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集え、若者よ 「アーバンクラスター」構想議論

草むらに座る観客の前で、技を披露するBMXフリースタイルの選手。今年創設20年を迎えたFISEの今季のシリーズ初戦。スポーツクライミングなど多様な競技が同時に行われる=2017年5月、フランス南部モンペリエでFISE提供

IOC調整委の第4回会合

 2020年東京五輪・パラリンピックの準備状況を監督する国際オリンピック委員会(IOC)調整委員会の第4回会合が29日、東京都内で開かれ、都会風の会場群を意味する「アーバンクラスター」構想の議論を始めた。IOCには若者向けの競技・種目を集めて野外コンサートのような開かれた会場とする構想があるが、輸送や警備などの課題も挙がった。IOC、都、大会組織委員会は検討チームで協議する。

     IOCは若者の五輪離れに危機感を抱き、昨夏に野球・ソフトボール、空手とともにスケートボード、サーフィン、スポーツクライミングの3競技を追加した。今月にはバスケットボール3人制、自転車のBMXフリースタイルの2種目を採用しており、IOCのマコネル競技部長は「スポーツの世界は変化しており、五輪も進化しなければならない」と大会を特徴づけた。

     組織委はスポーツクライミングとスケートボードは東京・青海を会場と決めたが、新種目の会場は示さなかった。これらは3人制バスケットを除くと、「過激な」「強烈な」の意味があるエクストリーム(Extreme)スポーツに分類される。通称はXスポーツで、今年5月にフランス南部モンペリエで行われた国際大会「FISE」は若者を中心に50万人以上の観客が集まったとされる。大会関係者によると、IOCのアーバンクラスター構想はFISEを意識したものだという。

     FISEの手法にならえば、千葉県一宮町で開催するサーフィン以外の若者向け4競技・種目は一堂に集まり、同時に複数が実施される。大音量の音楽とともに、DJが盛り上げ、立ち見の観客が自由に行き来する。観客席に着席して観戦する従来の五輪とはまったく異なってくる。

     組織委の森喜朗会長は「革命的な議論が始まった」と述べた。何十万人も集めることで観客や選手の輸送は難しくなり「テロの対象にもなりかねない」と都幹部。入場料収入の取り扱いなど検討すべきことは多いが、若者の関心を高める方向性はIOC、都、組織委で一致しており、新たな五輪像を模索する。【田原和宏、村上正】

    FISE

     「エクストリームスポーツ国際フェスティバル」を意味する。運営団体はフランス南部モンペリエにあり、1997年に始まった。XスポーツはBMXフリースタイル、マウンテンバイク、ローラースポーツ、スケートボードなどで、速さや高さ、危なさなどを競う。2013年から世界各地を転戦するワールドシリーズを開始。数日間にわたり複数の競技が行われ、観客は無料という。今年は5月のモンペリエ大会を皮切りにハンガリー、カナダ、中国の計4カ国で行い、100万人の動員を目指している。

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