エヌビディア、「説明できるAI」へ向けた一歩を踏み出す
機械学習のAIシステムは多くの場合、どのような判断に基づいて結論を導き出したのかを説明できない。信頼のおけないテクノロジーを、医学や金融、軍事などの重要な分野に適用してよいのだろうか。 by Will Knight2017.06.29
半導体チップ・メーカーのエヌビディア(Nvidia)は、どのような仕組みで動いているのかがわかる自動運転の人工知能(AI)システムを開発している。
最近のカバーストーリー、「人類に残された、AIを信用しない、使わない、という選択肢」で説明したように、最も強力な機械学習手法で作られたソフトウェアは、多くの場合、なぜそう判断したのかを本質的に説明できず、開発したエンジニア自身にさえもわからない。AIは今後、医学から製造業にいたるまであらゆる分野に革命的な変化をもたらす可能性のあるテクノロジーだ。AIがどのような仕組みで動いているのかを調べる取り組みは、テクノロジーの信頼を築き上げるという点で非常に重要になるだろう。
エヌビディアが提供する半導体チップは深層学習に適しており、とりわけ強力な機械学習手法に最適だ。(「10 Breakthrough Technologies 2013: Deep Learning」参照)。
エヌビディアは、自動車メーカーが深層学習を自律運転にどのように適用できるのかを実証するためのシステムも開発している。このシステムには、深層学習のアルゴリズムだけで制御する自動車も含まれている。驚くことに、この自動車のコンピューターには、運転を制御するためのルールが一切与えられていない。複数のビデオカメラや人間のドライバーの行動などの入力情報に基づいて、どう運転すべきかを自動的に判断する。唯一の難点は、システムが複雑すぎるので、実際にどういう仕組みで動 …