ここでは、アニメ業界での待遇について触れます。
アニメ業界というと給料はほとんどもらえないのではないかと心配する学生が多いようです。
そんな方々にアニメ業界歴が長い筆者が実態を赤裸々に語ります。
アニメ業界は年収の格差が大きいです。本当に大きいです。
年収を多くもらっている(700万以上)人は、メーカーのプロデューサーで経験の豊富な人か、超大手プロダクションのプロデューサークラスでしょうね。しかし、大手プロダクションでももらえるところと、そんなにもらえないところもあります。普通の制作プロデューサーの平均年収は400~500万と言われています。
【制作進行】
まあ、制作進行は貧乏ですが、制作プロデューサーに上り詰めれたら世間標準クラスの生活はできます。一般のサラリーマンより少し少ないくらいでしょうか。制作進行は地獄です。仕事の内容は膨大、クリエーターもやさしい人だけではなく、厳しい人や意地悪な人も多いです。精神面でやられてしまう新人を多く見てきました。離職率は元請けでも1年で7割以上は辞め、2年もするとほとんど残りません(下請けはもっとひどいです)。それに耐えきれたこの劣悪な業界に適応できた超人?(メンタルが鋼の人間)が消去法で出世していきます。仕事ができない奴はやめていきますが、優秀な人間も辞めていきますね(笑えない)。優秀な制作の中には、ビデオメーカーに移る人間もいます。ちなみに制作会社でプロデューサーになる人間は変な人が多いです(笑)
【アニメーター】
動画⇒原画(⇒作画監督⇒総作画監督)と出世していきますが
動画ではまず生活が厳しいです。大手プロダクションに就職するか学生時代に貯蓄するか実家暮らしでないと生活はできません。しかも大手プロダクションは専門学校で優秀なごくごく一部の人か、美大の人しか入れません。大手プロダクションだと月収16万くらいもらえますね。(東映や京アニ)普通の会社だと月収10万以下は確実です。
原画にまでなれれば一人暮らしは出来ます。年収は下は100万から上は500万以上貰ってる人もいます(拘束料をどれだけ会社が出してくれるかで収入は全然違います)。正直、原画マンになるのは難しいことではないです。今の業界は原画マン不足ですから、twitterで仕事を募集すれば、制作から連絡が来ます。収入を350万以上もらうには、相当な腕の速さと技術
が求められます。原画マンで拘束料をもらうには相当な信頼を勝ち取る必要があります。(スケジュールをちゃんと守る、連絡はちゃんと取れる、しっかりLOがかけるetc)
作画監督は原画マンの中で特に優秀な人間がなれます(一般的には)。ただ最近は作監が不足しているため、ある程度のレベルを超えた原画マンには声がかかりやすくなっています。
正直、作監=みんな上手というわけではありません。収入は原画マン同様ピンキリです。
【監督、演出】
演出、監督は原画か制作進行出身者がなります。年収は本当にピンキリ。宮崎駿や庵野さんクラスなら年収は5000万くらい貰ってるでしょう。私の友人で毎年一本以上アニメ監督をしている友人の年収は500万くらいです。優秀な作画マンより監督の年収が下ということはよくあります。
【音響監督】
アニメ業界の陰の勝ち組。メーカーや大手プロダクションのPより貰ってます。
かっこいい車に乗ってる音響監督も居ます。ただ、声優はあまり給料をもらっていません。その声優たちと仕事をするので、わざと質素なふりをしています。
音響監督になるには音響監督に弟子入りしないといけません。
この業界、離職率が異常に高いです。辞めていく人間は社会不適合者ではありません。むしろ正常な感覚を持っていれば、すぐに辞めると思います(笑えない)。日本のアニメの現場がこのままでは、放送を落としたり、クオリティ崩壊といったことがますます増えていくと思われます。
