通知表の時期来たる
今年も1学期が終わろうとしています。そろそろ通知表の時期になってまいりました。
通知表といえば、法律には何も定まっていないのに何故か学校側が出している書類として、仕事負担の増加への寄与度が圧倒的に高いラスボス的な存在でございます。
40人学級だった時にはマジで死ぬかと思いました。今でも、1週間近くは朝3時起きで仕事しないと間に合わない。その時ばかりは娯楽を断ちます。
手書きの通知表は時間がかかる。
今の学校は手書きでやれという指示だったので、全部手書きです。
文章だけで、
- 総合的な学習の時間の所見
- 特別活動(係やクラブ、委員会)の所見
- 外国語活動の所見
- 総合所見
の4種類がありました。一人につき4種類です。それぞれは50文字程度から200文字程度ですが、一人につき原稿用紙2枚分ほどの分量を書くというのはなかなか骨が折れます。特に外国語活動。「AETの発音をよく聞き、大きな声で一緒に繰り返すなど、英語に馴れ親しむ様子が見られました。外国と日本の数の言い方の違いに気づき、進んで発声しようとしていました。」みたいに書くわけですが、ぶっちゃけて言えば、例文があって、一人一人に合わせて何種類かを組み合わせて書き記すようになってくるわけです。コピペしたら30分とかからない作業なのに、手書きで書くので一人3分くらい。40人やるとそれだけで2時間です。文章だけでそんなにかかるのに、それ以外にも成績を出し、ABC評価に直し、それを一覧表に入れ込み、スタンプで押していく作業があり、最後の仕上げとして1学期間の出席日数を計算し、数字を書き入れる作業もあります。
最終日が近づくと、修羅場モードに入る作家のようになって参ります。いや、ほんとに計画的に仕事ができないのはダメですよね…。反省しつつも、そもそも勤務時間に終わる内容ではないことは明言できます。
さて、そんな通知表ですが、本年度からとうとう我が市でもめでたく電子化と相成りました。市によってはかなり進んでいて、クラウド化や指導要録との連携など、教員の負担軽減になるようなソフトウェアがたくさん出てきております。昨年度から電子化の噂は聞いていたのでワクワクしていたわけですよ。それなのに。
市教委「教員の負担削減のために通知表を電子化します。Excelで作ってください。はい、これ元のデータね。あとは各校の実態に合わせてそっちで直して。」
この元データがまた、ひどい。
シート数だけで20超え。おびただしい数のVLOOKUPとHLOOKUP。各校の実態に合わなすぎるので、ほぼ作り直しと同じ作業が発生。
例えば、通知表で評価を算出するシートは、
- 一覧表のシートから HLOOKUPで成績を印刷用シートに引っ張ってくる。
- 引っ張った値を、印刷用シートの最下部にある値と照合する。
- 同じだと判定されたら、○をつける。
みたいな処理をしています。
とりあえず1つのシートにまとめたのがこんな感じです。
ところが、学校によっては印刷用シートに入っている観点とは違う観点で評価しているわけで、当然評価の個数も違います。そして、何も考えずに枠を増やすために、最下部の321が消えます。そうすると照合先が無くなって全部エラーを吐きます。また、枠を増やしたところには関数が入ってきません。
まぁそもそもHLOOKUPで呼び出して一旦プールし、更に下の列と照合する意味が分かりませんが。
ダイレクトにHLOOKUPで呼び出した値を判定すれば無駄がないと思うんですがね。何か考えがあるのでしょうか。
まぁ、いずれにしても、各校の実態に合わせて修正しようとして、全く使い物にならないExcelの通知表が完成すると、情報教育担当の私が呼ばれます。1週間ほど前のことです。
「ちょっと悪いんだけどさ、この通知表、きみならどうにかできるよね?チャチャッと直してくれない?」
…嫌ですとは言えずに血の涙をこらえながら、修正作業が始まります。全学年分。
こうして毎日8時過ぎまで通知表と戦いながらやっておりますが、おびただしい量の修正に全然間に合っておりません。今日しか時間が取れないということで、今日、入力に関する説明会を開きました。当然ながら修正は終わっていません。
おばあちゃん先生が言います。
「私たち、パソコン慣れてないから、早めに仕事しないとならないんですよね。まだ終わってないんですか?」
…すみません(心の中で土下座
でも、これって私の仕事なんでしょうかね…。
負担削減のはずの取り組みが、完全に私のみに負担がバッチリかかってきてるんですが…。しかも文句まで言われるという。
でも、ヘコタレナイゾ。
蛇足だと言われても使いやすくするぞ
あのですね、Excelができますよーくらいの人が作ったワークブックってめちゃくちゃ使いづらいんですよね。例えば、今回の場合は最終目標は印刷です。ということは、データの入れ忘れがあってはならないわけです。
なのに、データの入れ忘れをチェックする機構は一切ない。さらには、123以外を表に入れると関数が働かないのに、それ以外の文字も表に入っちゃう。
これはいただけないですよ。何がいただけないって、サポートコストが跳ね上がるわけです。なので、私は後々どうせサポートコストが発生するなら、先に支払った方がいいと考えました。入力忘れのチェック機構(といっても COUNTBLANKを使った簡易的なものですが)と文字の制限、エラーメッセージの活用、来年度を見据えたデータの一元化などを行なっています。名簿のデータや授業日数のデータも全部同じブックに入れるのは非効率です。初期設定用のブックを作って、そこから読み出した方が、来年度は1箇所変えるだけで済みます。
何度も言いますが、これを学級担任やっている立場でやるのは本当はおかしいとは思いますけど。でも、誰かがやらないと通知表が出せないのだから仕方ない。やるからには市内で一番使いやすくするぞ。
そうして、来年度からは時間が短縮できるように頑張ります…。
あー、臨時ボーナスとか出ないもんかねぇ…。