塾長・最高顧問 元谷 外志雄
勝兵塾第49回月例会が、6月24日(水)アパグループ東京本社会議室にて開催されました。
冒頭のアパグループ代表元谷外志雄塾長による開会の挨拶では、「先週はバリ島へ海外視察研修旅行に行ったため、今月の月例会は本日の開催となった。詳しくはアップルタウンの記事を読んで頂きたい。本日内閣府より、勝兵塾の運営母体でもあるアパ日本再興財団が公益財団となることが認定された。これまで勝兵塾を毎月3会場で開催して延べ1万人の人々に参加していただき、懸賞論文制度をきっかけに、この7年間で日本の保守化傾向に貢献してきた。田母神論文で世間が覚醒し、安倍総理が再登板し、安保法制が議論されている。安倍政権で憲法改正ができなければ憲法改正が相当遠のくだろう。先日塾生の皆さんに、加瀬英明氏の『大東亜戦争で日本はいかに世界を変えたか』をご案内したが、この本は本当はどうなのか一気に理解できる本である。今言われていることや、報道されていること、教えられていることがいかにおかしいかわかるだろう。」と、これまでの日本の保守化への貢献について語られました。この後、6月2日に開催された塾長の著書『本当の日本の歴史「理論 近現代史学」』出版記念パーティーの動画を視聴し、「新しく発見された事実を矛盾なく繋げて説明できるものが本当の歴史である」という、塾長の本書に籠めた思いを参加者で共有しました。
衆議院議員 岸本周平様
衆議院議員の岸本周平様は、「アジアインフラ投資銀行(AIIB)について、AIIBは、中国の出資比率が25%以上で拒否権があり、常任の理事会は設置されず、中国の執行部によって運営される。IMFは出資比率1位の米国が17・6%、2位の日本は6・56%となっており、トップはフランス人で本拠地はワシントンにある。アジア開発銀行(ADB)は米国と日本が各々出資比率1位で15・65%、総裁は日本人で本拠地はマニラにある。このようにバランスを取るのが国際機関であり、AIIBの体制はあり得ない考え方である。また、国際機関には理念があり、例えばADBは貧困の削減を目指している。そのためにADBはインフラ、教育、医療に融資をするが、AIIBはインフラ投資のみである。さらに、中国はADBの最大の借り手であるが、GDPは日本の2倍を超えている。まずはADBから借りた金を返すべきではないか。中国はAIIBによってアジアの覇権を握り、国内で供給過剰となる生産能力を吸収する市場の獲得や、二国間での貸付の原資不足に対応しようとしている。IMFやADBは市場でボンドを発行して調達した資金を融資しており、いずれもトリプルAの格付けを取得しているが、日米の参加しないAIIBはトリプルAを取れないだろう。そうなるとマーケット金利は高くなる。また、中国国内の政局も絡んでおり、為替を握りシルクロード基金として400億ドルを有する人民銀行に対抗して、中国財務部がAIIBで1、000億ドルを集めようとしている。AIIBに対しては、IMFやADBが協調融資をすることでコントロールすることが重要である。日本がAIIBに急いで参加する必要はないが、ADBがAIIBと協調融資をして監視すればよい。また、中国には国際機関を運営するノウハウがないため、財務省OBなどの人材を派遣することも有効である。」「米中と日中のどちらが親しいかと言えば明らかに米中である。1930年代の日中戦争(支那事変)ではアメリカは蒋介石を支援し、現在も米中戦略対話が閣僚級で年2回行われ、綿密な連携が図られている。このように米中には深い関係があり、日中関係を考える上で、アメリカは頼りにならないことを知っておく必要がある。」と、AIIBの問題点を指摘され、中国との関係について問題提起をされました。岸本様に対して塾長から、「アメリカが中国と親しい背景には、蒋介石がプロテスタントであったという宗教的な理由があり、さらには今も昔も中国の市場がアメリカにとって魅力的であるという理由がある」と指摘がありました。
衆議院議員 原田義昭様
衆議院議員の原田義昭様は、「本日は国会の周りは安保法制絶対反対の国民運動で大騒ぎになっている。この法制は平和を守るための法制であるが、野党は『戦争法制』といって要らぬ不安を国民に与えている。極めて単純な話だが、日本の自衛権を強くすることで他国からの攻撃の可能性を極限まで小さくし、以って平和を維持するのである。集団的自衛権については、日本を守るためにアメリカの軍艦が使われたときに限定して、アメリカの軍艦が攻撃を受けたときに日本は攻撃することができるのである。それを野党は戦争法案と言っている。マスコミは安保法制に反対した方が売れると思っているかもしれないが、そこはしっかり反省して欲しい。平和のためにも安保法制をこの国会でしっかり成立させていきたい。」と、安保法制成立への意気込みを語られました。
新しい歴史教科書をつくる会会長 杉原誠四郎様
新しい歴史教科書をつくる会会長の杉原誠四郎様は、「歴史教科書の検定が行われ、つくる会の『新しい歴史教科書』は、検定を受けた8社のうち唯一南京事件について書いていない教科書である。南京事件は学術的になかったことが証明されている。しかし、平成18年に河村たかし氏が南京事件について国会質問した際の政府答弁が『非戦闘員の殺害があった』となっている。南京事件について書こうとすると、この政府見解に従って書かなければならなくなるため、一切書かず、実際にあった通州事件について書いた。教科書検定では、書いていないことを書けとは言えないが、書いたら政府見解に従えと言われる。マッカーサーが東京裁判を批判した証言も今までは全て削られたが、今回は『東京裁判を受諾した』という政府見解を書くことで、マッカーサー証言を書くことができた。教科書検定には検定員よりもその背後にいる審査委員の圧力が大きいことを今回初めて知った。我々の抵抗は日本の名誉に関わる大きな仕事であると認識している。皆さんから多くの支援を頂きたい。」と、教科書検定の現状とつくる会の取り組みについて語られました。
明星大学教授 高橋史朗様
明星大学教授の高橋史朗様は、「35年前にGHQ文書を研究した際には、ウォー・ギルト・インフォメーション・プログラム(WGIP)について、それ以前との繋がりがわからなかったが、2年前に米戦略諜報局(OWI)と米戦時情報局(OSS)の文書を研究した結果、1942年には対日占領計画が既に完成しており、その源流が2つあることがわかった。一つは毛沢東による日本人捕虜に対する洗脳工作であり、スタンフォード大学のエマーソン氏が毛沢東、周恩来、野坂参三の三者から、日本兵捕虜が反日思想に洗脳されていく対日心理戦を学び、それがWGIPの原型となった。もう一つはイギリスやアメリカによる日本人の国民性に関する研究である。ブラッドフォード・スミスは『日本‐美と獣』で古事記が南京大虐殺を予言していると主張したが、彼がWGIPを取り仕切った。ジェフリー・ゴーラーの『日本人の性格構造とプロパガンダ』は占領計画のバイブルとなった。さらにルース・ベネディクトは『菊と刀』を書き、日本人の道徳に照準を当てれば、日本人は誇りを失うと言っていた。マーガレット・ミードーらによる『日本人性格構造分析会議』では、日本人の国民性を幼稚で未熟で本質的に病んでいるとし、これが後のマッカーサーによる『日本人の精神年齢は12歳』という発言に繋がった。WGIPは日本の内的自己崩壊を狙っていた。すなわち占領軍がいなくなった後も、占領政策が受け継がれ自己増殖していく仕組みを作ったのである。朝日新聞は終戦日の記事では、天皇を『大君』『聖上』と表現し、『英霊よ許せ』『天皇陛下に申し訳ありません』と強調し、『日本民族は敗れはしなかった』と書いている。朝日の論調が一変したのは、『米国の原爆投下は国際法違反、戦争犯罪である』と批判した鳩山一郎の談話を掲載し、2日間の発禁処分となってからである。昭和23年9月の社報で朝日の出版局長は2度も『自己検閲』という言葉を使っている。戦後70年で日本が世界に何を発信するかが重要であり、私はこれからも一次資料を発信していく。」と、一次資料に基づくアメリカの対日心理戦争の源流に関する研究の成果を披露されました。
前衆議院議員 杉田水脈様
前衆議院議員の杉田水脈様は、「本当はどうなのかを知るためには現場を見ることが大切だと考え、先週はバリ島への視察研修旅行に参加し、来月にはジュネーブに行く。1979年に国連で女子差別撤廃条約が採択され、日本では1985年に批准された。この条約はその国の伝統や文化を破壊しても女子差別を撤廃すべしというものである。毎年日本は慰安婦問題と女性の社会進出について国連から勧告を受け、報告書を提出している。慰安婦問題については昨年朝日新聞が捏造を認めて記事を撤回したから、今年は日本からの報告書の内容は変わっていることを期待したが、変わらず謝罪をし、基金を設けて補償しているという内容であった。私は、慰安婦強制連行や性奴隷説は全くの嘘であることを日本国民は理解しているが、国連はまだ信じているのか、ということを意見書として国連に提出しており、来月にはジュネーブで国連と同時に開催されるシンポジウムで意見発表する。」「安倍総理は所信表明演説ですべての女性が輝くことを支援すると言っていたが、政府法案は働く女性の支援しか考えていない。日本は国連と結んだ条約で破棄したものはないが、女子差別撤廃条約は家族の解体に繋がるものであり、破棄すべきである。私は政府法案の対案として、『家庭における子育ておよび介護の支援に関する法案』を昨年作ったが、解散によって日の目を見なかった。しかしこれが先週参議院に提出された。働く女性よりも専業主婦の方が育児ノイローゼになりやすく、専業主婦こそしっかり支援すべきではないかと考える。これからも男性が取り上げにくい問題に女性の立場から取り組んでいきたい。」と、女性の視点から慰安婦問題や女性支援の問題への取り組みについて語られました。
一般社団法人全国学生連携機構代表理事 徳本進之介様
一般社団法人全国学生連携機構代表理事の徳本進之介様は、「確かな歴史観、国家観、人間観を持った人材を育成するため、全国各地で勉強会を開催し、今では500団体、6、500人を組織化している。この団体は『現在版松下村塾』である。これまで数多くの講師の方々に講演していただき、日本の伝統文化を学んできたが、歴史や国家について学ぶ機会がないという問題意識を持っている。8月には5日間の合宿形式で『広島若者会議』を開催し、戦後の原点である占領政策や戦後体制を再考、再検証し、時代を継承し、歴史の教訓を未来に活かすため、『若者談話』を発表しようと計画している。今も戦後の声をインタビューして学生に伝えようと活動しているが、歴史を仕分けし、整理して未来に伝えていきたい。過去と対話し未来に立脚した上で現在を考える、未来志向の取り組みである。」と、学生として歴史に向き合い、次世代のリーダーを育成する取り組みについて語られました。
衆議院議員 自民党広報本部長 馳浩様
衆議院議員で自民党広報本部長の馳浩様は、「本日は金沢で新しい子育て支援制度に関して、経営者として幼児教育はどうあるべきかについて講演してきた。親の働き方によってではなく、より良い幼児教育や保育を安心して受けられる環境を用意していくため新しい制度をスタートさせる。就業前の幼児教育がいかに重要であるか、もっとエネルギーを傾注すべきではないかと考える。」と、幼児教育の重要性について語られました。
第29代航空幕僚長 田母神俊雄様
第29代航空幕僚長の田母神俊雄様は、「安保法制の議論を聞いていると、憲法と法律が整合していないという意見があるが、憲法と国民生活が整合していないと思う。今の憲法では国民生活を守れない。整合性を言うのなら、より大事なのは憲法と国民生活の整合性ではないか。また民主党や共産党が自衛官のリスクが高まるといっているが、それは仕方のないことである。そのかわりに国民のリスクが減るのである。」と、安保法制を巡る議論のおかしさを指摘されました。
最後に塾長より、「メディアが悪い、日教組が悪いと言っても、その先にもっと大きな問題がある。白人社会にとって、日露戦争で日本がここまで善戦するのは想定外であっただろう。現在の問題の背後には宗教的なものがある。異教徒は殺せというのがユダヤ教をはじめとする一神教の考え方であり、それに対して八百万の神の日本はすばらしいと思う。歴史的に最も残虐なことをしてきたのがキリスト教であり、特に酷いのがプロテスタントである。これから日本はイスラムと組むことも必要ではないかと思う。宗教の戦いは長い戦いであり、少なくとも負けてはいけない。そのためにも勝兵塾を続ける意義があると思う。」と、様々な問題の本質が宗教戦争であることを指摘されて、会を締め括られました。