2017.06.27
バクー市街地サーキットでベッテルとハミルトンの2強がついに激突【今宮純の視点】
Jun Imamiya
左側に出て並ぶと手を挙げ抗議。超低速49KMHでフェラーリは右に近寄り、当たった。過去にも『幅寄せ』アクションによって、怒りの抗議意志を相手にぶつけるプレーを何度も目撃している。しかしベッテルは明らかに当たった。まさか彼が20cmワイドに変わった今年、車幅感覚を誤ったとは思えないのだが……。
「危険なドライビング」というより、個人的には「スポーツマンシップに反する行為」がペナルティ対象になるのではと、とっさに直感した。
いままで何度も書いてきたようにこの二人が、トップレベル・マシンで競いあうのは今年初めて。それをハミルトンは好ましいことだと発言し、ベッテルもまんざらでもないとライバル関係をポジティブに受け容れてきた。ふたりは大人で、れっきとした4冠王と3冠王なのだから。しかし、中盤に進みいよいよ「2強対決」が色濃くなるにつれ、きっと、いつか、どこかで、火花散るときがくると思っていた。
それが8戦目アゼルバイジャンGPだった。首位14ポイント・リードだがペナルティポイント最多9点のベッテル、バクーで背負った『十字架』とともにこれからまだ3分の2ある12戦に臨むことになる。