ハローハローちくわさんです。
前回のエントリ「何故かマスコミが報道しない、「奄美空港とバニラエア奄美便は、木島氏とのトラブル以前から障碍者対応を粛々と進めていた」という話。 - ちくわブログ」がそれなりに周知されてきてますが、やっぱり来ましたこういう方。
嘘ばかり。①ボーディングブリッジは超高額なので、LCCはやらない。奄美だけやっても関空や成田でやらないので、無意味。あるわけない。②批判されたのは現時点で階段昇降機がないこと。将来は無関係。 https://anond.hatelabo.jp/20170701182519
http://b.hatena.ne.jp/entry/341121761/comment/blueboy
「(1)ボーディングブリッジは超高額なので、LCCはやらない。奄美だけやっても関空や成田でやらないので、無意味。あるわけない。」?
ダウトです。
これ、オレ自身が同様の勘違いを関連するTogetterコメント欄で推察していたのですが、結論から申しますと、奄美空港にはボーディングブリッジが1機しか存在せず、それをJAL系列の航空会社がほぼ専有していたのがそもそもの問題という話です。
実際、バニラエアを使用していても、奄美でボーディングブリッジを使用していた例は、ちょっと検索すれば個人ブログやサイトなどで確認できます。
奄美大島空港に到着。定刻から5分遅れでした。JAC王国の空港ですが、唯一のボーディングブリッジに横付けされました。今回は喜界島行きの乗り継ぎ時間(定刻着で50分)に問題はありませんでしたが、バニラからJACへのスルーチェックインはできないので十分な余裕時間が必要です。
奄美空港ではボーディングブリッジを使って飛行機を降りることができたので、LCCですが奄美発着はちょっと気分が良いかも?てっきり奄美空港でのプロペラ機同様に歩いてターミナル間を移動すると思っていましたからね。
そしてそのボーディングブリッジを渡ってターミナルに入ると「ミス奄美」的な女性方が歓迎してくれました。
いずれの例も今回の事件より前に記述されたものですから、これを捏造と疑うのは難しいでしょう。
では、そもそも何故そうなったのかと云えば、バニラエアは最後発で奄美に就航した事業者だからです。
ちょっと考えれば判る話ですが、元々奄美空港では日本航空、日本エアコミューター、琉球エアーコミューターといずれもJAL系列の航空会社が占めており、そこにANA系列のバニラエアが新規参入したからといって、すでに空路を確保しているJAL系列が(JAL系列利用者に対するサービス上の観点からも)後発事業者に譲る理由がありません。そのため、どうしたってバニラエアはその隙間を縫って運航せざるを得ません。その結果、ボーディングブリッジはほぼJAL系列の航空会社に専有されてしまい、バニラエアが使いたくても使う事が出来ない状態だった、という話です。
ではどうして、便によってはボーディングブリッジを使用できたのかと云えば、それは「たまたま空いてたから」以外の理由はありません。
そもそも奄美空港のボーディングブリッジは空港施設ですが、その使用料はその都度航空事業者が個別に支払っているワケではなく、空港利用料や旅客サービス保安料など、様々な名目で全ての空港利用者に対して平等に負担して貰う事で賄っているので、奄美空港側からすればJAL系列が使おうがANA系列が使おうが関係がないワケです。
ここはオレも勘違いしていた点で、前述した通り関連するTogetterまとめのコメント欄では「BBを使用する毎に料金以上の使用料がかかるから、安いLCCでは使えないんじゃないか?」とドヤっていました。一応、断定ではなく推察の形でのコメントだとは思いますが、それでも胡乱な知識を元にいい加減なコメントをした点を、ここで訂正及びお詫びしたいと思います。(本来ならそのまとめのコメント欄で訂正すべきですが、どのまとめにその見解を書き込んだのか覚えてないのです。申し訳ない)
(2)「批判されたのは現時点で階段昇降機がないこと。将来は無関係。」?
今回の件で振り上げた拳を下ろせなくなった人は、これを持ち出しますよね。ハァ(嘆息
そもそもの話として、障碍者差別解消法に則って各事業者が対応するのは努力義務ですので、「現時点でなければアウト」という主張はその主張をする当人と支持者の主観的な理由から無理矢理導き出した問題でしかなく、例えば意図的に障碍者対策を全くしていなかったという事でもない限り、本来は法的にも道義的にも何の問題もないんですよ。
もちろん「乗客の身体的・精神的状態に関わらず、あらゆる利用者が制限なく利用できる事」が理想ですし、その理想を叶えるための努力をするべきですが、これは元エントリでも書いたように、バニラエアはきちんと努力をしていました。
その努力を主観的な理由で踏みにじるのは自由ですが、「オレが必要な時になかったんだから問題だ!差別だ!」という批判はただの傲慢ですよ。その傲慢さを誤魔化すために障碍を盾にするなら、それは傲慢を通り越して醜悪ですらあります。
今回の件でも「障碍者だけ事前連絡が必要なのは差別だ!」と吠えてる方がいますが、内閣府による障碍者差別解消法の基本方針にはこうあります。
(1)不当な差別的取扱いの基本的な考え方
ア 法は、障害者に対して、正当な理由なく、障害を理由として、財・サービスや各種機会の提供を拒否する又は提供に当たって場所・時間帯などを制限する、障害者でない者に対しては付さない条件を付けることなどにより、障害者の権利利益を侵害することを禁止している。
なお、障害者の事実上の平等を促進し、又は達成するために必要な特別の措置は、不当な差別的取扱いではない。イ したがって、障害者を障害者でない者と比べて優遇する取扱い(いわゆる積極的改善措置)、法に規定された障害者に対する合理的配慮の提供による障害者でない者との異なる取扱いや、合理的配慮を提供等するために必要な範囲で、プライバシーに配慮しつつ障害者に障害の状況等を確認することは、不当な差別的取扱いには当たらない。不当な差別的取扱いとは、正当な理由なく、障害者を、問題となる事務・事業について本質的に関係する諸事情が同じ障害者でない者より不利に扱うことである点に留意する必要がある。
繰り返しますが、障碍者差別解消法を論拠に「障碍者だけ事前連絡が必要なのは差別だ!」 という主張をするのは、同法の主旨を理解してないイデオロギストによるエゴそのものです。
同法では合理的配慮の元に障碍者を優遇する事、必要な範囲で情報を求める事は差別に当たらないというのが正しい認識なのですから。
事業者が障碍者に対して事前連絡を求めるのは、決して健常者と比べて差別をしているからではなく、合理的配慮を行うために必要な情報を求め、優遇するためにあるのです。
これに関してはすでに似たような判例で、事前連絡の必要性はあるとされています。
事前連絡なしで航空機に搭乗しようとしたところ、単独搭乗を安全上の理由から拒否された身体障碍者が航空会社を訴えた判例です。
判決主旨は「事前連絡するもしないも(利用者にとって義務ではないから)利用者の自由だけど、その結果として不利益を被っても文句は云えないよ」というモノです。
これに関して、「障碍者差別解消法施行前の事例なので参考にならない!」と批判・反論する向きもありますが、前述した通り、「合理的配慮を提供するために利用者(障碍者)の身体情報を確認する事は不当な差別に当たらない」とされていますので、施行前も後も関係ありません。
「事前に知っていれば対処出来た可能性」と「事前に知らなかったから対処出来なかった」は矛盾しませんから、同じような裁判が起きても、おそらく航空事業者が勝つでしょう。
また木島氏の今回の例においても、裁判を起こしてもバニラエア側が高確率で勝つだろうとオレは推察しています。一方で、バニラエアがこの判例を知っていたかどうかは不明ですが、木島氏を訴えなかった事は商売上正しい判断だとオレは評価しています。だって、7月にはストレッチャーを導入し、車椅子利用者向けの商売をするところでしたしね。
そもそも将来が無関係なら、「やってもやらなくても文句云われるなら、負担になるだけだしやらなくてもいいや。どうせ努力義務だし、努力しているフリだけすりゃ問題ないだろ」と思われたら誰も得しない状態にしかならないと思うんですけど、こういう主張をする人たちは普段から理想論ばかり口にするからか、想像力が足りない傾向が高いですよね。
また妄想かよ。マジかよ。何なんだよ。
これ、最初に引用したはてブコメントの id:bluieboy さんが書かれたみたいですが、のっけから妄想全開で頭痛いです。
次にこれ。
http://tikuwa.hatenadiary.com/entry/2017/07/01/140352
バニラエアが就航した2014年7月以降、利用客が増大して空港収益が上がった事で、ボーディングブリッジの増設、各階への多目的トイレの設置などを含む、急速なバリアフリー化への対応化が進められている真っ最中でした。
しかし、いずれも誤解です。(空港が整備する、という趣旨でなら正しいが、引用者は、バニラエアが整備する、という趣旨で書いているので、誤解です。)
いや、何処をどう読んでも「空港が整備する」という趣旨で書いてますよね? むしろ何処をどう読めば「バニラエアが整備する」という読み方が出来るのか解りません。それともid:blueboyさんの脳内では、上がった空港収益は空港ではなく航空事業者が使う事にでもなってるんですか?
ホント、妄想を論拠にする事だけは勘弁してくださいな。
後段の内容は前段で否定していますが、
ボーディングブリッジは、コストが数億円と高価であることと、使用料が高額になることと、設置台数が限られていることから、格安航空会社(LCC)ではほとんど使われません。たとえ設備が余っていても、使われません。(空港に払う使用料が高額になるからです。)
に関しては反証として、幾つかのURLを例示しておきましょう。
上記URL先は全て個人の体験談です。
注目して貰いたいのは3番目のURL先の体験談。LCC春秋航空日本の利用体験ですが、「なお、帰りはタラップからの搭乗ではなく、いわゆるボーディングブリッジからの搭乗となります。」と書かれていますが、これはブログ全体を読むと「ピークの時間帯を過ぎた」「強風で飛行機の到着が遅れた」事が理由だと推察できます。つまり、「空いてるから使った」事例ですよね。
はい、お疲れ様でした。
そもそもこの人、自分で「ほとんど使われません」って書いてるんだよね。「全く使われません」なら理屈は通るけど、「ほとんど使われません」なら「使われる場合もある」って話でしかないでしょって云う。何故その前提で、「たとえ設備が余っていても、使われません」と断言出来てしまうのか不思議でしかありません。
妄想の激しい人は自分で自分を騙している状態なので、自分で何を書いてるのかすらちゃんと理解してないからなんでしょうね。
まとめますと、LCCは低価格を維持するための手段として、空港利用料を節約するためにボーディングブリッジを使用しない傾向が高いですが、それを理由として絶対に使用しないというワケではありません。
ついでにもう一つ紹介しておきましょう。こちらは車椅子利用者であるブログ主さんがLCCを利用された時の体験談です。
◉那覇空港のピーチ搭乗口は2年前に専用ターミナルに移っていました。
貨物ターミナルの端にピーチとバニラエアーの専用ターミナルが設置され、那覇空港のバス乗場から無料シャトルバスが運行されています。
LCC専用ターミナルはまるで倉庫の中のような作りで、売店や多機能トイレなど必要な施設はありますが、あまり快適な待合ではありません。
また以前のようにボーディングブリッジ使用でなく、タラップなので車いすはリフトトラック乗降になるので、余計に時間が掛かります。
搭乗スポットとの移動は専用バス移動ですが、2台しか用意されたいなくて、満席の場合は2往復目でないと乗れず、一番最後に降機になる車いすは那覇空港バス乗場まで着くのに50分も掛かる始末でした。
上記ブログではリフトトラックと書かれていますが、写真を見る限りこれはパッセンジャーボーディングリフト(PBL)ですね。
ブログの内容自体は「那覇空港が不便になった」という批判的な内容ですが、LCCでもボーディング設備を使う事がある証拠としては充分でしょう。
そもそもの話として。
ここからは完全に余談なので、読まなくても大丈夫です。
おヒマな人だけ読んでください。
公共交通機関と一口に云いましても、一般的に日常的な移動手段として頻繁に使うバスや電車と比べ、船や飛行機は日常的な移動手段ではありません。
しかし、自転車・自家用車・バイク・タクシー・バス・鉄道など、様々な交通手段のある陸路に対し、海路と空路はそれぞれ船舶と航空機しかありませんから、これを全て「公共交通機関」として一括りにする事そのものに無理があるんじゃないかと、常々オレは考えています。
今回の木島氏も仕事や家庭の事情でバニラエアを使わざるを得なかったワケではなく、レジャーで奄美に行く手段として最も安い空路を選択しただけですから、この問題を断ずるのに「公共交通機関」という前提で批判するのも、何かズレてるよなーと思うワケです。
そもそも、仕事以外で飛行機どころかタクシーに乗る事すらないオレからすれば、レジャーで飛行機や船を使うだなんて、どんなに安い路線でも「遊ぶ金があってうらやま」と思うワケですが、主な目的が日常での移動手段であるが故に低価格を維持するバスや鉄道と、そうではない船舶や飛行機を同列に置く事にはかなり強い違和感があります。
切羽詰った状態で「他に選択肢がない」という状況下において、特異な事情が反映されないのであれば憤る気持ちも解りますし、何とかして欲しいとも思いますが、他の選択肢があるならば、そちらを選ぶのも一つの手ではないかと。
これは日常でも同じ事で、例えば仕事帰りで疲れてどうしようもない場合、帰宅が遅れるのを承知で、あえて特急や急行ではなく普通を利用する事ってありますよね。もちろんその逆も然りですが、それを「オレが疲れているのに座れないとは何事だ!全ての乗客が座れるように電車を設計してないのは鉄道事業者の怠慢だ!利用駅によって特急や急行が止まったり止まらなかったりするのも含めて差別だ!」とは云いませんよね。云ったところで頭のおかしい人扱いされるだけです。
でも実際問題として、最寄駅によって混雑したりしなかったり、座れたり座れなかったり、特急や急行が止まらない事で他の利用者より通勤通学に時間がかかったり、もっと云えばそもそも自宅から最寄り駅が遠すぎて電車が使えないなんて事は、事実として普通にあるワケです。
しかして、こうした問題が差別問題として扱われたという話は聞きません。
何故、日常的に使う公共交通機関・鉄道の不便さには「差別だ!」と声をあげないのに、日常で使う機会の少ない公共交通機関・航空機には「差別だ!」と声をあらげ、最善最良の配慮を求めるのでしょうか。そこにある差異とは一体何でしょうか。
何でもそうですが、弱者の味方をするのは簡単です。そこに理由は必要ないからです。
例えば目の前で泣いてる子供がいて、その傍にふんぞり返ってる子供がいたら、大抵の人は泣いてる子供を庇う事でしょう。しかし、何故泣いているのかの理由までは解りません。
ひょっとしたら泣いてる子供はふんぞり返ってる子供に怒られるような真似をしたのかもしれません。
ひょっとしたらふんぞり返ってる子供が泣いてる子供に意地悪をしたのかもしれません。
もしかしたらそれ以前に、その二人は全くの無関係かもしれません。
二人に事情を聞くとして、泣いてる子供の云い分が正しいのか、ふんぞり返ってる子供の云い分が正しいのか、貴方は正確に判断できる自信があるでしょうか。
多数の利益より、少数の弱者の利益を優先した貴方の正しさを担保するモノは何ですか? それは本当に正しいモノですか? その正しさが貴方に不利益をもたらしたとき、貴方は笑って許せますか?
少数の弱者の利益より、多数の利益を優先した貴方の正しさを担保するモノは何ですか? それは本当に正しいモノですか? その正しさが貴方に不利益をもたらしたとき、貴方は笑って許せますか?
選択肢がどうあれ理由がどうあれ、その疑問に答えるだけの理論武装がないなら、余計ないっちょかみは避けるべきだとオレは考えます。
そういう意味では、自分が疎まれ嫌われる事も覚悟し、それでも自分のやりたい放題をやっている木島氏のそれは、軽蔑する事こそあれ尊敬する事はありませんが、一方でとても独善的かつ自分本位かつ快楽原理主義的な実に人間らしい振る舞いであると認める事は出来ます。自分自身は何もしない癖に他人の言動に乗っかり「弱者の味方棒」で彼らが差別主義者と認識した連中にマウントを決める事が大好きなだけのクズよりは、ずっと好感が持てます。
ただ、両脚が動かないという個性を持つだけで極めて剛健かつ強靱で強かな木島氏の肩を持つ人たちの大半が、同氏を「社会的に優遇されて当然の弱者」として扱っているのは、ぶっちゃけ笑うところだよなーとオレは思ってます。