テスラの半自動運転機能「オートパイロット」作動中に事故死したドライバー、何度も警告を受けていたことが明らかに
37分間に25秒しかステアリングに手を戻していなかった
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国家運輸安全委員会(NTSB)は、2016年5月にフロリダ州ウィリストン近郊で起こった、アメリカ海軍特殊部隊の元隊員、ジョシュア・ブラウン氏の死亡事故について、500ページに及ぶ調査報告を発表。ブラウン氏のモデルSは「オートパイロット」モード作動中にトラックに衝突し、同氏は死亡した。
テスラの広報担当を務めるキーリー・サルピチオ氏は、NTSBの報告書へのコメントを避けているものの、2016年にテスラは、オートパイロットは「ドライバーを運転の責任から逃れさせるものではない」と語っている。
ブラウン氏の顧問弁護士であるジャック・ランズクロナー氏はメールで、ブラウン氏が事故当時に映画を観ていたというこれまでのメディアによる報道を、NTSBの調査報告書が解消するべきだと指摘している。ランズクロナー氏によれば、この報道は「明らかに間違っている」とのこと。
同氏は、ブラウン氏の遺族はテスラに対していかなる訴訟も起こしておらず、そしてまだNTSBの報告書を見直している段階だとつけ加えた。
この事故では、ドライバーの介入をほとんど必要とせずに、長時間にわたる自動運転を可能にするシステムが、完全に人間のドライバーを不要にするものではないという安全性の問題を浮き彫りにした。
NTSBの報告書によると、ブラウン氏はステアリング・ホイールに手を置くことが求められていた走行中の37分間に、25秒しかステアリングに手を戻していなかったと推定されるという。
ブラウン氏がモデルSで走行中、ほとんどの間、オートパイロットは作動しており、その間に7度、ブラウン氏は「ステアリング・ホイールから手を離さないでください」という警告を受けていたと報告されている。
そのうち6度は、まず警告音による注意が発せられ、それから3秒間、「ステアリング・ホイールから手を離さないでください」と表示されたはずだという。
テスラは昨年9月、このオートパイロット・システムに改良を施し、同社のイーロン・マスクCEOによれば「死亡事故を防ぐため」、ドライバーが警告に従わず手放し走行を続けていると、自動運転機能の一部が停止するように設定を変更した。
NTSBはこの安全性を推奨したものの、それ以前に販売された車両についてはリコール措置が取られなかった。
今年1月、米国道路交通安全局(NHTSA)は、ブラウン氏の死後に欠陥があったという証拠は見つかっていないと語っている。
NHTSAは、ブラウン氏がブレーキを作動させておらず、さらに同氏の最後の操作は、事故の直前2分以内に、クルーズコントロールを速度制限65mph(約103km/h)を超える74mph(約119km/h)に設定したことだったと発表している。
同局は、衝突の少なくとも7秒前にはブラウン氏にトラックは見えていたはずだと語っている。にも関わらず、報告書では、同氏は「衝突を回避するために、ブレーキやステアリング操作、またはその他の行動も起こしていない」とされている。
フロリダ州ハイウェイパトロールの広報担当者によれば、トラックのドライバーは優先通行権の違反で罪に問われているという。彼は水曜日に法廷尋問を受けた。
NTSBの報告書では、テスラのモデルSが車両の走行速度やその他のデータを記録するために独自のシステムを使用しており、他のクルマのように市販のツールではデータレコーダーに記録された情報にアクセスできないことが明らかにされた。
そのため、「テスラが独自の内製ソフトウェアを使用している車載ユニットから、データを提供してくれることに頼るしかなかった」とNTSBは語っている。
注:この記事はロイターのDavid Shepardsonによるリポートに、Bernie Woodall記者が詳細を加えたもの。
By Reuters
翻訳:日本映像翻訳アカデミー