斉藤犬子のスロウな日々

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育児日記とゆるく生きるためのアレコレ

夫が家事育児をしないデメリットを考えてみた

こんにちは、斉藤犬子です。

ゆるく生きたい。をテーマにしているのですが最近どうもイライラします。

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実生活でイライラしているのではなく、育児関連のニュースやSNSを見てイライラモヤモヤが溜まる。イライラするなら見なきゃいいのにね。でも育児中だから見ちゃうんです…。

こちらの記事を読んでしまってから、ついにイライラがピークに達してしまいました。 〈パパって楽しい〉杉村太蔵さん「オムツを替えたことがない私は育児をしていないのか」 - 朝日新聞デジタル&M

夫婦の役割分担

記事によると杉村氏は「家事を全くやらない」「オムツを替えたことがない」そうです。奥さまにも亭主関白と言われているとか。確かに亭主関白ですよね、ひと昔前の父親という感じで。

杉村氏の意見に賛成の方も多いと思います。「夫は仕事、妻は家事」と役割を明確にした方が責任の所在が明らかになりますし、お互いはっきりとした目標に向かって頑張れるという利点があります。お互い口出しされず自由にしたい夫婦にはぴったりかもしれません。

でも各家庭に合った形があると思う。杉村家は「パパは仕事に集中、ママは家のことをがんばる」という分担で幸せなんです。

でも、「夫は仕事、妻は家事」とスッパリ分担してしまうと弊害があると思うのです。

夫が家事育児をしないデメリット

夫が家事育児をしないデメリットで一番に挙げられがちなのは妻側の負担です。

出産後は専業主婦だから家事育児全般をしてきたけれど、仕事に復帰しても夫が分担してくれないとか協力しても妻側の負担が多すぎる話はよく聞きます。これに関しては夫婦がきちんと話し合ってお互い納得できる形で分担するしかないと思います。

では、専業主婦で家事育児を全て引き受けても負担に感じない妻なら問題ないでしょうか? 妻は問題なくても、子どもはどう感じるでしょうか。

わたしは、夫が家事育児をしないデメリットの一番は子どもへの悪影響だと思います。

仕事一筋の父親を見て育った

わたしの父親も仕事一筋の亭主関白でした。

食べ終わった食器は食卓に置いたままで洗い物はしません。服や靴下はそのへんに脱ぎ捨て、母が拾って洗濯機に入れます。もちろん掃除もしません。とにかく仕事に行くだけで、家ではテレビを見てゴロゴロ、何もしません。母が重い荷物を持っていても無視、手伝いません。完全に家事は母の仕事と割り切って何もしないのです。

育児も母に任せきりでした。幼少期は公園や遊園地に連れて行ってもらいましたが、それだけで基本的にわたしたち子どもと一緒に過ごしませんし話も聞きません。

成績に関しては母にはうるさく言われましたが父は口出ししませんでした。教育も母の役目というスタンスです。大人になってから知ったのですが、母が勉強のことをうるさく言っていたのは育児を任せられているのに子どもの成績が悪かったら父に責められるだろう…というプレッシャーのせいでした。

その他、父の母に対する言動はモラハラそのものでした。子どもだったわたしはモラハラという言葉を知りませんでしたが、成長するにつれ父に対する嫌悪感をつのらせて行きました。

下にいる妹と弟も同じです。家の中で苦労する母の姿を見て育ったので、何かあると父は悪者だと思うようになりました。お金を稼いで家族を養ってくれるのは感謝しているけれど、だからと言って家族にモラハラをして許されるのだろうか? 母は家政婦じゃないんだぞ!という具合に。

こうしてわたしたちは父親を信頼しなくなりました。父は自分が信頼されていないなんて微塵も感じていなかったでしょう。子どものことは母に任せているから大丈夫だと思いこんで、円満な家庭を築けていると勘違いしていました。わたしたちは日常のことを父に話さないどころか、進学や就職などの大切な相談すら父にしなくなったのです。

母の我慢も限界を超えた

母は父のモラハラに耐え続けました。やはり「男は仕事、女は家庭」という考えに縛られ、夫の仕事を支えることが自分の役目だと思いこんでいたからです。

そんな母がパートに行きたいと言ったのはわたしが中学2年生のときでした。生活費は足りているけれど、自分で稼いだお金で好きなことにつかいたいと思ったそうです。

働き出した母はだんだん強くなって行きました。専業主婦だったころは父の言いなりでしたが、父が靴下を脱ぎ捨てていたら「ちゃんと洗濯機に入れて」と注意したり、父に自立した振る舞いを要求するようになりました。

母が一番変わったのは、弟の問題があってからでした。弟は難関大学に入学したにも関わらず大学に通わなくなり、留年してしまいました。そのとき父は母に「誰に似てこうなったんだ」と言ったそうです。もちろん母は激怒。常に弟のことを気にかけていましたが、自分の説得だけでは不十分だと父にも相談していました。なのに父は一度も弟と向き合って話をすることなく、弟が大学を辞めると言ったとき初めて弟と対話したのです。

前述の通り、昔から育児をしなかったことで弟も父を信頼していませんでしたから話し合いにすらなりません。仲裁に入っていた母も「わたしの育て方が悪かったんだ」と父の一言のせいで激しく落ち込んでいました。結局、当時実家を離れて東京で働いていたわたしが仲裁に入らなければ収まりませんでした。どうしてわたしが仲裁しなきゃいけないの?一家の長がちゃんとしろよ!と思いますよね。

それから無事弟が就職し、わたしたちきょうだいが全員自立すると母は我慢することをやめました。父が定年退職したこともあり、父の理不尽な言動と闘うことにしたのです。

若いころは「夫を支えるのが妻の役目!」と思って頑張れても、月日が経ち環境や状況が変わると我慢できなくなることがある。母がいい例です。

おわりに

経験上、夫が家事育児をしないデメリットは子どもへ悪影響を与え、子どもの信頼を失うことにあると考えます。

子どもにどう思われてもいいから家事育児はしない!という方はどうぞご自由に…それこそ家庭それぞれなので詳しく事情を知らないわたしが口出しすることではありませんし、わたしが知らないだけで家族が仲良くやっていける方法はたくさんあると思います。

ただ、わたしの父が少しでも母を気遣って家事を助けている姿を見ていれば、進学で悩んでいるときに相談できたなら、こんなにも父を嫌うことはなかったでしょう。色々文句を書きましたが、根は優しくて家族思いの良い人間なのです。空気を読むのが苦手なのも知っています。

それでも、わたしは父が仕事ばかりしている影で辛い思いをしている母の姿ばかり見てきました。もう少し母に歩み寄ってくれていたら…と父を恨みに思う気持ちは簡単には消せません。父が家事育児をしない姿は、子どものわたしにとっては母を苦しめる悪者にしか見えませんでした。わたしは母が一方的に我慢したり父と喧嘩をするところではなく、両親が協力し支え合いながら生活する姿を見たかったのです。

今、父と母は毎日喧嘩をしながら暮らしています。そのおかげで父は変わりました。母が忙しいときはお風呂を洗ってお米を炊けるようになりました。喧嘩をしながらも、2人で老後を暮らしていくため、ようやく協力しあえるスタート地点に立ったのです。母は少しずつ変わってきた父を見て「もっと早くお父さんに主張すれば良かった」と言って、今まで我慢していたことを後悔しています。

わたしたち夫婦も子どものために仲良くいたいし、助けあって生きている姿を見せたいです。

子どもが父親を信頼できるよう、夫には仕事だけでなく育児にも関わってもらいたい、その初めの一歩がオムツ替えです。ペットも赤ちゃんも眺めて愛でるだけなら簡単で、排泄物の世話までして一人前。オムツ替えしたことりません!なんて堂々と言うのは、父親として恥ずかしいことだと思ってしまいます。せめて仕事が休みの日くらいはお父さんがオムツ替えをして赤ちゃんの体調を知るといいんじゃないかな、と。

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