私は記事で何回か書いているのですが、前職は損害保険会社の保険金を支払う部署で働いていました。
死亡事故だけで、300件以上扱っています。
一般の方は、事故で亡くなっていくらもらえるかの計算方法は知らないと思います。
(生命保険はかけている保険金が支払われるので、あまり難しい計算がありません)
ひとが亡くなった場合の保険金の計算方法をみると、人間って意外に平等なんだなあと思います。
交通事故でひとが亡くなった場合の計算
ひとが亡くなった場合の、交通事故の損害賠償での計算方法です。
これが交通事故に限らず、「ひと」に対する損害賠償の基本になります。
簡単に説明すると(亡くなるまでの治療費等は除きます)
慰謝料・・・死亡による遺族の精神的損害
逸失利益・・亡くなったひとが将来得たであろう収入や利益
葬儀費用・・葬式にかかった費用
の合計です。
慰謝料
これは大会社の社長さんでも、えらい政治家でもホームレスの方でも計算方法は一緒です。
もっといえば、ひとに尽くしひとに愛された「人格者」も、かなり悪いことをして他人を泣かせ刑務所を出たり入ったりしているような「悪人」も一緒です。
亡くなったひとが、家族の稼ぎ頭か母親か独身(子供)かだけの違いです。
逸失利益
逸失利益の計算方法は
年収✖️(1ー生活費控除率)✖️(67歳ー亡くなったときの年齢)の係数
になります。
*個人事業主だったり、年金をもらっていたり、学生の場合などは少し違ってきますが一般的にはこの計算方法によります。
この係数というのは、ライプニッツ係数かホフマン係数というのが使われます。
*詳しく説明すると長くなるので、そんなのがあるんだくらいに覚えていてください。
生活費控除率というのは、将来の生活費の割合です。
これは、亡くなったひとの生活スタイルとか健康度合いとかは関係ありません。
性別や家族がいるか、何人養っているひとがいるかで決まります。
葬儀費用
これは葬式にかかった費用です。
ただし、どんなに豪華な葬式をあげようが150万円が限度です。
(裁判でもう少し多めに認定される場合もありますが)
ちなみに、お坊さんへのお布施もでますよ。
それでは実際に計算してみましょう
ブロガーの方は、比較的に若い方が多いと思うので
24歳 男性 独身 年収300万円 の例で計算してみます。
(あくまで一般的な例です)
慰謝料
2000万円
逸失利益
300万円✖️(1ー50%)✖️17.5459=26,318,850円
葬儀費用
150万円
合計 47,818,850円
になります。
*裁判の中である程度の斟酌はありますが、かなりの額になります。
まとめ
ひとが亡くなった場合の保険金には、年収や性別などは当然関係してきますが「社会的地位」や「人格」「その人の過去の行い」などは関係ありません。
もう保険の支払いの仕事を辞めたので言いますが、この人にはもっと払ってやりたいな、とかこんな奴(レイプとかの前科がある)には保険金を払いたくないなという事案が多々ありました。
でも、そんなことには関係なく思った以上に平等にお金は払われるんです。
なんか嫌になりますよね。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
今日で6月も終わりですね。
明日は今月の振り返りをしてみる予定です。