唯一の成人した王族だ。

「何者ぐぶらっ!?」

 城門を押さえていた魔族を切り殺し城の中に入る。
 見覚えのある内装なのだが、やはり感慨と言ったものは浮かんでこない。

 街中も大概だったが、城の中は簡単には空気が抜けないため、余計に血の匂いが充満しているように感じる。
 城の中でも外同様に魔族が人間を甚振っている様子が見られる。
 とりあえず、目についた魔族はその場で切り殺していく。
 後、俺達2人だけで城内を全て回るのは大変なので、タモさんを数匹『召喚サモン』した。そして、四天王以外の魔族を分担して倒してもらうように指示をしておいた。

 魔族は殺すものの、甚振られていた人間に対して<回復魔法>をかけたりはしない。
 死にかけの人間に止めを刺すのは趣味じゃないが、助けてやるほどの義理も無い。

 ああ、いや。一部の人間には<回復魔法>をかけておいた。
 言わなくてもわかると思うが、ユニークスキルやレアスキルを持っていた者である。
 ただし、いつもはスキルをコピーしたら、ポイントを増やして返却していたが、今回はそれをしていない。全てのスキルポイントを根こそぎ持って行く。
 明確な貸しがある状態だし、エルディアのために手間をかけるつもりもないからな。

「それで仁様、この後の四天王戦は如何なされるおつもりでしょうか?」

 もうじき召喚の間と言う事もあり、マリアが質問をしてきた。

「ああ、そうだな……。俺は先にクラウンリーゼと戦いたい。クラウンリーゼの持っている呪印カースは中々に面白い効果を持っているからな。実際に体感してみたいんだ」
「わかりました。その間キャリエリウスは如何しますか?」
「そうだな。キャリエリウスはマリアが戦って時間稼ぎをしていてくれないか?基本的に魔族の相手は俺がしたいからな」
「では、あまりダメージを与えないように防御主体で戦っていきます。……盾装備に切り替えた方が楽ですね」
「そうしてくれ」

 そう言ってマリアは短剣を仕舞い、あまり使う事のない盾を装備した。
 一応、伝説級レジェンダリーの下である秘宝級アーティファクトなのだが、基本装備が神話級ゴッズなので大分格が落ちるように見えてしまう。
 なお、カスタール女王サクヤからの贈答品である。結構色々溜まっている。

 もちろん、マリアクラスの実力者ならば短剣1つあれば大抵の攻撃は防げる。
 しかし、時間稼ぎとなると短剣でガードして相手にダメージを与える訳にもいかないので、あえて攻撃力皆無の盾を装備してくれているのだ。
 これなら、シールドバッシュでもしなければ攻撃にはなりようがない。安全だ。


 しばらく進み、召喚の間が見えてきた。
 召喚の間は離れになっており、中庭を越えなければいけない。中庭にも人の死体は倒れているのだが、何故か魔族がほとんどいなくなっていた。
 トップである四天王がいるから恐れ多いのだろうか?それとも単純に四天王が嫌われているのだろうか?

A:召喚の間には勇者召喚の時から女神の力が働いており、魔族は近づくことが出来ません。時間経過で薄れてきていますが、低レベルの魔族では未だに近づけないのでしょう。

 なるほど、つまり街を襲った魔族の中でも最上位の四天王だからこそ召喚の間に入れたと言う訳か。余計な邪魔が入らないというのは素敵だな。

 召喚の間の前に立った俺は勢いよくその扉を開く。

「何者だ!」
「あらあら、こんなところに来るなんて、いけない人間ねぇ」

 そこにいたのは思っていた通りに2人の女魔族と、ズタボロになった王女だった。

 キャリエリウスは水着のようなものを着ていた。なんて言うか、かなり際どい水着である。危ない水着である。ヒモのような水着である。
 胸はセラ級にあり、ヒモで押さえているだけなので、今にも零れ落ちてしまいそうである。
 なるほど、魅了系の呪印カースに相応しいビジュアルだ。
 顔は穏やかな美人系、髪はウェーブした金髪を腰のあたりまで伸ばしている。

 対するクラウンリーゼは肌の露出が異常に少ない。
 短パンにタンクトップと言う軽装なのだが、肌が見えそうな部分のほとんどに包帯を巻いている。左腕と右脚には包帯はないのだが、代わりに肘まであるグローブと、太ももの上の方まである長いブーツを履いていた。右脚は割と普通の靴である。
 そして、その服装は、包帯以外が全て真っ黒なのである。
 顔の特徴は正直よくわからない。肩まである銀髪はぼさぼさで手入れをされていないことが覗える。そして、その左目には眼帯をしていた。そのせいで全体の印象が掴めないのだ。
 ……ああいや、印象としては決まっているんだけどな。まさしく、『中二病』だ。

「色々と凄い2人組だな……」

 思わず本音が口から出てしまった。
 俺が思っていた以上に四天王が濃かった。

「何者かと聞いているのだ!」
「答えるなら早い方が良いわよ。わたし達、気が長い方じゃないから、すぐに殺したくなっちゃうの」

 折角名乗れと言われているのだから、ここは大人しく名乗るべきだろう。

「俺はカスタール女王国騎士団所属、ジーンだ。魔族の四天王よ。お前達を討伐させて貰う」
「同じく、マリーです」

 ああ、マリーっていうのはマリアの偽名だ。
 ……俺が考えたんじゃないからな。マリアが自分で決めたんだからな。

「何故、隣国の騎士団がここにいる?それも戦争中の相手国が……?」
「あらあら、随分と不自然なことになっているのねぇ」

 なんとなくそうじゃないかとは思っていたが、魔族はエルディアが戦争中であると知った上で襲撃してきたようだ。

「戦争中なのだから、隣国の騎士が王都に攻めてきても当然だろう?」
「馬鹿な……。カスタールからここまで、どれだけの移動時間がかかると思っている。それに戦時中なのだから、そこまで早く来れる訳が無いだろう」

 意外と冷静に考えているんだな。中二病スタイルのくせに。

「た、助けて!」

 そこで、今まで大人しくしていた王女が急に助けを求めてきた。
 エルディア王国王女、クリスティアは現在、見るも無残な姿へと成り果てている。
 腕には枷が嵌められ、ドレスや下着は引きちぎられて残骸がかろうじて肌に付いている程度だ。
 当然のように暴行が加えられており、身体中アザや傷だらけになっている。それなりに整っていた顔も、今や見る影すらなくなっている。

「おい、誰が勝手に喋っていいと言った!」
「ひいっ!」

 クラウンリーゼが恫喝すると、恐怖に顔を歪ませた王女が蹲ってガタガタ震える。

「ふん!」
「ゲボッ!」

 その様子を見たクラウンリーゼはつまらなそうな表情をして、王女の腹に蹴りを入れた。
 吹っ飛んだ王女は気絶し、今は痙攣を繰り返している。まあ、放って置いても構わないな。

「おい、貴様はどうやってこの国まで来た」
「え?そりゃあガラン山脈を越えてきたに決まっているだろ?他にここまで早くエルディアに付くルートはないし」
「……なるほど、貴様等は隣国からたった2人で魔物の蔓延る山脈を越え、戦争している相手国の王都、王城に乗り込むことが出来る程の凄腕と言う事だな」
「あらあら、なんて凄いのかしら。貴方達、欲しいわねぇ」

 その瞬間、キャリエリウスが呪印カース存在堕落フォーリンダウン>を使用してきたのだろう。その場の空気に若干の違和感を覚えた。
 しかし、当然のようにそれは<多重存在アバター>の精神防御に弾かれる。

「あ、あらぁ……?」

 キャリエリウスは情けない声を出してその場に崩れ落ちた。
 一体、どうしたというのだろう?

A:呪印カースが少々鬱陶しかったので、強めに弾きました。その反動で精神にダメージを与えてしまったようです。申し訳ありません。

 どうやら、アルタがやり過ぎてしまったらしい。
 まあ、動けなくする分には困らないし、気にする必要はないだろう。
 それよりも、崩れ落ちた衝撃でヒモがずれて完全にポロリしている事の方が気になる。

 ちなみにキャリエリウスは完全に気を失っている訳ではなく、座り込んで虚ろな目をしているだけである。
 そのせいで余計にエロい状況になっている。


「キャリエリウス!?おいキャリエリウス!どうしたんだ!?」

 キャリエリウスが崩れ落ちたことで、クラウンリーゼが動揺する。
 クラウンリーゼがいくら揺さぶっても、キャリエリウスは一向に正気を取り戻さない。

「貴様等!キャリエリウスに何をした!」
「何をと言われても、洗脳されそうだったから、ちょっと強めに弾いただけだぞ」

 俺ではなく、アルタが、ではあるのだが……。

「何だと!?貴様等、まさか<存在堕落フォーリンダウン>を防げるというのか!?」
「まあ、俺に洗脳系の技は通じないからな」
「くっ、ここでキャリエリウスにとって相性の悪い相手が出て来るとは……仕方ない。貴様等の相手はこの魔王軍四天王、『変貌のクラウンリーゼ』様がしてやろう。精々、俺様を楽しませて見せるんだな」

 そう言って、年齢相応のあまり大きくない胸を張るクラウンリーゼ。
 よく考えてみたら、14歳と言う事だし、本当に中二相当なんだよな。

「まずは小手調べだ!暗き炎に飲まれるがいい!『死黒の煉獄タナトス・インフェルノ』!!!」

 途轍もなく中二病っぽい掛け声とともに、クラウンリーゼの左腕から黒い炎が螺旋状に飛んできた。
 本人も小手調べと言っているように、それ程速くもないし、当たっても大したダメージではなさそうだ。でも当たる理由もないのでとりあえず避ける。
 当たり前だが、マリアも避けている。そして、俺達の戦いの邪魔をしないようにこっそり端に寄っている。

 そう言えば、<存在加算アドラステア>はスロット制なんだよな。この技のスロットっていくつなんだ?

A:『死黒の煉獄タナトス・インフェルノ』の必要スロット数は1です。

 最低値でスロットに入れられるのか。
 うーん微妙……。完全にビジュアル重視にしか見えないし……。

「ふん。この程度の攻撃も避けられないような相手では張り合いがない。遠慮は不要のようだから、次は少し力を出させてもらうぞ!」

 余裕の笑みを浮かべてクラウンリーゼは腰に下げた大剣を抜き放つ。

「行くぞ。我が混沌をその刃に纏え<暗黒剣>!!!そして、罪深き者を穿つ黒き光、『断罪の逆十字ネメシス・クルス』!!!」

 次の瞬間、クラウンリーゼの大剣が黒い光を纏う。その光はクラウンリーゼの手を中心に巨大な十字を模っていた。
 あの光の部分にも当然攻撃判定があるのだろうから、単純に武器が大きくなったと考えてよさそうだ。重さが変わらないのなら、使い勝手はそれ程悪くないだろう。

A:『断罪の黒十字ネメシス・クルス』の必要スロット数は2です。

 あ、『死黒の煉獄タナトス・インフェルノ』よりも少しだけ多い。

「まだだ!続けていくぞ!はああああああ!!!!!」

 クラウンリーゼが急に叫び出したと思ったら、その背中に黒い光の翼が広がっていった。
 やだなぁ……。俺の『不死者の翼ノスフェラトゥ』と微妙にかぶってるよ……。

「重力の楔を断て!『逆天の黒翼リバース・ニュクス』!!!」

 コイツ、黒好きだなぁ……。

A:『逆天の黒翼リバース・ニュクス』の必要スロット数は2です。

 この時点で既にスロットを5も使っているのか。

A:黒い光のエフェクトを付けなければ、『断罪の逆十字ネメシス・クルス』も『逆天の黒翼リバース・ニュクス』も必要スロット数は1です。

 ……気持ちはわからなくもないけど、ほぼ完全な無駄遣いじゃないか。
 おっと、戦闘?に集中しないと……。

「クックック。この状態になった俺様はもう誰にも止められないぞ!圧倒的な空中移動能力と、広範囲への攻撃能力を併せ持つのだからな。地べたを這いずり回ることしかできない人間にはどうしようもあるまい!」

 そう言って、クラウンリーゼは黒い翼で宙に浮かび上がる。
 『不死者の翼ノスフェラトゥ』と同様にはばたく必要はないようだ。

「喰らえ!黒翼十字ニュクス・クルス!!!」

 空中で剣を構えたクラウンリーゼが、必殺技っぽい名を叫びながら俺の方に飛んでくる。
 せいぜい<飛行>スキルレベル3と言ったところだろう。あまり速くない。
 避けてもいいのだけれど、それだと攻撃が続いて次のスロットを見せてくれないだろう。

「えいっ!」
「え!?」

 クラウンリーゼが剣を振るう直前、俺は十字に黒く輝く剣をその手から奪い去る。
 ついでに軽く殴って黒い翼も消し飛ばす。
 剣と翼を失ったクラウンリーゼは、慣性の法則に従い墜落し、水切りのように何度もバウンドする。

「ぐえっ!ぐえっ!ぐえっ!ぎゃふん!」

-バゴン!-

 潰れたカエルのような鳴き声を上げるクラウンリーゼ。
 何度もバウンドした後、最後には壁へと激突した。……とても、痛そうである。
 ……より正確に表現するのなら、壁に激突して壁を突き破っている。上半身は壁の外に出ていて、下半身だけがこちらを向いている状態だ。

 気絶しているのか、倒れたまま起き上がってこない。
 え?嘘だよね?これで終わりじゃないよね?まだ、スロットを半分も見せてもらってないんだよ?
 流石にこのままじゃ終われないよ!?
四天王退場!
四天王の設定が合わないように見えるかもしれませんが(35話)、ちゃんと理由があります(54話)。
―――???視点―――を見てね!

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