2017-06-30
■AI・人工知能EXPOに出展しています&雑感 
さて、頭痛が痛い感じの名前でおなじみ「AI・人工知能EXPO」ですが、昨年の講演でさんざんゴタゴタがあったので今年は講演依頼を丁重にお断りさせていただきました。三ヶ月前にスライドよこせとは言われてもねえ。
弊社ブースではYOLO v2にも対応したCSLAIER version 2の展示とか、本邦初公開となる深層言語解析、DEEP AnalyzerとかDEEP Volumeの説明とかをしています。YOLOv2はすごく高速なのでCSLAIER2で誰でも使えるようになるとちょっとした革命だと思う。既に何社か引き合いが来ていて、お役に立てそうな感じがしてる。
あと、せっかくモンスターマシンを売っているので、先日の人工知能学会でマイクロソフトの田丸さんが自宅に構築しているというスーパースペックの水冷式深層学習マシンのスペックと揃えた、通称「田丸SPL(スペシャル)」も展示してます。
これ、近くで見ると水冷がやたらカッコイイ
しかもこのケース、変形します。
ケースだけで30万円する。
僕は午後から大事な会議とか株主総会とかあるので午前中だけ顔を出します。
チラシが捌け過ぎて、1000部刷っても瞬殺。なので念のため2000部刷りました。
人工知能とかに対する人々の期待がわかるというものですが、深層学習をやってる会社はあんまりないらしく、僕のプレゼン中に他のブースに立ってたエンジニアが何人か「うちは実は深層学習はほとんどやってないから転職したい」という相談に来るほど。その会社のブースには「ディープラーニング」と小さな字で書いてあるのに。
なんでこういうことが起きるかというと、昔ながらの人工知能屋さんは総じて深層学習が嫌いか、胡散臭いものだと思っている。どうしてもどこかに昔ながらの機械学習を入れたがる。だから昔からある人工知能の会社は、基本的に深層学習が嫌いか苦手である。従来と全く考えかたの違うものだから受け入れるのにむしろ時間がかかるのだ。
反対に僕らのように、深層学習以前の人工知能技術、とりわけ辞書を使う形態素解析などを含む自然言語処理に疑問を抱いて、従来主流だった知識ベース処理とは距離を置いていた派閥にとっては、深層学習は受け入れやすいし活用のイメージも湧きやすい。
機械学習と深層学習をごっちゃにしてる会社も少なくない。確かに深層学習は機械学習の延長線上にあるが、それは原子炉が電気ポットの延長上にあるのと同じ程度の意味しかない。次元の違う効果を得られるから世界中が深層学習に注目しているのに、日本ではあいも変わらず古き良き人工知能をありがたがる人たちが、なにも知らない一般大衆に深層学習ではない人工知能を売ろうとしている。
一番のポイントは、深層学習はここ数年急激に進歩した技術だが、それ以外のものは別に昔からあるということだ。昔からある技術を今更売りつけるというのは、「ブロードバンドのインターネットください」とお店に来た人にダイアルアップモデムと秀Termを売りつけるようなもので、お客さんは買ってしまってから「コレジャナイ」と混乱することになる。
たとえば僕は昨日もMicrosoftの社内セミナーで「IBMはなぜ(簡単なのに)ワトソンの主軸に深層学習を入れないか」という話をするんだけど、IBMの基礎研の所長だった丸山先生は、IBMが深層学習をやろうとしないから、PFNに転職したわけだ。
ということは、少なくともIBMはむざむざ深層学習のトップノッチのエキスパートを手放しておいて、いまさら人工知能だと言ってるわけだからWatsonで深層学習がメインフィーチャーに入ってないのはむしろ必然だ。
なのでAI・人工知能EXPOは、看板には「人工知能」と書いてあってもほとんどの会社は「(昔の)人工知能」と注釈を入れるべきで、ここ数年で注目を集めている人工知能は深層学習を用いたもの「だけ」なのに、それを無視して古き良き人工知能で一般大衆を欺くのはちょっとどうかと思うなあ。まあ深層学習に全振りしてる会社がまだまだ少ない現状ではイベントとしての体裁を整えるには仕方ない部分もあるけど。
あと、「技術デモ」と称して自分で書いてないプログラムをデモしてる会社もけっこうあって、「それなんのデモ?インストール技術のデモ?それって学生アルバイトでできるやつじゃない?」と思ったりしなくもない。
今回のイベントはNVIDIAのイベントに比べると各社の深層学習への本気度がけっこう低い。下手すりゃGPUとか単語すら出てこない会社もあるし。
まあ仲間が地道に増えていくのを待つしかないのかな。
ひとつ嬉しかったのは、ブースに来てくださった国立がん研究センターの先生が、「CSLAIER(といううちのソフト)でプログラミングが全くできない我々でも、癌細胞の解析ができて、先日学会発表してきました。今日はお礼を一言言いたくて来たんです」と言っていただいたこと。
ああ、深層学習を簡単に扱えるようにする、そのレイヤーだけ提供するという僕らの仕事のやり方は間違ってはなかったんだなあと思って感動した。
僕らはもっともっと深層学習を簡単にしていきます。
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