今回は、スーパーニッカを改めて飲んでみます。
1962年に発売されたスーパーニッカは、当時のニッカができる最高のウイスキーを作ろうと目指した逸品でした。
前の年、日本で本物のウイスキーづくりを目指す竹鶴政孝を慕い、遠いスコットランドから日本に移住した妻、リタが亡くなりました。 最愛の妻の死を認めたくなかった政孝は、葬儀にも出席せず、しばらく部屋に引きこもっていたそうです。
そんな彼を立ち直らせたのは、リタの情熱でした。なぜ彼女が日本までついてきてくれたのか。そう、本物のウイスキーを日本に広めることだった。
政孝はそんなリタと自らの思いを胸に、自分たちができる最高のウイスキーをブレンドすることを目指しました。
当時は宮城峡蒸留所がなく、カフェ式蒸留器を使ったカフェグレーンウイスキーもなかった時代。作り上げたブレンドではグレーンウイスキーの配合はわずか、ほとんどが若いものと長期熟成した余市モルトで、シングルモルトと呼んでも過言ではなかったブレンドだったそうです。
さらにボトルにもこだわり、高級ガラスメーカーのカガミクリスタルにあった一つのボトルを政孝が気に入り、手吹きで作られたボトルを採用しました。
もちろん生産できる量が少なく1年で1000本のみで、個体差があるために蓋がしっかり入らないなどの問題を抱えながらも、販売にまでこぎつけました。
当時の価格は3000円でしたが、大学初任給が17000円の時代、今の価値でいえば4万円に匹敵する超高級酒でした。
その後、カフェグレーン、宮城峡モルトが使えるようになって、少しずつブレンドを改めていき、ボトルも機械で作れるものへと変わっていくことで、今や2000円ほどで買える比較的お手軽なウイスキーに至りました。
2009年からブレンドを改めるとともに、背面に「S」 の字を象ったボトルになりましたが、2015年に再びシンプルなボトルに戻し、ラベルもベージュ地のものに変わりました。
ただし、ブレンドは前のボトルと変わらない、と言うことです。
ブログを書き始めて今まで2回ほど飲んでいますが、いずれも酷評しています。
「ニッカらしさがない」「飲みやすいものを求める一般消費者に日和っている」とか、散々にこき下ろしてきました。
ただ、原酒不足によってラインナップが大幅に減り、新しいボトルを出してきた現状で改めて考えると、スーパーニッカのポジションは相対的に上がっていて(ブレンデッドとしては2~3番目)、ここ最近のラインナップを飲んできた上で評価も変わるのではないか、ということで飲むことにしました。
まずはストレートから。
グラスに注ぐと、液色は少々濃いめのアンバー、香りはウッディさともに、ビネガーに似た酸っぱさがあります。
口に含むと、 先にエステリーさが入り、ゴム、レーズン、柿、ナシ、モルト、カラメルの順に香ってきます。
味わいは先にアルコール由来の辛さがあるものの、あとから酸味と甘さが追いかけます。
ロックにすると、バニラの香りが先に現れ、そのあとでレーズン、ゴム、ナシの香りがついていきます。
味わいは辛さがまだ来るものの、酸味が強くなり、甘さは抑えられます。
加水が進むにつれ、香りにナッツ、メロンが加わり、味にも甘味が増えるようになります。
最後にハイボールにすると、香りはバニラ、樽からのウッディさが主体となり、奥からナシ、レーズン、バナナが感じられます。
味わいはほろ苦さがありつつも、あとから甘さが追いかけてきます。
改めて飲んでみると、余市モルトならではのピーティな感じはありませんが、 同じ余市のウッディ&バニリックのような甘さ、宮城峡モルトのローランドを彷彿とさせる甘くて繊細、そして豊かな香りが組み合わさったのだと感じられました。
特に初心者であれば、水割りや濃いめのハイボールにする方が飲みやすいと感じられるでしょう。
ブラックニッカクリアやリッチブレンドは、このスーパーニッカの延長上にあるように思えます。
ただし、ストレートやロックでは若い原酒からと思われるアルコール由来の刺激、辛さがあり、まろやかさの点では及んでない部分もあります。
対抗馬となるのはサントリーローヤルになりますが、原酒の若さで行くとローヤルの方が強く、穏やかさを追求する点では、響 JAPANESE HARMONYとの中間点にあるように思えます。
はっきりと書きます。今までこき下ろしてきた自分が知ったかぶりだったと言うことを。
様々なニッカのモルト、グレーンを飲んでいかないと、スーパーニッカの良さを理解するのは難しいと実感しました。これもまたニッカだからこそのボトルだと言えます。
スーパーニッカが大好きな皆様、大変失礼いたしました。
700mL、アルコール度数43度、価格は2200円です。
ニッカのブレンデッドとなると、ほぼカスクストレングスのフロム・ザ・バレルのほうが値段で上になりますが、現在のニッカのラインナップにとっては、上位のブレンデッドとして恥ずかしくないボトルだと思います。
前の年、日本で本物のウイスキーづくりを目指す竹鶴政孝を慕い、遠いスコットランドから日本に移住した妻、リタが亡くなりました。 最愛の妻の死を認めたくなかった政孝は、葬儀にも出席せず、しばらく部屋に引きこもっていたそうです。
そんな彼を立ち直らせたのは、リタの情熱でした。なぜ彼女が日本までついてきてくれたのか。そう、本物のウイスキーを日本に広めることだった。
政孝はそんなリタと自らの思いを胸に、自分たちができる最高のウイスキーをブレンドすることを目指しました。
当時は宮城峡蒸留所がなく、カフェ式蒸留器を使ったカフェグレーンウイスキーもなかった時代。作り上げたブレンドではグレーンウイスキーの配合はわずか、ほとんどが若いものと長期熟成した余市モルトで、シングルモルトと呼んでも過言ではなかったブレンドだったそうです。
さらにボトルにもこだわり、高級ガラスメーカーのカガミクリスタルにあった一つのボトルを政孝が気に入り、手吹きで作られたボトルを採用しました。
もちろん生産できる量が少なく1年で1000本のみで、個体差があるために蓋がしっかり入らないなどの問題を抱えながらも、販売にまでこぎつけました。
当時の価格は3000円でしたが、大学初任給が17000円の時代、今の価値でいえば4万円に匹敵する超高級酒でした。
その後、カフェグレーン、宮城峡モルトが使えるようになって、少しずつブレンドを改めていき、ボトルも機械で作れるものへと変わっていくことで、今や2000円ほどで買える比較的お手軽なウイスキーに至りました。
ただし、ブレンドは前のボトルと変わらない、と言うことです。
ブログを書き始めて今まで2回ほど飲んでいますが、いずれも酷評しています。
「ニッカらしさがない」「飲みやすいものを求める一般消費者に日和っている」とか、散々にこき下ろしてきました。
ただ、原酒不足によってラインナップが大幅に減り、新しいボトルを出してきた現状で改めて考えると、スーパーニッカのポジションは相対的に上がっていて(ブレンデッドとしては2~3番目)、ここ最近のラインナップを飲んできた上で評価も変わるのではないか、ということで飲むことにしました。
まずはストレートから。
グラスに注ぐと、液色は少々濃いめのアンバー、香りはウッディさともに、ビネガーに似た酸っぱさがあります。
口に含むと、 先にエステリーさが入り、ゴム、レーズン、柿、ナシ、モルト、カラメルの順に香ってきます。
味わいは先にアルコール由来の辛さがあるものの、あとから酸味と甘さが追いかけます。
ロックにすると、バニラの香りが先に現れ、そのあとでレーズン、ゴム、ナシの香りがついていきます。
味わいは辛さがまだ来るものの、酸味が強くなり、甘さは抑えられます。
加水が進むにつれ、香りにナッツ、メロンが加わり、味にも甘味が増えるようになります。
最後にハイボールにすると、香りはバニラ、樽からのウッディさが主体となり、奥からナシ、レーズン、バナナが感じられます。
味わいはほろ苦さがありつつも、あとから甘さが追いかけてきます。
改めて飲んでみると、余市モルトならではのピーティな感じはありませんが、 同じ余市のウッディ&バニリックのような甘さ、宮城峡モルトのローランドを彷彿とさせる甘くて繊細、そして豊かな香りが組み合わさったのだと感じられました。
特に初心者であれば、水割りや濃いめのハイボールにする方が飲みやすいと感じられるでしょう。
ブラックニッカクリアやリッチブレンドは、このスーパーニッカの延長上にあるように思えます。
ただし、ストレートやロックでは若い原酒からと思われるアルコール由来の刺激、辛さがあり、まろやかさの点では及んでない部分もあります。
対抗馬となるのはサントリーローヤルになりますが、原酒の若さで行くとローヤルの方が強く、穏やかさを追求する点では、響 JAPANESE HARMONYとの中間点にあるように思えます。
はっきりと書きます。今までこき下ろしてきた自分が知ったかぶりだったと言うことを。
様々なニッカのモルト、グレーンを飲んでいかないと、スーパーニッカの良さを理解するのは難しいと実感しました。これもまたニッカだからこそのボトルだと言えます。
スーパーニッカが大好きな皆様、大変失礼いたしました。
700mL、アルコール度数43度、価格は2200円です。
ニッカのブレンデッドとなると、ほぼカスクストレングスのフロム・ザ・バレルのほうが値段で上になりますが、現在のニッカのラインナップにとっては、上位のブレンデッドとして恥ずかしくないボトルだと思います。
<個人的評価>
- 香り A: ストレートではアルコールの刺激があるが、ゴム、レーズン、柿、ナシ、バニラ、モルト、ウッディなどととても豊かで繊細。
- 味わい B: アルコールからの辛さがあるものの、酸味と甘さがメイン。
- 総評 A: 余市モルトの独特のスモーキーがないものの、甘くて繊細かつ濃厚な側面にあるニッカのモルトを感じられるボトル。
【箱付・正規品】スーパーニッカ・ブレンデッド・ウイスキー・ニッカウイスキー・700ml・43% ハードリカーSUPER NIKKA BLENDED WHISKY NIKKA WHISKY 700ml 43% |
コメント
コメント一覧
竹鶴12年やフロムザバレルが安く買えた頃はなかなか手を出そうと思えない銘柄でしたが、最近ようやく手を出して見ました。
個性に乏しく思えるのは確かですが、シーバスリーガル12年のような軽快でまろやかな飲み口のスコッチを志向したと思えば、ニッカのラインナップの一つとして必要なポジションなのかな、とも思えます。
この延長線上にザニッカがあるのかな?とも感じさせる味でした。
ボトルの形がブランデーっぽいのがあまり好みではないんですが、
一度飲んでみます!