■ 不人気な解説者の1人に挙げられることが多い。 黄金時代の鹿島で守備の要として活躍したDF秋田豊氏は1998年のフランスW杯のときはレギュラーのCBとしてプレー。2002年の日韓W杯のときは直前まで全く代表候補に名前が挙がっていなかったがサプライズ招集されると精神的な支柱としてチームを支えた。結局、日韓W杯のときは出場機会は巡ってこなかったが同じようにサプライズ招集されたFW中山とともに「ベスト16入りの陰の功労者」と言われている。
現役を引退した後は京都と町田で監督を任されたが思うような成績を残すことはできなかった。現在は解説者として活動しているが率直に言うと評判はあまり良くない。スカパーあるいはDAZNのサッカー中継(あるい配信)で登場する機会が多い解説者であるが「苦手な解説者の1人」に秋田豊さんの名前を挙げる人は非常に多い。Jリーグの監督として結果を残せなかったことが「説得力」を奪っている点は否めない。
特に古巣の鹿島の試合の解説を担当した時の評判がすこぶる良くない。もちろん、クラブのOBであり、愛着のあるクラブだと思うので「ある程度のひいき」は仕方がないことだと思うが、「度が過ぎている点」を指摘する人は多い。「鹿島戦のときは鹿島の選手のことしか話さない。」という苦情が出ていることは本人にも伝わっていると思うが基本的なスタンスは変わらない。秋田さんにストレスを感じている人は多い。
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■ 「偏り過ぎている。」と理由で不評 6月17日(土)に行われたJ1の15節の鹿島 vs 札幌は3対0で鹿島が勝利した。前半だけで3ゴールを奪った鹿島が完勝。大岩監督にとってはホーム初采配の試合だったが無事に白星スタートを切った。後半はアウェイの札幌が攻め込んだので「鹿島は14節の広島戦(A)に続いて後半の戦い方に課題を残した。」と言えるがそれでも完封勝利。GKクォン・スンテに代わってゴールを守ったGK曽ヶ端の頑張りも目立った。
この試合の解説を担当したのは秋田豊さんだったが0対3と大敗したことも絡んで札幌のサポーターは秋田豊さんの解説に大きなストレスを感じたようだ。ネット上では批判的な意見が続出している。「鹿島の話ばかり。」、「札幌の話はほとんどなかった。」、「さすがに偏り過ぎているのでは?」などなど・・・。怒りを露にしている札幌サポーターが多かったので試しに「どんな具合だったのか?」を調べてみた。
まず最初に着目したのは「両チームの選手ならびに監督の名前をどのくらい呼んでいるのか?」である。ストレートに名前を呼んでいる回数だけでなく代名詞(彼あるいは彼ら)で呼んだ回数もカウントしているが、表1のような結果になった。試合中に活躍した選手の名前が沢山呼ばれるのは当然の話。最多は2アシストを記録したMF中村充(鹿島)で18回。京都時代は監督と選手という間柄だったのでつながりは深い。
表1. 試合中に秋田豊さんが名前を呼んだ回数
順位 名前 所属 回数 1 中村充孝 鹿島アントラーズ 18 2 都倉賢 コンサドーレ札幌 17 3 大岩監督 鹿島アントラーズ 11 3 レアンドロ 鹿島アントラーズ 11 5 昌子源 鹿島アントラーズ 10 6 三竿健斗 鹿島アントラーズ 9 7 ペドロ・ジュニオール 鹿島アントラーズ 8 8 福森晃斗 コンサドーレ札幌 7 8 河合竜二 コンサドーレ札幌 7 8 永木亮太 鹿島アントラーズ 7 11 ジュリーニョ コンサドーレ札幌 6 11 植田直通 鹿島アントラーズ 6 13 西大伍 鹿島アントラーズ 5 14 曽ヶ端準 鹿島アントラーズ 4 14 小笠原満男 鹿島アントラーズ 4 16 山本脩斗 鹿島アントラーズ 3 17 四方田監督 コンサドーレ札幌 2 17 荒野拓馬 コンサドーレ札幌 2 17 小野伸二 コンサドーレ札幌 2 17 宮澤裕樹 コンサドーレ札幌 2 17 金園英学 コンサドーレ札幌 2 17 金園英学 コンサドーレ札幌 2 17 土居聖真 鹿島アントラーズ 2 17 石井監督 鹿島アントラーズ 2 17 ズィーコ 鹿島アントラーズ 2 26 兵藤慎剛 コンサドーレ札幌 1 26 早坂良太 コンサドーレ札幌 1 26 マセード コンサドーレ札幌 1 26 岡田武史 コンサドーレ札幌 1 26 遠藤康 鹿島アントラーズ 1 26 クォン・スンテ 鹿島アントラーズ 1 26 レオナルド 鹿島アントラーズ 1 26 ジョルジーニョ 鹿島アントラーズ 1 26 ビスマルク 鹿島アントラーズ 1 - ク・ソンユン コンサドーレ札幌 0 - 菅大輝 コンサドーレ札幌 0
■ 「名前を呼んだ回数」はギリギリで許容範囲内 2位はFW都倉(札幌)で17回、3位は大岩監督(鹿島)とMFレアンドロ(鹿島)で11回だった。5位はDF昌子(鹿島)で10回、6位はMF三竿健(鹿島)で9回、7位はFWペドロ・ジュニオール(鹿島)で8回と続いていくので、FW都倉(札幌)以外は全て鹿島関係者ばかり。クラブ別の回数をカウントすると鹿島関係者の名前を呼んだ回数は107回、札幌関係者の名前を呼んだのは53回。ほぼ2倍なので偏りは確かにある。
札幌関係者の中ではFW都倉(札幌)、DF福森晃(札幌)、DF河合(札幌)、FWジュリーニョ(札幌)の4人についてはそれなりに名前が呼ばれているが、それ以外の選手(監督・関係者を含む)は全て2回以下となる。フル出場で何度も好セーブを見せたGKク・ソンユンや後半から途中出場したMF菅大輝については1度も名前が呼ばれていない。「途中出場した選手に全く言及しない。」というのはかなり珍しいのではないか。
ただし、「鹿島が3対0で大勝した試合であること」、「鹿島のホームゲームであること」、「目立った選手は明らかに鹿島側に多かったこと」の3つの理由から「鹿島:107回、札幌:53回」という言及回数は「ギリギリで許容範囲内」だと思う。一方、「試合中にどんな話題に触れたのか?」も調べてみたが、これは許容範囲を超えている。『著しく偏った解説だった。』と言えるが話の続きは(後編)で述べたいと思う。
表2. クラブ別の関係者が名前を呼ばれた回数 (選手・監督・OBなど)
クラブ名 回数 鹿島アントラーズ 107回 コンサドーレ札幌 53回
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