27日からiOS11のパブリックベータ版が提供開始されました。
これまで最新iOSのβ版を試せるのは年間一万円弱支払ってアプリ開発者プログラムであるApple Developer Programに加入している人だけでした。
それが、iOS11からは無料でだれでもβ版をインストールして最新の機能を試せるようになりました。
そんなAppleのiOSパブリックベータ版をiPhone7にインストールして使ってみました。
インストールして利用してみるとAppStoreを始め、いくつかのUIが変わっているので、何かと変化に気づきます。
iOS11を試してみて気になった機能なんかはまた別記事でまとめたいなと思います。
しかし、その一方でβ版なので挙動が怪しかったりして、再起動しないといけないような事も何回か発生しました。
私の場合、iPhone7とiPadを保有しているのでiOS11の実験機としては利用頻度が相対的に低いiPadの方が適切だろうということで、iPhone7の方はiOS10に戻す事にしました。
これが地獄の始まりでした。
- iOS11パブリックベータ版からiOS10へのダウングレードで無限ループ
- appleプレミアムサービスプロバイダに相談してみた
- iOS11パブリックベータ版からiOS10にダウングレードする方法
- iOSのベータ版は不具合が多いという事を理解する
iOS11パブリックベータ版からiOS10へのダウングレードで無限ループ
iOS11のパブリックベータ版をインストールしたiPhoneやiPadから以前使っていたiOS10の状態にダウングレードして元に戻すにはどうすればいいのでしょうか?
Appleのページには下記のように説明が書かれています。
以前の工場出荷版 iOS、macOS、または tvOS を復元するにはどのようにすればいいですか?
パブリックベータをインストールする前に、必ず iOS デバイスまたは Mac のバックアップを作成してください。以前にリリースされたバージョンの macOS または iOS を使用する場合は、パブリックベータをインストールする前に作成したバックアップからお使いのデバイスを復元できます。
これを読んで、私もiOS11のベータ版を適用する前にiTunesでiOS10.3.2の状態のバックアップをPC上に取っておきました。
リカバリーモードにする
iOSをダウングレードにするには、まずiPhoneなりiPadをリカバリーモードにします。
リカバリーモードにする方法ですが、まずPCにインストールしてあるiTunesのバージョンを最新にします。
そしてiTunesを起動して、iPhone又はiPadをUSBケーブルで接続します。
尚、PCを持っていないなどでiTunesを利用できない場合は、Apple直営店か大手家電量販店などの正規サービスプロバイダーにて対応してもらう必要があります。
ここからはiPhone7以降とiPhone6s以前とで操作が異なります。
まず、iPhone6s以前のiPhoneの場合とiPad、iPod touch の場合はスリープ/スリープ解除ボタンとホームボタンを同時に押します。
Appleのリンゴロゴが表示されても放さず、リカバリモードの画面が表示されるまで両方のボタンを押し続けてください。
それに対してiPhone7及びiPhone7Plusの場合は、ホームボタンが感圧式になって電源が入っていない状態では反応しないのでスリープ/スリープ解除ボタンと音量を下げるボタンを同時に押します。
そして同じくAppleのリンゴロゴが表示されても放さず、リカバリモードの画面が表示されるまで両方のボタンを押し続けてください。
出典:iPhone、iPad、iPod touch をアップデート/復元できない場合 - Apple サポート
更新又は復元でiOSをダウングレード
リカバリーモードなったら、iTunes上でまずは更新を試します。
更新と復元の違いは、更新だと写真などのデータが残るのに対して、復元は設定などのデータも消えて初期化されます。
もし更新(アップデート)で正常にならなかった場合には復元を試してみます。
今回私の場合は、更新を実行しても、復元を実行しても、5分~10分待った後にまた「更新または復元を必要としているiPhone"iPhone"に問題があります」という上の画面が表示されてしまう状態になってしまいました。
結局5回以上試してみましたが、iPhoneがリカバリーモードから復活することはありませんでした。
appleプレミアムサービスプロバイダに相談してみた
ネットで調べても復旧のやり方が分からなかったので、過去何回か利用して難しいトラブルを無事解決に導いてくれるAppleのGenius Bar(ジーニアスバー)に相談しようと思ったのですが、いつも通り直ぐには予約が取れない状態でした。
そこで、appleプレミアムサービスプロバイダに相談しに行く事にしました。
Appleのサポートは、直営店が行うものと家電量販店などが行う正規サービスプロバイダーがある。
プレミアムサービスプロバイダとは、前年の修理実績やサービス品質に対してAppleから高い評価を受けた店舗に対して与えられる称号のような物で、同じ家電量販店でも店舗毎にプレミアムサービスプロバイダだったり、普通のサービスプロバイダーだったりする。
要はざっくり言うとサポートのレベルが高いということになる。
今回私はAppleのサイトで検索して職場の近くにある、「カメラのキタムラ」に事前に予約を取って相談することにしました。
店舗を訪れて、予約していた者ですと伝えると、サポートカウンターに案内されました。
カウンターはAppleの店舗を意識したような作りになっています。
そして、リカバリーモードから復旧しないiPhoneを出して見てもらいます。
サポート店員さんから、症状が発生した原因について聞かれたので、「iOS11のパブリックベータ版をインストールした後にダウングレードしようとしたら・・」と言った瞬間に店員さんは「あ!・・それですか・・」と。
同様の現象がiOS11パブリックベータ版利用者に多発
どうやら私と同じ現象になっている人が多発しているようで、相談も多いとの事。
Appleからはまだ一般向けにはアナウンスはされていませんが、正規サービスプロバイダーに対しては、今回私が陥っているトラブルについて既に情報が渡されていて、本当は見せられないのですがと言った上で、店員さんに、Appleから正規サービスプロバイダー向けに出されている情報の画面を見せてもらいました。
ここでは、その情報は触れませんが、既にAppleが問題を認識している事が分かる内容でした。
iOS11パブリックベータ版からのダウングレードトラブル原因
そして、ここでiOS11パブリックベータ版からiOS10.3.2に戻すには、一旦iOS10.3.3ベータ版に戻す必要があるという事を知ったのです。
前述してきたリカバリーモードを使ったダウングレードでは、通常正式リリースされているiOSの最新バージョンであるiOS10.3.2に更新しようとします。
しかしiOS11パブリックベータ版からのダウングレードでは、iOS10.3.3ベータ版にする必要があるので、無限ループに陥ってしまったということなのです。
iOS10.3.3ベータ版へのダウングレードですが、正規サービスプロバイダーでは対応出来ないということで、Apple直営店即ちジーニアスバーに相談してもらうしか無いという回答でした。
個人的にはその場で復旧出来なかったのは残念でしたが、原因が分かったので満足して店舗を後にしました。
ジーニアスバーを予約
家に帰って早速、Appleのジーニアスバーを予約しました。
しかし、私の場合は東京近郊に住んでいて、Appleの直営店も渋谷に銀座、表参道と3店舗もあってジーニアスバーもアクセスし易いですが、多くの人は直営店に行くことは難しいです。
電話やオンラインチャット等でAppleのサポートに相談して、端末を郵送して対応してもらうことになってしまいます。
そこで、自力でiOS11パブリックベータ版からiOS10.3.2にダウングレードする方法についてこの後紹介します。
iOS11パブリックベータ版からiOS10にダウングレードする方法
先程も紹介した用にこの記事を書いている時点ではiOS11パブリックベータ版からiOS10.3.2にダウングレードするには一旦iOS10.3.3ベータ版にする必要があります。
iOS10.3.3ベータ版を入手
iOS10.3.3ベータ版は下記Appleのページからダウンロードする事が出来ます。
私の場合は、iPhone7を使っているのでiPhone7をクリックします。
するとipswという拡張子のファイルをダウンロードするかメッセージが表示されるので、PCのローカルに保存します。
iTunesでipswファイルを使って復元
iTunesの画面で更新か復元かを選択します。
この時、普通に更新ボタンか復元ボタンをクリックしてしまうと、iOS10.3.2へダウングレードしようとしてしまいます。
Windowsのパソコンを使っている人はShiftキーを押しながら更新ボタンか復元ボタンをクリックすると、ファイル選択画面になるのでiOS10.3.3のipswファイルを選択して「開く」ボタンをクリックしてください。
Macの場合は、Optionキーを押しながら更新ボタンか復元ボタンをクリックすることで同様の事が可能です。
この状態で更新又は復元を実行すると、iPhoneがリカバリーモードから脱して正常な状態に戻りました。
しかし、この状態ではまだベータ版のiOSです。
正式リリースされているiOS10.3.2に戻すには、再度リカバリーモードにして更新又は復元を実行することで戻すことが出来ます。
iOSのベータ版は不具合が多いという事を理解する
appleプレミアムサービスプロバイダであるカメラのキタムラのサポートの方と話をした際に、iOS11ベータ版について雑談したのですが、今回から誰でも試せるようになったためかいつも以上にトラブル対応の相談が多いようです。
ソフトウェアの開発においては、色んな開発フェーズがあります。
私がソフトウェア開発をしていた際もリリースまでにα、β、FC、GMと4つのフェーズがあり、それぞれで品質のゲートチェックを行っていました。
会社ごとにそれぞれのフェーズにおける品質レベルは異なりますが、ここで言えることは、日常生活で利用する上ではまだまだ不具合を出し切る必要がある段階であるということです。
そんな品質はまだまだだけど、いち早く新しい機能を試せるのがパブリックベータ版な訳です。
利用する上では、iPhoneが突然利用できなくなるというリスクも承知の上で試すようにしましょう。