JR北海道が「単独では維持困難」と公表した線区のうち宗谷線、石北線、根室線、富良野線の沿線自治体や北海道などは29日、駅で一斉に利用実態調査をした。乗降客数を計測し、乗客に利用目的などを聞き取った。今年度内に計4回の調査を実施し、鉄道存続に向けて利用促進策の検討材料にする計画だ。
宗谷、石北、富良野の各線が通る旭川市が呼びかけた。4路線の沿線自治体が質問項目などを擦り合わせ、調査に臨んだ。「沿線自治体が一体となって路線存続に向けて取り組んでいることをアピールできれば」(旭川市)と狙いを話す。
旭川駅では始発から終日、旭川市と北海道運輸局の職員計71人がホームや列車内で乗客にアンケートへの協力を求めた=写真。性別や年齢、利用の目的・頻度、乗降駅などを聞き取った。9時38分発の富良野行き普通列車に乗車した60代の女性は「勤め先の旭川市内から美瑛町の実家に帰る。(富良野線が)なくなると困る」と話した。
道上川総合振興局によると、調査を同日実施したのは少なくとも47駅。