仏具としてのりんの意味
お仏壇や仏具のことがわからなくても、りんと言う仏具は誰しもが見たことあると思います。
大抵はチーンと鳴らすやつで表現されます。
まだ幼い頃に訳もなく鳴らして怒られた方も居られるかと(笑)
諸説ありますがリンの「チーン」という音によって人々の邪念を振り払い、その音にのせて極楽浄土に祈りを届けると言われています。
仏具としてのりんの種類
宗派によっては鈴や鐘など呼び名が変わる場合も有ります。
しかし庶民に分かり易い様に仏壇屋さんやネット上では、すずと間違わない様に「りん」や「リン」とひらがな、カタカナで表記される事が多いようです。
普及型りん
高級型りん
最高級りん
最高級のリンで音色だけでなくおりん本体も非常に丁寧に職人の手で造られており風格が違います。透きとおった重厚な音といつまでも消えない余韻が沙張りんの品格を表しています。
大徳寺りん
鋳物の大徳寺りん、その落ち着いた色合いとやさしい音が心に染み渡ります。鋳物のおりんで、肉厚で色落ちしにくいのが特徴です。挽き物のおりんとはひと味違ったやさしい音を奏でます
高台りん
りん本体とりん台までが一体になったおりんです。
スッキリと余分なお飾りをお置きたくない時に、お仏壇周りをシンプルにしたいときにお勧めです。
仏具としての一般的な使用法
仏前で手を合わせる前にチーンと鳴らし、澄み渡った音を出す仏具です。
作りは殆どが金属製で鈴形になります。
昔からよく見るタイプのオーソドックスなものから、見ただけではリンと判別できないデザインにこだわったものまで多種多様になって来ています。
仏壇用の仏具としては
お仏壇のサイズに合わせてリンのサイズを選び、多くが7cmから15cmほどのリンが主流となります。
リン台やリン座布団とリン棒のセットが一般的です。
一般家庭では
リンとはお椀の形をした鈴の部分だけを言いますので、リンそのものだけでは役割を果たしません。
そのため、専用のリンを鳴らす棒状の様なものが有ります。
いわゆるりん棒と呼ばれる仏具を使って鳴らすのが一般的です。
又おりんそのものを仏壇の上に置くのではなく、その間にリン台と呼ばれる台を置くのが一般的です。
更に、リンとリン台の間に、傷を付けたりしないようにクッションの役割をするリン布団と呼ばれる中敷きを敷いて使われます。
リン布団
金襴製のりん布団で比較的落ち着いたシックな色目の「りん布団 飛鳥」です。
4.5寸の【木魚】【木鉦】ですと、布団がやや大きめですが、これぐらいの大きさのほうが安定感があります。
5寸の【木魚】【木鉦】ですと、ちょうど良いサイズです。
丸布団は房のあります面が上面です。
リン棒
一般的な買い方
多くの仏壇屋さんでもリン、リン布団、リン棒のセットで販売されている事がほとんどで、買い換えなどで一つだけと言うケースは少ないです。
そもそものリンの役割とは
もとはリンと言うものは禅宗に於いて使われていたとされています。
あらゆる宗派で使われている
正式にはリンは読経の際に使われます。
宗派によって鳴らし方、鳴らす回数、鳴らすタイミングに違いは有りますが現代に於いても幅広く使われています。
鳴らし方の違い
実際には経本を読む際に鳴らしますが、リンを鳴らす箇所がしっかりと指示されており、始まりや区切りにリンを鳴らします。
宗派によって始めに2回、途中1回、最後に3回と言った場合もあれば、始めに2回、途中で2回、最後に3回と言った場合も有ります。
場合によっては先ほど述べたのと真逆の読経をしなくても鳴らすとしている宗派もあるそうです。
まとめ
今では呼び名は宗派によって一部変わったりすることが有りますが全ての宗派で現在でも使われています。
鳴らせば澄み渡る「ちーん」という音が鳴りますが、この音によって人々の邪念を振り払うとも言われています。
更には、この音にのせて供養や祈りを極楽浄土に届けると言った事も言われておりますのでご先祖様や仏様、故人への思いをしっかり込めて鳴らすようにしたいものです。
幼い頃に祖父母の家などで音が面白くてチーンチーンと鳴らして怒られたのも上記のような意味があるからです。
リンは無闇矢鱈に鳴らすものではないのです。
よく法事や法要などで線香を立ててリンを鳴らしてお仏壇に手を合わせてお祈りすると言った場面は一般的に思うかもしれませんが、実はこれは正式に見てみると間違った作法となります。
厳密に言えば、リンは読経の際に使われます。
そのため、合掌や礼拝、ご焼香の際に鳴らすものでは有りません。
リンはそれ自体どこを打っても音が鳴ります。
そのため、適当に打って鳴らせば良いと考えている人もいますが、しっかりと鳴らし方というものも存在します。
鳴らす場所としては、リンの縁を叩いて鳴らしますが、宗派によっては内側を叩くという宗派も有ります。
読経の始まりや途中、終わりに鳴らされますが、読経が無い場合には鳴らさなくても問題はなく、必ずしも鳴らさなければいけないといったような事は有りません。
とはいえこのあたりは厳密に宗派によって変わってきますし、同じ宗派だとしてもお寺によっても変わってきます。
ですから鳴らし方、鳴らす回数、鳴らすタイミングなどは檀家寺に相談しておくと良いかもしれません。
それでも大切なのはどういう鳴らし方とかではなくしっかりと手を合わせて心がこもった毎日のお参りではなかろうかと私は思います。