「世界一固いアイス」におもちゃメーカーが立ち向かう!

あの「あずきバー」を削れる専用かき氷器が誕生!! 開発秘話が泣ける…

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バー状アイスをシャリフワかき氷にするクッキングトイ。ただし…

アイス界の中でも、片手で手軽に食べられることで人気を博している「バーアイス」。それをシャリシャリ削ってフワフワかき氷に仕上げ、一風変わった楽しみ方でいただくクッキングトイがあるそうです。

ワクワクしながら詳細を追ってみますと…

「世界一固い」と評判のあのアイス専用

取り寄せてみました、「おかしなかき氷 井村屋あずきバー」です

取り寄せてみました、「おかしなかき氷 井村屋あずきバー」です

おおお? この特徴的なエンジ色のパッケージは…! そう、「バーアイスをかき氷に」するだけではパンチが足らなかったのか、「井村屋 あずきバー」を名指しで指定してきました。
メーカーはタカラトミーアーツさん。なかなか挑戦的なことをなさいます。

世界一固いアイスを削ってやろうとは。まさにチャレンジャー

世界一固いアイスを削ってやろうとは。まさにチャレンジャー

パッケージにでかでかと書かれた「世界一固いアイス!? を削って新しい食感を体感しよう!!」というキャッチに嫌でも目が吸いよせられますね。
そう、井村屋さんちのあずきバーは、一部界隈で「世界一固いアイス」と騒がれる鋼のアイスなんです。ちなみに私は幼少期にコレを食べて、まだグラグラしかけだった乳歯2本と一気にお別れした過去があります。もはやちょっとしたトラウマです。

箱の側面には固さの理由が書かれていました。なるほど…おいしさを突き詰めた結果だったのか

箱の側面には固さの理由が書かれていました。なるほど…おいしさを突き詰めた結果だったのか

開発工程が『プロジェクトX』並みにドラマチックだった

「アイスで釘が打てるんです。そう、あずきバーならね」だとか、「アイス界のダイヤモンド」だとか、数ある名言(非公式)を生み出してきたこのあずきバー。
これを削るなんて、一筋縄ではいかなかったのでは…などと思っていましたら、公式サイトに血のにじむような開発工程が紹介されていました。

試作品画像提供:タカラトミーアーツ(以下同)

試作品画像提供:タカラトミーアーツ(以下同)

第1号機「強力バネタイプ」
わーそっけない! 見た目にも楽しいクッキングトイの世界ですが、試作品の段階ではこんなシンプルな外観なんですね。この万力のような1号機は、あずきバーのセットが2人がかりでないとできず、しかも半分くらいしか削れないということで早々にボツになったそうです。

第2号機「上ハンドルタイプ」
様子が変わった2号機は、あずきバーセッティングの手間が大幅軽減。あずきバーをストッパーでガッチリ固定しつつ、ハンドルで刃を回して削り取る方式…だったのですが、なんとプレゼン中に井村屋担当者の目の前でハンドルが折れちゃったそうです。クッキングトイの有用性よりも、あずきバーの固さのほうを証明するプレゼンになっちゃいましたね。

第3号機「サイドハンドルタイプ」
負けない。めげない。タカラトミーアーツ。「リベンジじゃ!」とばかりに開発された3号機は、ハンドルへの負荷を軽減する仕様でしたが、その結果ハンドルにかかるはずのパワーが使用者にかかり、ハンドルを回すことがほとんどできなかったそうな。

第4号機「頑丈&三枚刃タイプ」
4号機です。そろそろ資料を読んでる私の脳内では、中島みゆきさんの『地上の星』が流れ始めてます。「一度の回転でたくさんのあずきバーを削り、ハンドルを回す回数を少なく済むようにしよう」という狙いで、あずきバーを削る刃を3枚に増やしたところ…ただでさえ重いハンドルがさらに重くなっただけ、という結果に。

第5号機「スティック引き抜きタイプ」
ここで視点を変える開発担当者。あずきバーを削る際の抵抗の一因となっていた「スティック」に目を付け、これを抜いたうえで削るギミックを考え始めました。一部からは「削るのも一大事なのに、スティックを抜くなんて無理なんじゃ?」という声もあがるものの、それまでの着眼点ではもう行き詰まっていたこともあり、「スティック引き抜きパーツ班」と「スティックなしあずきバー削り器班」に分かれて開発を続行することに。

いやはや、すごいぞタカラトミーアーツ。いったいなにと戦っているんだタカラトミーアーツ。でも、この超ピンポイントなテーマに複数人が一丸となって取り組む姿、隊員Kは大好きです。自分が飽き性で諦めの早い性質なので、正直なところ本気で尊敬します。

そしてついに完成へ…

ようやく完成した試作機第6号。これをもとに最終的な商品が作られていく

ようやく完成した試作機第6号。これをもとに最終的な商品が作られていく

5回にわたる失敗を経て、ついに完成したのが第6号機「スティック引き抜き金属刃タイプ」だそうです。
井村屋の人もすごく感動したんじゃないかしら。もし私が担当者だったらめっちゃ拍手すると思います。

ストッパー部分には「あずきバー」と書かれたのれんが

ストッパー部分には「あずきバー」と書かれたのれんが

本体のほかに小さなパーツがついてます。これが通称「抜けるんバー」。スティック引き抜き装置です

本体のほかに小さなパーツが付いてます。これが通称「抜けるんバー」。スティック引き抜き装置です

いやはや…。開発秘話を見てから本体を見直すと静かな感動がありますね。

それでは「あずきバー」を削ってみます

正直ここまで読んだだけでも満足感があるのですが、やっぱりクッキングトイは使わなきゃ始まらない。というわけで、記事も後半に差し掛かりましたが、いよいよこいつを使って「あずきバーかき氷」を作ってみましょうぞ。

買っておきました、あずきバーです

買っておきました、あずきバーです

というわけで用意しましたのは箱入りあずきバー。1本で売られているタイプは箱入りタイプよりひと回り大きく、このクッキングトイでは使えませんのでご注意くださいね。

ん〜〜〜懐かしい。固さもまた懐かしい

ん〜〜〜懐かしい。固さもまた懐かしい

冷凍庫から出したばかりで、ほんとにカチコチです。ではでは…やってみましょう…。

まずはスティックを抜く! 序盤、固さよりもパーツの使い方で四苦八苦してます

ふおお、手で引っ張っただけではビクともしなかったあずきバーのスティックが、付属の「抜けるんバー」を使うとスルスルと抜けました。すごい。力、全然要らない。ここまでは超順調です。

さて…

さて…

お次はいよいよ本番…。スティックの抜けたあずきバーをそのまま削っていきます。

いざ!!!

削れた〜〜〜〜〜〜!!! 時折「ガッ」と音を立ててあずきの部分が存在感を主張するものの、全体としてスルスルと削れてます。ほんとに5回も失敗したんですか? ってくらい、めっちゃ滑らかな削り心地です!

あっという間に出来上がりました、あずき氷です!

あっという間に出来上がりました、あずき氷です!

おいしい〜! フワフワだ! 歯に自信がない方でも安心!
というわけで、特集番組が1本できそうなほど壮大な制作秘話を持つ「おかしなかき氷 井村屋あずきバー」。開発者の苦労のかいあってすごく有用なクッキングトイに仕上がってると思います! 練習含めて何本か削りましたがあずきバーはあと数本あるので、久しぶりにそのまま食べたりもしつつ、もう数本は削った状態で楽しもうと思います!

アレンジレシピもいろいろ。牛乳を入れたあずきシェイクが個人的ヒットでした

アレンジレシピもいろいろ。牛乳を入れたあずきシェイクが個人的ヒットでした

調査隊員Kでした〜!

いいモノ調査隊員K

いいモノ調査隊員K

「音楽とゲームとおいしいご飯があれば大体しあわせ」な編集ライター。インテリア、キッチン、雑貨方面を中心にいいモノをご紹介していきます。人間♂と猫♂と共同生活中。

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2017.6.29 更新
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