生字幕放送でお伝えします渡辺直美≫「土曜スタジオパーク」始まりました。
足立≫きょうは連続テレビ小説「ひよっこ」の音楽を特集します。
渡邊≫早速テーマ曲「家族」です。
♪〜
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足立≫ありがとうございます。
直美≫最高!生演奏ありがとうございます。
きょうのゲストは「ひよっこ」の音楽を担当されている作曲家、舞台音楽家の宮川彬良さんとフェイスミュージック合奏団の皆さんです。
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宮川≫よろしくお願いします。
生だとそれぞれの楽器をダイレクトに聴けますね。
音がぐんと入ってきます。
本当の生演奏でしたからね。
いいですね。
これから「ひよっこ」が始まるかなと錯覚しちゃう感じでした。
わくわく感がありました。
今、演奏していただいたテーマ曲「家族」にはどういった思いが込められているんですか。
作曲するときに?思いはね、込めないんです。
作るときは思いを込めてこういう気持ちだなって作らないんです。
そうじゃなくてね。
台本をよく読んでこういうことが言いたいんだなその気持ちになると自然に聞こえてるの。
鳴ってるんですよ。
感動して本を読んで台本を読んで感動したり笑ったり泣いたりするでしょ。
そういうときってね聞こえてるの。
僕だから聞こえているのか分からないけど。
聞こえてこないですよねわれわれ。
それを書き写してるような感じ。
自分の気持ちではなくて物語の気持ちですか?そういうこと。
あなた、頭いいわ、上手に。
なかなかね思い浮かばないからすごいですよね。
むしろ、聴く人たちが思いを込めて聴いちゃうのかもしれないね。
それはそれでいいんですか?もちろんです。
それぞれの解釈でもありということですね。
そうそう。
この「家族」というテーマ曲はいろんなアレンジができるんですよね。
興味ある?ありますよ。
聴いてみたい。
劇伴音楽って劇の伴奏という略かなそれをやってるから例えば今のメロディーねそれは場面によって1つメロディーを作っておくとアレンジのしかたとか楽器のかえ方によって場面が変わったっていうのが分かりますからね。
実験してみましょうか。
今いる4人の楽器4つの楽器だけで1つのメロディーがどんなふうに変わるかね。
雨上がりバージョンの譜面がありますね。
アコーディオンとガットギターの2人で演奏してみましょう。
♪〜
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直美≫すてきですね。
最初オープニングで演奏したのはバージョンとしては日常というものなの。
つまり、日々の営み。
何気ない会話とか生活感ね。
今のはさ明らかに何かが起きたあとの…。
1人で夕方の道を歩いているみたいな印象があります。
そういうことだね。
雨とかをイメージしたんじゃなく雨が上がったあとというイメージで今の曲が聴けるよね。
同じ曲なんだけどアレンジによって違いますね。
渡邊≫見える風景が変わりますね。
今度はピアノソロで弾いてみますよ。
これは明らかに1人の感じがしない?独りぼっち悲しかったです。
僕の記憶だと主人公のみね子ちゃんがあした東京に行くというのでお母さんの布団に潜り込んだようなそういうイメージぴったりだよね。
さらにね今度はアコーディオンのソロになるとなんか心の中つまり心理描写というんだけれど心の中が描かれますよ。
♪〜
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宮川≫どう?これ。
直美≫水野さんのことを抱き締めたくなっちゃう。
大丈夫ですか?って。
昔、僕の記憶だと「中学生日記」とかああいうドラマでみつるはこのときこう考えたって心の中を表しているときの音楽アコーディオンのソロがぴったりだよね。
ほかの楽器じゃだめなんですよ。
これは本当に、このシーンだったらこういう曲だなって考えて作っていらっしゃるんですもんね。
結果的に今、バリエーションが増えていますけど作るときに田舎っぽいアレンジもお願いしますって言われたの。
どんなイメージですか?「家族」のメロディーをバンジョーで弾きますよ。
♪〜
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これはもう。
木魚が聞こえましたね。
合っていましたね。
いつの間にやら。
牛か馬か、どっちかが引かれていましたよね。
パカパカと歩いている感じ。
奥茨城の田舎っぽい感じの道が思い浮かびます。
同じメロディーで聴くからこそメロディーはもう分かっているわけじゃない?だから浸透する度合いが違う感じがするよね。
本当に1人の登場人物の心情を音楽のバリエーションで見ているみたいな感じになりますね。
すっと入ってきますよね。
今の曲地元の茨城を思い出しました。
別に茨城産のバンジョーを使ったわけじゃないんだけどね。
すてきですね。
誰が作ったのかな?目の前にいる方ですよ。
笑い声
もう1つバリエーションで奥茨城のシーンのテーマ曲的になったアレンジなんです。
作ったときは「通学路」というタイトルでちょっと子どもっぽい。
「がんばっぺ!みね子」というタイトルに最終的になったんだけどチューバがメロディーを吹きます。
珍しいアレンジマーチでいきます。
♪〜
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足立≫すごい!直美≫大好き!気持ちが上がる。
気持ちいい。
直美さんもやってましたけど手を振っちゃいそうな。
思わず歩いちゃうようなね。
宮川≫チューバというのは大体ベースラインをやってるんだけどずっと吹いているだけであまり表に出てこないんだよね。
そんなチューバやろうがメロディーを吹いて楽しそうに通学できる奥茨城、架空の村だけどそこの人間関係がね。
そんな感じしない?落ちこぼれとかそういう概念があまりないみんなそれぞれいいところを発揮しているという感じがこういう音楽から感じられるね。
渡邊≫それぞれの楽器の個性がちゃんとミックスされていてマーチになっている。
役者さん4人集まってやってるような感じに思えるんですよ。
チューバが1人になったときに大丈夫かな、頑張れっていう感じになってそのまま終わるのかなと思ったら最後みんな集まって終わるのがかっこいいですよね。
みんながいるよって感じがしました。
やっぱり生で聴くとすごいじゃないですか。
テレビで見てもすごいんですけれど今回この曲は録音の方法がいつもと違うというか昔ながらの方法でとったそうですね。
そうそう僕にとっては当たり前なんだけど最近はわりと楽器をばらばらに分けて録音することが多いんだって。
アコーディオンのは方は1時にギターの方は2時に来てくださいっていうことがあるんですって。
それは知っているんだけど僕はやっぱり一緒に合奏しながら録音するのが音楽だと思うから30人ぐらいのメンバーなんですけれど一堂に会して僕もピアノを弾きたいしどうしようかなと思ったんだけど指揮もしなきゃいけないでしょ。
ピアノを弾きながら指揮を振って。
大変。
忙しい。
まるでライブショーを見るような感じの雰囲気でした。
でも昔はねこういうのが普通だったのね。
でも今はばらばらでとる中でこれをやるということは皆さんにとっても緊張されたんじゃないかなと思いますけど水野さん、どうでしたか?水野≫きょうももちろん緊張しているんですけれどやはり劇伴をとったときにもすごい緊張してでも宮川先生はこういう感じの方で場を和ませてくれるんです。
いい意味での指示をしていただいて緊張を超えた音楽的に楽しいものができる。
楽しんでさせていただきました。
千代さんは?千代≫録音はもちろん大変なプロの仕事だと思っていますけれど実際録音を聴いてテレビを見て今回の「ひよっこ」はとても音楽の音が大きくなっているなという気がしました。
宮川先生の時代と音楽のメロディーが「ひよっこ」にあまりにもマッチしてテレビを作っている人も無意識に音量を上げているんじゃないかなって。
僕も見ているファンなんですけれどギターの音が聞こえたときにちゃんと聞こえているって満足感がありました。
自分のところだって。
これが俺だぜって。
せりふのバックとかになると聞こえないときも多いんですけれど。
「ひよっこ」はすばらしい。
褒めてくださいますねきょうはね。
山岸≫チューバはいつも伴奏しかやっていないので皆さんと一緒に録音することによって、音楽の雰囲気がよく分かるので微妙なニュアンスがつけやすくてすごくよかったです。
ちなみに一斉に皆さんでとるじゃないですか。
途中で誰かがミスをしてしまった場合はどうなるんですか。
かつてはね、頭からやり直しということがよくありました。
何十年か前はね。
そのうちに技術が進歩して全員がガラス越しのブースという小部屋に分かれて録音するの。
せーの!でやってるんだけどヘッドホンを介在してほかの人の音を聴いてるのね。
だからその楽器だけやり直しますということもできるんですよ。
最新の技術も入れながらね。
すごい。
そのときにしか奏でられなかった音楽に絶対なるからね。
温かみがそのままドラマにも生かされていますね。
分けてとるよさもあると思うんだけどあまりにごみも何にも落ちていないきれいな空間というのは僕は得意じゃなくて僕の部屋も想像できると思うけど。
笑い声
一体感というかね。
ちょっとぐしょっとしている人が好きなんだわ。
ちょっとずれていてもOKなんですか。
ずれていることに意義があると思うぐらいなの。
深みが出るというか。
音が合うことが目的になるのは残念じゃない。
そうじゃなくて会話に聞こえるとかさ一緒に響いてるっていう感覚がぴったり合っているのとはちょっと違うのよね。
それはみんなで一緒に奏でるほうが深みが出る?もちろん。
こういうふうにきたんだったら自分はこう支えましょうかっていうそれがいつもミュージシャンがやっていることなんですよ。
思いやりかな。
民主主義をやっているわけ。
広い話に。
誰が偉い人がいてそこに合わせているんじゃなくてみんなが対当なんだよね目と目を見合わせてだから民主主義かっこいいなって。
楽しい空間を作っているのは宮川さんですからね。
きょうは本当にありがとうございます、たくさん褒めていただいて。
そんな宮川さんの人生に迫ります。
1961年生まれ、56歳です。
東京都ご出身です。
宮川さんの人生に大きな影響を与えたのがこの方です。
宮川彬良さんの父・泰さんは昭和を代表する作曲家です。
はい、いきますよ1・2・3・4。
「ひるのプレゼント」や「シャボン玉ホリデー」「ゲバゲバ90分」など番組のテーマ曲を数多く手がけました。
ザ・ピーナッツの「恋のバカンス」などヒット曲も次々と生み出しました。
「宇宙戦艦ヤマト」のテーマも作曲。
泰さんの代表作となりました。
泰さんは、彬良さんにとって常に憧れの存在だったのです。
直美≫あの写真かわいいですね。
お父さんとのツーショットですね。
宮川≫当時母親の記憶で自分はあまり覚えていないんですけど最初のおうちは六畳二間だったんです、アパートで。
そこにピアノがあって僕が生まれてすぐ転がっていたらそこにザ・ピーナッツがレッスンに来て狭いところで歌おうって歌の稽古をしていたんです。
そこで僕が下にいたんです。
そういう時代の写真です、あれは。
英才教育みたいな感じですね。
足立≫お父様はどんな感じだったんですか?宮川≫お父さんは、あまりうちに帰って来ないようなお忙しくて特に銀座方面でお忙しいとか。
母親からは、わりとそういう話を聞きましたけど実際のところは分かりませんけれど。
休みの日に一緒にお出かけするとかそういうのは?ちょっと大きくなってからありましたけど、小さいころは年に1回あるかないかなという感じでしたね。
そのぐらい忙しかったんですね。
いろんなことを思い出すけどやっぱり、すごいなと思ったのは今かかっている曲が「シャボン玉ホリデー」。
これは人気バラエティー番組の始まりよこれに出演していたわけ選曲して指揮をしたりピアノを弾いたりしておうちで見ても忙しそうに譜面を書いて出かけるぞと行っていくじゃないスタジオに。
そうすると夜の放送で出ているわけだよね。
そのとき書いているものが?正確には3日ぐらいずれてるはずなんですけど。
でもすぐに出していたんですね作られたものを。
こうやって作ってそれがこう完成するのねというのをお風呂屋の番台みたいに見ていたから。
これはかっこいいなと思っちゃって。
それは音楽とかも教わったんですか?お父様から。
実はどきどきそういう音楽の話は大きくなってからしていましたけど。
このころ、幼少のころは全く放任主義で近所のピアノの先生のうちに通ってピアノを習っていました。
お父様じゃなかったんですね。
自然と自分が音楽のほうに向かっていたのはお父様に言われたのかどちらだったんですか?父はやれとは1回も言わなかったんです。
父はうまかったんですね。
ただ東京藝術大学で作曲科に入るのは当時難しかったんですがそこに2回滑っちゃったときにもう1回受けるかどうか悩んだときに一生藝大と聞くと俺みたいにびくっとするぞと言ったんです。
お父さんは音楽学校を出ていないから俺みたいに一生コンプレックスだよと言われてその言い方と短さとタイミングと何かうまいな、このお父さんと分かりましたやりましょうみたいなね。
それで入学されたんですね。
大学在学中に作曲家としてデビューされるわけですけれども劇団四季のミュージカルだったり蜷川幸雄さん演出の舞台などの舞台音楽で活躍されます。
「身毒丸」ですね。
これは僕が作曲家として始まって21歳ぐらいからずっとやっているんだけど。
10年以上あとだよね。
12年、13年あとでやっとヒット作がというか。
「身毒丸」という劇は寺山修司原作の劇は当時話題になったんですよ。
武田真治君ので。
渡邊≫藤原さんの舞台ですが見に行きました、中学生のときに。
オープニングから工事現場で使うような火花が散るものグラインダーを舞台上で散らしたりとかしながら始まるんですよ。
蜷川幸雄の演出と僕の音楽が絡まり合う舞台でこのときは本当にね台本が難しくて寺山修司さんの短歌なんです。
直接意味は分からないわけ。
何のことかなと。
だからみんな白紙の状態で稽古場に1か月間寝泊まりはしなかったけどその結果、稽古場で1か月間ゼロからスタートしたんです。
全部作曲も演出もその場で考えたんです。
それまで用意してきたことは全部捨ててみんなで無人島を目指していこうと決めて作ったんです。
ちょっとずつ立体になってくるからみんな最初から感動しまくって次はどうなるのかとわくわくしながら作りました。
ここで宮川さんの代表作の1つミュージカル「ザ・ヒットパレード」をご覧いただきます。
戦後の歌謡曲黄金時代を描いたミュージカル「ザ・ヒットパレード」。
見せ場は昭和を彩る数々の名曲が次々と登場するシーンです。
♪「チョイト一杯のつもりで飲んで」♪「いつの間にやらハシゴ酒」♪「若い娘はお色気ありそうで」♪「なさそでウフンありそうでああ」♪「ふたりを夕やみが」♪「つつむこの窓辺に」♪「ブルーブルーブルーブルーシャトウ」直美≫もっと聴いていたいですね。
宮川≫ワタナベプロダクションという今もあるんですけども伝説の時代を現したミュージカルです。
ワタナベエンターテインメントの社長かな、彼女と2人で2人でじゃないけれども一緒に作ったんです。
いろんな名曲がそれぞれありましたね。
それぞれのヒットメドレーメドレーだけで25分です。
それを舞台で、皆さんを歌い続けるわけですよね。
それはもちろんお芝居もつながっているから間のオリジナル曲は僕が作曲してそれをうまく当時の歌と織り交ぜながら2時間半のミュージカルにしました。
お父様のもとで、いろんな曲を昭和の時代から聴いてるからこそできた作品ですよね。
そうですね。
ザ・ピーナッツのピアノのペダルの横で転がり回っていましたからね。
あきら邪魔!と言われていてお父さんとお母さんは避難するためにピアノのふたを閉めてその上でごはんを食べていたとそのぐらい僕が動き回っていたそうです。
そして宮川さんが舞台音楽として作った曲がなんと大ヒット曲になったんです。
♪〜直美≫つい踊って歌っちゃいますね。
足立≫皆さんご存じだと思いますが、もともと舞台音楽だったんですね。
宮川≫これは松平健さんのショーです。
第一部が「暴れん坊将軍」のお芝居で二部が和風の踊りのショーだったんです。
今もおやりになっているんですけれども、そのショーの音楽を僕が担当したときに20年ぐらい前ですけど「マツケンサンバII」を作ってくれと言われて何ですかと。
最初は何だろうと思ったんですね。
今の曲を作って自分としてはパッといい曲ができたなと思ってそれを10年間、彼はショーの最後に毎日歌い続けてくれていつの間にやらおもしろい振り付けがついてある日ぼうっと着火したんです。
10年後にいつの間にか着火したんですね。
あの振り付けと衣装が整った時点ですごく話題になって。
舞台から生まれた作品だったんですね。
舞台からヒット曲が一応オリコンの何位とかにいっちゃうわけじゃない。
そういうのは久しくなかったことだったんです。
大役でもテレビドラマとかCMソングはあると思うんですが舞台からというのは自慢しているところでもあるんですけれども。
宮川さんが考える舞台音楽のおもしろさ魅力というのはあったりしますか?舞台ならではの魅力というのは「ひよっこ」の話に戻ると思うんだけどやっぱり台本を読むとね音が聞こえてくるという状態。
映画音楽だったら画面を見て作曲するとかあるんだと思うんだコマーシャルとかは完全にそうですよね。
だけど舞台の場合はこれから一緒に作るから動きも演出も音楽も一斉に作るじゃない。
あるのは台本だけ、ことばだけです。
そこから行間を読むというけどそこには書いていない何かを発見したときの聞こえちゃった感準備しているときのわくわくなんだよね。
自分をどう表現するとかそういうことじゃないの。
その本をどう解釈するかというところだからそこは総合芸術の基礎だと思うんだよね。
今回は「ひよっこ」に自分の作曲法みたいなものを生かせているんだろうなと思いますけどね。
自分でこうだろうなと思った曲が実際に「ひよっこ」のドラマを見て、ここで使うんだとかそういうのを見てわくわくすることありますか?渡邊≫その話を聞いていきたいんですが「ひよっこ」の音楽がどういうふうに生まれていたのかというところで実はNHKのドラマでは音楽プロデュースとか効果音の制作などドラマ全体の音響を設計している音響デザインチームというのがあります。
そのチームから宮川さんにこんなものが提示されました。
音響デザインチームの今回の「ひよっこ」のリーダーの方が僕に、そのストーリーを1分で理解させるために図を描いてくれたわけ。
上にエールと書いてあるけれどそういう曲がほしいというタイトルです。
「エール」です。
下に労働の尊さとあるけどこういう曲も欲しいんだよって。
真ん中にある、ひよこが主人公ですね。
よく手紙を書くのは。
みね子の特徴ですもんね。
あとは、奥茨城っていうエリアが書かれています。
そのあとで東京に行くよって。
今、放送されているのはレストランとかそのあたりですけど。
いちばん最初はこんな感じだったんですね。
これを見て、とりあえずそういう話なんだねって僕は1分で理解したということです。
さらにそこから最初55曲書いてほしいと依頼があったんですね。
簡単に説明するとこういう劇伴をとるには2つのやり方があります。
台本のここからここまで音をください。
全部オートクチュールで作曲をするときと悲しい歌を4曲と楽しい曲を4曲と、というふうにとりだめをしておいてスタッフがこの曲をここに付けちゃおうってあとでスタッフが選曲する「ひよっこ」は後者のやり方なのね。
だから55曲いろいろ取り混ぜてくださいって。
どういうイメージの曲が欲しいかというリストを持ってきました。
直美≫われわれは絶対分からないですね、難しいな。
今流れている曲のイメージで作ってほしいということですね。
オペラの間奏曲なんですよ。
この自然を背景にした世界観はまさにこのメロディーが欲しいというふうに監督がおっしゃったんです。
中には例えばこういう曲って書いてあることもありました。
そこで僕がその上に僕のメモの拡大したものなんだけど五線譜があるでしょ?ちょっと鳴らしてみるね。
これは、そのお話をしていたときに僕の脳の中に浮かんだメロディーを速記したものなんです。
もうメロディーが浮かんだんですか?説明を受けているときにところが、これはボツになったんだね。
実際に「奥茨城賛歌」というのはこんな感じ。
♪〜
「奥茨城賛歌」
全然最初のと違いましたね。
違いましたね。
メモをしたのは反射的に浮かんだものなんですよ。
でもおうちに帰ってよく見たらこっちじゃないな「家族」のメロディーにも似てしまうから三拍子しようとか今の穏やかなメロディーを書いたんです。
この曲が使われた宮川さんのお気に入りのシーンです。
東京で働くみね子は給料日のあとすずふり亭での食事を楽しみにしていました。
みね子≫おいしいです。
高子≫そりゃよかった。
給料が下がり、心細くなるみね子。
このシーンで「奥茨城賛歌」がかかります。
おいしい…。
♪〜
拍手
足立≫宮川さんがこの場面にこれを使ってくれではなくて制作者の方が選んだんでしょう。
このシーンをご覧になったときはどうでしたか?宮川≫一本取られたと思った。
みね子はほら、お給料が下がったからコロッケしか頼めないのよ。
それで周りの人の食べているものこのあと映るのね。
そしたら明らかに豪華なものを普通に食べている中で自分だけどうしてという孤独感が取り巻いているわけですよ。
孤独を表現してもいいし悲しみを表現してもいいしハングリーを表現してもいいわけじゃない。
だけどあえて望郷茨城でかかっていたメロディーを思い出したわけで遠くまで思いの幅が広がってた感じがして僕はうかつにもここで涙が出ちゃったんだよね。
そんなことを考えながら聴くのもね。
このメロディーはどういう意味だっていうのね。
ただ悲しいだけ、きれいなだけじゃないんだって思うと10倍楽しめるかなって思いますね。
渡邊≫場面に厚みが出ますね。
続いては宮川さんの音楽が輝いた「ひよっこ」の名場面です。
深く音楽に関わっている方に聞いてきました。
音響デザインの坂本愛さんは宮川さんが作曲した音楽をシーンに合わせて選んでいます。
特に印象的なシーンを聞いてみると。
坂本≫第2週の木曜日かなみね子が何も聞かされていなかったんですけどおかあちゃんが東京に実は行っているということを聞かされてそういうシーンにかかる「エール」という曲があるんですけど。
次郎≫みね子、かあちゃんなんかあったのか?みね子≫え、なんで?きょうバス乗って朝早くに。
親戚のご不幸で福島行ったんだよ。
違ぁど。
みね子が母のうそに気付き出稼ぎ中の父に何かあったのではと不安になるシーン。
みね子≫えっ、だって…。
次郎≫あいつ思い詰めたような顔してたけど大丈夫か?坂本≫普通だったらうそをつかれた悲しさとかピンチみたいな曲がかかったりするかと思うんですけどあのシーンって、みね子の人生がすごい大きく変わるシーンだと思うんですよ。
いちばんドラマ性を含んだ曲悲しさも明るさも巻き込んでいくそういうものをはらんだドラマチックな曲を当てたらどうなるんだろうと思って。
当ててみたら、まさにぴったりで。
みね子≫お父さん…なんでお母さんは私にうそをつくんですか?私の知らないところで嫌なことが起きてる気がして…怖いです。
坂本≫あのシーンがすごいもうひとつのストーリーを持ったなと私は感じたんですけど。
見ている人によっても感じ方がだいぶ違うと思うんですけど。
そういう、見ている人がいろんな解釈をできるそういうシーンになったんじゃないかなと思います。
宮川さんって本当なんか、おもしろい人で予想を裏切ってくるんですよ。
こっちが音楽発注をしているときってきっとこういうテンポでこういう曲くるだろうなとなんとなくの想定はこっちはあるんですけど宮川さんは全然それと違うものを出してくるのが私はおもしろいなと思ってるんですけど。
表面じゃなくて、ちゃんと本質を自分でかみ砕いたうえで自分の哲学に基づいておもしろいものを出してくるというのがあってそれはすごい印象的でした。
拍手
宮川≫人の話を聞いていないんだよね。
裏切るって言っていましたねいい意味で。
実際に「エール」を使われた先ほどのシーンはどうでしたか?僕もはっとしましたね。
そうか、こういうふうになるんだなって。
この「エール」のメロディーっていうのはペギー葉山さんの「学生時代」って曲があってねそれから「恋のバカンス」もそうだし「リンゴの唄」も覚えてるでしょ?ああいう曲は全部マイナーのキーなの短調なの悲しいキーなんだけどすごい力強くて楽しいの。
「恋のバカンス」ってマイナーだぜ、あれはでも楽しいでしょ。
「りんごの唄」だって戦後ぱっと世の中が明るくなったけどマイナーキーなの。
それが昭和のヒント昭和の時代のエールという意味ではマイナーキーのメロディーなんだけどその充実感というのかなそれを僕は表現したかったの思いを込めていましたね。
先ほどの坂本さんは宮川さんが予想を裏切ってくれると言っていましたけれど裏切ってやろうというかそういう思いであるんですか?そういうつもりはないんだけどな。
でもみんなが気がつかなかったことをなるべく気がつきたいと思って人生を生きていますね。
今回は昭和という舞台がすごく大事なキーポイントですね。
さらにもう1人ドラマの制作の要となる方にも宮川音楽の魅力を聞いてきました。
≫「ひよっこ」の演出を担当する黒崎博さんです。
お気に入りのシーンを聞いてみました。
黒崎≫みね子が就職先がなくて困っていて突如就職できることになって先生がそのニュースを持って知らせにきてくれるところ。
そこから、みね子は知らせを持って時子のところまで自転車を飛ばしていくんですけど。
その辺りで「ごじゃっぺ伝説」っていうサブタイトルをつけた宮川さんの曲をかけたんですけど。
それも撮影のときにねそれは「ごじゃっぺ伝説」を2回かけてつないでいくことになろうとは全然思ってなかったんですよね。
愛子≫もしもし?もしもし?≫気をつげで!♪〜
(戸をたたく音)田神≫こんばんは!みね子≫先生!みね子、おめえ運がいいぞ。
欠員が出たそうだ。
みね子≫えっ?♪〜黒崎≫ぱっと聴くとコミカルな曲なんだけどでも、本当にみね子のうれしいという気持ちとこのニュースを一刻も早く親友に届けたいという泣きそうになるぐらい焦燥感に駆られた気持ちとがないまぜになったような複雑なシーンなんだけど。
それを宮川さんの曲がうまく捉えてくださったなという気がして。
出来上がりは、やっぱりそれもちょっと予想と違っていたイメージのシーンになりましたね。
みね子≫時子、時子!お仕事決まったよ、私。
時子≫えっ。
時子と一緒の工場だよ。
うれしいよ、みね子。
時子…。
「どうだ!ついてこれるか?この音楽に」って言い切っているような、なんかとんがったところがあって。
なんかね自由だと思うんですよね。
既存の曲とか、クラシックオペラ、ロックもっというと日本の古典的な音も含めて何でも自由に使っちゃえみたいな規制なしみたいなところがあって痛快なんですよね。
裏でちょっとペロっと舌を出して「どうだ!ざまあみろ!」と言っているような痛快さがあってそれがこの「ひよっこ」の描き方に、すごくはまるんじゃないかなという気がしました。
足立≫そんな感じなんですか?宮川≫最後のところはあれだけどこの曲はオーダーがあとから来たんです。
56曲目だったんです。
突然、電話がかかってきて今撮影現場でごじゃっぺということばがはやっているんですけど、って。
直美≫茨城のことばでまたばかみたいなこと言ってばか言ってんじゃないよというような意味なんです。
ごじゃっぺばっかり言ってと。
ふだんは地味なんだけどやると決まったらえらいばかをやるみたいな、そういう曲を書いてくれと言われたんです。
喜び勇んで。
♪〜なんかすごい懐かしい小林旭さんの映画かなみたいな感じでやって描いたのはいいけれどこういうところで使われるんだろうとこれは僕も楽しみにしていてまさか自転車で知らせに行くところに先生、よく台本を読むとどうやら2時間ぐらいこいできたらしいんですね。
真っ暗になっちゃって納屋にどんみたいなところがあるのよ。
確かに「ごじゃっぺ伝説」だと思ってふに落ちたんよね。
足立≫やっぱり皆さん想像と違うものを宮川さんがおっしゃっていますね。
「ひよっこ」のファッションリーダーは俺だったんだと。
笑い声
そうかもしれないですね。
俺はまだ15曲書かなきゃいけないんですけど。
まだ「ひよっこ」の音楽制作中なんですよね?しあさってに録音がありまして。
しあさってまでに15曲ですか。
そのうちの6曲はできていてあとは9曲です。
ここで油を売っている場合じゃないんですよね。
すいません急に呼んでしまいまして。
まだまだ宮川さんの音楽が楽しみになってきたところでここでもう一度、生演奏が聴けるということです。
準備は大丈夫ですか。
「エール」という曲なんですがそれは自分に送るエールだったの?
笑い声
テーマ曲「エール」です。
♪〜
拍手
ななみ≫すごい、すごい。
すてきだったね、すごいね。
すっかりななみも聴いちゃった。
毎朝、ななみも「ひよっこ」見ているから生で聴けてうれしい、ありがと。
こんなふうにすてきな曲が作れるってプロはすごいよね。
さて、ここからは、ななみの「まるNフラッシュ」のコーナー。
まずはこちらの人気番組から紹介するよ。
こちらのプロもすごい。
≫ここは当代一といわれるフルオーダーメイドの花屋。
東信さんは、その客のためだけに花を仕入れ一点ものの花束を作ります。
心に深く突き刺さります。
みんなの思いと、すてきなフラワーになっているので。
うん、頑張る。
突如舞い込んだ特別な依頼。
東≫魂というものが浄化されるようにというか優しい気持ちで花を生けられたらなと思います。
しかし、悪天候が花を襲います。
ちょっと焦ってます。
やばいって思って。
最後まで命を全うさせてあげたいし最後まで使い切ってあげたいんですよ。
ななみ≫改めまして宮川さん、こんにちは。
宮川≫こんにちは。
宮川さんは花束を贈ったりすることはあるかな?贈るのはあまりないけどむしろもらうほうが多いかな。
そうだよね、コンサートとかね。
どんな花束をもらうとうれしい?あのね花束をもらうのはうれしいんだけどそのあと新幹線で4時間乗らなきゃいけないとか、そういうときはお花がかわいそうな気がするよね。
だから女の出演者の人にあげちゃう。
すてき。
かっこいいね。
直美≫優しいね。
直美ちゃんや梨花ちゃんは花束の思い出はあるかな?直美≫ありすぎてねまだ出てこないんだけど。
笑い声
スタッフさんからありがとうございましたともらうことがあるんだけど照明さんの若い男の子に…。
足立≫また照明さんですか?ドラマの打ち上げのときにお金がないのでこれしか買えなかったんですとバラの花を一輪、私にくれて僕が大きくなったら花束をプレゼントします。
そのときにお仕事させてくださいと言ってくれた子がいてすぐ好きになっちゃったよね。
梨花ちゃん、それを上回るすてきなエピソードはある?難しいかな。
足立≫私も確かにもらうことが多いんです。
バラつながりでいうとことしの4月サッカーの三浦カズさんの誕生日の日に赤いバラの花束をお渡ししました。
いつもお渡しされているのでなかなか機会がないと思ってお渡ししたら何と全く同じようなものを前にほかのテレビ局のアナウンサーが三浦カズさんに渡していて。
いっぱいもらってもうれしいからお花はいいよね。
さて続いて紹介するのはアジアを舞台にした番組だよ。
≫熱帯雨林に覆われたインドネシア。
年間4000ミリもの雨が育む川や湖にはさまざまな怪魚が潜んでいます。
怪魚ハンターがいの一番に挑むのは巨大ナマズ・タパー。
子どもを丸飲みしたという人食い伝説で恐れられてきました。
こちらは、トーマン。
強じんな歯で獲物を食いちぎるどう猛な魚です。
水野≫わあ、すごいの来た!エンジン絡むよ。
エンジン絡んじゃうから。
ストップ!ストップ!赤道直下の密林で怪魚を追います。
「チョイ住み!」今回の舞台は香港。
タレントの南明奈さんとブロガーで作家のはあちゅうさんがアパートを借りて共同生活。
南≫やっぱり柔軟剤がなかったっぽいです。
イギリス文化と中国文化が混ざったエキゾチックな雰囲気。
おいしいものだらけのグルメ天国。
はあちゅう≫この子に会いに来たよって感じ。
南≫はい、チーズ。
見るだけで楽しい雑貨もいっぱいです。
1、2、3!ななみ≫そういえば直美ちゃんこの間香港に行ったんでしょう?直美≫そうなんです。
お仕事で行ったんですけどちょこちょこ香港とは縁があって香港で謎に主演のドラマを撮ったことがあるんですよ。
すごい。
みんな広東語で私が日本語で謎の設定なんですがちょこちょこ行っていて飲茶がおいしくて本場の飲茶は本当においしいのでいつもいっぱい食べちゃう。
宮川さんは香港で飲茶とかは?行ったことは?宮川≫ないの。
行ってみたい?僕は出不精で一生のうちに行ってみたいなと思う。
あした行こうと思わないけどね。
これから曲をいっぱい作らなきゃいけないから無理だものね。
そろそろ僕はおいとましようかな…。
もうちょっとだから待ってね。
渡邊≫来週の「土曜スタジオパーク」は「みんなのうた」から3人の歌姫をゲストにお迎えします。
朝倉さやさん、新妻聖子さん真依子さんにスタジオで歌っていただきます。
2017/07/01(土) 13:50〜14:50
NHK総合1・神戸
土曜スタジオパーク▽ゲスト 宮川彬良[字]
「ひよっこ」特集!ゲストは音楽を担当する宮川彬良さん。ひよっこの音楽はどのようにして生まれたのか、じっくりうかがいます。テーマ曲の生演奏もあります!お楽しみに!
詳細情報
番組内容
今回は、ひよっこ特集!ゲストは、音楽を担当する宮川彬良さん。連続テレビ小説「ひよっこ」の音楽はどのようにして生まれたのか、曲にこめた思いやこだわりについて、じっくりうかがいます。テーマ曲の生演奏もあります!お楽しみに!!
出演者
【出演】宮川彬良,【司会】渡辺直美,足立梨花,渡邊佐和子
ジャンル :
情報/ワイドショー – 番組紹介・お知らせ
バラエティ – トークバラエティ
ドキュメンタリー/教養 – インタビュー・討論
映像 : 480i(525i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
サンプリングレート : 48kHz
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