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【栃木】

ライチョウ飼育施設 那須どうぶつ王国を選定

那須どうぶつ王国に到着した卵(那須どうぶつ王国提供)

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 環境省は、国の特別天然記念物「ニホンライチョウ」の人工繁殖事業で、那須町の那須どうぶつ王国を新たに飼育施設に選定したと発表した。

 人工繁殖に取り組む施設は上野動物園(東京都)、大町山岳博物館(長野県)、富山市ファミリーパーク、いしかわ動物園(石川県)と合わせ計五カ所となる。

 上野動物園で飼育している個体が産んだ卵五個を、二十八日に移送した。那須どうぶつ王国は、近縁の「スバールバルライチョウ」の繁殖に取り組んできた実績がある。

 絶滅危惧種のニホンライチョウの卵は、那須どうぶつ王国のスタッフが上野動物園に出向いて、温度や湿度、振動に細心の注意を払いながら車で運んだ。王国の佐藤哲也園長は「自然からの大事な授かりもの。無事に着いて安堵(あんど)した。一丸となって取り組みます」と決意を語った。

 王国によると、卵は長径四・一〜四・三センチ、短径三・二センチ。五〜十二日に生まれた五個で、七月四日前後を皮切りに、同月上旬には全てがふ化する見通し。

 スバールバルライチョウと同じ施設「保全の森」で、温度などを一定に保つ装置に入れて育てる。飼育はスバールバルライチョウを担当する二人と獣医師一人、佐藤園長の計四人だけが関わる。

 王国は一昨年からスバールバルライチョウを飼育し、これまでに四羽の繁殖に成功。ニホンライチョウの受け入れに向けて経験を積んできた。

 佐藤園長は「ふ化、育成、繁殖のどの段階も難しい。慎重に一丸となって達成していきたい。生息域外でしっかり管理するノウハウを蓄積し、利用できるようにしたい」と話した。

 ニホンライチョウは防疫上の問題などから一般公開する予定はないが、来園者にどのように情報発信できるか考えていくという。 (高橋淳)

 

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