選挙の投票前に確認すべきこと。あなたはネット情報操作されていませんか?
2017年6月30日
普段生活している中でまさか自分が情報操作されているなんて思う人はほとんどいないと思います。しかし情報操作は意外なほど身近な問題です。
大手メディアの報道や著名な評論家が書いたブログ記事などは確かな情報だと多くの人は思うことでしょう。しかし、情報を意図的に操作しようとする人がいることを忘れてはなりません。
間もなく東京都議会議員選挙ですが、選挙でよく用いられるネット情報操作とウソ情報の言いなりにならない方法について考えていきます。
都議会議員選挙は7月2日です
もうすぐ都議会議員選挙が始まります。投票日は7月2日ですので有権者のみなさまは忘れずに投票に行きましょう。…とはいうものの、どんな人が立候補していて、どんな主張を行い、どんなマニフェストを掲げているのか。サッパリわからないという人も結構多いんじゃないでしょうか。
わたしもその一人。選挙ポスターを見て顔で選ぼうと思い、いざ投票所に行くと、あれ、名前なんだっけ?となる始末。ほとんどの有権者の人が投票所に行ってどうしようかと思案を巡らすことになっていませんか!?
ネットの情報とどう付き合うか
ネット先進国の米国がそうであるように日本でも間もなく選挙の行方はネット情報が大きく影響するようになると考えられます。実際、若い人たちの多くは新聞は読まずにテレビも見ませんので、主にネット情報により支持政党や投票する候補者を決めるケースが増えています。
ネット情報を参考にして誰に投票するのかを決めるのもよいのですが気を付けなければならないことが”情報ソースの確かさ”です。
誰が、どこから持ってきた情報で、そのソースとなる情報は正しいのか間違っているのか。ネットの情報は「情報を流した人」「情報源」「情報の正しさの保証」この3つが確保されていないことも多いためそれを鵜呑みにするのはキケンです。
なぜなら間違った情報や、あるいは誰かが得をするように改編された情報に騙される(情報操作)されるかもしれないからです。特に選挙など大きな利権が絡む場合の情報操作は、我々の日常生活を大いに左右するため注意しなければなりません。
情報操作の本質とネット社会
情報操作というとなんだかたいそうな話に聞こえてしまうかもしれませんが、実はそれほど縁遠い物でもないのです。
情報操作とは、分かりやすく言えば情報をちょっとアレンジして、情報を受け取る側の印象、判断、理解に対して影響を与えることを言います。ザックリ言うと、私たちは誰かが流した情報に操作されながら生活しているかもしれないんです。
例えばテレビから流れる政治のニュース。これも大本営と言われる党本部から取材許可を得た大手メディアだけが特権的に報道できるため情報は自然と発信側の意図する通りになります。
また、刑事事件にしてもそうで警察の意を受けたメディアが「証言を短く切り取る」、「人物や風景の写し方」、「文字スーパーの表記」などを利用して、容疑者の印象を変えてあたかもコイツが犯人だなんて表現もできます。情報をちょこっといじって、悪者を自由に作り出せてしまうわけです。
このような発信側の支援者があたかも一般人を装い「イイね」したりSNSで拡散するためネット上の情報の本質が分かりにくくなっているのも事実です。テレビ、新聞という既得権益に近いメディアだけでなくネットも密かに権利者、大資本に毒されつつあるこをと知る必要があります。
世論操作の最新テクニック
最近では人の手ではなく、コンピューターを利用した世論操作が話題となっています。たとえばロシアでは、政治から関心を遠ざけたり混乱させたりして、プーチン政権の都合の良い感じに世論をコントロールする仕掛けが、自動化プログラムやソーシャル・メディアでのボットを使って行われていると言われています。
要は人じゃなく、コンピューターに反政府勢力の悪口などを書き込ませ、その書き込みに反応してきた人の相手をさせ、けむに巻いていく、という感じです。これだと手間もかからないし、誰かが捕まることもありません。インテリジェンスの本家である英国の研究者がこのような「情報操作」が行われていると発表していますからその信ぴょう性は高いと言えます。
またフェイスブックやツイッターなどでも、ボットに特定の候補者へのフォロー、リツイート、いいね!をさせることで、それを見た人があたかもその候補者が「正しい」「支持を受けている」を勘違い(受け取った側は勘違いとは思っていない)させる情報操作の方法も行われているといいます。
「政策が良くわからない」、「候補者のことをよく知らない」人々にとってみれば、ネット上でのそうした評価は重要情報です。清き一票が情報によって影響を受けることになります。
このようにネット情報が実際の支持に繋がっていく可能性は大いにあります。たとえ操作された情報を参考にしていてもです。2016年のアメリカ大統領選挙では、このボットの与えた影響が少なくないと言われておりネットの情報操作はこれからの民主主義の脅威になると考えられています。
英オックスフォード大学の研究チームが第1回目の米大統領候補討論会後の関連ツイートを調べたところ、共和党候補ドナルド・トランプ氏支持の「bot(ロボットによる自動発言)アカウント」からのツイートが、民主党候補ヒラリー・クリントン氏支持のbotによるツイートの9倍に上っていたという。
情報操作と選挙
これまでネット上の情報操作と、政治利用の事例を見てきました。最近ではこのような傾向を逆手に取り「印象操作だ」、「フェイクニュースだ」とメディアを切って捨て、市民の目を核心となる情報から遠ざけようとする動きも出始めています。そう、言わずと知れたトランプ大統領によく見られる手法です。
昨年のアメリカ大統領選挙のように、ネット上でも情報操作が行われる可能性はゼロではありません。これまでのように、マスコミによるスキャンダル報道でネット掲示板が湧くのではなく、ボットによる自動投稿がソースになる可能性もあるのです。つまりウソ情報にネット民が踊らされるってことです。自動投稿は次々に行われ、その情報にみんな騙され続けていくという怖い状況に日本もそのうちなるかもしれません。
米国ではネット情報操作に対する対策が進んでいます。Facebookはネットの情報作戦やプロバガンダに対抗するための対策強化に乗り出しています。
交流サイト(SNS)最大手の米フェイスブックは27日、政治的な理由から偽情報の拡散や議論の誘導を行う政府などの試みに対抗するため、セキュリティーを強化する方針を明らかにした。
【参考】:フェイスブック、プロパガンダ対策強化「情報作戦」に対応チーム
まとめ
日本だからそんなこと起こるはずがない。私には情報が正しいか間違っているか判断できる自信があるから大丈夫だ。と考えるのは自由です。しかし情報操作はその言葉の物々しさとは対照的に、簡単に私たちの判断力を麻痺させる力があります。
情報は決して鵜呑みにせずに選挙では自分自身の信条をベースにして情報の取捨選択をおこなう必要があるでしょう。